「壊れた時計の方程式」「1Good」
日付が変わったころの深夜に発見された他殺死体。
そのかたわらには、#red#血に染まった置時計#/red#が壊れて転がっていた。
駆けつけた警察の見立てでは推定死亡時刻は2~3時間前であり、それは止まった置時計が示した時刻と合致した。
ならば犯行時刻は時計が示した時刻……と誰でも思うところだが、実はほぼ30分ずれていた事実が後になって判明した。
#red#しかしそれが判明したとき、捜査関係者は誰もそれを意外に思わなかったという。#/red#
いったいなぜか。
なお、犯行時刻に物音や様子を聞いたり見たりした証人がいたわけではない。
そのかたわらには、#red#血に染まった置時計#/red#が壊れて転がっていた。
駆けつけた警察の見立てでは推定死亡時刻は2~3時間前であり、それは止まった置時計が示した時刻と合致した。
ならば犯行時刻は時計が示した時刻……と誰でも思うところだが、実はほぼ30分ずれていた事実が後になって判明した。
#red#しかしそれが判明したとき、捜査関係者は誰もそれを意外に思わなかったという。#/red#
いったいなぜか。
なお、犯行時刻に物音や様子を聞いたり見たりした証人がいたわけではない。
17年06月08日 23:02
【ウミガメのスープ】 [ゴトーレーベル]
【ウミガメのスープ】 [ゴトーレーベル]

初闇スープ。おつきあいいただきありがとうございました!いろいろ不手際申し訳ありませんでした!
解説を見る
殺害現場は時計屋であり、被害者は店主であった。
周囲には#red#10時10分前後を指したまま止まった時計#/red#が所狭しと並んでおり、壊れた時計が指している時刻もまた同じであった。
これでは「壊れた時計だけが事件当時も動いていた」とは、最初から誰も考えなかったのは当然である。
まめちしき:
時計屋さんの時計や通販サイトの時計画像が10時10分前後を指しているのは、
・左右対称で美しいから。
・メーカーロゴが12時の下あたりにあることが多いから。
などの理由があるそうです。
---
画像素材提供:
https://prcm.jp/album/gazou1ro1ro/pic/53777144
周囲には#red#10時10分前後を指したまま止まった時計#/red#が所狭しと並んでおり、壊れた時計が指している時刻もまた同じであった。
これでは「壊れた時計だけが事件当時も動いていた」とは、最初から誰も考えなかったのは当然である。
まめちしき:
時計屋さんの時計や通販サイトの時計画像が10時10分前後を指しているのは、
・左右対称で美しいから。
・メーカーロゴが12時の下あたりにあることが多いから。
などの理由があるそうです。
---
画像素材提供:
https://prcm.jp/album/gazou1ro1ro/pic/53777144
「彼女が僕にくれたもの」「1Good」
彼女が僕にくれたもの
倍にしてお返ししたら
「ばかみたい」
って笑われた。
なんでかな?
倍にしてお返ししたら
「ばかみたい」
って笑われた。
なんでかな?
14年11月24日 22:31
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
解説を見る
エリさんと付き合い始めたことは、クラスのみんなにはまだ内緒だ。
教室内では無関心を装い、互いに声もかけないようにしていた。
でもどうしても気になって、授業中、よくエリさんの方に目が向いてしまう。
そんな時、エリさんもこちらを見ていることが多く、互いに苦笑いして目を背けるのだ。
今日は数学の授業中にそれが起こった。
エリさんはその時、さりげなく僕に#red#ウィンクを送ってくれた#/red#。
その仕草にドキッとした。
#red#お返しに僕もウィンクをした#/red#。
するとエリさんは突然笑い出した。
「あはは何そればかみたいー」
……どうやら、#red#僕のウィンクは両目になってしまっていた#/red#らしい。
「こらお前ら、授業中にいちゃつくな!」
数学の谷山が怒鳴った。
これをきっかけに、僕らの関係は白日の下に晒されてしまった。
ま、授業中も堂々と見つめ合えるようになったからいいけどね。
教室内では無関心を装い、互いに声もかけないようにしていた。
でもどうしても気になって、授業中、よくエリさんの方に目が向いてしまう。
そんな時、エリさんもこちらを見ていることが多く、互いに苦笑いして目を背けるのだ。
今日は数学の授業中にそれが起こった。
エリさんはその時、さりげなく僕に#red#ウィンクを送ってくれた#/red#。
その仕草にドキッとした。
#red#お返しに僕もウィンクをした#/red#。
するとエリさんは突然笑い出した。
「あはは何そればかみたいー」
……どうやら、#red#僕のウィンクは両目になってしまっていた#/red#らしい。
「こらお前ら、授業中にいちゃつくな!」
数学の谷山が怒鳴った。
これをきっかけに、僕らの関係は白日の下に晒されてしまった。
ま、授業中も堂々と見つめ合えるようになったからいいけどね。
「これからの日々」「1Good」
引越し先へ向かう電車の車窓から、
「カナエ、また会おうね」
と書かれた横断幕と、それを持って手を振るクラスメイトたちの姿を見つけた山村カナエ。
彼女は感激し、すぐに窓際の席を離れた。
カナエのこの行動は、ある推理に基づいたものであるが、それはいったいどんな推理だろう?
「カナエ、また会おうね」
と書かれた横断幕と、それを持って手を振るクラスメイトたちの姿を見つけた山村カナエ。
彼女は感激し、すぐに窓際の席を離れた。
カナエのこの行動は、ある推理に基づいたものであるが、それはいったいどんな推理だろう?
17年10月28日 19:35
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]

最後のウミガメ問題
解説を見る
亀山中学校で受ける最後の授業が終わると、山村カナエはその足で駅へ向かった。
親の仕事の都合での転校。仕方ないと思いつつも、やりきれない思いが残るのは、それだけこの学校での日々が濃密だったからだろう。
友人たちとの最後の挨拶は、軽めに済ませた。そうでないと、泣いてしまうから。駅まで行く気力がきっと萎えてしまうから。
両親はすでに転居先へ行っている。
「みんなとちゃんとお別れしてから来なさい」
母親からは朝、そう言われていた。
一人で電車に乗り込み、窓際の席に座った。プシューと音がして、ドアが閉まる。電車がのろのろと動き出す。
車窓に、見慣れた風景が映し出された。
あの本屋へは、ケイちゃんとよく学校帰りに寄った。
あの公園では、イッちゃんやタケ君とドッヂボールをした。
あのカフェで、マーちゃんの悩み相談に乗ってあげた。
車窓から見える街並みのあちこちに、思い出があった。
ちゃんお別れしてくればよかったな。
いまさらながら、カナエはちょっと後悔した。
その時だった。
#big5#「カナエ、また会おうね」#/big5#
視界にその文字が飛び込んできた。
横断幕をこちらに見せながら、草原で手を振るクラスメイトたちの姿。副担任の先生も一緒にいる。
彼らの顔を見てカナエは感激し、涙を流しそうになった。直前で涙腺をしめたのは、胸に浮かんだある疑問。
#red#──なぜ、私がこちら側に座るとわかったのか?#/red#
カナエが買ったのは自由席のチケットで、こちら側に座ったのは単なる気まぐれだ。予測できるはずがない。
ならばいたい、どうやって。
横断幕を持った生徒たちの人数を目算する。十人とちょっと。#red#クラスの人数の約半数#/red#だ。
そして付き添っているのが副担任……。
カナエはある答えを得た。
泣いている場合じゃない。
#red#急いで席を立ち、反対側の窓際に移動した#/red#。
いた。
#red#こちら側にも、横断幕を持つクラスメイトたちの姿#/red#。付き添っているのは担任だ。
#big5#「カナエ、忘れないよ」#/big5#
そう書かれていた。
彼らの姿は一瞬にして後ろへ消えていく。
しかしカナエの心に焼きついたふたつの車窓からの光景は、消えなかった。
「ありがとう」
カナエは呟き、涙をこらえるのをやめた。
これからの日々。
寂しくなることもあるだろう。
でもきっと大丈夫。
自分と過ごした日々を大切にしてくれる人たちが、
あの街にいるんだって、
カナエはずっとそう信じていることができるから。
【要約解説】
自分が電車のどちら側の席に座るか予測できるはずがない。
また、横断幕を持ったクラスメイトの人数は、全体の約半数。
そのことから、カナエがどちら側に座ってもメッセージが見えるよう、反対側にも横断幕を持った友人たちが待ち構えているはずだ。
カナエはそう推理し、最後に全員の顔を焼き付けておけるよう、反対側の窓際に移動した。
親の仕事の都合での転校。仕方ないと思いつつも、やりきれない思いが残るのは、それだけこの学校での日々が濃密だったからだろう。
友人たちとの最後の挨拶は、軽めに済ませた。そうでないと、泣いてしまうから。駅まで行く気力がきっと萎えてしまうから。
両親はすでに転居先へ行っている。
「みんなとちゃんとお別れしてから来なさい」
母親からは朝、そう言われていた。
一人で電車に乗り込み、窓際の席に座った。プシューと音がして、ドアが閉まる。電車がのろのろと動き出す。
車窓に、見慣れた風景が映し出された。
あの本屋へは、ケイちゃんとよく学校帰りに寄った。
あの公園では、イッちゃんやタケ君とドッヂボールをした。
あのカフェで、マーちゃんの悩み相談に乗ってあげた。
車窓から見える街並みのあちこちに、思い出があった。
ちゃんお別れしてくればよかったな。
いまさらながら、カナエはちょっと後悔した。
その時だった。
#big5#「カナエ、また会おうね」#/big5#
視界にその文字が飛び込んできた。
横断幕をこちらに見せながら、草原で手を振るクラスメイトたちの姿。副担任の先生も一緒にいる。
彼らの顔を見てカナエは感激し、涙を流しそうになった。直前で涙腺をしめたのは、胸に浮かんだある疑問。
#red#──なぜ、私がこちら側に座るとわかったのか?#/red#
カナエが買ったのは自由席のチケットで、こちら側に座ったのは単なる気まぐれだ。予測できるはずがない。
ならばいたい、どうやって。
横断幕を持った生徒たちの人数を目算する。十人とちょっと。#red#クラスの人数の約半数#/red#だ。
そして付き添っているのが副担任……。
カナエはある答えを得た。
泣いている場合じゃない。
#red#急いで席を立ち、反対側の窓際に移動した#/red#。
いた。
#red#こちら側にも、横断幕を持つクラスメイトたちの姿#/red#。付き添っているのは担任だ。
#big5#「カナエ、忘れないよ」#/big5#
そう書かれていた。
彼らの姿は一瞬にして後ろへ消えていく。
しかしカナエの心に焼きついたふたつの車窓からの光景は、消えなかった。
「ありがとう」
カナエは呟き、涙をこらえるのをやめた。
これからの日々。
寂しくなることもあるだろう。
でもきっと大丈夫。
自分と過ごした日々を大切にしてくれる人たちが、
あの街にいるんだって、
カナエはずっとそう信じていることができるから。
【要約解説】
自分が電車のどちら側の席に座るか予測できるはずがない。
また、横断幕を持ったクラスメイトの人数は、全体の約半数。
そのことから、カナエがどちら側に座ってもメッセージが見えるよう、反対側にも横断幕を持った友人たちが待ち構えているはずだ。
カナエはそう推理し、最後に全員の顔を焼き付けておけるよう、反対側の窓際に移動した。
「酷く憎いけど愛してる」「1Good」
彼が必死の形相で写真を踏みつけたのは、その写真が、今は亡き恋人が写った唯一の写真だったからだという。
一体どういうことだろう?
一体どういうことだろう?
17年10月30日 11:28
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
解説を見る
愛し合っていた恋人を亡くした彼は、すっかり生きる気力を無くし、酒と煙草に溺れ、自堕落な生活を送るようになった。
そんなある日、発泡酒を飲みながら眠ってしまった彼は、焦げ臭いにおいに目を覚ます。寝ぼけ眼で明るい方に目をやると、灰皿から火柱が上がっていた。
どうやら大量の煙草のどれかを消し損なったらしかったが、そんなことはどうでもいい。彼が驚いて飛び起きたことで、炎がぐらりと揺れ、側にあったもの――酒瓶とつまみと財布、それに、亡き恋人が写った一枚こっきりの写真――を飲み込んだ。
彼は、燃え上がる財布も、大きな火柱も気にとめず、迷わず写真を救い出す。
今の自分や生活が燃えるだけならまだしも、これまで燃やされてはたまらない。
彼は、恋人の写真に付いた火を必死の形相で踏み消した。
やがて写真に付いた火が消え、恋人の笑顔が無事であることを確認すると、彼は消化用の水を汲みにキッチンへと向かった。
その顔には、恋人を無くす前の彼が持っていた、生きることへの強い意志が宿っていた。
そんなある日、発泡酒を飲みながら眠ってしまった彼は、焦げ臭いにおいに目を覚ます。寝ぼけ眼で明るい方に目をやると、灰皿から火柱が上がっていた。
どうやら大量の煙草のどれかを消し損なったらしかったが、そんなことはどうでもいい。彼が驚いて飛び起きたことで、炎がぐらりと揺れ、側にあったもの――酒瓶とつまみと財布、それに、亡き恋人が写った一枚こっきりの写真――を飲み込んだ。
彼は、燃え上がる財布も、大きな火柱も気にとめず、迷わず写真を救い出す。
今の自分や生活が燃えるだけならまだしも、これまで燃やされてはたまらない。
彼は、恋人の写真に付いた火を必死の形相で踏み消した。
やがて写真に付いた火が消え、恋人の笑顔が無事であることを確認すると、彼は消化用の水を汲みにキッチンへと向かった。
その顔には、恋人を無くす前の彼が持っていた、生きることへの強い意志が宿っていた。
「バードストライク」「1Good」
男は死んでしまった。
どうも鳥が鳴いたのを聞いたことが原因らしい。
一体どういうことだろうか?
どうも鳥が鳴いたのを聞いたことが原因らしい。
一体どういうことだろうか?
14年11月21日 23:20
【ウミガメのスープ】 [シチテンバットー]
【ウミガメのスープ】 [シチテンバットー]

参加ありがとうございました。「バードストライク」は飛行機や風車に起こります。
解説を見る
男は視覚障害者。
外に出掛ける際は、主に杖の感触、そして#b#音#/b#を頼りにしていた。
男が散歩するルートには信号がある。その信号が青になると、#b#鳥の鳴き声が流れるようになっていた#/b#。
ある日。いつものように男が散歩をしていると、例の信号に差し掛かった。
音は出ていない、つまり信号の色は赤。
すると、本物の鳥が鳴き始めた。その声はいつも聞いているあの信号からの音に酷似していた。
男は歩き始めた。まだ信号が#red#赤のまま#/red#なのに・・・
外に出掛ける際は、主に杖の感触、そして#b#音#/b#を頼りにしていた。
男が散歩するルートには信号がある。その信号が青になると、#b#鳥の鳴き声が流れるようになっていた#/b#。
ある日。いつものように男が散歩をしていると、例の信号に差し掛かった。
音は出ていない、つまり信号の色は赤。
すると、本物の鳥が鳴き始めた。その声はいつも聞いているあの信号からの音に酷似していた。
男は歩き始めた。まだ信号が#red#赤のまま#/red#なのに・・・