「私は貴方の幸せを願います。」「4ブックマーク」
私は貴方の幸せを願います。
きっと私の思いは届かないと思います。
ですが、貴方が私を見ている限り、ずっと見守りたいのです。
好きです。
どういう状況か?
きっと私の思いは届かないと思います。
ですが、貴方が私を見ている限り、ずっと見守りたいのです。
好きです。
どういう状況か?
10年11月14日 20:03
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]
解説を見る
私は死にました。自殺です。
社会は私をお荷物としか見ていませんでした。
家族はいません。友達も。天涯孤独なんです。
自分のアパートで縄を輪っかにして、そこに首をかけて死にました。
苦しかったけど、なんだか気持ちよくなりました。
そして身体が動かなくなりました。
でも…
意識があるんです。
何故なのか分かりませんが、無にはなりませんでした。
ちょうど窓の前で吊ったので、外が見えました。
秋の寒空の中、宙ぶらりんになって動けないので怖かったです。
数日間一人で寂しく外を眺めていました。
そしてある日、ある人と目が合いました。
冴えない大学生さんみたいですね。
ずっとこちらを見ているようです。
しばらくすると行ってしまいました。
ちょっとだけ人と触れられて嬉しかったです。
どうやら通学路のようで、それから毎日顔を合わせるようになりました。
この前遅刻しそうだったのに、それでも私を見つめてくれるんですね。
多分私が死んでいることに気付いてないのかな?
すっごい幸せそうな顔をしやがるんです。
…なんだ。私でも誰かの幸せになれたのか。もったいなかったな。
私、今更ながら貴方に恋をしてしまいました。
しばらく経つと、私の体も色々不具合が出てきました。
首の骨が伸びてしまい、見え辛くなってきたのです。
それでも彼はちょっと後ろの方へ行って、私を見つめてくれました。
愛らしい、かわいいなぁもう。
そしてとうとう完全に見えなくなりました。
見えませんが、恐らく外は雪のようです。
寒さは感じませんが、寂しくなってしまいました。
クリスマスです。
隣の家族が楽しそうです。
彼に会いたいなぁー、死ななきゃよかったな。
生きて彼に会って、この締め付けるような恋心を伝えたいなぁ。
あ、締め付けてるのは首の縄ですね。
声はでませんが笑えます。涙はでませんが泣けてきます。
すると……
ドンドンドン!ガチャ!大丈夫か!助けにきたぞ!!
彼が助けにきてくれました(*'-'*)もう死んでるんですけどね。
嬉しかったです。もう死んでるんですがね。
彼は私が首を吊っていたとは知らなかったようで、物凄く焦ってました。
なんか私が監禁されていると勘違いしてたようで。
助けて欲しくてずっと彼を見つめていたと思ったらしいです。
そんなわけないだろ。ばかだなー。…かわいいやつめ。
今日は私のお葬式です。
葬式、といっても誰も悼む気持ちなんてない葬式でしたがね。
彼だけは焼香あげる時、愛してました。って言ってくれたんです。
生きてて良かったことが一つだけできました。
もう死んだ後のことなんですけどね。
彼に見守られながら、私は焼かれました。
流石に体がないと無に還るようです。
それでは。
「名も知らない貴方へ。愛しています。幸せになってくださいね」
さようなら( ´ ▽ ` )ノ
社会は私をお荷物としか見ていませんでした。
家族はいません。友達も。天涯孤独なんです。
自分のアパートで縄を輪っかにして、そこに首をかけて死にました。
苦しかったけど、なんだか気持ちよくなりました。
そして身体が動かなくなりました。
でも…
意識があるんです。
何故なのか分かりませんが、無にはなりませんでした。
ちょうど窓の前で吊ったので、外が見えました。
秋の寒空の中、宙ぶらりんになって動けないので怖かったです。
数日間一人で寂しく外を眺めていました。
そしてある日、ある人と目が合いました。
冴えない大学生さんみたいですね。
ずっとこちらを見ているようです。
しばらくすると行ってしまいました。
ちょっとだけ人と触れられて嬉しかったです。
どうやら通学路のようで、それから毎日顔を合わせるようになりました。
この前遅刻しそうだったのに、それでも私を見つめてくれるんですね。
多分私が死んでいることに気付いてないのかな?
すっごい幸せそうな顔をしやがるんです。
…なんだ。私でも誰かの幸せになれたのか。もったいなかったな。
私、今更ながら貴方に恋をしてしまいました。
しばらく経つと、私の体も色々不具合が出てきました。
首の骨が伸びてしまい、見え辛くなってきたのです。
それでも彼はちょっと後ろの方へ行って、私を見つめてくれました。
愛らしい、かわいいなぁもう。
そしてとうとう完全に見えなくなりました。
見えませんが、恐らく外は雪のようです。
寒さは感じませんが、寂しくなってしまいました。
クリスマスです。
隣の家族が楽しそうです。
彼に会いたいなぁー、死ななきゃよかったな。
生きて彼に会って、この締め付けるような恋心を伝えたいなぁ。
あ、締め付けてるのは首の縄ですね。
声はでませんが笑えます。涙はでませんが泣けてきます。
すると……
ドンドンドン!ガチャ!大丈夫か!助けにきたぞ!!
彼が助けにきてくれました(*'-'*)もう死んでるんですけどね。
嬉しかったです。もう死んでるんですがね。
彼は私が首を吊っていたとは知らなかったようで、物凄く焦ってました。
なんか私が監禁されていると勘違いしてたようで。
助けて欲しくてずっと彼を見つめていたと思ったらしいです。
そんなわけないだろ。ばかだなー。…かわいいやつめ。
今日は私のお葬式です。
葬式、といっても誰も悼む気持ちなんてない葬式でしたがね。
彼だけは焼香あげる時、愛してました。って言ってくれたんです。
生きてて良かったことが一つだけできました。
もう死んだ後のことなんですけどね。
彼に見守られながら、私は焼かれました。
流石に体がないと無に還るようです。
それでは。
「名も知らない貴方へ。愛しています。幸せになってくださいね」
さようなら( ´ ▽ ` )ノ
「春遠からじ」「4ブックマーク」
最近牛乳の減りが速いのに気づいたケンジは、甘党の娘が#b#家から出ていけばいい#/b#と思った。いったいどういうことだろう?
16年11月22日 17:32
【ウミガメのスープ】 [az]
【ウミガメのスープ】 [az]
解説を見る
ケンジの家庭では、あまり牛乳を飲む習慣がない。週に2,3日、寝る前にケンジがホットミルクを作って飲む程度だ。
その割に、最近は今までに比べ、妙に牛乳の減りが速い……。もしやと思ったケンジは、戸棚に置いてある#b#インスタントコーヒー#/b#の残りを調べてみた。
思った通り、コーヒーも以前見た時よりずいぶん減っていた。そういうことか、とケンジは得心した。
コーヒーを飲んでいるのは娘のミユキだろう。
高校三年生、大学受験を控えたミユキ。夜はいつも早めに就寝するケンジにはわからないが、きっと彼女は、夜遅くまで勉強しているのだろう。その際、彼女は#red#眠気覚ましとしてコーヒーを淹れて飲んでいる#/red#に違いない。甘党で、苦いものが苦手なミユキはきっと、#red#牛乳をたっぷり入れて#/red#……。
夏頃からミユキは、志望校に東京の有名大学の名を挙げるようになった。彼女は地元の大学に進むものだとばかり思っていたケンジからすれば、どこまで本気なのかと多少疑っていたりもした。
しかし、どうやら彼女は本気のようだ。わざわざ眠気覚ましのコーヒーを淹れて、夜遅くまで頑張っているのだから――。
志望大学に進むことになれば、今の家からは通えない。当然、#b#家を出て下宿を始めることになる#/b#だろう。
寂しいことではある。しかし、娘の努力が報われて、春にはそういうことになっていればいいと、ケンジはしみじみ思ったのだった。
しかし、あんまり夜更かしするのもよくないぞ、わが娘よ。
その割に、最近は今までに比べ、妙に牛乳の減りが速い……。もしやと思ったケンジは、戸棚に置いてある#b#インスタントコーヒー#/b#の残りを調べてみた。
思った通り、コーヒーも以前見た時よりずいぶん減っていた。そういうことか、とケンジは得心した。
コーヒーを飲んでいるのは娘のミユキだろう。
高校三年生、大学受験を控えたミユキ。夜はいつも早めに就寝するケンジにはわからないが、きっと彼女は、夜遅くまで勉強しているのだろう。その際、彼女は#red#眠気覚ましとしてコーヒーを淹れて飲んでいる#/red#に違いない。甘党で、苦いものが苦手なミユキはきっと、#red#牛乳をたっぷり入れて#/red#……。
夏頃からミユキは、志望校に東京の有名大学の名を挙げるようになった。彼女は地元の大学に進むものだとばかり思っていたケンジからすれば、どこまで本気なのかと多少疑っていたりもした。
しかし、どうやら彼女は本気のようだ。わざわざ眠気覚ましのコーヒーを淹れて、夜遅くまで頑張っているのだから――。
志望大学に進むことになれば、今の家からは通えない。当然、#b#家を出て下宿を始めることになる#/b#だろう。
寂しいことではある。しかし、娘の努力が報われて、春にはそういうことになっていればいいと、ケンジはしみじみ思ったのだった。
しかし、あんまり夜更かしするのもよくないぞ、わが娘よ。
「【猛者のスープ】鏡の真実(コタエ)」「4ブックマーク」
〜
『鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だい?』
白雪姫の読み聞かせをしている時、娘に
「ねえお母さん。鏡に映っているのは、だあれ?」
と尋ねられたのですが
私には、答えることが出来ませんでした。
いったい何故?
状況を解き明かして下さい
『鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だい?』
白雪姫の読み聞かせをしている時、娘に
「ねえお母さん。鏡に映っているのは、だあれ?」
と尋ねられたのですが
私には、答えることが出来ませんでした。
いったい何故?
状況を解き明かして下さい
16年09月27日 21:00
【ウミガメのスープ】 [ポトフ]
【ウミガメのスープ】 [ポトフ]
解説を見る
~
「ママ、これ、なあに?」
娘が一本のビデオテープを手に、尋ねてきました
「それはね、ビデオっていって・・・・・・ほら、キョウコとママが一緒にいるところを
パパが後からテレビで観れるようにしているでしょ? それと同じようなものよ」
「じゃあ、これにも?」
「そうよ。ママの小さい頃が観れるわよ」
「ママの? ねえ、私みてみたい!」
「そう? それじゃ、観てみましょうか」
そうして私は、娘が持ってきたビデオを、再生しました
画面の中には、小さい頃の私と、母が遊んでいるところが映っています
『あはは!』
『ほらほら、お父さんの方向いてあげて』
「ママと・・・・・・おばあちゃん?」
「そうよ、ママにも、おばあちゃんにも、こんな頃があったのよ?」
暫くみている内に映像は切り替わり、母が私に絵本を読み聞かせているシーンになりました
『お妃さまは、魔法の鏡に尋ねます
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だい?」
すると鏡は白雪姫を映しながら──』
「ねえお母さん。鏡に映っているのは、だあれ?」
「え? 白雪姫よ、お妃さまの娘の・・・・・・」
「でも、映っているのは男の人だよ?」
「・・・・・・?」
よくみると、娘が指し示しているのは、映像の中に映っている鏡でした
そこには、ビデオカメラを持ち、私と母を映している男性の姿がありました
「ねえ、この人は? おじいちゃん?」
────私には答えることが出来ませんでした
その鏡に映っている男性は、明らかに私を育ててくれた父とは違う人物でしたから
いったい、何故?────
#b#※要約#/b#
#b#私は娘と一緒に、自分が小さい頃に撮影されたホームビデオを見ていた。#/b#
#b#ビデオの中で、自分の母親が幼い自分に白雪姫の読み聞かせをしているシーンがあったのだが#/b#
#b#室内の鏡に撮影者が映りこんでいた。#/b#
#b#その撮影者が、父と思っていた人物ではなく、知らない男であったため、私は娘の質問に答えることができなかった。#/b#
「ママ、これ、なあに?」
娘が一本のビデオテープを手に、尋ねてきました
「それはね、ビデオっていって・・・・・・ほら、キョウコとママが一緒にいるところを
パパが後からテレビで観れるようにしているでしょ? それと同じようなものよ」
「じゃあ、これにも?」
「そうよ。ママの小さい頃が観れるわよ」
「ママの? ねえ、私みてみたい!」
「そう? それじゃ、観てみましょうか」
そうして私は、娘が持ってきたビデオを、再生しました
画面の中には、小さい頃の私と、母が遊んでいるところが映っています
『あはは!』
『ほらほら、お父さんの方向いてあげて』
「ママと・・・・・・おばあちゃん?」
「そうよ、ママにも、おばあちゃんにも、こんな頃があったのよ?」
暫くみている内に映像は切り替わり、母が私に絵本を読み聞かせているシーンになりました
『お妃さまは、魔法の鏡に尋ねます
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だい?」
すると鏡は白雪姫を映しながら──』
「ねえお母さん。鏡に映っているのは、だあれ?」
「え? 白雪姫よ、お妃さまの娘の・・・・・・」
「でも、映っているのは男の人だよ?」
「・・・・・・?」
よくみると、娘が指し示しているのは、映像の中に映っている鏡でした
そこには、ビデオカメラを持ち、私と母を映している男性の姿がありました
「ねえ、この人は? おじいちゃん?」
────私には答えることが出来ませんでした
その鏡に映っている男性は、明らかに私を育ててくれた父とは違う人物でしたから
いったい、何故?────
#b#※要約#/b#
#b#私は娘と一緒に、自分が小さい頃に撮影されたホームビデオを見ていた。#/b#
#b#ビデオの中で、自分の母親が幼い自分に白雪姫の読み聞かせをしているシーンがあったのだが#/b#
#b#室内の鏡に撮影者が映りこんでいた。#/b#
#b#その撮影者が、父と思っていた人物ではなく、知らない男であったため、私は娘の質問に答えることができなかった。#/b#
「親切な魔法使いさんと輪廻する悲劇」「4ブックマーク」
少女は願っていた。
舞踏会に行きたいと。
王子様と一緒に踊りたいと。
そんな私のもとへ魔法使いさんが現れてくれた。
魔法使いさんは優しく微笑むと
豪華で立派なかぼちゃの馬車と綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴をくれた。
「これで舞踏会に行ってくるのです」ノシ
ありがとう魔法使いさん。
でもね
私の結末は哀れなものとなった
一体どうしてでしょうか?
※天童魔子さんの「親切な魔法使いなのです」シリーズの問題文のオマージュです。天童魔子さん、ご許可ありがとうございます。
舞踏会に行きたいと。
王子様と一緒に踊りたいと。
そんな私のもとへ魔法使いさんが現れてくれた。
魔法使いさんは優しく微笑むと
豪華で立派なかぼちゃの馬車と綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴をくれた。
「これで舞踏会に行ってくるのです」ノシ
ありがとう魔法使いさん。
でもね
私の結末は哀れなものとなった
一体どうしてでしょうか?
※天童魔子さんの「親切な魔法使いなのです」シリーズの問題文のオマージュです。天童魔子さん、ご許可ありがとうございます。
16年02月25日 22:02
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
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簡易解説:少女が招待された舞踏会の正体は、謀反人を呼び出す罠。父親が気づいて少女を行かせまいとしていたのだが、魔法使いさんの親切で、少女は「舞踏会」へと行ってしまう――。
小窓から見える世界は狭くて、私の人生も同じように、決まりきった狭い道を歩くことになるのだと、そう思っていました。あの日、彼が現れるまでは。
「oh! 今日は舞踏会なのですよ? ここで何をしているのです?」
聞こえた声に反応して小窓を見上げると、そこには一人の少年がいました。外も中も暗いせいで、顔はよく分からなかったけれど、明るく、楽しそうな声は、今でも印象に残っているのです。
「いいえ、私は行けません。お城から来た舞踏会への招待状は、お父様に取り上げられてしまったのです」
「oh~なんと可哀想なのでしょう。でも、心配ご無用なのです」
そう言って彼が差しだしてくれたのは、綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴でした。それらは、まるで私のためにあつらえたかのような出来上がりだったのです。
「これで舞踏会に行ってくるのです」
彼は私を小窓から引っぱり上げ、かぼちゃの馬車に乗せました。
辿り着いたお城には、沢山の華やかな姫君たちと貴族たちがいて、彼らを沢山の兵士がどこかへ連れ去っていました。状況を察することもできないうちに、私もまた、兵士によって地下牢へと連れて行かれました。
間もなく、私はあの舞踏会の本当の意味を知りました。王家に対する謀反を企てているという噂のある貴族とその子女を集めて、その計画を潰すためのものだったのです。
ある者は殺され、ある者には謀反計画の全容を吐かせるために拷問され、ある者は舞踏会に出てこなかった者を呼び出すための人質として地下牢に捕えられました。謀反の疑いの掛けられていた私のお父様は、きっと招待状を見た時に気づいていたのでしょう。
悔やんでももうすべてが遅すぎたのです。
謀反も王家もどうなったのか分からないまま、時は経ちます。皆死に絶えてしまったのでしょうか? 今の季節も分からなくなるほどに時間が経ったとき、私は懐かしい声を聞きました。
「oh! どうしてこんなところに? 王子様はどこなのです?」
それは私のoh!子様。あの日、お城へと連れ出してくれた少年が、牢屋の小窓からこちらに話しかけていたのです。彼は、あの日と同じように身を乗り出し……鋭い音と共にくずおれ、窓枠の外へ落ちて逝きました。牢屋の内側に残ったのは、彼の首だけ。
「oh~窓がトラップになっているとは、気づきませんでしたのです~」
窓に仕掛けられたギロチンのようなトラップに掛かり首だけになった彼は、それ以降も快活に話しつづけていました。本来ならばとても不気味な存在であったはずの彼は、私にとって、親切な良き話し相手となりました。
「おなかがすいたのです」
今は朝? 昼? それとも晩? ああ、もうどうでもいい。とにかく、何か食べたい。
すると彼は、にっこりと微笑んでこう言いました
「私の顔をお食べ」
私は、彼に請われるまま彼に口づけました。その時の味は、今もよく覚えています。とても蠱惑的で、芳しくて、甘くて、酸っぱくて、しょっぱくて、苦くて、辛くて、柔らかくて、硬くて……
「お腹が空いているのです」
私は、檻を形作っている柱を食べました。
私は、城を形作っている石を食べました。
私は、森を形作っている木を食べました。
私は、生きとし生けるものすべてを、息絶え死んでいるものすべてを、お腹に収めました。
魔法も使えるようになりました。
王子様を夢見る不幸な少女をお城に連れて行きました。
踊ったことのない少女に赤い靴をプレゼントしました。
花嫁を探すカエルの王族に人間の少女を紹介しました。
七人の小人と暮らす少女に魔法のりんごをあげました。
王子様に会うために足を求める少女に足を授けました。
でも、満たされることはないままだったのです。
私は今も「親切な魔法使いさん」として、旅を続けているのです。
あの日に首から切り離されてしまった、彼の身体はまだ見つからないままなのです。
天童魔子さん、3周年おめでとうございます!
湧き出続ける発想で繰り出される質問・問題の数々を、いつも楽しんでいます。キラキラしたもの、ワクワクするものが詰まったびっくり箱の蓋に手をかけるような気持ちで参加宣言をしています。これからも、水平思考の魔法を見られることを楽しみにしていますので、どうぞ末永くよろしくおねがいいたします!
※この問題はフィクションです。実在の人物、人外、カニバリスト、団体、国、作品は関係ありません。
小窓から見える世界は狭くて、私の人生も同じように、決まりきった狭い道を歩くことになるのだと、そう思っていました。あの日、彼が現れるまでは。
「oh! 今日は舞踏会なのですよ? ここで何をしているのです?」
聞こえた声に反応して小窓を見上げると、そこには一人の少年がいました。外も中も暗いせいで、顔はよく分からなかったけれど、明るく、楽しそうな声は、今でも印象に残っているのです。
「いいえ、私は行けません。お城から来た舞踏会への招待状は、お父様に取り上げられてしまったのです」
「oh~なんと可哀想なのでしょう。でも、心配ご無用なのです」
そう言って彼が差しだしてくれたのは、綺麗な柔らかいドレスと美しいガラスの靴でした。それらは、まるで私のためにあつらえたかのような出来上がりだったのです。
「これで舞踏会に行ってくるのです」
彼は私を小窓から引っぱり上げ、かぼちゃの馬車に乗せました。
辿り着いたお城には、沢山の華やかな姫君たちと貴族たちがいて、彼らを沢山の兵士がどこかへ連れ去っていました。状況を察することもできないうちに、私もまた、兵士によって地下牢へと連れて行かれました。
間もなく、私はあの舞踏会の本当の意味を知りました。王家に対する謀反を企てているという噂のある貴族とその子女を集めて、その計画を潰すためのものだったのです。
ある者は殺され、ある者には謀反計画の全容を吐かせるために拷問され、ある者は舞踏会に出てこなかった者を呼び出すための人質として地下牢に捕えられました。謀反の疑いの掛けられていた私のお父様は、きっと招待状を見た時に気づいていたのでしょう。
悔やんでももうすべてが遅すぎたのです。
謀反も王家もどうなったのか分からないまま、時は経ちます。皆死に絶えてしまったのでしょうか? 今の季節も分からなくなるほどに時間が経ったとき、私は懐かしい声を聞きました。
「oh! どうしてこんなところに? 王子様はどこなのです?」
それは私のoh!子様。あの日、お城へと連れ出してくれた少年が、牢屋の小窓からこちらに話しかけていたのです。彼は、あの日と同じように身を乗り出し……鋭い音と共にくずおれ、窓枠の外へ落ちて逝きました。牢屋の内側に残ったのは、彼の首だけ。
「oh~窓がトラップになっているとは、気づきませんでしたのです~」
窓に仕掛けられたギロチンのようなトラップに掛かり首だけになった彼は、それ以降も快活に話しつづけていました。本来ならばとても不気味な存在であったはずの彼は、私にとって、親切な良き話し相手となりました。
「おなかがすいたのです」
今は朝? 昼? それとも晩? ああ、もうどうでもいい。とにかく、何か食べたい。
すると彼は、にっこりと微笑んでこう言いました
「私の顔をお食べ」
私は、彼に請われるまま彼に口づけました。その時の味は、今もよく覚えています。とても蠱惑的で、芳しくて、甘くて、酸っぱくて、しょっぱくて、苦くて、辛くて、柔らかくて、硬くて……
「お腹が空いているのです」
私は、檻を形作っている柱を食べました。
私は、城を形作っている石を食べました。
私は、森を形作っている木を食べました。
私は、生きとし生けるものすべてを、息絶え死んでいるものすべてを、お腹に収めました。
魔法も使えるようになりました。
王子様を夢見る不幸な少女をお城に連れて行きました。
踊ったことのない少女に赤い靴をプレゼントしました。
花嫁を探すカエルの王族に人間の少女を紹介しました。
七人の小人と暮らす少女に魔法のりんごをあげました。
王子様に会うために足を求める少女に足を授けました。
でも、満たされることはないままだったのです。
私は今も「親切な魔法使いさん」として、旅を続けているのです。
あの日に首から切り離されてしまった、彼の身体はまだ見つからないままなのです。
天童魔子さん、3周年おめでとうございます!
湧き出続ける発想で繰り出される質問・問題の数々を、いつも楽しんでいます。キラキラしたもの、ワクワクするものが詰まったびっくり箱の蓋に手をかけるような気持ちで参加宣言をしています。これからも、水平思考の魔法を見られることを楽しみにしていますので、どうぞ末永くよろしくおねがいいたします!
※この問題はフィクションです。実在の人物、人外、カニバリスト、団体、国、作品は関係ありません。
「痴話喧嘩は犬をも食わぬ?」「4ブックマーク」
一組の男女が痴話喧嘩しているところを目撃したカメオ
内容はいたって普通のどうでもいい内容だったのだが、なぜかそれに聞き入ってしまうカメオ
痴話喧嘩はどんどんヒートアップして行き、遂には
「おまえなんか、」
「あんたなんか、」
#big5#「「大っ嫌いだ!」」#/big5#
上記の会話を聞いたカメオ、つい「えっ、どうして・・・?」と思った
何故?
内容はいたって普通のどうでもいい内容だったのだが、なぜかそれに聞き入ってしまうカメオ
痴話喧嘩はどんどんヒートアップして行き、遂には
「おまえなんか、」
「あんたなんか、」
#big5#「「大っ嫌いだ!」」#/big5#
上記の会話を聞いたカメオ、つい「えっ、どうして・・・?」と思った
何故?
15年09月02日 20:00
【ウミガメのスープ】 [なにこら君]
【ウミガメのスープ】 [なにこら君]
ちょっと膠着してまいりました 助っ人さん募集です
解説を見る
痴話喧嘩をしていたウミオとカメミちゃん
何を隠そうこのウミオ、腹話術師でカメミちゃんはその人形であった
初めて生で腹話術を見たカメオは
「おお、本当に口閉じてしゃべってるんだ」
と感心して聞き入っていた
さあ、腹話術も佳境に入り問題文の台詞が出た
ここでウミオの名人芸が炸裂
なんと「2つの声で同時にしゃべる」という神業をやってのけたのだ
そりゃびっくりするよね
※ディック・ウェストンという腹話術師は3声同時にだすという超神業ができるそうです
何を隠そうこのウミオ、腹話術師でカメミちゃんはその人形であった
初めて生で腹話術を見たカメオは
「おお、本当に口閉じてしゃべってるんだ」
と感心して聞き入っていた
さあ、腹話術も佳境に入り問題文の台詞が出た
ここでウミオの名人芸が炸裂
なんと「2つの声で同時にしゃべる」という神業をやってのけたのだ
そりゃびっくりするよね
※ディック・ウェストンという腹話術師は3声同時にだすという超神業ができるそうです