「眠れない。」「4ブックマーク」
夜中、眠りから急に目が覚めた彼は、目覚まし時計の電池を取り外した。
なぜ?
なぜ?
15年05月20日 03:23
【ウミガメのスープ】 [阿瓜]
【ウミガメのスープ】 [阿瓜]
さっき起きたこと
解説を見る
部屋の温度は30度を超えた。彼はその暑さで目が覚めてしまった。
クーラーつけようとしたが、一年近く使ってないため、電池が切れていた。
彼は仕方なく、いったん目覚まし時計の電池で代用することになった。
クーラーをつけ、ケータイのアラームもセットし、彼はまた眠りについた。
クーラーつけようとしたが、一年近く使ってないため、電池が切れていた。
彼は仕方なく、いったん目覚まし時計の電池で代用することになった。
クーラーをつけ、ケータイのアラームもセットし、彼はまた眠りについた。
「【世界田中奇行】外出ニズム」「4ブックマーク」
扉を開けずに、鍵を何度もかけたり開けたりしている田中。
一体なんでそんなことをしているの?
鍵のかかる時のあの感触がそんなに好きなの?
一体なんでそんなことをしているの?
鍵のかかる時のあの感触がそんなに好きなの?
15年11月08日 23:33
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
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田中は旅行を楽しんでいた。一人で。
レンタカーを借りて、意気揚々と周囲を探索する田中。
そんな中、大きなジャ○コを見つけて、大きな駐車場に車を止めて、店内で買い物を楽しんだ。一人で。
買い物を終わって駐車場に戻ったとき、田中は大変なことに気がついた。
どれが自分のレンタカーかわからなくなってしまったのだ。
今日借りたばかりなのでナンバープレートはおろか、外見さえも覚えていない。ちなみに、どこらへんに止めたのかも。
手にあるのは車の鍵である。
鍵に差し込んでまわさなくても、ボタンで鍵を開閉できるタイプのものだ。
ボタンで鍵をかけたり開けたりすると、車のランプが点滅するのである。
そこで田中は一計を案じた。
「そうだ、この鍵を開けるボタンを押して、ランプの点滅した車が僕のだ!」
広い駐車場の中、歩きながら鍵をかけたり開けたりした田中。
どっかで光ってるはずなんだけど。
少ししてようやく自分の車を発見したのだ。
なんかラクガキされてた。
レンタカーを借りて、意気揚々と周囲を探索する田中。
そんな中、大きなジャ○コを見つけて、大きな駐車場に車を止めて、店内で買い物を楽しんだ。一人で。
買い物を終わって駐車場に戻ったとき、田中は大変なことに気がついた。
どれが自分のレンタカーかわからなくなってしまったのだ。
今日借りたばかりなのでナンバープレートはおろか、外見さえも覚えていない。ちなみに、どこらへんに止めたのかも。
手にあるのは車の鍵である。
鍵に差し込んでまわさなくても、ボタンで鍵を開閉できるタイプのものだ。
ボタンで鍵をかけたり開けたりすると、車のランプが点滅するのである。
そこで田中は一計を案じた。
「そうだ、この鍵を開けるボタンを押して、ランプの点滅した車が僕のだ!」
広い駐車場の中、歩きながら鍵をかけたり開けたりした田中。
どっかで光ってるはずなんだけど。
少ししてようやく自分の車を発見したのだ。
なんかラクガキされてた。
「諦めない男」「4ブックマーク」
水
上は毎日ゆりりを口説きにやってくる
水上はゆりりの好みのタイプらしく話は弾むのだが最後は必ずゆりりは水上を拒否する
笑顔で立ち去る水上。明日もきっと来るだろう
水上の目的は?
【参加テーマ・水上さんの魅力と言えば?】
上は毎日ゆりりを口説きにやってくる
水上はゆりりの好みのタイプらしく話は弾むのだが最後は必ずゆりりは水上を拒否する
笑顔で立ち去る水上。明日もきっと来るだろう
水上の目的は?
【参加テーマ・水上さんの魅力と言えば?】
15年11月07日 19:41
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
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水
上の容姿が大好きな人とそっくりらしく ゆりりは楽しく話をする
話はいつも同じでその人がどれだけ強くて賢くて優しくてお尻好きかを頬を赤らめて話し それを水上が優しく聞いてあげるのだ
そして最後は水上の告白は嬉しいが自分はこの男性を心から愛しているので裏切る事は無いときっぱりと拒否するのだった
水上は『ではまた明日』と病室を出る
【水上ゆりり】と記入されたネームプレードを淋しそうに眺める…
妻のゆりりは痴呆が進み水上の事を夫と認識出来ない。しかし過去は覚えているため これ以上症状が悪化しないように毎日お見舞いに来るのだった
上の容姿が大好きな人とそっくりらしく ゆりりは楽しく話をする
話はいつも同じでその人がどれだけ強くて賢くて優しくてお尻好きかを頬を赤らめて話し それを水上が優しく聞いてあげるのだ
そして最後は水上の告白は嬉しいが自分はこの男性を心から愛しているので裏切る事は無いときっぱりと拒否するのだった
水上は『ではまた明日』と病室を出る
【水上ゆりり】と記入されたネームプレードを淋しそうに眺める…
妻のゆりりは痴呆が進み水上の事を夫と認識出来ない。しかし過去は覚えているため これ以上症状が悪化しないように毎日お見舞いに来るのだった
「魔王の葛藤」「4ブックマーク」
初めまして。
「#b#魔王#/b#」-私はそう呼ばれる存在です。
この世界を征服し、魔族の世とすること。
それが魔王に代々与えられてきた使命です。
ですが・・・私の世界征服に対する考え方は、
恐らくこれまでの魔王とは違うのでしょう。
#b#私は人間を滅ぼすことは考えていません。#/b#
彼らの命を奪う事に意味を見出せないからです。
私はただ、我ら魔族と#b#共存#/b#するという事を、
人間たちに理解してもらえれば、それで良いと考えています。
これならば、この世界は人間の世でありながら、魔族の世ともなる。
それで「この世界を魔族の世にする」という使命を果たすつもりです。
ただ、いずれにしてもどうにかしなければならない問題はございます。
#red#勇者#/red#-歴代の魔王が降臨するのと同時に現れ、魔王を打ち倒してきた存在。
そして勇者は此度、単身で私の下へ訪れました。
しかし、今回私は#b#勇者を倒してしまった#/b#のです。
こんなことは過去に一度もありませんでした。私も戸惑っているところです。
現在は彼の戦力を奪い、捕虜として迎えている状態です。
戦力を奪ったとはいえ、勇者が今後再び私の脅威にならないとも限りません。
ただ、無用に彼の命を奪う事もしたくはありません。
先ほども申し上げたように、無闇に人間の命を奪う事に意味を見いだせないからです。
勇者が私の考える世界征服を理解し、共に実行してくれれば良いのですが。
ならば私の取るべき道は、#b#勇者を説得する#/b#ことでしょう。
とはいえ、魔王たる私がかような世界征服のありかたを説いたとて、
勇者がすんなり納得してくれるとも思えません。
皆様、どうか勇者の説得にご協力をお願い致します。
「#b#魔王#/b#」-私はそう呼ばれる存在です。
この世界を征服し、魔族の世とすること。
それが魔王に代々与えられてきた使命です。
ですが・・・私の世界征服に対する考え方は、
恐らくこれまでの魔王とは違うのでしょう。
#b#私は人間を滅ぼすことは考えていません。#/b#
彼らの命を奪う事に意味を見出せないからです。
私はただ、我ら魔族と#b#共存#/b#するという事を、
人間たちに理解してもらえれば、それで良いと考えています。
これならば、この世界は人間の世でありながら、魔族の世ともなる。
それで「この世界を魔族の世にする」という使命を果たすつもりです。
ただ、いずれにしてもどうにかしなければならない問題はございます。
#red#勇者#/red#-歴代の魔王が降臨するのと同時に現れ、魔王を打ち倒してきた存在。
そして勇者は此度、単身で私の下へ訪れました。
しかし、今回私は#b#勇者を倒してしまった#/b#のです。
こんなことは過去に一度もありませんでした。私も戸惑っているところです。
現在は彼の戦力を奪い、捕虜として迎えている状態です。
戦力を奪ったとはいえ、勇者が今後再び私の脅威にならないとも限りません。
ただ、無用に彼の命を奪う事もしたくはありません。
先ほども申し上げたように、無闇に人間の命を奪う事に意味を見いだせないからです。
勇者が私の考える世界征服を理解し、共に実行してくれれば良いのですが。
ならば私の取るべき道は、#b#勇者を説得する#/b#ことでしょう。
とはいえ、魔王たる私がかような世界征服のありかたを説いたとて、
勇者がすんなり納得してくれるとも思えません。
皆様、どうか勇者の説得にご協力をお願い致します。
15年04月05日 16:56
【亀夫君問題】 [セルス]
【亀夫君問題】 [セルス]
解説を見る
魔王と勇者。
魔王は人類の蹂躙を望み、勇者は魔王の邪なる野望を打ち砕く。
そういった対極の存在として、魔王と勇者の伝説は語り継がれてきた。
しかし此度の魔王と勇者は、
#b#対極の存在でありながら、これまでとは全く違う関係#/b#を築いていた。
#red#魔王は人類との共存を願い。#/red#
#red#勇者は人類に絶望し、滅ぼす事を願った。#/red#
魔王がそう願う理由は、彼女自身が語った通り。
勇者がそう願った理由を語るには、少しばかりの時間が要る。
興味があるならば、語ろう。興味がないのなら、読み飛ばせばよい。
彼の歩んだ凄惨たる運命を。
--------------------------------------------------------------------
魔王討伐の任を仰せつかることは、大変に光栄なこと。
だから勇者が勇者に選ばれた時、誰もが彼を、この世の救世主だともてはやした。
勇者には初め、打倒魔王の旅を共にした者がいた。
戦士と魔法使い。
戦士は勇者の幼馴染で、魔法使いは勇者にとってかけがえのない恋人であった。
彼らは昔から仲が良く、勇者が勇者として選ばれた時も、三人で魔王を倒そうと誓い合った。
だが、悲劇は唐突にして訪れた。
とある街を訪れた時の事。
夜、勇者たち一行の宿泊していた宿が焼き討ちされ、魔法使いが命を落とした。
当初は街まで侵攻してきた魔族によるものであると考えられていたが、
街に魔族が侵入してきた形跡はなく、人間の仕業であることが判った。
そして、騎士団による調査の結果では、それを実行したのが勇者であるとされた。
しかも、初めから魔法使いを殺すつもりで計画された事である、と。
もちろん身に覚えはなく、そもそも魔法使いを殺す理由などないと勇者は反論するが、
数々の証拠の品により勇者による犯行であると断定され、
また魔法使いを殺した理由も適当にでっち上げられてしまった。
こうして、かつて彼を英雄ともてはやした人々は、掌を返すように彼を罵った。
その日から彼は、救済対象である人類から追われる身となった。
邪なるもの-「魔王」として。
どうしてこうなってしまったのだろう。
勇者は苦悩した。
最愛の人を失った事。
追われる身となった事。
このままでは終われない。とにかく真実を知りたい。
その一心で、勇者は追われながらも、件の事件について独自に調べていった。
そして、彼は真実に至る。
彼の至った真実は、とても残酷な物だった。
勇者は一人の人物と対峙する。
それは、全ての信実を握る人物-戦士だった。
全ては戦士による犯行だったのである。
幼いころから、彼と勇者は互いに切磋琢磨していた。
しかし、戦士がどれほど努力を重ねようとも、勇者はその上を行った。
剣術も、学術も・・・そして、魔法使いとの恋の行方も。
戦士もまた、魔法使いに恋心を抱いていた。
しかし、魔法使いの心はいつだって勇者に傾いていた。
旅の最中、あの街の宿の焼き討ちが起こる直前の事。
戦士は魔法使いに気持ちを伝えた。
これまで自分がどれだけ魔法使いを想ってきたか、その全てを伝えた。
それでも、魔法使いが選んだのは勇者だった。
その時、戦士の心に歪みが生じた。
積もり積もった妬み。
それは次第に、全てを勇者に奪われてきたという憎悪へと姿を変えた。
憎悪の対象は勇者だけに留まらなかった。
どれだけ想っても振り向いてくれない魔法使いにも、それは及んだ。
だから戦士は、勇者から全てを奪ってやると決意させた。
勇者たる栄誉を奪い、魔王の汚名を与え、
愛する人をも奪ってやる。
そして戦士は凶行に及んだ。
全ての真実を知った勇者もまた、戦士を激しく憎んだ。
二人の憎悪は激しく衝突し、二人を互いを殺し合った。
激戦の果て、生き残ったのは勇者だった。
だが、勇者は勝利の喜びに浸ることはなかった。
あるのはただ、何もかもを失った喪失感だけ。
暗く淀んだ空をぼんやりと眺めているうち、
次第に勇者の心は絶望に支配されていった。
それは、今の自分に対する絶望でもあり、
救済すべき対象であるはずの人類に対する絶望でもあった。
これまで自分が信じてきた全ての人間に裏切られた。
幼馴染であった戦士に、最愛の人を奪われた。
そして、かつて自分を英雄ともてはやした者達も、今は自分を魔王と蔑む始末。
#red#もう、この世界で、自分に味方する者は誰もいない。#/red#
圧倒的な孤独に苛まれるうちに、勇者は人類に対する憎しみを憶えた。
人間はロクでもない生き物だ。
妬み、憎み、平気で他者を殺し、他者を陥れる。
力を持たぬ者達は、力を持つ者にすがり、しかし平気で斬り捨てる。
ああ、なんてロクでもない生き物なんだ。
#red#ならば滅ぼしてしまえ#/red#
#red#生きる価値の無い人間どもを根絶やしにするために#/red#
#red#魔王に代わって俺がこの世を蹂躙してやろう#/red#
--------------------------------------------------------------------
絶望だけを抱えて魔王の下に訪れた勇者。
しかし勇者は魔王に敗れた。
考えてみれば、それは当然の事であった。
勇者とは人類の希望を力に変えて、魔王を打ち破る者。
希望を失った勇者がそれだけの力を持てるはずもなかった。
それならそれでいい。
自分を殺せば、魔王が世界を蹂躙するのを阻むものはいなくなる。
魔王に敗れた勇者は、このまま魔王に殺される事を望んだ。
しかし、魔王は勇者を殺す事を望まなかった。
ただ、勇者を優しく包み込むように抱擁し、彼に語りかけた。
-ごめんなさい。
-私がいなければ、貴方が勇者になることは無かった。
-貴方の絶望には、私にも罪があります。
-でも、起こったことは覆らない。
-私にも、貴方にも、それを覆すだけの力は無い。
-確かに、人類の全てが貴方の敵になってしまったかもしれません。
-でも、#red#貴方は孤独じゃない。#/red#
-#red#人ならざる私は、貴方を受け容れましょう。#/red#
-私の世界征服の構想を少し、修正しましょうか。
-私は魔族の存在を、人類に認めてもらうことを考えてきました。
-それに、貴方という存在をもう一度認めてもらう事を加えましょう。
-大丈夫。
-貴方は一人じゃないから。私もいますから。
-二人で協力して、この世界を征服しましょう?
全ての者に拒絶され、閉ざされた勇者の心は、
自らを受け容れてくれた魔王によって再び開かれ、
堰を切るようにして感涙にむせぶ。
彼の人への憎悪の全てを取り払うことはすぐには難しいだろうが、
いずれは彼の憎悪も融け、全ての人々を許し、また許される日が来るのだろうか。
ただ、勇者の心に再び希望の光が灯ったことに、間違いはないだろう。
魔王は人類の蹂躙を望み、勇者は魔王の邪なる野望を打ち砕く。
そういった対極の存在として、魔王と勇者の伝説は語り継がれてきた。
しかし此度の魔王と勇者は、
#b#対極の存在でありながら、これまでとは全く違う関係#/b#を築いていた。
#red#魔王は人類との共存を願い。#/red#
#red#勇者は人類に絶望し、滅ぼす事を願った。#/red#
魔王がそう願う理由は、彼女自身が語った通り。
勇者がそう願った理由を語るには、少しばかりの時間が要る。
興味があるならば、語ろう。興味がないのなら、読み飛ばせばよい。
彼の歩んだ凄惨たる運命を。
--------------------------------------------------------------------
魔王討伐の任を仰せつかることは、大変に光栄なこと。
だから勇者が勇者に選ばれた時、誰もが彼を、この世の救世主だともてはやした。
勇者には初め、打倒魔王の旅を共にした者がいた。
戦士と魔法使い。
戦士は勇者の幼馴染で、魔法使いは勇者にとってかけがえのない恋人であった。
彼らは昔から仲が良く、勇者が勇者として選ばれた時も、三人で魔王を倒そうと誓い合った。
だが、悲劇は唐突にして訪れた。
とある街を訪れた時の事。
夜、勇者たち一行の宿泊していた宿が焼き討ちされ、魔法使いが命を落とした。
当初は街まで侵攻してきた魔族によるものであると考えられていたが、
街に魔族が侵入してきた形跡はなく、人間の仕業であることが判った。
そして、騎士団による調査の結果では、それを実行したのが勇者であるとされた。
しかも、初めから魔法使いを殺すつもりで計画された事である、と。
もちろん身に覚えはなく、そもそも魔法使いを殺す理由などないと勇者は反論するが、
数々の証拠の品により勇者による犯行であると断定され、
また魔法使いを殺した理由も適当にでっち上げられてしまった。
こうして、かつて彼を英雄ともてはやした人々は、掌を返すように彼を罵った。
その日から彼は、救済対象である人類から追われる身となった。
邪なるもの-「魔王」として。
どうしてこうなってしまったのだろう。
勇者は苦悩した。
最愛の人を失った事。
追われる身となった事。
このままでは終われない。とにかく真実を知りたい。
その一心で、勇者は追われながらも、件の事件について独自に調べていった。
そして、彼は真実に至る。
彼の至った真実は、とても残酷な物だった。
勇者は一人の人物と対峙する。
それは、全ての信実を握る人物-戦士だった。
全ては戦士による犯行だったのである。
幼いころから、彼と勇者は互いに切磋琢磨していた。
しかし、戦士がどれほど努力を重ねようとも、勇者はその上を行った。
剣術も、学術も・・・そして、魔法使いとの恋の行方も。
戦士もまた、魔法使いに恋心を抱いていた。
しかし、魔法使いの心はいつだって勇者に傾いていた。
旅の最中、あの街の宿の焼き討ちが起こる直前の事。
戦士は魔法使いに気持ちを伝えた。
これまで自分がどれだけ魔法使いを想ってきたか、その全てを伝えた。
それでも、魔法使いが選んだのは勇者だった。
その時、戦士の心に歪みが生じた。
積もり積もった妬み。
それは次第に、全てを勇者に奪われてきたという憎悪へと姿を変えた。
憎悪の対象は勇者だけに留まらなかった。
どれだけ想っても振り向いてくれない魔法使いにも、それは及んだ。
だから戦士は、勇者から全てを奪ってやると決意させた。
勇者たる栄誉を奪い、魔王の汚名を与え、
愛する人をも奪ってやる。
そして戦士は凶行に及んだ。
全ての真実を知った勇者もまた、戦士を激しく憎んだ。
二人の憎悪は激しく衝突し、二人を互いを殺し合った。
激戦の果て、生き残ったのは勇者だった。
だが、勇者は勝利の喜びに浸ることはなかった。
あるのはただ、何もかもを失った喪失感だけ。
暗く淀んだ空をぼんやりと眺めているうち、
次第に勇者の心は絶望に支配されていった。
それは、今の自分に対する絶望でもあり、
救済すべき対象であるはずの人類に対する絶望でもあった。
これまで自分が信じてきた全ての人間に裏切られた。
幼馴染であった戦士に、最愛の人を奪われた。
そして、かつて自分を英雄ともてはやした者達も、今は自分を魔王と蔑む始末。
#red#もう、この世界で、自分に味方する者は誰もいない。#/red#
圧倒的な孤独に苛まれるうちに、勇者は人類に対する憎しみを憶えた。
人間はロクでもない生き物だ。
妬み、憎み、平気で他者を殺し、他者を陥れる。
力を持たぬ者達は、力を持つ者にすがり、しかし平気で斬り捨てる。
ああ、なんてロクでもない生き物なんだ。
#red#ならば滅ぼしてしまえ#/red#
#red#生きる価値の無い人間どもを根絶やしにするために#/red#
#red#魔王に代わって俺がこの世を蹂躙してやろう#/red#
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絶望だけを抱えて魔王の下に訪れた勇者。
しかし勇者は魔王に敗れた。
考えてみれば、それは当然の事であった。
勇者とは人類の希望を力に変えて、魔王を打ち破る者。
希望を失った勇者がそれだけの力を持てるはずもなかった。
それならそれでいい。
自分を殺せば、魔王が世界を蹂躙するのを阻むものはいなくなる。
魔王に敗れた勇者は、このまま魔王に殺される事を望んだ。
しかし、魔王は勇者を殺す事を望まなかった。
ただ、勇者を優しく包み込むように抱擁し、彼に語りかけた。
-ごめんなさい。
-私がいなければ、貴方が勇者になることは無かった。
-貴方の絶望には、私にも罪があります。
-でも、起こったことは覆らない。
-私にも、貴方にも、それを覆すだけの力は無い。
-確かに、人類の全てが貴方の敵になってしまったかもしれません。
-でも、#red#貴方は孤独じゃない。#/red#
-#red#人ならざる私は、貴方を受け容れましょう。#/red#
-私の世界征服の構想を少し、修正しましょうか。
-私は魔族の存在を、人類に認めてもらうことを考えてきました。
-それに、貴方という存在をもう一度認めてもらう事を加えましょう。
-大丈夫。
-貴方は一人じゃないから。私もいますから。
-二人で協力して、この世界を征服しましょう?
全ての者に拒絶され、閉ざされた勇者の心は、
自らを受け容れてくれた魔王によって再び開かれ、
堰を切るようにして感涙にむせぶ。
彼の人への憎悪の全てを取り払うことはすぐには難しいだろうが、
いずれは彼の憎悪も融け、全ての人々を許し、また許される日が来るのだろうか。
ただ、勇者の心に再び希望の光が灯ったことに、間違いはないだろう。
「見栄っ張りラヴァーズ」「4ブックマーク」
コンビニバイトの山村カナエは、
常連客である佐藤タクトが一日おきに現れることに気づき、
彼を"見栄っ張り"な性格であるとプロファイリングした。
カナエはどのような推理過程を辿ったのだろうか?
常連客である佐藤タクトが一日おきに現れることに気づき、
彼を"見栄っ張り"な性格であるとプロファイリングした。
カナエはどのような推理過程を辿ったのだろうか?
15年01月25日 14:20
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
解説を見る
ファミファミファミーパファミファミパー♪
入店の音楽が鳴ったので、山村カナエは慌ててスマホをしまった。
「いらっしゃいませ」
見ると、常連客の"とかげ"氏だった。
顔立ちがどことなく爬虫類を連想させることから、誰かがそう呼び始めたのである。
とかげ氏は脇目も振らずスイーツコーナーに行った。
最近のお気に入りらしい#red#「炭火焼きプリン」を二つ手に取り#/red#、私の立つレジカウンターに静かに置いた。
「スプーンはご入用ですか?」
「うん、二つお願い」
「……かしこまりました」
会計を済ませ、店から出ていくとかげ氏。
ふと見ると、カウンターの上に商品が置きっぱなしだった。
カナエはそれを掴み、すぐにとかげ氏を追いかけた。
「とかげ様ぁ!」
店の前の駐車場を出るところで、ようやく追いついた。
振り向いた彼が戸惑うような顔をしているのを見て、何か変なことを口走ってしまったかなと思った。
「あの、お忘れですよ」
「あれ? ああ、しくじったなあ」
彼は額に手を当てながら受け取り、「ありがとう」と言った。
「でも、お店、離れちゃって大丈夫ですか?」
「あ……ええ、この時間はあんまりお客さん来ないので」
「そう……とにかく、助かりました」
とかげ氏はビニール袋を軽く上げてみせ、それからまた、帰路につこうとした。
「あの」
失礼と知りつつも、山村カナエは指摘したくなった。
とかげ氏は再度振り向いた。
「いつも二つ、買われていますよね。スプーンも二つ付けて。#red#それ、彼女さんとか奥さんの分ですか?#/red#」
「ああ、嫁の……」
「でも、とかげさん、一日おきに来られますよね。それって、#red#二つのプリンを二日間かけて食べている#/red#ってことじゃないでしょうか?」
とかげ氏は何も言わず、手元のプリンに目を落とした。
「本当は奥さんなんていないんでしょう? そうじゃないですか?」
「し、失礼じゃないか」
か細く、消え入りそうな声。
「違うんです、私、とかげさんが一日おきにしか来られないのが寂しくて……。もう見栄なんて張らなくていいんで、毎日来てくれませんか?」
「え……」
とかげ氏は顔を上げた。
「好きになっちゃったんです。あなたのその真っ黒な目、ぬらぬらした肌、それに突き出た鼻先も……」
カナエは恋愛の駆け引きというものを知らない。走り始めたら止まれない、暴走特急である。
とかげ氏は顔を赤らめるカナエを見つめて、ひとつ頷いた。
「正解です。おっしゃる通り、僕は見栄っ張りでした。……見破られちゃったらもう、わざわざ一日おきに二つ買っていく必要もないか」
「とかげさん……」
「僕の名前はとかげじゃないよ。佐藤タクト。タクって呼んでほしいな」
「わかりました。とかげさん」
#big5#簡#/big5#易解説
#b#一日おきにやって来て、スイーツを二つ買っていく佐藤タクト。#/b#
#b#二つ買っていくことから、一緒に食べる人がいるという推測が成り立つ。#/b#
#b#しかし一日おきであることから、買った二つは二日間に分けて一人で食べていると思われる。#/b#
#b#わざわざそんなことをするのは、自分には恋人がいるんだと見栄を張りたいためである。#/b#
入店の音楽が鳴ったので、山村カナエは慌ててスマホをしまった。
「いらっしゃいませ」
見ると、常連客の"とかげ"氏だった。
顔立ちがどことなく爬虫類を連想させることから、誰かがそう呼び始めたのである。
とかげ氏は脇目も振らずスイーツコーナーに行った。
最近のお気に入りらしい#red#「炭火焼きプリン」を二つ手に取り#/red#、私の立つレジカウンターに静かに置いた。
「スプーンはご入用ですか?」
「うん、二つお願い」
「……かしこまりました」
会計を済ませ、店から出ていくとかげ氏。
ふと見ると、カウンターの上に商品が置きっぱなしだった。
カナエはそれを掴み、すぐにとかげ氏を追いかけた。
「とかげ様ぁ!」
店の前の駐車場を出るところで、ようやく追いついた。
振り向いた彼が戸惑うような顔をしているのを見て、何か変なことを口走ってしまったかなと思った。
「あの、お忘れですよ」
「あれ? ああ、しくじったなあ」
彼は額に手を当てながら受け取り、「ありがとう」と言った。
「でも、お店、離れちゃって大丈夫ですか?」
「あ……ええ、この時間はあんまりお客さん来ないので」
「そう……とにかく、助かりました」
とかげ氏はビニール袋を軽く上げてみせ、それからまた、帰路につこうとした。
「あの」
失礼と知りつつも、山村カナエは指摘したくなった。
とかげ氏は再度振り向いた。
「いつも二つ、買われていますよね。スプーンも二つ付けて。#red#それ、彼女さんとか奥さんの分ですか?#/red#」
「ああ、嫁の……」
「でも、とかげさん、一日おきに来られますよね。それって、#red#二つのプリンを二日間かけて食べている#/red#ってことじゃないでしょうか?」
とかげ氏は何も言わず、手元のプリンに目を落とした。
「本当は奥さんなんていないんでしょう? そうじゃないですか?」
「し、失礼じゃないか」
か細く、消え入りそうな声。
「違うんです、私、とかげさんが一日おきにしか来られないのが寂しくて……。もう見栄なんて張らなくていいんで、毎日来てくれませんか?」
「え……」
とかげ氏は顔を上げた。
「好きになっちゃったんです。あなたのその真っ黒な目、ぬらぬらした肌、それに突き出た鼻先も……」
カナエは恋愛の駆け引きというものを知らない。走り始めたら止まれない、暴走特急である。
とかげ氏は顔を赤らめるカナエを見つめて、ひとつ頷いた。
「正解です。おっしゃる通り、僕は見栄っ張りでした。……見破られちゃったらもう、わざわざ一日おきに二つ買っていく必要もないか」
「とかげさん……」
「僕の名前はとかげじゃないよ。佐藤タクト。タクって呼んでほしいな」
「わかりました。とかげさん」
#big5#簡#/big5#易解説
#b#一日おきにやって来て、スイーツを二つ買っていく佐藤タクト。#/b#
#b#二つ買っていくことから、一緒に食べる人がいるという推測が成り立つ。#/b#
#b#しかし一日おきであることから、買った二つは二日間に分けて一人で食べていると思われる。#/b#
#b#わざわざそんなことをするのは、自分には恋人がいるんだと見栄を張りたいためである。#/b#