得票数 | 部門賞 | 出題者 | タイトル | 推薦者 | 推薦文 |
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9 | 伏線・洗練さ部門賞 トリック部門賞 水平思考の例題として最適部門賞 | kinnsada | きずなの糸 | 第四アルカ騎士団 | この問題に関しては、特定の部門を絞ることが困難です。科学的根拠に抗うという、様々な想像を巡らさせられる問題のチャーム。問題文の言葉の使い方というトリック要素。思わず表情が変わる(どう変わるのかは伏せますが)解説の内容という物語要素。そしてその解説の背景によってより強まる納得感。更に、解説を把握したうえで再びタイトルを見て…様々な要素を併せ持った良問です。既に「ヨウ素液問題」として評価されていますが、ラテシンオブザイヤーへ推薦するに相応と感じます。 |
7 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート 納得感部門賞 | az | 盗作疑惑 | SoMR | この問題が何故評価されるべきかと言うと,それは普遍的価値を持つ問題だからである.地球上のどの地域でも,国や人種,宗教,年齢,性別一切無関係に,誰に出しても通用する.ひょっとすると,宇宙人に対しても成立するかもしれない.そしてきっと,時代にも依らず,未来永劫価値を持ち続けるだろう.これは素晴らしい事である!そして,意外とそのような問題は数が多いわけではない.だからこの問題は偉い!仮にこの問題が「誰がどの時代に作ったのか分からないけれど,世界中で知られた古典的パズル問題」と紹介されたとしても誰も疑わないだろう.その位この問題は何も余計な飾り付けがされておらず,まるで長い時代を経て多くの人々の間を口伝えに伝わっていき,今,パズルとしての本質部分のみがむき出しになっている状態である,というような印象を受ける.誤解を恐れずに言えば,本当なら私はあえて,「この題材」に対する「問題文・解説・進行の巧みさ」という点についてはここで一切言及したくない.この問題の価値はむしろ,この題材を誰がどうやって,どういう状況で出題しても面白い,という所にあるのではないか.小学生や,のび太,または私のような下手くそが,この問題を聞き,それを友達に出題する際に5秒で考えた問題文でも多分面白くなる.そう思えるのは,問題の核の部分が本当に本質的に面白いからなのだろう.ラテシンは20000問以上の問題を有するが,それでもなお,まだまだ素材の味で勝負できる問題は生み出せるのだ.その上,それだけで価値のあるその最高級の素材を,最高級の味付けで仕上げたのがこの問題である.これはもう,素晴らしくない訳がない.100年後,200年後も面白いだろうこの問題をノミネート. |
7 | 主演男優賞部門賞 物語部門賞 | letitia | 殉教者 | かもめの水平さん | 人の思いというものは、未知に溢れていて、だからこそ美しい可能性に溢れている 私は、いや、私だからこそ、letitia氏の持つ、その思いの美しさに感嘆せずにはいられなかった あなたならば、どのような選択をしただろうか?是非この問題を読み教えて欲しい |
6 | トリック部門賞ノミネート | QQS | Cさんの定例報告 | 第四アルカ騎士団 | この問題を部門に当てはめるなら「表現・叙述」或いは「言葉遊び」あたりになるのでしょうか。問題文を一見すると、最終的には「理由」を問うタイプの問題に見えるでしょう。或いは、「共通の目標」を解き明かすことが目的の問題に見えるかもしれません。ところが実際の問いは、問題文に書かれた「一体どういうことだろう?」そのものなのです。ここが「一体なぜだろう?」や「目標とは何だろう?」と書かれていたならば、これほどの良問にはなり得なかったでしょう。抽象的表現を多用するスープは、その代償としてチャームを犠牲にします。しかしこの問題の場合は、それをも補えるほどの叙述表現によってその代償の重さを感じさせません。「このような上手な表現でスープを作りたい」間違いなく、私の問題作成の指針の礎にある問題です。 |
5 | 物語部門賞ノミネート | 牛削り | その問題を解いたなら | ゴトーレーベル | 毎年出足がそれほどよくないオブザイヤー。「イイ!」と思ったなら「自分なんかが」とかの遠慮なしにすぐに推薦するのが吉だ!そおれ!モタモタしてるとおじさんが先に推薦しちゃうぞ!推薦のコツは、「私がいろいろ言うまでもない。読めば作品が物語ってくれるだろう」とか、そういう便利な言い回しを憶えることだ!さあ、みんなすぐにレッツ推薦!さて。一言申し上げますと、これ、「ウミガメにもできるんじゃないかな?」というのが第一感でした。しかし「ベストの形式を追求する」という作者の姿勢が表現されている作品だと思います。それが結果的に「ラテシン初の扉凄イイネ」という結果になったのでしょう。さあ!みんなすぐに推薦!そしてみんな一緒に、「にーーー!」 |
5 | 主演男優賞部門賞ノミネート | 水上 | ハンドメイドボックス | letitia | 昨年を代表する一問を推薦します。みなさん悔しがってください。 問題文と解説を見比べてみると、ただ勝手に読むほうが勘違いしていただけで、別に騙そうとするような意図はどこにも感じられないんです。とにかく洗練されています。一文目と二文目の行間にひそむトリックは、トリックと呼ぶべきか迷うような、あまりにも自然な表現です。 語句の一つ一つに、その表現がベストであるという確固たる理由があることがわかります。「だから○○なのか!」となるところが5箇所くらいあります。 アンフェアにならず、しかし簡単には解けない難易度調整は、出題者全員の永遠の課題だと思います。当問題において徹底されている、「騙すため」ではなく「解かせる」ための、真実への道筋としての言葉選びはとても真摯で、時間をかけて作った自信作でなければこうはならないはずです。(と、勝手に思っています。) 問題文だけで、もうこれ以上ないほどの完成度なのですが、私がこの問題が間違いなく2016年を代表する、オブザイヤーにふさわしい問題だと確信するのは、その解説にあります。解説終盤に、問題文とは関係ない叙述トリックがさらっと混ぜ込まれているのですが、これがもう、私だったら絶対これで一問作っちゃう質の高いトリックなのに、「解説でも楽しませる」ために惜しげも無く使われているのです。 まだこの問題を知らないかたがもしいらっしゃったら、問題文と解説をみた後に、ぜひ正解がでたあとの雑談チャットも見てみてください。実に5回も「よかった」というコメントがあります。解説を読んで、まず一番に「ああ、よかったなあ」という素直な感想が出てくるのは、上述したトリックあってこそ。水上さんが、一問の問題に込めるエネルギーは果てしない。こんなに完璧な問題文に、完璧を上回る贅沢な解説がつくことを、「理想」だとか「目標」だとかは言えないのですが、この問題に、そしてこの問題を生み出す水上さんに、敬意を払わずにはおれません。 |
5 | 主演男優賞部門賞ノミネート | 春雨 | 横恋慕 | かもめの水平さん | あえて多くは語るまい 是非この問題に触れ あなたも己の持つ先入観に対して、ほぞをかむ思いをして欲しい |
5 | 納得感部門賞ノミネート | letitia | クールガイカメオ | koto | 一見すると、いけすかないアイドルカメオと冷たくされてもファンであり続けるけなげなカメコといった図が思い浮かぶ問題文。しかし、その真実は・・・?言葉の使い方、ヴェールの覆い方が本当に上手い!これは騙されましたし、カメオにも惚れました!解答を見たあとでは、問題の印象がガラリと逆転します。まさに「物は言いよう」の水平思考版といった問題です。 |
4 | - | 虫圭 | イエスノー、重要ではありません | ホルス | 問題を見てラテシンが関係していることはすぐに気付くと思いますが、まさかあんな真相が隠されているとは思いもよらないでしょう。たぶんこれほど手の込んだ伏線がある問題はないでしょうし、努力の賜物だと思います。 |
5 | トリック部門賞ノミネート | az | 毒殺と冤罪 | 第四アルカ騎士団 | この問題文を初見で読んで、即座に真相に辿り着ける方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。多くの人が第一印象を思い浮かべた瞬間、罠に掛かっています。サスペンス調の雰囲気でチャームも抜群。そのチャームで罠に掛かった相手につきつけられる不可解な謎。罠の存在にも関わらず、解説からアンフェアな印象は受けません。これこそ「上手い」トリック系スープの見本だといえるでしょう。 |
4 | - | 牛削り | 名前を失った鳥たち | SoMR | 「仮にモハメドとする」が初めて登場したのが恐らくは2014年。(並んでますか?)そこから何問かの「仮にモハメドとする」を経て、満を持してのこの問題。その長い年月を要した迷彩のお陰で、多分氏の問題をよく知っている人ほど真相にたどり着きにくく、より楽しめたかもしれない。この問題の凄いのは技巧的な問題文構成による難易度調整だろう。恐らくは問題文の言葉選びの僅かな違いで、一瞬で看破されてしまう問題になってしまう。雑談欄を是非見て欲しい。答えを知ってから見ると開始から数日、参加者が口々に「モハメド」「モハメド」と言っているのが何とも面白い(決して参加者を嘲っているのではありません)。「カタカナ四文字で答えよ」とハッキリ書いてあるのにも関わらずである。問題文の構成は、問題を成立させる事と迷彩がけを同時にやっているようなところがあって、実に複雑。例えばモハメドを登場させずに、「若者に鳥の名を聞くと皆ンゴヤギギと返答。ンゴヤギギとは何?」→「長老」という形式の扉にも出来ただろう。常人なら恐れてこの形を選択するかもしれない。だけど、それとこの問題では面白さの次元が違う。「モハメド」というワードを出すために、問題文に老人をどうしても登場させる必要があるが、その入れ方も非常に自然だし、老人のリアクションと、その他の人のリアクションを比較させるという形式により絶妙に面白い難度になっていると思う。余談だが、自分がラテシンに登録したときにこの問題が出題されていて、一応リアルタイムで観戦していた記憶がある。そして幾日か後に解決された。牛削りさんという名前も知らず、自分は普通の人がごく普通に出題しているのだと思っていたものだから、「ラテシンってこのレベル問題が当たり前に出題されるのか…激ヤバサイトだな…」と驚くと同時に怖くなった、個人的にとても思い出深い一問。天才的な問題構成力の持ち主が豪腕を振るって出来上がった超絶技巧系水平思考問題をノミネート。 |
4 | 物語部門賞ノミネート 納得感部門賞ノミネート | フィーカス | 新説・カメゼルとラテーテル | ひゅー | 問題文に書かれている情報に無駄がなく、全てに意味があります。だからこそ、解説を読んだときの違和感がないのでしょう。それどころか、これこそが童話の原本ではないかと思うほどです。高水準の納得感とゾクゾクする物語性を兼ね備えた、極めてレベルの高い問題です。 |
4 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | 牛削り | そっか。 | letitia | 「ジャムパン」がでてきます。「クリームパンでも成立しますか?」「コンビニおにぎりでも成立しますか?」答えはどちらもYES。空き缶でも猫のしっぽでも成立するでしょう。でも、月明かりが照らす静かで寂しい夜道の、コンクリートの上に、足型がついて、中身のはみ出したジャムパンを想像すると、「やっぱりジャムパンだなあ」と思うのです。だから私はこの問題を頭の中では「ジャムパンの問題」と呼んでます。 因果関係の過程を一部隠して問題を作るのは、個人的には牛削りさんの十八番というか、得意とされているところだと思います。結果の「涙を流した」をシンプルに(意図がありますが)して、原因の「ジャムパン」でチャームと質問の方向性を作る。正解が出る条件部分である因果関係の過程も、当然そこにぴったりと収まるパズルのピースです。そのピースがそこにはまることに気づくには、隠された前提を解き明かさなければならないのですが、そこもクルーが十分で自然な流れで推測できる、というか解説を読んでからだとほとんど何も隠していないように見えます。それがすごい。大胆でありながら繊細です。 問題文からは想像もできないようなストーリーが隠されているわけではありません。先入観を与えるような一文があるわけではありません。それなのに、微かな力をもつ言葉の組み合わせで、偉大な力をもつ一問にしてしまう。 まるで簡単なことみたいにやってらっしゃるのですが、これがめっちゃむずかしい。というか、ぶっちゃけほとんど同じようなテーマの被り問題を後出ししているので、一つ一つの言葉がどれほど選び抜かれたものなのか、舌を巻きます。この解説に対してこれ以上の問題文は、たぶん、ないです。 【水平思考問題の例題として最適部門】というのができたのを見て、まずこの問題が思いつきました。本来の意図としては、誰かに紹介したりするときにふさわしいということなのかもしれませんが、個人的にこの問題は「出題者にとっての最適な例題」だと思います。当問題のパターンは、現在のラテシンにおけるもっとも王道的なパターンの問題であり、その最高峰です。この問題に詰まった様々なメソッドは、非常に再現性が高いです。誰にも真似できない問題ではなく、「誰もが真似するべき問題」として、「そっか。」をオブザイヤーに推薦します。 |
4 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | フィーカス | 未完の泥棒 | az | 水平思考問題とは基本的に、「因果の一部や情報が隠され、一見するとおかしなことが起きているように見える問題文」に、質問を通して伏せられた情報を明かしていき、「本来の連続したある出来事(解説)」へと復元するゲームである。蜜柑が盗まれた事実などないのに、蜜柑を盗まれたと騒ぐ人物。なんとも不思議な出来事のように思えるが、質問を重ねていくと、いくつかの重要な情報が問題文では抜き取られていたことがわかる。その情報を元に問題文をあらためて見直すと……なるほど確かに、蜜柑が盗まれたように見える状況だったことが明らかとなる。こうしてみると、この問題がいかに見事な構成を持っているかがわかる。連続する出来事の中間部分だけが取り除かれ、一見すると矛盾するような状況になっている……水平思考問題の基本構造に沿った完璧な作りである。だからこの問題は、水平思考問題の例題というより、水平思考問題そのものとさえ言えるかもしれない。水平思考問題の本質的な構造が、実にわかりやすい形で表れているのがこの問題である。もちろんそれは、フィーカスさんの優れた題材選びのセンス、状況設定と構成の手腕があってこそ。この題材を使って問題を作ろうとして、多分これ以上のものはあり得ないだろう。それらも含め、総合的に完成度の高い一問である。問題作りの方向性に迷ったらその都度参照したい、水平思考問題の教科書となる傑作。 |
5 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート 主演男優賞部門賞ノミネート | az | おくりもの | SoMR | これが、「美しい問題」の定義だ。 |
4 | 物語部門賞ノミネート | えぜりん | おやすみなさい | 第四アルカ騎士団 | 「とてもいい!」と思ったのに、まだ推薦されていなかったので。問題文を一目見て思うのは、「何をすべきなのか?」でしょう。 ルールに「問題を解決してください」と書かれてはいますが、問題文の本文らしき部分には、何ら問いかけは記されていません。 「問題が何かを探るための時間が存在する」のは亀男君ならではでしょう。 亀男君問題は、質問に答えてくれる「主人公」が全てを知っているわけではないというのも特色。 この問題はまさに典型的で、彼女が知っていることは多くありません。 とても大事なことなのに、分かっていないこともあります。それらを明らかにするために、「私たち」が頑張って彼女を誘導していくのです。 さて、こうして問題を解決…で、終わらないのがこのスープ。今回は一つ問題を解決したのとほぼ時を同じくして、「ある事実」が明らかになります。それは、これまでに出ていた「多くの小さな疑問」についての答えです。これもまた、このスープにおいて重要な要素であり、水平思考の使いどころ。そうして、目の前に現れた最後の問題。私たちが最後にすべき事。それは、とてもやさしいこと。そして、ちゃんとみんながしっていること。えぜりんさんの演出も相まって、感極まる瞬間です。解説の視点は、「主人公」だった彼女のものではありません。かといって、無機質な三人称視点でもありません。この視点で解説を出すところが心憎い点ですね。これこそが、このスープに奥深い物語の要素を与えてくれる部分でしょう。まさに、私たちと彼女たちが共同で紡いだ一つの物語。心に染み入る後味を残す事でしょう。…そういえば、大事なことを伝え忘れていました。亀男君問題の最大の特徴にして、最も大事な要素。現実世界でも通用する要素なのですが。それは「親身な対話」です。この問題ほど、それを気付かせてくれる問題はないでしょう。 |
3 | - | かもめの水平さん | 【彼女は何故……】 | SNC | この問題は、1つの「劇」であり、作品です。出題者と質問者のなめらかなやりとりは、リアルタイムで観戦(いや、鑑賞)していた人が誰しも息を飲むものだったのではないでしょうか。私は、この問題の類題と呼べるものを未だ見ていません。それだけ衝撃的で革新的な問題でした。かもめさんの出題者としての力量がとてつもないものであるとわかる問題です。 |
3 | チャーム部門賞 納得感部門ノミネート | ひゅー | 挿してほしいから抜いて | QQS | 「相手にやってもらいたい事とは真逆の依頼をする」という、何とも摩訶不思議な状況を示す問題文。これを読んだ時点で私の脳内にはハッキリと「???」が浮かんだのですが、いくつかの質問と回答を経て状況は更に深い謎に包まれ、私の頭の中は「??????????」で埋め尽くされました。しかし解説が示された途端、脳内の全ての「?」が「!」に置き換わり、「あああああ、そうかあああああ!!!!!!!!!!」と感嘆させられました。「超強力な謎」と「超強力な納得感」が生み出す「ウルトラスーパーハイパーミラクル爽快感」が堪らない傑作です。 |
3 | チャーム部門賞ノミネート | letitia | Prima Donna | フィーカス | 1個くらいはみんなが選びそうなの取っちゃうもんねっ! 推薦しようと思った人やーいやーい(ゴトーレーベルさんの名作「Old-Fashioned Love Story」を彷彿とさせる、「あの解説からよくもまあこんな幻想的な問題文が作れるもんだ」と感心するシリーズ(?)。私は日常系の問題をよく作り、大体必要なクルーを並べて謎を作ることに集中していますが、こういう雰囲気にまで持っていける人は本当に感心します。多分同じ題材を思いついても、ここまで考えきれる人というのはそうそういないでしょう。letitiaさんの問題作成能力が光る1作です。 |
3 | 物語部門賞ノミネート | ゴトーレーベル | 魔術師の選択 | SoMR | 作者曰く「実験作、あるいは物語派宣言序章」.“物語派”とはこういう事である,という体現.見方によれば古典シチュエーションパズルの自然な発展形と見る事もできる.決して“ラテシン的”ではない.問題文はギラギラしたチャームやクルーで装飾せず,「私」目線で,「人体消失マジックを行う友人の結婚生活は幸福だと思った理由」といういささか掴みどころのない“謎”を,友人の過去を少しづつ明らかにしながら探っていく事になる.途中,とんでもないテレビ的な事件が起こるわけでもない.真相が静かに明らかになった時,我々は,友人の人生を傍らで見つめる「私」が「マジックを見て,友人は幸せだと思ったその瞬間」を追体験する.それも決して派手なものではない.ある意味では,日常そのものを切り取ったものと言ってもいいだろう.それでも真相はじわーっと体に染み込んでいき,その重みをだんだんと実感していく.問題文の時間はほんの一瞬を捉えたものだけれど,それにも関わらず我々はその「私」と「友人」の痛みと幸福さの入り混じった,不思議な温かみを感じる一瞬の“記録”を通じて,二人の人生の奥行きを垣間見るのである.この問題は「私」が「そう思った理由」を答えるわけで,所謂“心理当て”と呼ばれる部類に属する.しばしば“心理当て”は納得感を得られるのが難しいと言われるが,しかしながら,この問題の納得感が非常に高いのは,作者の卓越した表現力による僅か数行での問題全体の空気作りに依るところが大きいだろう.繊細で精緻な構成のこの問題は,誰にも真似できない,作者だけが生み出せるシチュエーションパズルの傑作. |
3 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | SoMR | ラテナ・ド・ブルゴーニュ | 第四アルカ騎士団 | ラテシンらしい、一見して不可解な状況の問題文。もちろん、解説を見れば十分に納得感があります。しかし、この問題の主な魅力は納得感の部分ではないと考えます。解説を見終わって、再び問題文を眺めた時に分かる、いくつもの伏線。細かく散りばめられた伏線こそ、この問題の大きな魅力です。解説を見てからだと、「なぜ、こういう表現になったのか」がすっきりします。それらは単なるチャームに留まりません。部門としては、伏線・洗練さ部門になるのでしょう。しかし個人的には、解説を見てから問題文を見て、その間にある繋がりを想像するのが好きです。問題文と解説は、どのような物語で結ばれているのでしょう。個人の解釈次第ですが、ある意味では物語部門の問題とも言えるかもしれません。 |
3 | チャーム部門賞ノミネート 納得感部門ノミネート | 入れ子 | エレベーターの姿煮 | と☆ん | 他の題材でも成立する問題なのに、タイトルも含め、こんなに面白く仕上がるセンスが素晴らしいです。 |
3 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | すいま | 不吉なプレゼント | SoMR | 水平思考、を地で行ってる感じのこの問題。問題文を見たときにまず注目してしまうのは、誰もが「今年もらったタオル」だろう。「同じ」とハッキリ書いてあるのだが、その「同じ」ことによる何か相手側の思惑や、今年の貰い方、今年のタオルの状態、に着目してしまう。でも、敵はそいつではない。これはなかなか気づかない。そして、「ゾッとする」のは「ゾッとした数秒前に何かが起こった」からであると考えてしまうが、この問題の場合ある意味何も起こっていない、というところがうまいところ。去年のタオルの状態はずっと変わらないからだ。2つ揃った時に、はじめて異常さが分かるというのは面白い着眼点である。実に水平思考的。しばしば「相対的」というのは水平思考問題のトリックになりうる。この問題は、そのテクニックの良いお手本である。 |
3 | - | 華 | 失踪 | 春雨 | 「生まれたとたん消えた父」というワードが謎であり鍵であり全てを温かく繋ぎます。壮大なドラマを思わせる掴みから、想定の外に、ドラマティックに着地します。 |
3 | - | shinshin | 大空へ | 春雨 | この問題に参加した後の感覚は、未だに他で味わえていません。何かもやもやするんだけど、非の打ちどころのない明瞭な論理が有って、問題文を見返すとその通りだとしか言えなくて。何で翼が生えただとか、何でポスターが貼ってあるかだとか、関係無いのですよ。そんな些細なことは。 |
3 | - | SoMR | 愛・シンディ教 | 牛削り | 笑いはどんなときに生ずるか。答えはたくさんあるだろうが、ひとつに「対処しきれないほどのギャップに遭遇したとき」というのがあると思う。なんらかの予想をしていて、事実がそれとはかけ離れていたとき。あるいは、意味不明だったものが、突然明瞭にその姿を現したとき。当問題はそんなある意味知的な笑いをスマートに実現している。解説に示される一文は、一見脈絡がなく、問題文と矛盾しているようにすら思えてしまう。ところが問題文を読み直し、少し黙考してみれば、そこに隠されたストーリーが突然理解されるのだ。徐々に、ではない。突然、である。この落下速度には、対処できない。意味不明から理解へと急速に落ちていきながら、もはや笑うことしかできないのだ。これを狙ってやったのだろうから、作者のセンスには脱帽である。さすがはシュールな四コマ漫画の名手。ついでの推薦図書星新一編著『進化した猿たち』 |
3 | - | 天童 魔子 | あのね | az | 天童さんの問題の持ち味は、意外性のある豊かな物語だと個人的に思っている。その持ち味が存分に発揮されたのがこの問題。弟も妹もいないのに、「今日からお姉ちゃんになる」という不思議。真実が明らかになったとき、「今日から」という言葉に込められていた本当の意味に、思わず心が震える。解説ではカメコとは別の人物の口から真相が語られているが、それによってカメコの言葉がより一層、深く、重く響く。種明かしに留まらない、“魅せる”解説は天童さんの得意とするところだが、この問題では特にそれがよく決まっている。出題者としてのこだわりを窺い知ることが出来る解説である。天童 魔子さんの持ち味が凝縮された、美しい一問。 |
2 | 物語部門賞ノミネート | さるぼぼ | キン、コン、カン、コン | 天童 魔子 | 圧倒的世界観!!この問題でここまでの物語が作れるのかと衝撃に心が震えるのです。是非あなたに手に取って読んで欲しいおススメ作なのです |
2 | - | ごがつあめ涼花 | 私が泣いていることを証明せよ | ひゅー | ルールを除けば、問題文には顔文字一つだけ。タイトルの通り、泣いていることを証明すればよいのですが、これが一筋縄にはいきません。皆が試行錯誤する中、ズバッと出てきた正解に私は思わず声が漏れました。シンプルで爽快感にあふれた一問です。 |
2 | 物語部門賞ノミネート | アロハット | ファンファーレの鳴る頃に。 | と☆ん | 推薦文が上手くないのが申し訳ないのですが、我慢できず推薦致します。先程ランダムピックアップで発見して、鳥肌が立った問題です。大好きな問題の一つになりそうです。出題者は優しい方なんだろうなぁと想像しました。 |
2 | トリック部門賞ノミネート | QQS | チョイト一杯のつもりで飲んで♪ | ホルス | 問題文を一目見て、「何で私は店に入れなかったのに、その店でお酒を飲んでいるんだ?」と不思議に思う人が多いでしょう。しかしそのように思った時点で出題者の思う壺。先入観にとらわれていたことに解説を読むと気付かされます。そして解説を読んだ後に再び問題文を読むと、問題文を最初に見た時と印象が180°ガラリと変わり、数々の叙述トリックが全く違和感なく自然に仕込まれていることに驚嘆するでしょう。 |
2 | - | ツォン | 神の鑑定人 | かもめの水平さん | (ネタバレ注意) シニカルな作品だと私は思う そもそも何故、遺跡から平成の遺体が発見されたのだろう? もしかしたら「この場所から発見されれば、過去の遺物として誤魔化せるかもしれない」 そんな犯人の心理もあったのではないだろうか? 解き明かした故に一時、解き明かすことを止められた研究者も含め どこか皮肉めいていて、ブラックなユーモアを感じさせずにはいられない |
2 | - | koto | ゴリラ「タスケテー!」 | 牛削り | 非現実設定がアンフェアになるわけではない。設定をしっかり説明し、参加者にとって既知の情報とすれば、その中だけで成立する論理による解決を提示するのは、この上なくフェアである。ただしこれは相当難しい。まず、説明したこと以外に現実世界との相違点がないことを納得させるのが困難だ。「魔法があるなら、吸血鬼がいたっていいだろ」と言われたら、返す言葉もない。そしてさらに面倒なのが、伏線が露骨になってしまうことである。わざわざこんな複雑な設定をしたってことは、何かあるな。そう警戒させてしまう。だからオリジナルの非現実設定を披露し、フェアさを保ったままその設定を活かしきった問題というのはそう多くない。当問題は、しゃべるゴリラがいるという設定のもとで展開される。しゃべれるのであれば他の生態も異なってきそうなものだが、それは問題文の注釈で否定されている。これがうまい。「他に非現実設定はありません」という宣言は、無粋なように見えて、大胆不敵な【読者への挑戦状】だ。ミステリファンならば心踊らずにはいられないだろう。そしてもちろん、解説はそれを裏切らない。見事に既知の情報とそこから合理的に推理できる事柄だけを用いている。とはいえ、解決までに複数段階のステップを踏んでいるから、伏線から真相がバレバレというわけでもない。非現実設定を使う際に危惧されるリスクを、しっかり回避し、疑り深い参加者を楽しませることに成功している。とても考えつくされた推理パズルであると思う。ついでの推薦図書梓崎優著『叫びと祈り』 |
2 | - | すいま | パシりパシられ・ウミオの場合 | az | 【ネタバレ注意】(この問題をまだ知らない方は、是非先に問題を見てきてください。そうでないととっても勿体ないですよ)いわゆる叙述トリックが用いられた問題だが、それにしても見事な決まり方である。叙述トリックを使う場合、状況を誤認させるために無理のある表現や言い回しを用いがちだが、この問題にはそれがほとんどない。ある日常の一場面を、無駄に言葉を費やすこともなくそのまま伝えている。にもかかわらず、初見では誰もがまったく別の場面を思い描き、その奇妙な光景に首を捻ること必至。昼休み、コーラといったワードのチョイスが絶妙に巧い。無駄な言葉なくあるシーンを描いておいて、言葉のチョイス(とタイトル)だけで状況をすっかり誤認させる……これを破綻なく成し遂げるのは、そうそうできることではない。加えて、「なんのためにこんなことをしているのだろう?」という問い掛けが、一見奇行にしか見えない問題文の状況と見事にマッチしている。問題の味わいをぐんと引き立てる、秀逸な問いかけだ。そして解説を読めば、「なんのため」に対して実に明瞭で当然の答えが示される。ぐうの音も出ない。問題と解説の対応のさせ方として、非常に美しい。あまりの見事さにもはや嫉妬すら感じるこの問題を、歯ぎしりしながら推薦。 |
2 | - | QQS | ペンとリンゴとパイナップル | OKinBako? | 問題の雰囲気は出題者が作るもの。問題と解説もさることながら、特筆すべきは問題が進行していく雰囲気。終始なごやかに進んでいく質問と回答を見ると、問題文の賑やかさも相まって、出題者が人気者である様子が覗えます。その中で現れるオモシロ解答の数々、これは、出題者も参加者も真剣に問題に取り組んでいるからこそ生まれるものであって、出題者と参加者の奇跡のハーモニーとも言えるでしょう。楽しげな雰囲気に誘われ、ニコニコしながら問題の行く末を思考する、参加者の皆さんの顔が目に浮かびます。昨年一世を風靡したこの題材から、見事に納得感のある問題を作る実力はさすがの一言。解説の納得感とともに楽しい雰囲気に包まれた素敵なスープ、ぜひ味わってみてください。 |
2 | トリック部門賞ノミネート | 風木守人 | 台風一家 | ぞた | 「それまでの視点を疑うこと」は水平思考において重要、だそうで。その点、この問題ほど「視点を切り替える」必要のある問題は少ないでしょう。問題文と解説で、見る方向がぐるっと変わっています。注意深く問題文に目を光らせたはずが、そこは既にトリックの中。質問によって真実を見つけた時、参加者達はその目を見張ったことでしょう。見事な視線誘導を見せたこの名作を推薦します。 |
2 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | ぎり子 | てのひら | az | 短編小説のような長く重厚な解説もいい。だが、そればかりが"物語"ではない。物語の深みに長さは関係ないことを、この問題は教えてくれる。問題文はごく短いが、必要な情報はすべて揃っている。「愛の深さを感じた」という表現は一見漠然としているようにも見えるが、実は他にどうにも言い換えが不可能な、完璧な表現。この場面に居合わせた人なら、誰しも「愛の深さ」を感じずにはいられないはずだ。短い問題文に対応するように、解説も飾らない簡素なものだが、むしろ簡素だからこそ静かな感動を呼び起こす。誰もが共感できるその真相に、多くの言葉はいらない。この普遍的な題材を見いだしたその細やかで優しい眼差し、それを活かしきる最高の言い回しを選び取った表現力が見事。題材と表現が完璧にマッチした、温もりに満ちた名作である。 |
2 | トリック部門賞ノミネート | のりっこ。 | 【魔法の杖】 | みん | 誰もがすっと納得できるような、身近なものが題材であり、伏字部分以外の情報は揃っているのに、トリックがごく自然に溶け込んでいるので、ナチュラルに騙されました。トリックが解けた時に、全てが一気に繋がり、なんとも言えない爽快感を感じる事ができます。 |
1 | 物語部門賞ノミネート | SoMR | ジョーカーあがり | ゴトーレーベル | この問題の推薦だけは、他の人に譲るわけにはいかない。手の中にある2枚の紙片。そしてそこに生まれる逡巡。隠された真実を知ったとき、茫然として言葉を失う。友達とのたあいない遊びを記した問題文との落差もすばらしい。作題においては、「日常のあるある」を題材にすることと、特殊なシチュエーションを創造して題材にすることは二つの大きなジャンルである。作者は双方巧みだが、特に後者については、私見ではすでにラテシンのトップクラスである。その発想は実に豊かで、質量ともに充実している。本作は作者の比較的初期の作品だが、その鮮烈なイメージに、すぐれたシチュエーションメーカーとしての才気をすでに十分見て取ることができる。 |
1 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート 主演男優賞部門賞ノミネート | さるぼぼ | 雨リキレ | az | 独特の空気感を纏った問題文は、もうその時点で名作の予感を漂わせている。そして解説で明かされるのは、その期待を裏切らない、哀しくも美しい物語。その素晴らしさについては、多くを語る必要はない。読んでいただければわかると思う。見事なのは、それだけ豊かな物語性を持ちつつ、同時に謎解きとしても一級品に仕上がっている点である。問題文にはある仕掛けが施されているが、それを暴いたところで、問題の要求する「一見奇妙な日常の一コマの全容」の解明にはまだ遠い。少しずつ明かされる事実を頼りに、男と女、二人の状況と心情を丁寧に丁寧に掘り下げていって初めて、心を打つ真実がその姿を現す。トリック一発に頼り切らず、その先の状況解明までしっかり作り込まれており、トリックとベールのバランスが良いシチュエーションパズルとしてひとつの理想形である。加えて、解説を読んだ後あらためて問題文を見返すと、隅々に伏線が張り巡らされていたことがわかるだろう。“男は我が息子の頭をいつもより強く撫でると” ↑この些細な文章も、男の心境を量りうる見事な表現となっている。随所に散りばめられたこのような表現は、謎を解くうえでの手がかりというより、真相を知って初めてその意味するところを示す、まさに「伏線」と呼ぶべきものだろう。これほどまでに美しく見事な伏線は、そうそうお目にかかれるものではない。物語の美しさと、謎解きとしての完成度を兼ね備えたこの問題は、問題を解いて一度、解説を読んで一度、あらためて問題文を読み返して一度、都合三度、一問で三度楽しめる、素晴らしい名作である。 |
1 | - | 甘木 | 白物の代物 | 天童 魔子 | 目の付け所がシャ-プなのです。巧妙な伏線が張り巡らされた考え深い問題文なのです |
1 | 納得感部門賞ノミネート | tosh | 漢字は体に悪い | 天童 魔子 | カタカナで記入するだけで健康的に?とても不思議なお店にはなるほど納得の理由がありました |
1 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | az | 春遠からじ | 天童 魔子 | 甘党、牛乳、家から出て行って・・・問題文のワードチョイスが素晴らしく的確で推理好きにはたまらないのです |
1 | - | フィーカス | バラエティ番組での出来事 | 天童 魔子 | 汝この問題を解きたければ固定観念を捨てよ。思い込みの隙を突いた水平思考力の高い問題なのです |
1 | 納得感部門賞ノミネート | 低空飛行便 | 小野寺さん | kinnsada | ザ・インパクト・オブ・インパクト。 あり得ない展開なのに謎の納得感をもたらす解説はまるで納得を強制されているかのようである。 一度見たら忘れられない問題。 夢に出てきそう。 |
1 | 物語部門賞ノミネート | とかげ | 世界征服入門 | しゃっくり2 | 初めは本当にどうやって勇者をやろうか、なんて真面目に考えていましたが、物語が進むにつれて新たな事実が判明して、みんなで導いた最後は本当に良かったです。 |
1 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | セルス | 隠者が贈る100問目 | しゃっくり2 | 最初はただの亀夫君問題だと思っていたら(セルスさん本人が問題に出ている時点で普通の亀夫君問題ではないのですが…)、物語が進めば進むほど驚きの連続で、まさかBSに参加していたユーザーの中に重要人物がいるとは思いませんでした。その人がこの問題の鍵であり、その人が出した問題にもヒントはあり、言えばラテシンでの出来事も伏線の内であると言えるでしょう。緻密に計算されたストーリー、全伏線の回収は参加者としても、観戦者としても楽しめる問題です。(推薦するもう一つの理由は僕にはそんな才能がないので、この問題がマジにすげぇと思ったからです。) |
1 | 納得感部門賞ノミネート チャーム部門賞ノミネート | 神田 | もってるけど貸して | ホルス | 『もってるけど貸して』というタイトル、「自分が持っている文房具と全く同じものを借りる」というシチュエーション、これらが相まって強烈なチャームが醸し出されています。もちろんチャームがあるだけでなく、解説を読むと「なるほど! 」と思わず唸るほどの納得感があります。 |
1 | - | 花鳥 | 魔女のなぞなぞ歌 | SoMR | 愛して止まないこの問題.この問題の素晴らしさを説明するのは非常に難しい.そして、それはまず,問題文と解説を見ただけでは分からない.問題全体の雰囲気が独特であり,参加した者は誰しもがこの問題のうっとりするような世界観にどっぷりと引きずり込まれただろう.私個人の話では,これまで実際に参加した問題の中で,その物語の中に最も深く入り込まされたのは圧倒的にこの問題である.それもそのはずで,この問題の作者は,問題の雰囲気を作り、その中に参加者を引き込むことに重きを置いた作問・出題をしている,というような事を言っていたのを耳にしたことがある.ラテシン内でこの部分に一番力を入れている方は多くは無いように思え,こと問題の雰囲気という点に関しては氏の独壇場であると感じている.問題の構造としては、「魔女の語るおとぎ話の世界」が「物語の中で“現実に起こっている”出来事」のうつし鏡のような役割を果たしており、参加者はこの「おとぎ話の世界」と“現実世界”(物語の中での)を行ったり来たりしながら物語の中で起こっている出来事を解明し、“最も罪深い人”は誰かを明らかにする、という流れ。もう,独特も独特である.開始時点では問題文で,これはおとぎ話ですと明言している以上,誰しもが“おとぎ話的な”真実を予想するだろう.途中で,まさかの「非現実要素無し」が明かされる.また,三つの物語がそれぞれ独立して述べられているために,始めはそれぞれの物語に対して個別に捜査を進める.しかし,これも,途中で全て同一の世界の中の物語であることが明らかとなる.これによって今度は皆で三つのおとぎ話の世界を繋いでいく.やがて,おとぎ話と現実世界との繋がりは次第に明確になり,最終的に二つの世界が一体となったところで,一つの真実が導かれる…何と秀逸で美しい問題構成だろうか!!メルヘンとダーク,グリム童話さながらの恐ろしさと美の融合した感覚をウミガメ問題として実現した唯一無二の異端な傑作. |
1 | - | えねこー☆ | 【私立ラテシン学園】七転八郎の宴会【学園祭】 | 低空飛行便 | 皆さん、ミステリーは好きですか?私は好きです。皆さん、学園ミステリーや青春ミステリーは好きですか?私は大好きです。学園を舞台にした、青春真っ只中のキャラクターたちが謎に挑む、ワクワクするお話を、実はラテシンでも味わえるんです。その名も、私立ラテシン学園!えねこー☆さんが発案した一種のシェアードワールドです。ユーザーはラテシン学園内での役割を設定し、キャラクター登録します。そのキャラクターたちが登場する問題を誰でも自由に作成・出題できるという企画です。タグ「私立ラテシン学園」で、ラテシン学園で起きた様々な謎を見ることができます。(ちなみに私も1問出題したことがあります)さて、今回推薦したいのは、2015年2月21~23日に“開催された”学園祭が舞台の問題。(タグ「ラテシン学園祭」で学園祭の様子を楽しめます)学園祭当日に起きたモンブラン消失事件の謎。模擬店で売り出されていたモンブランを持ち去ったのは果たして誰なのか?アリバイや目撃情報調査など、ミステリーの王道を行く謎解きで、安心感とワクワク感を同時に楽しめる問題構成です。そして明かされる真相は、学園祭ならではの、騒がしく、バカバカしく、ひたすらに楽しいもの。参加したくなる世界観であったり、キャラクター登録の面白さであったり、コラボレーションの面白さであったり、私立ラテシン学園には可能性を感じていたのですが、2017年2月現在、この企画は事実上休止しているようで、少し寂しいのです。学校や学園祭に遊びに行く感覚で、また問題に参加してみたいと思える稀有な企画です。よろしければ当時の雰囲気を味わってみてください。今回はラテシン学園の中で一番好きな問題を推薦しましたが、本当は私立ラテシン学園の一連の問題群を推薦したい気持ちです。 |
1 | トリック部門賞ノミネート | みん | ヤサイマシマシアブラカラメ | SoMR | 実はシンプルなあるあるネタを使ったトリックなのだが,FAには質問70回かかっている.これは決して参加者らがお腹が痛かったり熱があったりしたというわけではなく,問題文の騙しのテクニックが一級品であることによるものである.凄いのはオリオンさんの質問43まで,「ラーメン屋で注文していない」という事が全くバレていなかった事.功労者は何といっても「頼んだ」この三文字だろう.たった三文字,このワードを入れるため,背脂袋トリックを思いついた後,この問題のシチュエーションを作り出したことが想像される.そこまでしてでも「頼んだ」を入れた効果は絶大であり,この三文字は激烈に価値を持つ三文字になっている.加えて,このタイトルもかなり有効ではなかったかと思う.「ヤサイマシマシアブラカラメ」と聞けば,ラーメン二郎を想像する人は多いだろう.問題文を読む前からラーメン二郎を想像してしまった人はなかなかそこに疑いをかけられない.その状態でこの問題文を読んで第一に連想するのは「背脂が健康に悪いから取り除く」という事だと思う.これがラーメン二郎の常識はずれな背脂やニンニクの量と見事に噛み合っているため,ついついこの間違いから出発して捜査を進めていく事になる.そしてなかなかその思い込みから抜け出せない.真相がわかった時「騙された~!」なのだが,それは決して不快なものではなく,むしろ真逆,誰しもがある種の爽やかさを感じながら「騙された~!」と言うのだ.作者の職人芸的騙しのテクニックが光る,天下一品のスープ. |
1 | - | 入れ子 | 満月魔法「ニレイニハクシュ」 | SoMR | 作者による名作「降雪魔法「トビラツケカエ」」(http://sui-hei.net/mondai/show/26295)に続く魔法シリーズ第二弾。氏の魔法シリーズはトリックそのものも面白いが、同じトリックを用いて色々なバリエーションの問題が作れそうな中で、雰囲気にかなり重点を置いたつくりになっている、というのが素敵なところ。この問題はタイトルの「ニレイニハクシュ」だけでもうブクマMVSは確約されたようなもの。こういう方向性の気の遣い方は、出題で参加者を楽しませようという気持ちが溢れ出ていて、いいなあ、と思う。なんというか、町の文具屋さんで、買ったものを入れてくれた袋をとめるシールが長方形のただのテープじゃなくて、ヒヨコだったとき、みたいな。なんか楽しい気持ちになる。楽しい気持ちになる問題というのはいいものだ。実は、元々挿し絵があって、それはとても素敵なものだった。是非、探して見てみて欲しい。 |
1 | - | 松神 | この映画を作ったのは誰だ!? | かもめの水平さん | 設定を上手く合わせた名作といえるでしょう つまらない映画だからこそ留まった、留まらざるをえない 映画がつまらない故の心理を逆手に取り 更に映画という、作品と自己、その一対一と思える関係性に死角を生み出した合わせ技 松神氏がラテシンという銀幕に映したこの作品はとても洗練されています 上映時間が5分程だったのがとても悔やまれますね(ボソッ) |
1 | - | キュアピース | 覚醒ノ光 | かもめの水平さん | アカデミックな問題文のチャームの高さ さらにそこから導きだされる、誰もが納得出来る人間心理 知的でいてコミカル きっとあなたもこの問題の解を知った時、覚醒するに違いない |
1 | もっと評価されるべき部門賞 | みたらし | 他人の粗探しは楽しい | ディダムズ | 買った本に誤植があったのに、買ってよかったと思うチャーム、問題文の全体に点在するクルー、そして納得のアイデアを備えたシチュエーションパズルの例題的な問題。控えめながらメリハリのきいたベールもお見事です。問題全体を通して無駄が無く、答えを見ればすべてが繋がるような、洗練された名作だと思います。 |
1 | もっと評価されるべき部門賞 | 入れ子 | 要らないですが要ります | ディダムズ | すすんで袋をもらっておきながら、すぐに捨ててしまうという明確でシンプルな謎を提示した、モノの見方と状況創造力が問われるシチュエーションパズルの見本のような問題。先入観の隙をつく考え方の点からも、実際にありそうという妥当性の点からも納得できる解答が魅力です。日常の光景も見方を変えれば不思議に見えるという、着眼点の問題としても面白いものだと思います。 |
1 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | 牛削り | ルイを偲ぶ | 春雨 | 2015年出題ですが、「水平思考問題の例題として最適部門」を見て、是非に捻じ込みたいなと思いました。現実に例として紹介するのであればやはり「シンプル・明瞭・納得感」だと思います。分かりやすい謎。「そこにあるものにそこに無いものを見る」という水平思考の王道。日本人相手限定となるかもしれませんがこれぞまさに「最適」ですぜ奥さん。 |
1 | - | のりっこ。 | 【オリオンボール】 | 低空飛行便 | 昨年私がMVSに投票した問題の中で一番好きな問題です。世界的に有名な漫画をモチーフにした問題で、その原作を知っていればいるほど引っかかるトリックが仕込まれています。そのことは私のMVSコメントとかぶるところもあるので、ここではあまり詳しくは述べません。ここでお伝えしたいのは、ひたすらに愉快なキャラクター。ひたすらに愉快な参加者と出題者とのやり取り。登場キャラクターはラテシンユーザーから名前を借りています。この手法、内輪受けになってしまうリスクはありますが、本問題についてはメリットが上手く活かされていると感じます。「このキャラクター、そうだよね!」とうなずいてしまうような愛すべきキャラクターばかりです。進行状況を後から読んでも十分楽しめます。リアルタイムで参加していた方々はさぞ楽しかったのでは。個人的に読み応えのあるやり取りは質問番号9、38、40、41、42。いずれもただのネタ質・ネタ回答にあらず。このメンバー、この問題だからこその愉快なやり取りです。このような愉快な問題に参加したい、もしくは出題したい、愉快なやり取りをしたい、そのために今年もラテシンに居続けようと思わせるような問題です。 |
1 | - | koto | やる気のないヒーロー | ゴトーレーベル | 視点、発想、表現、いずれも非凡なものを見せている作者。(それにしては評価がちょっと少ない……)本作は、「よくある」と言ってしまえばよくあるアイディアなのですが、表現がすばらしい。緊迫した場面に対して、いやおうない弛緩をもたらす顔文字。「なぜやる気がないのだろう?」という問い掛けも破格というか、ちょっと類を見ません。見ようによってはこの問い掛け自体にやる気のなさを感じて、問題全体に異様な(あるいは弛緩した)雰囲気が漂います。そして解説は、すっきりハートウォームで、「がんばれ、ヒーロー!」と声を掛けたくなる情景。問題文の雰囲気もまた愛おしく感じられるようになり、印象が逆転します。まさに佳品。構成自体は上記のとおり「よくある」ものですが、この構成を持つ作品がいつもこれくらいのプラスアルファを持っていればいいのにな、とないものねだりをしたくなるような一作です。 |
1 | チャーム部門賞ノミネート | とかげ | 【数学スープ】げしゅたると崩壊 | フィーカス | 「あーとかげさんの作品でオブザイヤーに推薦できるようなのは大体みんなあげられてしまtt……うわぁぁなんでこれ推薦されてないねん!」ということで推薦。まず問題を開くと開幕待っているのは「あああああああああああああああああああああああああああああああああ」という文字。ここで一瞬フリーズし、落ち着いて問題を見るとそこに現れる「男の計画」なるもの。問題文を見ただけで、「なんだこれ?」と真相を解明したくなる意欲でいっぱいになります。そして、「具体的な計算は示さなくてもよい」と書いているにも関わらず「それがどれくらい大変なことか」をわかりやすく書いた解説も、一見の価値あり。「なんとなく理由は分かる」と思っても、実際計算してみるとこんな結果になるとは、なかなか想像しづらいでしょう。そして最後の一文が心に突き刺さります。この一言に、出題者が問題に込めた思いが感じられるでしょう。こういう、「出題に込められた思い」が感じられる問題は、個人的には大好きです。こういうことができる人はなかなかいないでしょう。恐らく日本語をうまく操り、物語に定評のある出題者だからこそ、「分かりやすい説明で納得させることができる」のだと思います。でなければ、あのような解説は創り出せなかったでしょう。 |
1 | - | 天童 魔子 | 【最後の一行】上を向いて進もう | ゴトーレーベル | 天童流の大技炸裂。本問は「解説の最後の一文でぞくっとする問題」「その最後の一文をタイトルとする」という3000才さん企画『最後の一行』の参加作なのだが、この方は制限問題でこんなことをしでかすから怖い。というか、この制限でこんなことは普通思いつかない。唖然驚愕の一作。※『最後の一行』企画は、3000才さんの発想がよかったおかげでしょう、好作が集まっています。未読の方はぜひ。(私も参加してるけど宣伝じゃないよ)http://sui-hei.net/mondai/tag/最後の一行 |
1 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | チリー | ガソリン満タンで! | OKinBako? | 私が人に水平思考を教える時、ウミガメのスープを説明した後の、実践第1問目は必ずこの問題を使います。カメオが自分の車にガソリンを入れに行っているものだと錯覚する問題文。いかに固定観念を排除できるかという、シンプルながらも、水平思考が凝縮されたお手本のような問題で、納得感もたっぷりです。私がラテシンに足を踏み入れ、この問題を見たときの感動とともに、推薦いたします。 |
1 | - | けんこうこつ | シンプルな広告 | 松神 | シンプルである、というのはそれだけで相当に厄介な存在です。人というのは常に沢山の情報から複雑に組み合わさる情報を抜き出し、その中から情報を取捨しながらその身に吸収します。それなのにそこに複雑な情報がなかった場合、人はどうするでしょうか?選ぶ程の情報もない中、ただ純粋に与えられた情報のみを拾い上げる、というのは実際にやってみるととても難しいことです。シンプルな情報をそのまま受け止めようにも、脳みそが普段通りに情報の取捨選択をしたがるので、勝手に想像で情報がシンプルな情報の上に覆いかぶさっていってしまうのです。そんな状況を打開するにはどうしたら良いのか?水平思考というものが真に役に立つのは、この問いかけに到達したときだと僕は時々思います。勝手に脳で作られ、無限に覆いかぶさってくる情報を少しずつ切り払いながら、シンプルに渡された情報のみを頼りに真相に近付く。よりシンプルに、より純粋に。そうして辿り着いた先がシンプルであればあるほど、人は喜びに打ち震えるのだと、そう思います。この問題はまさに、与えられたシンプルな情報のみを頼りに、シンプルな真相に辿り着くという意味でまさに水平思考的だと思います。 |
1 | 納得感部門賞ノミネート | az | 肉肉そして肉 | 松神 | 納得感というものはそれが日常的に行われているものであればあるほどより強く得られやすい傾向があります。普段からありえる状況だからすんなりと頭に入ってくるというのが一点。もう一つは自分にとって当たり前にあることがその場でわからなかったという驚き、あるいはこんな風に表現されるのかという喜びによるものがあります。こんなに簡単だったのに!と悔しがる反面、身近な行為であるが故に自分もこういうことあるなあ、とかこういう場合は自分はこうなるんだろうな、などといったように、終わった後に更に解説に対して想像や実体験などから理解を深める。そういったことで納得感を深めることが出来るのがいわば日常問題の強みの一つです。そしてこの問題の光景もまた日常にありふれた光景を見事に表現した問題です。ですがそれだけではありません。この問題の本当に素晴らしいところは日常を思わせる問題文です。日常的に見られそうな光景、そんな問題文が提示されたらそこに隠れる特殊な真相を探してしまうのが人間の性というもの。ですがこれは、最初から最後までただ純粋に日常の一コマを削り取っただけの問題。真相に気が付いた瞬間、疑いすぎたか、と思う人が多いことでしょう。そして同時に自分の想像に対してあまりにも日常的に過ぎ去っていく一コマのギャップに、「これはやられたな」そう、純粋に思えることこそが幸せなんだと僕は思います。 |
0 | - | ruxyo | 暖冬 | 天童 魔子 | 問題文の情景がとても自然で奥行き深い味わいのする問題なのです |
0 | - | 牛削り | 大仏男 | 天童 魔子 | 解説にも問題文にも一切の無駄がなくとてもスタイリッシュで他に納得がいく解説が思いつきませんでした。教科書のお手本のようなウミガメノスープなのです |
0 | - | ツォン | 甘味で夫がかわいい | 天童 魔子 | 躍動感や生き生きとした表情を感じるとても面白い解説なのです |
0 | - | 黒井由紀 | 親切な魔法使いさんと輪廻する悲劇 | 天童 魔子 | このシリーズ大好きなのです。(∩゚∀゚)∩特に黒井由紀さんに執筆していただいたおかげで世界観がまた広がることが出来たのです。これからも何世代も色々様々な人々に愛されて行けたらとても嬉しいのです。余談ですがちょうど一年前は私の出題数がぴったし半分程度だったようで驚いています |
0 | - | のりっこ。 | 【お客様、こちらがベール厚々の連想スープでございます。】 | 天童 魔子 | これは面白いwまるで導かれるような思考の連鎖至極のスープを堪能あれ |
0 | - | アザゼル | 寿司喰いねぇ | 天童 魔子 | お寿司が大好きなのに玉子巻きしか食べないのは‥?なるほど~逆パターンでデート中にかたつむりを食べるあるある展開なのですw |
0 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | tosh | サイコパス | るべえる | 舞台、残虐的描写、そして問題としての完成度。ポール・スローンも知っていればきっと自分の著書に入れたかったであろうと思われる問題です。 |
0 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | ですとん | くろいおもい | ディダムズ | 「シチュエーションパズル」の中でも、特に「水平思考」に特化した問題と言えばこちらでしょう。シンプルな問題文の中に2つもトリックが隠されており、水平思考の本質たる「視点の切り替え」の大切さを味わうことができるでしょう。もちろん、「シチュエーションパズル」としても完成度が高く、チャームやクルーも見事に取り入れた素晴らしい問題だと思います。そして、特筆すべきはその自然さ。「クイズ」であることを意識して強引な状況や描写になってしまいがちなシチュエーションパズルの中で、この問題は状況、描写共に極めて自然です(「わざわざ」を厳密に考えると議論の余地はあるかもしれませんが)。ある意味で「シチュエーションパズル」らしくない、「水平思考問題」に最適な問題だと思います。 |
0 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | tsuna | 笑って許して | ディダムズ | 最初に言っておきますが、主催者に媚びてるわけではございませんw一見すると不思議でも、言われてみれば「そりゃそうだ」こちらは「幅広い見方、考え方」を要求する、水平思考を体現した問題だと言えるでしょう。こちらも良い意味で「シチュエーションパズル」らしくない問題。問題文で既に状況・シチュエーションがほぼ完全に明らかになっています(出題者のメタ的な面もありますが)。しかし、なんと言っても魅力はその構成の純粋さ。ベールはほとんど使わず、純粋な「水平思考」だけで勝負の非常にストイックな問題です。また、この問題はノンフィクションであり、現実に裏付けられたその納得感は非常に高いものがあります。好みは分かれそうですが、こんな問題、もっと増えて欲しいなと期待しております。 |
0 | - | TTR | 3つの箱 | 低空飛行便 | 目の前にある3つの箱のどれかに、正解が入っていて、それを当てるだけの単純明快なルールのゲームです。ルールはごくごく単純であるにもかかわらず、その解き方は実に水平思考的。しかも複数の解決法を用意しているという凝りよう。さらに参加者が登場する解説にも出題者TTRさんのおもてなしの心が感じ取れます。解いて良し、正座しながら見て良し、鞭打たれて良し、三拍子揃った良問。 |
0 | - | ゴトーレーベル | サトリ | 低空飛行便 | 【推薦文中に微ネタバレあり、注意】個人的な考えですが、人の心が読める特殊能力は、できれば持ちたくありません。人間、できればしまっておきたい考えや気持ちってありますし、そういうのが特殊能力で読み取れてしまったら、人の秘密を抱えてしまうことになってしまい、重いです。ただ、人の心を分かりたいと思いますし、慮りたいと思います。本問題に登場する妖怪サトリは、前者のような特殊能力持ちというよりも、後者のような優しい妖怪です。何かの本で読んだことがありますが、妖怪というものは、人々の思いから生まれたもので、その思いが消えたとき、妖怪もまた消えるのだそうです。本問題に登場するサトリがどんな思いから生まれたのかを想像するに、それはきっと優しさにあふれているのでしょう。2016年のラテシンで局地的ブームだった「やさしいね」問題の佳作として推薦します。 |
0 | - | 松神 | げうょじ | az | 短い問題文の中に、スマートにトリックの織り込まれた一問。「読んでいる本が上下逆」なので「感心」するという矛盾するような状況は、あるトリックが解明されることで、第一印象とは大きく異なる納得の真相へと変わる。解説で語られるのは、誰もが経験したことのあるだろう「あるある」の事象……なのだが、それは“コロンブスの卵”。言われてみれば「なるほど」のこの理屈を、実際の日常の中で気付くことのできる人が果たしてどれだけいるだろう。ましてや、それを問題にしようなどと誰が思えるだろう?普通は誰も気にしない、敢えて言葉にしないことだからこそ、この発見は偉大である。その気にしないことを敢えて言葉にしてみると、こんなにも素敵な謎が生まれるのだ。日常の中から問題の素材を切り出す慧眼、その素材を完璧な調理法で高いチャームとキレのあるトリックを備えた問題へと仕上げる技術、どちらも一流のそれである。ところでこれ、タイトルはどう読むのですか? 発音のコツ、教えてください |
0 | 物語部門賞ノミネート | ハルキ | ツナグ | と☆ん | 恋愛要素が一切無いのにこの青春感!私がラテシン登録後3日目くらいに出題されていて、水平思考といえばウミガメのスープだった私には、新鮮すぎる作品でした。 |
0 | - | ヒョウアザラシ | 愛 | merrrrron | 愛、愛ってなぁに?? |
0 | - | のりっこ。 | 【要知識問題】『チェックメイトへの回答はダブルミーニング』 | SoMR | のりっこさん問題は全部ノミネートしたく思ってしまい,困ったことになったので,今年出題ののりっこさん問題の中で,ふとした瞬間に「あの問題ヤバかったな…」と思い出した回数が個人的に一番多かったこの問題をノミネートすることにします.なんかもう「20の扉」の発展のさせ方が超次元過ぎて何と言って凄さを伝えれば良いのか分かりません.のりっこさんの禅問答みたいな扉の中でも抜きんでて禅問答色の強い,一度見たらその異常さが激烈に脳に刻み込まれてしまう激ヤバ問題. |
0 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | 揚羽 | 泥棒は許しません | QQS | 問題文はかなりシンプル。また、「とりあえず」というフワッとした言葉は、ややもすれば曖昧と感じられてしまう表現かも知れません。しかし解説を読んでみれば、これはもう「とりあえず」としか言い表せない状況が繰り広げられています。絶妙な言葉のチョイスが光る1問。「とりあえず」の後に続く言葉は「ビール」だけではないという大事なことを教えてくれる作品です。 |
0 | - | アアア | 損して得とれ | ゴトーレーベル | アアアさんらしい、シンプルだが切れのいい問題。考えるとき、人が店を選ぶ際のいろいろな要素を頭の中で列挙するが、それが罠。実は……ラテシンの誇る巨匠アアア画伯だが、この絵は特に好き。いつもの画風にニヤニヤしていると、なんとそのニヤニヤが罠。参加者の頭の中に、思わず知らず先入観を植え付けている。絵が問題の一部として機能しているのだ。なんと楽しい、なんとずるい。この絵、アアアさんはtwitterのアイコンにしておられるようだ。ご本人もお気に入りなのであろう。先に言った通り、私もお気に入りです。特に鳥。 |
0 | - | tsuna | 四文字漢字駅伝 | QQS | いわゆる謎解きではなく、1つの課題に参加者全員で取り組むというタイプの問題。「47都道府県をそれぞれ表すオリジナル四字造語でのしりとり」というルールですが、まずこの難易度調整が絶妙です。決して簡単過ぎず、かと言って停滞してしまうほど無理難題という訳でもなく、参加者の発想力をいい具合に刺激してアイデアを引き出す匙加減はさすがの一言です。また、各都道府県の風土や名産品、有名人などに想いを馳せて言葉を繋げていくという楽しい時間を提供するエンターテインメント性も素晴らしいです。参加者が水平思考力を振り絞って創り出した47個の四字造語も必見。 |
0 | トリック部門賞ノミネート | 甘木 | 達磨豪邸~目を疑うイタズラ~ | QQS | だまされた! ま さ れ た ! |
0 | もっと評価されるべき部門賞ノミネート | チピオ | 時間短縮 | ディダムズ | 非常に合理的かつ妥当な問題。実際にこれやったことある人もいるのではないでしょうか。一見すると不思議だけど、見方を変えれば至極当然な、まさしく水平思考が要求される問題でしょう。シンプルな割に問題文はやや長い作りになっていますが、それも具体的な描写となり、この作品の良さ、リアルさを引き立てています。トリックとアイデアを兼ね備えた、現実問題の1つの到達点とも言える問題だと思います。 |
0 | チャーム部門賞ノミネート | とさきんぐ | 熱々のスープ | ぞた | あまりに当然のことで、謎の存在する余地などないように感じられる1行目。その印象を一瞬で破壊するインパクトの強い2行目。シンプルな問いかけで締めた3行目。チャームを煮詰めたような問題文、ラテシンユーザーなら「解きたい」と思わざるを得ないでしょう。問題文のインパクトを重視すると、犠牲になりがちなのは解説の納得感。しかし、期待を裏切らず納得感をもたらす解説に思わずラテシンユーザーもニッコリ。 |
0 | 水平思考問題の例題として最適部門賞ノミネート | 春雨 | ご近所には秘密 | 牛削り | 僕らが当たり前だと思ってやり過ごしてしまっていることの中には、よく考えてみると全然当たり前に見えない奇妙な事象、というのが潜んでいることがある。当たり前だと思い込んでいるのだから、普通そのことをよく考えてみようとなんて思わない。だから見過ごされ、長い間他の当たり前に紛れて何食わぬ顔をしているのである。当問題はそんな事象のうちのひとつを白日のもとに引っ張り出している。面白いのは、20の扉ジャンルで出題し、この事象の核となる単語をまるまる穴抜きにすることで、「当たり前」を完全に払拭してしまっていることである。参加者の前に提示されるのは、全然当たり前ではない不思議な状況だけ。これにいったいどんな説明をつけるのか、参加者はさぞ頭を悩ませることだろう。解説で明かされる一単語は、そんな参加者の蒙昧を嘲笑う。ずっとそこにあったのに、今までどうして気づかなかったんだい、と。ついでの推薦図書デイヴィッド・マレル著『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』(宮部みゆき編『贈る物語 Terror』収載) |
0 | - | letitia | 1 | ちくわさん | まず初めに断言しておく。当問題の解説は、今回のオブザイヤ―に関わらずラテシン内の問題全てにおいて、トップクラスのインパクトを持っている。解答自体は日常的に起こっている出来事であり、決して珍しいことではない。テレビの中だけではなく、今日も日本のどこかで発生している出来事だろう。しかし、この出来事を解答に据えて出題するだけで、途方もないインパクトが生まれるのだ。「嘘だろう?」「本当に?」一瞬の疑心暗鬼のあと訪れる圧倒的な笑撃。全てを理解したあと無感情でいられる人間などおそらくいないだろう。もし私が同じ体験をしたとしても、きっと問題に昇華することはできない。いったいどうして、この体験をひとつの問題として仕立てることが出来るのだろうか。白状してしまおう。私はletitiaさんに嫉妬している。このような問題を作り上げるletitiaさんの貪欲さとユーモラスが羨ましいのだ。この問題を作成したletitiaさんならば、きっと人生の経験全てが創作の元と成りえるのだろう。私はその感性が素直に羨ましい。もう一度断言しておく。当問題の解説は、今回のオブザイヤ―に関わらずラテシン内の問題全てにおいて、トップクラスのインパクトを持っている。 |
0 | - | 天童 魔子 | 私の!! | SoMR | 個人的に隠れ名作と思っていて隠していたこの問題をひとりじめしておくのはよろしくないので、ノミネートします笑 やっぱり魔子さんてすごいなあと思う一問。この問題の凄いのは、“納得感”の取りに行き方が普通の問題と全く違うところだと思う。実際、この題材は「あるある」じゃないはずで、本当にはこんな子はいないかもしれない。それなのに、この納得感は何だろう?ものすごく「あるある」っぽく感じて、納得してしまう。不思議だ~。おもしろい。誰もが読んだら、ほっこりする、素敵な問題だ。問題としては低空飛行便さんの「叱らなくていいんですか?」http://sui-hei.net/mondai/show/13087 と通じるところがあるかもしれない。追記:今、去年のオブザイヤーを見に行ったらまさに魔子さんが「叱らなくていいんですか?」ノミネートしてますね。なんか、いい。 |
0 | - | koto | ホラを吹かぬ | 松神 | 流れが来ているので便乗して 昔からトンチというものは思考の柔軟さを示すものとして親しまれています。トンチの王道一休さんのような、日常のトラブルや無理難題を解決したり、はたまた落語に登場するずる賢い男のように、人を上手く騙して儲けたり。思考の柔軟さを目に見えるほどわかりやすい利益に直結させることがトンチ話の凄いところです。そしてこの問題はいわばトンチの王道。まるで一休さんがそこに現界したかのように見事に問題を解決してみせる様を綺麗に、そしてシンプルに問題に落とし込みました。この問題が解けた瞬間の爽快感は、きっとただトンチ話を聞いているだけでは味わえません。まるで自分の思考が一休さんのように柔軟になったかのような錯覚さえ覚えます。トンチ話としてだけでなく問題として楽しめる、その上問題としてだけでなくトンチ話としても楽しめるこの素晴らしい問題を僕は「トンチ部門」として推薦します。 |
0 | 物語部門賞ノミネート | みん | 返却希望のプレゼント | フィーカス | 返してほしいカレンダーをわざわざプレゼントした娘。一体何でそんなことをしたのだろう?「プレゼント」「カレンダー」「自分の名前を書きこんでいた」というクルーから連想される物語、これの真相なら恐らくプレゼントはカレンダーでなければいけなかったでしょう。そしてこの解説文、娘は何も言っていないのに、父親ならずともそこからひしひしと娘の気持ちが伝わってくる気がします。回答者としては出題者を泣かせ、出題者としては解説で参加者を泣かせる。みんさんは人を泣かせる天才(あるいは天災)なのでしょうか? |
0 | 物語部門賞ノミネート | 水瓶のスープ | ジンジャーブレッド | 風木守人 | パーラーにて背中を押され、こっそりと失礼します。この方の出題はどれも素晴らしいので、選ぶとなると迷いますが私はこちらを推薦します。素敵なお話をウミガメのスープにする手腕もさることながら、鋭く素直な文体の解説が、非常に力強く鳥肌が立ちました。読ませる文章を書くスキルがすさまじく、プロの物書きにも引けを取らないと思います。問いかけに対する別解はいくらでも見つかるにも関わらず、「これ以上」は存在しないと確信させる納得度といい、忘れられない問題です。 |
0 | - | ruxyo | テロリスト誘導思考 | 風木守人 | 昨年、参加した問題の中で一番印象に残っている作品です。手探りであらゆるものを疑いながら進めるカメオくん問題。それでいて、最終的に取るべき選択が意外であり、ラテシンをうまく使った問題です。登場人物の立場や配置、バッドエンドの設定など作り込みが半端なものではありません。正直もうめちゃくちゃワクワクしました。私が一番楽しんだ問題です。また味わいたいです、あの時のワクワク感。参加した時の皆さんとのやりとり。素晴らしかった!あと謎の毛。 |
0 | - | shizuku | 偶然?必然? | koto | この問題を初めて見て、初めて解答を知ったとき、しみじみと「常識を破ろうとして思いついた思考こそ、誰もが思いつく思考である」を痛感しました。ある非現実的な部分をのぞけば、解答は文字通り偶然と必然が、そして公正とズルが両立しています。真実は驚くほど単純で、現実の現段階では不可能だけども条件さえ満たせばすぐにでも実現できる。早い段階でのスナイプだって可能だったかもしれない。それにも関わらず、正解まで遠くなってしまったのは真っ先に疑うべき、ある簡単なルールがなかなか思いつけなかったから。「カメオのじゃんけんのやり方になにか秘密が……」「大会の仕組みにきっと問題が……!」「非現実的要素があるのなら、きっとそこが答えの要だ!」と、枝葉にとらわれた人もいるのではないでしょうか(私はそのひとりです)水平思考問題に多く触れ、慣れている人ほど、かえって解答を思いつけない問題だと思います。これぞ「発想の飛躍」だと感動した一作です。 |
0 | もっと評価されるべき部門賞ノミネート | 低空飛行便 | 人生最小の危機 | 松神 | いや、正直驚きますよね。自分のmvs投票から推薦したい問題探してたら、この問題なぜか推薦されたことがなかったという事実に気が付いてしまったんですよ。僕はこの問題こそもっと評価されるべきだと声を大にして申し上げたいです。この問題の素晴らしいところは、やはり「ギャップ」でしょう。全てが日常的なシーンとして想像された安心感さえ感じるような光景が、自分の想像からかけ離れた光景にまさに「一瞬で」移りゆく際の爽快感は、筆舌に尽くし難いです。たった一つのピースがハマりさえすれば、全てが解けてしまう問題。儚く一瞬で消えてしまう花火のような問題が、これ程印象に残ってしまうのは、それはきっとこの問題の思考誘導があまりにも見事だったから。花火が準備されていることにすら気が着くことが出来ないからなのでしょう。サプライズ、驚きとはまさに意識外から襲い来るが故に驚きであり、感動があるのです。そんな驚きを皆さんにも是非体感して欲しいので僕はこの問題を「もっと評価されるべき部門」として推薦します。 |
0 | - | 饂飩 | 社畜は辛いよ | 春雨 | 泣いた理由を問う。「男」と「女」の関係性や、焦点を「日給」に当てた問題文。紡ぎ出される解説はそれらの印象からまさに水平にシフトして昇華されています。シンプルながら味わい深い一杯。タイトル・問題文を一見すると軽いところもまた……。 |
0 | 納得感部門賞ノミネート | アアア | ママの言う通りだった。 | 春雨 | 「逆」の「逆」は真なのだと断ぜられたような、有無を言わせない納得感。「ママの言う通り」でした。完全に余談ですがマママとマママのママ(母親)がツボです。 |
0 | - | 春雨 | 民族学I・前期2単位 | 牛削り | 「登場人物との対話により真相を探る」という亀夫君問題のシステムを斬新なやり方で利用した問題。当問題の真相は、学術的にも興味深いテーマを投げかけている(ような気にもさせる)。また、大人なユーモアも利いていて、総合的に楽しめる作品でもある。ついでの推薦図書井上京子著『もし「右」や「左」がなかったら―言語人類学への招待』 |
0 | もっと評価されるべき部門賞ノミネート | SoMR | 『For you』 | az | 【ネタバレ注意】"文章の力"というと、普通はポジティブな文脈で使われる言葉である。読んでもいない小説にそれを感じるというA君の意図するところとは何か? そんなことがあり得るのか?あり得るのだ。確かにA君からすれば、皮肉のひとつも言いたくなるだろう。彼だけが感じる"文章の力"である。この視点を発見することは、なかなか容易ではない。小説家もリアルの生活を持つ人間だということは、わかってはいても想像しづらく、ましてその家族に目をやるというのは尚更である。その視点に気づき、一編のショートストーリーを作り上げ、それをさらに問題へと構成する……これをさらりとやってのけているのがこの問題。"文章の力"という言葉にこの皮肉めいた意味合いを持たせるのは、誰でも思い付くことではない。問題と解説は"私"という人物の視点から書かれているが、これがまたいい味を出している。問題の要点的には三人称でも影響はないが、少し距離を置いた第三者の視点から語らせたことで、抑制の利いた味わいのある物語となっている。何かの始まりを予感させる解説の最後が余韻を残す。出題者のセンスの良さと問題構成へのこだわりが感じられる。意外なシチュエーション構築はSoMRさんの十八番だが、この問題でもそれが遺憾なく発揮されている。さらりとした納得感の奥に豊かな物語性を秘めた、噛めば噛むほど味がする好編。 |
0 | - | 和菓子屋さん | シェルターの扉 | ちくわさん | 過去問を見直して「参加したかったなあ」と悔しい思いをしたことはよくありますけれど、「これはもっと積極的に参加しなければいけなかった」と後悔したのはこの作品だけです。和菓子屋さんの出題される問題は質が高いのはもちろんなのですが、そのほとんどがとても独創的です。出題型式、解答、ルール。一筋縄ではいかないサプライズが隠されており、参加者を楽しませようとする和菓子屋さんの心遣いが細部まで行き届いています。そしてこの問題、最大の特徴は解答がある条件で変化するということです。さらに、ヒントが意外な場所に隠されています。これだけでも充分参加者が楽しめる形式になっているのですが、実はもっと面白く可能性を秘めていたのです。自分が様子を見ずに積極的に参加していればもっと違う流れになっていたのではないか、自意識過剰だと分かっていても、未だに和菓子屋さんは申し訳なく思います。もちろんこのままでも充分面白い作品ですので、自信を持ってお勧めします。問題を閲覧される際は、問題文、雑談チャット、質疑、全てに目を通して、リアルタイムの雰囲気を想像しつつ楽しんでください。 |
0 | - | (名無しで出題) | 居ない乗客と税金泥棒 | ムク | (あるあるではないが確かに生じうる特殊な状況) +(その状況に限りこの上ない妥当性を持つアイディア) ⇒ 大!好!物!! という方々へ、強く強〜くお勧めします。昨年大晦日の夜に出題されたこの問題、年越しそばや紅白にかまけて見落としていたなら勿体ないのですぞ〜 ヾξ✿╹◡╹ξノ✧*。折角なので名前当てにもチャレンジしてみましょう。うーん、これは難問ですね。分からないでしょ! と、思いきや?おそらくは出題者とほぼ接点のない方がスナイプされていた様です。すんごい。 |
0 | チャーム部門賞ノミネート | モニコ | 地平線の彼方に | QQS | 「タクシー」+「1,000km」という常識外れなコンビネーションは衝撃的。問題文2行目を読むより前に「一体どういうことやねん!?!?!?」と首を360度ほどひねること間違い無しです。さて参加者の思考を地平線の彼方に吹っ飛ばす勢いのこの問題ですが、よくよく読めば「すぐに向かってください」と「告げた目的地」という言葉が実に巧妙です。一切アンフェアな表現を用いずに、読む側の思考を完璧に操っています。しかしながら問題を解くための情報量としては充分であり、短い問題文にエッセンスを綺麗に詰め込んだ傑作と言えるでしょう。ウミガメのスープにおけるチャームの大切さを教えてくれる1問です。 |
0 | チャーム部門賞ノミネート | レイブン | その点トッポってスゲェよな! | ひゅー | 一目見て、ド級のチャームが参加者を襲います。「なぜ?」ではなく「どうやって?」と尋ねるという一風変わった試みが見事にハマっているといえるでしょう。MVSで牛削りさんが述べているように、解説では手段だけでなく、「なぜそんなことをするのか?」という疑問にも答えており、だからこそ納得感も高まっていると感じます。 |
0 | 納得感部門賞ノミネート | kinnsada | サプライズ人事? | ひゅー | 素材の味を活かすとは、まさにこの問題のことでしょう。シンプルなルールを、シンプルなトリックを使って裏をかいています。私が出題者だとすると、スナイプを恐れてベールをかけたくなるところですが、あえてさらけ出して勝負しています。kinnsadaさんの度胸が生み出した、素晴らしい納得感が味わえる問題です。 |
0 | チャーム部門賞ノミネート | 甘木 | 完全犯罪? | 好太郎 | 現在までタイトルに「完全犯罪」が含む問題が16問出題されています。ただこういう名づけは、参加者の期待値を上げすぎてしまい、問題文を読んだ頃には、「タイトル負けしてそうだな」と参加意欲を落としてします。でも、これはそうではありません。この問題のテーマは殺人事件。問題文は犯人の行動と殺害方法の一部が示されており、リアリティある情報から参加意欲を落とすことはありません。 |
0 | 物語部門賞ノミネート | 天童 魔子 | 一滴の酒 | みん | なぜ褒められるのか一見不可解なのですが、お酒とタバコだからこそ、カメオの想いの強さが感じられます。同じ境遇ではないのですが、読んだ側も勇気をもらえる素敵なストーリーだなと思いました。 |
0 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | 髷清 | ファインディング・荷物 | 好太郎 | ヘタに喋るとネタバレになります。とりあえず言うなら、童心が大事。あるいはおやじ心。 |
0 | 伏線・洗練さ部門賞ノミネート | ひゅー | 無意味な石鹸 | az | 洗練の代名詞のような問題。スマートでクールでスタイリッシュ。まさに「おっ、これかっこいいな」という感じ。【ややネタバレ注意】トリック的には所謂"言葉遊び"に分類されそうなものだが、そのトリックの仕込み方が非常に巧く、無理がない。問題文は短いが、トリックに加えてクルーもしっかり含まれており、一切の無駄がない。核となるトリックを中心に言葉がひとつひとつ適切に選ばれており、引き締まった問題となっている。ひゅーさんのセンスが溢れる、磨き抜かれた傑作。 |
0 | - | 黒井由紀 | Bullet or Bread? | az | 柔らかい語り口で猟銃だのゾンビだのと全然柔らかくない出来事が語られるのが可笑しくてチャーミング。思わず参加したくなる魅力に満ちた問題文だ。そして、解説の納得感も非常に高い。非現実要素は納得感を出しづらいと言われがちだが、この問題を見ていると、決してそんなことはない、と思える。一見……というかなかなかにぶっ飛んだ内容ではあるが、語られる真相は確かに筋が通っている。非現実的でぶっ飛んだ解説でも、理屈が明快なら納得できるのだ。むしろ、非現実的だからこそ、明快な理屈とのギャップの分、強烈な納得感が生まれているとさえ言える。とにかく何かとギャップが強烈な、可笑しくも面白い逸品。 |
0 | - | FFタマゴちゃん | ミルクセーキ・素直・思い出 | みん | まさか、あのお約束シチュエーションだとは、思ってもみませんでした。こういう風に切り取ると、不思議に見えるのが面白いなと思いました。飲んだ事ないなら仕方ないと、納得でした。 |
主催者推薦 | - | 緑黄色野菜 | 野菜のスープ | tsuna | センスがビッカビカに光っています |
主催者推薦 | - | のりっこ。 | 【山の如し】 | tsuna | チャーム抜群、質問者の想像を上回る解説。どれも素晴らしいです |
主催者推薦 | - | 希少種佐藤 | 急がば並べ! | tsuna | 皆明日から使える水平思考なのです |
主催者推薦 | - | ディダムズ | 【実験作】主席合格者の驚愕 | tsuna | 良くこの人の頭の中を見てみたいといいますが、この問題ではその一端が垣間見えます なぜならば、質問欄で歴戦のスナイパーが解く際の思考も一緒に述べているからです この企画は解決後に真価を発揮するので今ぜひご覧いただきたい企画なのです |
主催者推薦 | - | 松神 | 【実験作】首席合格者の驚愕 | tsuna | 良くこの人の頭の中を見てみたいといいますが、この問題ではその一端が垣間見えます なぜならば、質問欄で歴戦のスナイパーが解く際の思考も一緒に述べているからです この企画は解決後に真価を発揮するので今ぜひご覧いただきたい企画なのです |
主催者推薦 | - | 孤石 | これであなたも名探偵 | tsuna | 最初に解説を読んだ時にはみんなが悔しがることでしょう |
主催者推薦 | - | 水上 | ラブレターフロム | tsuna | 水上さんの懐の広さが垣間見える作品です |
主催者推薦 | - | ゆりり | いちばん好きだよ | tsuna | 安心安全のディダムズ印の向こうをはる 不安危険のゆりりさん(もうねキャラと解説の高低差あり過ぎて耳キーンってなるのw)の逸品です あ、もちろん↑のはいい意味ですよw問題参加中にぞわぞわするっていう意味なので |
主催者推薦 | - | ユミクロ | おやつは仲良く | tsuna | 水平思考のお手本のような問題です |
主催者推薦 | - | 東雲篠葉 | 【カーブミラー】 | tsuna | 状況が変われば不可解な状況になるのですよね |
主催者推薦 | - | アザゼル | わーい全裸だ! | tsuna | アザゼルさんの問題はどれもレベル高いのでどれをお勧めして良いかわかりませんが、何となくアザゼルさんらしいものを選んでみましたw |
主催者推薦 | - | Ratter | 【ラテクエ71リサ】コンビにコンビニ | tsuna | Ratterさんは私と違い問題文のすべてを利用して面白い問題を作ってしまうのです 雑に作ってしまう私とは大違いなのです はい。すいません もっとがんばります |
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