見知らぬ男は倒れていて、その背中にはナイフが突き立っている。
その様子を見たガクは、ナイフが見知らぬ男ではなく息子に刺さっていればよかったのにと思った。
何故だろう?
見知らぬ男は、誰かに殺害されましたか?
YES! [良い質問]
息子はガクの血の繋がった子供ですか?
YES!
ガクは犯人が妻か息子だと思いましたか?
YES! ※ミスリード注意 [良い質問]
ガクは玄関ホールにいますか?
YES! 帰宅した時、問題文の様子を目撃しました。
見知らぬ男の死因はナイフに刺されたことですか?
YES!
ナイフは見知らぬ男が用意したものですか?
YES! [良い質問]
息子が殺害しましたか?
NO! [良い質問]
息子に刺さっていれば……というのは、見知らぬ男ではなく息子が死んでいればよかったということですか? [編集済]
NO! ※ミスリード注意 [良い質問]
ガクが、ナイフは息子に刺さっていればいいと思った理由は、身内に殺人者ができることを快く思っていなかったからですか?
その質問だと確かにYESではありますが、もっと重要な理由があります。 [良い質問]
見知らぬ男の正面ではなく背中にナイフが刺さっているのは重要ですか?
YES! まあ背中の方が自然かな、というくらいですが。 [良い質問]
非現実要素はありますか?
NO!
背中だと正当防衛の証明が難しいことは重要ですか?
NO!
男を殺した犯人の正体は重要ですか?
YES! [良い質問]
見知らぬ男を殺したのは妻ですか?
YES! 見知らぬ男の背中にナイフを刺したのは妻です。 [良い質問]
ガクの一家は格闘術かなにかを習っていますか?
関係ありません。
登場人物は四人だけですか?
YES! ガク、妻、息子、見知らぬ男 の4名です。 [良い質問]
息子が成人していても、ガクは息子に刺さっていればよかったと思いますか?
YES! 年齢は関係ありません。
登場人物は、ガク、ガクの妻、ガクの息子、死んだ男 の四名だけですか?
YES!
見知らぬ男は強盗など犯罪目的でナイフを所持していましたか?
YES! ただし男の目的まで踏み込む必要はありません。「ナイフを所持していたのは男」ということだけが重要です。
問題文突き立って と 刺さって は同じ意味ですか?
YES!
ガクは妻が犯人だと確信していますか?
YES! ※ミスリード注意
まだ生まれていない息子に刺さっていれば、妻は死ぬほどの怪我ではなかっただろうし、妻が反撃して殺人者にならなくて済んだのに。と思いましたか?
NO!
ガクは息子を愛していますか?
YES! とても。 [良い質問]
息子は無傷ですか?
NO! 息子は無傷ではありません! [良い質問]
妻は被害者と抱き合った状態で背中にナイフを突き立てましたか?
NO! ただし妻と見知らぬ男の位置関係について特に追究する必要はないでしょう。
息子と被害者が抱き合っていましたか?
NO!
息子も死んでいますか?
YEEEEES! [良い質問]
いっそひと思いに殺してくれれば苦しまずにすむのに、ますか? [編集済]
NO!
息子の怪我は手術を要するほどの大怪我ですか?
27の通りです。
妻は日常的に息子を虐待しており、もし妻にナイフで刺されていればガクが引き取ることが出来ますか?
NO!
息子が殺されてすぐの時点で駆けつけられなかった事を後悔しましたか?そしたら、妻の犯行を止められたのにという意味で
「そしたら、妻の犯行を止められたのにという意味で」の部分がNO! ※ミスリード注意 [良い質問]
玄関ホールの状況はどう見ても妻の正当防衛には見えないような状況でしたか?
関係ありません。
息子にナイフが刺さっていることでガクに利益がありますか?
YES! 利益(※ミスリード注意)が期待できる状況でした。 [良い質問]
息子を殺したのは見知らぬ男ですか?
YES! [良い質問]
反撃せずにおとなしく男の言う通りにしたがっていれば命を落とすほどではなかっただろうに、と考えましたか?
NO!
ガクは妻を愛していますか?
YES! それはもう。 [良い質問]
帰った時にはすでに妻が男を殺した後だったので、もう少し早く(息子が殺された時点)で帰っていれば、少なくとも妻が犯罪を起こさずとも、自分が犯人を取り押さえられたのにと思いましたか? [編集済]
NO! ガクは妻が「見知らぬ男に復讐したこと」を悔やんでいるわけではありません。 [良い質問]
息子は出血多量で死んだので、ナイフを抜かなければ助けることができたのに。と思いましたか? [編集済]
YEEEEEES! 正解です! [正解]
息子にナイフが刺さっている、つまり妻が犯行に及ぶ前に止められていれば妻を辛い目に合わせずに済んだのに、ですか?
NO! [良い質問]
駆けつけた時点で妻も自殺してしまっていましたか?
NO!
ガク自身の手で息子の復讐をしたかった……ですか?
NO!
年末の片付け仕事を終え、久々の定時退社に心を浮かせた学は、息子の大好きなパイナップルのケーキを駅前で買い、スキップせんばかりに家路を急いだ。
高校受験を控えた息子は最近無口で、あまり顔を合わせていない。
今日はケーキをだしに、無理やりにでも話をしよう。勉強の悩み、将来のこと、恋バナだっていい。
それに国語はからっきしだが、数学や理科ならお父さんだってまだまだ教えてやれるんだぞ。
商店街を抜け、マンションの立ち並ぶ通りを行く。角を二つ曲がる。クリスマスの名残か、あちこちの家の前に安っぽい電飾が輝いている。
公園には気が早く、「新年餅つき大会のお知らせ」なんていう貼り紙がしてある。
妻が無類の餅好きだったことを思い出し、顔がほころぶ。また正月太りするんだろうな、あいつ。
我が家は公園を越えて二軒となり。
駅から少し遠くても、家族で過ごせるリビングの広い家がいい。妻の意見に共感して、必死で働いて建てた念願のマイホームは、ちょっとした自慢だ。
ありきたりだが、自分たちは今間違いなく幸せで、その幸せはまだ始まったばかり、学はそう感じていた。
家の前に立った時、学は妙な胸騒ぎがした。門が半開きで、普段は点いている玄関の灯りが点いていない。
首を傾げつつドアを開ける。鍵は掛かっていなかった。
真っ暗な室内を、向かいの家の電飾がかすかに照らす。学はそこに、三人の人間の姿を見た。
立ち尽くす妻と、息子と、見知らぬ男。
息子と男は倒れていた。
学は後ろ手にドアを閉め、電気を点けた。
「おい、どうしたんだ。何があった?」
妻は焦点の定まらない目を学に向けた。口の中で小さく「あなた」と言った。
学は落ち着けと自分に言い聞かせ、状況を確認した。
まず、息子。
仰向けに倒れていて、左脇腹から出血している。流れ出た大量の血液が、床と壁を汚している。顔は……見たくなかった。
近付いて手首を触る。身体はまだほのかに温かいが、脈は、無かった。
見知らぬ男は、玄関のドアに向かってうつ伏せに倒れている。背中にはナイフが突き立っている。ナイフは我が家には無い種類のものだ。
男の出血は、着ているセーターをジワリと染める程度であった。息があるかどうかは、学には興味のないことだった。
妻は、その場に立ち尽くし、小刻みに震えていた。怖かったのだろう。
彼女の部屋着は、利き手である右腕を中心に、血にまみれていた。
学は状況を理解した。
「いきなり、その人が──」
「わかってる」
妻に理性を取り戻させたくはなかった。
状況が物語っているのは、こんな筋書きだ。
強盗か変質者かわからないが、見知らぬ男が、ナイフを持って我が家に押し入った。対応に出た息子が刺され、その場に倒れた。
それを見た妻が錯乱し、息子の脇腹に刺さったナイフを引き抜き、逃げようとする男の背中に、突き立てたのだ。
妻は大量の血に怯えて理性が働かなくなり、息子と男は倒れたまま動けなくなった。
学はこんなショッキングな光景を前に、不思議に、頭が冴えていくのを感じた。すぐに、これは夫としての本能なのだと確信した。
今、妻を守れるのは、自分しかいない。
身体に刺さった刃物を抜けば、出血多量で死に至る。冷静に考えればわかることだ。
息子の死を早めたのは、妻かもしれないのだ。彼女がその事実に気づいた時、どれほど悲しむだろう。
学の頭脳は、すぐにたったひとつのマシなやり方を弾き出した。
学は、男の背中からナイフを引き抜いた。
最後に妻を引き寄せ、片手にナイフを握ったまま、抱きしめる。
「大丈夫だよ」
自分の声はこんなに優しかっただろうか。
妻の震えが少し治まったような気がした。
幸せだった。
自分たちは間違いなく、幸せだった。
学は血に塗れたナイフの切っ先をもう一度見つめると、力一杯突き付けた。
どこへ? 喉元へ。
誰の?
【要約解説】
ガクは、見知らぬ男が息子を刺し、そのナイフを妻が引き抜いて男を刺したと推理した。
妻がナイフを引き抜いたせいで、息子の出血が早まった可能性がある。
ナイフが見知らぬ男ではなく息子に刺さったままの状態であれば、最悪の事態は避けられたのかもしれない。
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。
lukesさん がこの問題をGoodスープに認定しました。