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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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みんなのGood

横恋慕「2Good」

わぬ恋と思いながらも春に告白し、玉砕した亀也。
自慢の恋人が居るから、それが理由だった。
その恋人というのは成績優秀、頭脳明晰、
スポーツ万能、容姿端麗、センス抜群
と言われる海太だった。

しかしそれを聞いた亀也は諦めるどころか、
前にも増して希望を得た。

一体何故?
16年01月10日 23:39
【ウミガメのスープ】 [春雨]



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也は男だった。
惚れた春もまた男だった。

叶わぬ恋で良い、
気持ちを伝え、
諦めよう。




そう思っていた。
案の定、断られた。


しかし、男だから、振られたわけじゃなかった。

「僕には、海太が居るから」

海太がどんなにイケメンだろうと、
どんなにスーパーマンだろうと構わない。

可能性がどんなに低かろうと、ゼロではないのだから。
わからない「2Good」
俺は彼女の行動の理由がわからず悩んでいた。
友達に相談すると、「それは嫉妬させるためだ」と言われた。
でも、それが違うことは確実なんだ。

どういうことだろう?
14年06月06日 21:18
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

材料不明スープ




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人の心なんてわかるはずない。
 気まぐれで複雑で何の規則もない。自分の心さえあやふやでうまく表現できないときがあるくらいなのに、どうやって人の心を見分けろって言うんだ。

 立入禁止の学校の屋上で、友達と二人、俺はコンクリートに座り込んでいた。やたらと腹が立って、苛立ち紛れに足元の小石を蹴飛ばした。友達は転がる石を目で追いつつも、俺のイライラの理由を聞きたがっているようで、そわそわしている。
 俺も誰かにこのイライラを聞いてもらいたかったから、吐き出すように言った。

「嬉しそうに笑ってても内心は怒ってるとか、反則だろ? 嫉妬させるためにわざと他の男と仲良くするとかさ、見抜けるわけないっての」

「……あれ? お前、そういうこと悩んでるわけ?」

「そりゃ悩むだろ」

 溜息をつく俺に、友達は意外そうに目を丸くする。

「他の男と毎日一緒に帰る彼女の心境、とか、本当にわからないよ……」

「うわ、えげつないな。お前ってそんな苦労してたのか」

「ほんと、俺はどうしたらいいんだ?」

「まあ、女心は確かに難しい。しかしだ」

 こんなとき普段なら率先して俺のことを馬鹿にする友達が、今日は何故か優しくしてくれる。慰めるように俺の肩を軽く叩いた。

「落ち込むなよ。だってそれこそ、嫉妬させるためなんじゃないか? 頑張れよ」

「ああ、俺もそう思ったんだけどさ」

 だってもうそれしかないと思ったのに、違ったんだ。

「それは選択肢になかっただろ?」

「は?」

「それで俺、結局二番にしちゃったんだけど、お前は?」

「……ちょっと待て」

 突然友達が眉をひそめて真剣な顔をする。それから、納得したように膝を打った。

「それ、今日の国語のテストの話?」

「他に何があるんだよ」

 END

#b#俺が彼女の行動の理由を相談した友人は、俺が恋愛で悩んでいると思って「(俺を)嫉妬させるためだ」と言ってくれた。俺は国語のテストの問題に悩んでいただけで、嫉妬は選択肢になかったので、それが彼女の行動の理由ではないことは確実だった。#/b#
サクラトレードオフ「2Good」
東大を目指していた桜木先輩の#b#サクラが咲いた#/b#から、2年2組の#b#サボテンの花は咲かなかった#/b#。

どういうことだろうか?
15年04月06日 20:31
【ウミガメのスープ】 [牛削り]



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県立水平高校は、偏差値でいえば地域4番目という至極平凡な高校である。
中の下ほどの成績だった桜木先輩は2年生の秋に一念発起し、東大を目指し勉強を始めた。
彼の頑張りはすごかった。それこそ、血の滲むような努力をした。
いつしかそれは周囲を巻き込み、学校中の教師や生徒が彼の合格を願うようになった。

そして、今年3月。
彼から担任のもとに一本の電話が入った。

「先生、サクラ、咲きました!」

高校始まって以来の快挙だった。
職員室にいた教師たちは皆立ち上がり、電話の向こうの彼に盛大な拍手を送った。
生活指導の小林先生の指示で若手教師が屋上に走り、用意していた#red#巨大な垂れ幕を校舎に掛けた#/red#。

#big5#『祝・桜木君 東京大学合格おめでとう!』#/big5#

その#red#垂れ幕の陰になる部分に、2年2組の教室があった#/red#。
#red#窓際のサボテンは日光を遮断され#/red#、皆が期待していた花をつけることはなかった。
しかし、桜木先輩を責める者は一人としていなかった。



#big5#【要約解説】#/big5#
#b#桜木先輩の東大合格を祝い、校舎に垂れ幕が下がった。#/b#
#b#それが2年2組の窓を覆い、日光を遮断されたサボテンの生長を阻害した。#/b#
玄関ホールで立ち尽くす妻と息子と、見知らぬ男。
見知らぬ男は倒れていて、その背中にはナイフが突き立っている。
その様子を見たガクは、#b#ナイフが見知らぬ男ではなく息子に刺さっていればよかったのに#/b#と思った。

何故だろう?
15年12月26日 17:00
【ウミガメのスープ】 [牛削り]



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学が会社から帰宅した時には、すべてが終わっていた。


年末の片付け仕事を終え、久々の定時退社に心を浮かせた学は、息子の大好きなパイナップルのケーキを駅前で買い、スキップせんばかりに家路を急いだ。

高校受験を控えた息子は最近無口で、あまり顔を合わせていない。
今日はケーキをだしに、無理やりにでも話をしよう。勉強の悩み、将来のこと、恋バナだっていい。
それに国語はからっきしだが、数学や理科ならお父さんだってまだまだ教えてやれるんだぞ。

商店街を抜け、マンションの立ち並ぶ通りを行く。角を二つ曲がる。クリスマスの名残か、あちこちの家の前に安っぽい電飾が輝いている。
公園には気が早く、「新年餅つき大会のお知らせ」なんていう貼り紙がしてある。
妻が無類の餅好きだったことを思い出し、顔がほころぶ。また正月太りするんだろうな、あいつ。

我が家は公園を越えて二軒となり。
駅から少し遠くても、家族で過ごせるリビングの広い家がいい。妻の意見に共感して、必死で働いて建てた念願のマイホームは、ちょっとした自慢だ。
ありきたりだが、自分たちは今間違いなく幸せで、その幸せはまだ始まったばかり、学はそう感じていた。

家の前に立った時、学は妙な胸騒ぎがした。門が半開きで、普段は点いている玄関の灯りが点いていない。
首を傾げつつドアを開ける。鍵は掛かっていなかった。

真っ暗な室内を、向かいの家の電飾がかすかに照らす。学はそこに、三人の人間の姿を見た。
立ち尽くす妻と、息子と、見知らぬ男。
#red#息子と男は倒れていた。#/red#
学は後ろ手にドアを閉め、電気を点けた。
「おい、どうしたんだ。何があった?」
妻は焦点の定まらない目を学に向けた。口の中で小さく「あなた」と言った。
学は落ち着けと自分に言い聞かせ、状況を確認した。

まず、息子。
仰向けに倒れていて、#red#左脇腹から出血している#/red#。流れ出た大量の血液が、床と壁を汚している。顔は……見たくなかった。
近付いて手首を触る。身体はまだほのかに温かいが、脈は、無かった。

見知らぬ男は、玄関のドアに向かってうつ伏せに倒れている。#red#背中にはナイフが突き立っている#/red#。ナイフは我が家には無い種類のものだ。
男の出血は、着ているセーターをジワリと染める程度であった。息があるかどうかは、学には興味のないことだった。

妻は、その場に立ち尽くし、小刻みに震えていた。怖かったのだろう。
彼女の#red#部屋着は、利き手である右腕を中心に、血にまみれていた#/red#。

学は状況を理解した。
「いきなり、その人が──」
「わかってる」
妻に理性を取り戻させたくはなかった。

状況が物語っているのは、こんな筋書きだ。
強盗か変質者かわからないが、見知らぬ男が、ナイフを持って我が家に押し入った。対応に出た息子が刺され、その場に倒れた。
それを見た妻が錯乱し、#red#息子の脇腹に刺さったナイフを引き抜き、逃げようとする男の背中に、突き立てた#/red#のだ。
妻は大量の血に怯えて理性が働かなくなり、息子と男は倒れたまま動けなくなった。

学はこんなショッキングな光景を前に、不思議に、頭が冴えていくのを感じた。すぐに、これは夫としての本能なのだと確信した。

#b#今、妻を守れるのは、自分しかいない。#/b#

#red#身体に刺さった刃物を抜けば、出血多量で死に至る。#/red#冷静に考えればわかることだ。
#red#息子の死を早めたのは、妻かもしれないのだ。#/red#彼女がその事実に気づいた時、どれほど悲しむだろう。
学の頭脳は、すぐに#b#たったひとつのマシなやり方#/b#を弾き出した。

学は、男の背中からナイフを引き抜いた。
最後に妻を引き寄せ、片手にナイフを握ったまま、抱きしめる。

「大丈夫だよ」

自分の声はこんなに優しかっただろうか。
妻の震えが少し治まったような気がした。

幸せだった。
自分たちは間違いなく、幸せだった。



学は血に塗れたナイフの切っ先をもう一度見つめると、力一杯突き付けた。


どこへ? 喉元へ。



誰の?




#big5#【要約解説】#/big5#
#b#ガクは、見知らぬ男が息子を刺し、そのナイフを妻が引き抜いて男を刺したと推理した。#/b#
#b#妻がナイフを引き抜いたせいで、息子の出血が早まった可能性がある。#/b#
#b#ナイフが見知らぬ男ではなく息子に刺さったままの状態であれば、最悪の事態は避けられたのかもしれない。#/b#
フライングゲット!「2Good」
モノマネで友達を笑わせることが得意な田中。
この日友達はみんな疲れた顔でカリカリしていたので、
田中は思わず今人気のアイドル植野の真似をした。
・・・しかし誰も一言も喋らない。
その様子を見て田中はホッとした。

一体なぜだろう?
15年01月19日 22:10
【ウミガメのスープ】 [水上]



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高校生の田中はモノマネが得意でクラスの中でも人気者であった。
今日は期末テストの最終日。
連日のテスト勉強でみんな疲れた顔をしている。
試験が始まり、みんなが一斉に問題を解き始めた。
カリカリ…カリカリ…
静かな教室に鉛筆が答案用紙を擦る音が響く。
みんながカリカリしている中、田中だけはカリカリしていなかった。
さっぱりわからないのだ。カリカリしたくてもカリカリできないのだ。
田中は仕方なく、斜め前に座っている現役高校生アイドルの植野の答案用紙を盗み見た。
そして答えを真似して書く。カリカリ。
そうやって空欄を全て埋めた田中。
誰も田中のカンニングに気付いておらず、不正を正すものはいなかった。
田中は安心して心の中で呟いた。

カンニングゲット!

しかしそのテストで田中は0点を取った。
そう、現役高校生アイドル植野は、アホだったのだ。