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【総投票数 655票】
【物語部門】『⑼小野小町 「まだ、死ねない…」』
「表向きは小野小町の和歌のオマージュということになっているが、解説を読めば、隠された「もう一つの原典」にニヤリとしてしまう。原典についてあえて明示せず、また解説のその後(「というわけで、〜なのである。」というようなネタばらし)を省くことで、見事な余韻を生み出している。原典の雰囲気を最大限利用し、新たな視点を加えることで別の価値を生み出す、オマージュとはこうあるべきなのだという素晴らしいお手本だ。」
2016年06月22日12時
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【亀夫君部門】『星の瞬き』
「隠された真相のうちの一部分だけがひょっこりと顔を出す。その露出した部分が問題文となるのだが、当問題に示された「早口言葉」という事象の根が、この真相に繋がっているとは到底予想できまい。この取捨選択はトリックの成立に強く寄与するばかりでなく、問題文から質問、解説へと至る全体の物語にとっても不可欠である。問題文から情報が除かれているのは、トリックのためだけでなく、それ自体が物語上の深い意味を持つのである。亀夫君問題の金字塔を打ち立てた傑作。」
2016年06月17日14時
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【チャーム部門】『【バスの来ないバス停】』
「バスが来るからバス停なのに、当問題のバス停にはバスが来ないという。「そのバス停にはバスが来ない」でもいいのだが、当問題では「バスの来ないバス停が置いてある」と表現することにより、不可思議なバス停の存在感をありありと浮き上がらせている。理屈に合わないはずの物が、何故そんなものが堂々と存在しているのだ、と、情景を想像した者は不安な気持ちを抑えられないだろう。」
2016年06月08日19時
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【トリック部門】『秘密の暴露』
「問題文1行目で、カメオが連続強盗事件の犯人であることをいきなり明かしているのが実に巧い。一見、情報を曝け出してベールを極端に薄くした、誠実すぎる問題文と見えるだろう。だが騙されてはいけない。人は見た目が9割。問題文も1行目が9割。残りの1割で、狡猾な出題者は罠にかかる獲物を舌なめずりして待ち構えているのである。」
2016年05月31日09時
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【チャーム部門】『きずなの糸』
「「DNA鑑定の結果~親子関係は認められなかった」という事象と、「実の父であると確信した」という事象との見事な対比。ここまで綺麗な矛盾を突きつけられると、「自分は何か読み違いをしたのではあるまいか」と不安に駆られる。しかし何度読み返しても、前述の矛盾が消えはしない。この不安を解消するには、解説を読まざるを得ないだろう。「私はいったいどこで間違えたのか、教えてください」」
2016年05月31日08時
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【チャーム部門】『お願い!』
「「問いかけの魔力」というものがきっと存在する。提示する状況だけでなく、最後の問いかけの部分によってチャームを生み出しているような場合である。当問題では、男女の他愛ない会話が展開されるが、そこには少々の違和感がある。最後に付された問いかけでは、まるで参加者の気持ちを代弁するかのごとく、「突然登場したアンナとは誰?」と違和感のど真ん中をついてくる。問題文の流れをぶった切るような問いかけ自体の唐突性も合わせ、読むものの好奇心を掻き立ててやまない。」
2016年05月22日14時
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【納得感部門】『その点トッポってスゲェよな!』
「当問題は、トッポを使ってトラックを止める方法を訊いている。「何故」ではなく「どうやって」である。このような問いの場合、「何故」は蔑ろにされがちである。例えば出来の悪いミステリでは、密室のメカニズムを解明するだけで、そのトリックを用いた動機に言及されないことが多い。当問題について見ると、「トッポでトラックを止める方法」を答えれば確かに正解なのだが、解説には何故そんなことをするのか、という合理的な理由が抜け目なく説明されている。その辺りに、参加してくれた人に納得感を保証するという出題者の責任感が見て取れる。」
2016年05月18日18時
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【チャーム部門】『その点トッポってスゲェよな!』
「「トッポを使って走行中のトラックを止めたい。どうやって?」ただこれだけの問題文。トッポの小ささ、脆さと、トラックの大きさ、強さとの対極的な比較が面白い。状況や感情ではなく、具体的なアイテム2つのみでここまでのギャップを生み出す演出は神がかり的。問いかけがHowであることも手伝って、絶大なチャームとなっている。」
2016年05月18日18時
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【チャーム部門】『古典的双子の問題』
「「古典的双子の問題」と題された当問題では、その名の通り、有名な双子の引っ掛け問題が展開されている。このタイプの問題はある程度定式化され、可能性が出尽くした感があるため、参加者も「あれかこれのパターンでしょ」と高をくくって読み始めたことだろう。ところが問題文後半では、そんな慢心をあざ笑うかのように、我々の知り得てきた可能性がつぶされてしまう。それでも答えがあるというのか? 説明不可能とも思える状況に、知的好奇心が止まらない。」
2016年05月18日09時
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【納得感部門】『くろいおもい』
「元々黒いのに何故、黒く塗るのか。それが当問題の謎であったが、解説を読めば逆接は瞬時にして順接へと変貌する。黒いからこそ、黒く塗っていたのである。ここまで明白な接続詞の反転は、なかなか見られない。」
2016年05月18日09時
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【チャーム部門】『くろいおもい』
「黒い板をわざわざ黒く塗るという不可思議な行動。想像しやすいシンプルな情景でいながら、奇行の度合いは非常に高い。参加者を引き付けるスピードにおいて右に出る問題はないだろう。」
2016年05月18日09時
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【トリック部門】『【山の如し】』
「解説を読めば、問題文に一切の不自然な言い回しが存在しないことに気付くだろう。そっくりそのまま、小説の一場面として用いても問題ない表現である。にもかかわらず、単に前後の文脈を少しだけ省いただけで、真相は闇の中へ消えてしまう。」
2016年05月18日09時
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