「リバーシ」「3ブックマーク」
黒から白にひっくり返した男。
それを見た女はテキトーなことをいい、男は喜んだ。
一体どういうことだろう?
それを見た女はテキトーなことをいい、男は喜んだ。
一体どういうことだろう?
13年04月19日 19:05
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
オセロは四天王の中でも最弱…
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ケニアからの留学生のマイケルはなかなかにハンサム。
今日も女子生徒に声を掛けられた。
「マイキー、手相見てあげる」
「テッソー?」
「て・そ・う。いいから手ぇ出して」
マイケルは彼女に手の甲を突き出した。
「じゃなくて、反対。手のひら出して」
そのまま、マイケルは手の甲をひっくり返し、彼女に手のひらを見せた。
黒人の彼は手の甲は真っ黒だが、手のひらだけは白い。
彼女はマイケルの手を掴んで、手相を凝視した。
「ジャパニーズウラナーイ! マイキーの今日の運勢は………すごいッ!超ラッキー! いいことあるよ〜。 具体的には美人な女の子からこれから食事に誘われるかも?」
「ホントデスカ? ウレシデス。ダレダロ? ミチコ? ヒトミ? アヤコ? アキナ? サカキバライクエ? ヨシミ?………」
彼の口から次から次へと出てくる女の名前に彼女の名前は入っていなかった。
今日も女子生徒に声を掛けられた。
「マイキー、手相見てあげる」
「テッソー?」
「て・そ・う。いいから手ぇ出して」
マイケルは彼女に手の甲を突き出した。
「じゃなくて、反対。手のひら出して」
そのまま、マイケルは手の甲をひっくり返し、彼女に手のひらを見せた。
黒人の彼は手の甲は真っ黒だが、手のひらだけは白い。
彼女はマイケルの手を掴んで、手相を凝視した。
「ジャパニーズウラナーイ! マイキーの今日の運勢は………すごいッ!超ラッキー! いいことあるよ〜。 具体的には美人な女の子からこれから食事に誘われるかも?」
「ホントデスカ? ウレシデス。ダレダロ? ミチコ? ヒトミ? アヤコ? アキナ? サカキバライクエ? ヨシミ?………」
彼の口から次から次へと出てくる女の名前に彼女の名前は入っていなかった。
「ひとめぼれ」「3ブックマーク」
志築ハルコは、米を洗剤で洗おうとするような、ラブコメの登場人物にでもいそうなほどの料理下手なのだが、調理師の小田トシキはそんな彼女に#b#料理の才能があるに違いない#/b#と思った。いったい何故だろうか?
17年04月24日 01:49
【ウミガメのスープ】 [az]
【ウミガメのスープ】 [az]
昆布
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ハルコが#red#料理漫画の主人公#/red#だからだ。第1話の序盤で散々な腕前を披露してくれた彼女だが、彼女の料理人としての活躍を描くという触れ込みの漫画である以上、いずれは何かのきっかけで隠れた才能を開花させるに違いないと、読者であるトシキは思った。
「ああ無情」「3ブックマーク」
Yは返却されたテストを見て恥ずかしくなった。
なぜ?
なぜ?
17年01月13日 17:20
【ウミガメのスープ】 [やまふみ]
【ウミガメのスープ】 [やまふみ]
不完全燃焼…申し訳ない。
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普段は優等生のY君。しかしある日返ってきたYのテストはそれはそれは酷い点数だった。
「あぁ、何でこんな点取っちゃったんだろ…」
Yは点数をまじまじと眺めた。そして、気づいてしまった。先生の筆圧が強すぎて、そこに自分の前の出席番号の前の人の点数がうっすら写ってしまっているのを…
「ええ!俺、出席番号1個後ろのFちゃん好きなのに!こんな点数取ったのがばれたら…」
Yは恥ずかしくなった。
「あぁ、何でこんな点取っちゃったんだろ…」
Yは点数をまじまじと眺めた。そして、気づいてしまった。先生の筆圧が強すぎて、そこに自分の前の出席番号の前の人の点数がうっすら写ってしまっているのを…
「ええ!俺、出席番号1個後ろのFちゃん好きなのに!こんな点数取ったのがばれたら…」
Yは恥ずかしくなった。
「千里眼」「3ブックマーク」
初対面の女性の手に触ることで、彼女が自分と同じ法学部生だと見抜いた穂村斜郎。
いったいどんな推理をしたのだろう?
いったいどんな推理をしたのだろう?
17年01月08日 01:42
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
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法学部3年生の穂村斜郎は、刑法のレポートのための資料を探して、大学図書館にやってきた。
刑法関連の棚に目を通す。
『中止犯の違法性』
『錯誤論の分類』
『ネット社会と新しい保護法益』
『行為無価値から見る不能犯』
『不作為と遺棄の境界』
『サルでもわかる刑法総論』
難しそうな本ばかりで辟易してしまう。
もっとわかりやすそうな本はないかと、隣の棚に移動する。
『カタツムリでも書ける刑法レポート』
『フンコロガシでも刑法の問題がスラスラ解ける本』
『ミトコンドリアでもたのしくまなべるけいほう』
この辺りならわかりそうだと、ミトコンドリアに手を伸ばす。
するとその手が、別の誰かの#red#手の甲#/red#に触れた。
いつの間にか、隣に人がいたらしい。#red#この本に手を伸ばすということは、法学部生だろう#/red#。
「あ、すみません。お先にどうぞ」
見ると、おとなしめの服に身を包んだ、小柄な女性だった。腰くらいまで伸ばした黒髪が美しい。
「いえ、私はフンコロガシの方にしておきます」
「ありがとう。……えと、何年生?」
「3年です」
「おお、同学年。お互い頑張ろうぜ」
「はい、では」
このエピソードは、4年後に行われる式の序盤、友人たちの制作したムービーの中で紹介されることとなる。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#法学関連の本に伸ばした手が、別の人の手に触れた。#/b#
#b#自分と同じ本に目をつけたのだとすれば、自分と同じく法学部生だろうと推理した。#/b#
刑法関連の棚に目を通す。
『中止犯の違法性』
『錯誤論の分類』
『ネット社会と新しい保護法益』
『行為無価値から見る不能犯』
『不作為と遺棄の境界』
『サルでもわかる刑法総論』
難しそうな本ばかりで辟易してしまう。
もっとわかりやすそうな本はないかと、隣の棚に移動する。
『カタツムリでも書ける刑法レポート』
『フンコロガシでも刑法の問題がスラスラ解ける本』
『ミトコンドリアでもたのしくまなべるけいほう』
この辺りならわかりそうだと、ミトコンドリアに手を伸ばす。
するとその手が、別の誰かの#red#手の甲#/red#に触れた。
いつの間にか、隣に人がいたらしい。#red#この本に手を伸ばすということは、法学部生だろう#/red#。
「あ、すみません。お先にどうぞ」
見ると、おとなしめの服に身を包んだ、小柄な女性だった。腰くらいまで伸ばした黒髪が美しい。
「いえ、私はフンコロガシの方にしておきます」
「ありがとう。……えと、何年生?」
「3年です」
「おお、同学年。お互い頑張ろうぜ」
「はい、では」
このエピソードは、4年後に行われる式の序盤、友人たちの制作したムービーの中で紹介されることとなる。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#法学関連の本に伸ばした手が、別の人の手に触れた。#/b#
#b#自分と同じ本に目をつけたのだとすれば、自分と同じく法学部生だろうと推理した。#/b#
「最終回の悲喜劇」「3ブックマーク」
週間雑誌で連載中の大人気漫画『ラテクエスト』が、いよいよクライマックスを迎えている。最終回へ向けてファンの興奮が高まる中、作者の安東ヒロキが交通事故に遭い、全治一ヶ月の重傷を負ってしまった。
『ラテクエスト』の大ファンである女。彼女は後になって、#b#その出来事がなければ今の自分はなかったかもしれない#/b#と語ったというが、これはいったい、どういうことだろう?
『ラテクエスト』の大ファンである女。彼女は後になって、#b#その出来事がなければ今の自分はなかったかもしれない#/b#と語ったというが、これはいったい、どういうことだろう?
16年12月17日 01:25
【ウミガメのスープ】 [az]
【ウミガメのスープ】 [az]
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駅構内の売店で雑誌を買った女。目当ては今週号に掲載されているはずの『ラテクエスト』の最終回だ。大好きな『ラテクエスト』の最終回を読み終えたら、彼女は線路に飛び込むつもりだった。
高校3年生の彼女はその頃、クラスで陰湿ないじめに遭っていた。加えて、迫る大学受験への不安と伸び悩む成績……。諸々の悩みに追い詰められ、いつしか彼女は気が付けば「死にたい」と呟くようになっていた。
そんな彼女の精神をギリギリのところで保っていたのが、毎週の『ラテクエスト』だった。連載を追いかけている彼女にとって、毎週の最新回を読むのがほとんど唯一といっていい娯楽だ。特に今は物語のクライマックス。続きが気になる……その思いが彼女の日々を生き抜く原動力になっていた。
だから。
いよいよ来週で最終回と知ったとき、彼女は「もう自分は死ぬしかない」と思った。連載が終わってしまえば、何とか一週間頑張ろうという気も起きなくなるだろう。それに、大好きな『ラテクエスト』が終わるのと同時に、自分の生涯も終わる、それはそれで“散り様”としては美しいじゃないか――。そんなことを考えながら、彼女は今週号の雑誌を手に取った。
ところが、いくらページをめくっても、一向に『ラテクエスト』のページにならない。おかしいなと思う彼女がようやく見つけたのは、今週の休載を知らせるページだった。
そのページには、
・作者が交通事故に遭い、最終回の原稿が描けていないこと
・命に別状はなく、怪我は全治一カ月の重傷だが、それが癒えればまたすぐ描けるようになるだろうということ
・怪我の回復具合にもよるが、最終回の掲載は約二か月後を予定していること
が書かれていた。
彼女はここで初めて、作者が事故に遭ったことを知った。最近はスマホの電源も切りっぱなしだった彼女は、世間のニュースをほとんど知らなかったのだ。
『ラテクエスト』が載っていないなら、とりあえずこの雑誌に用はない。ごみ箱に雑誌を放り込みながら、少女は考える。
今を生きるのは辛い。しかし、#b#『ラテクエスト』の最終回を読まずして死ぬのはあまりにも惜しい。#/b#連載がまだまだ途中ならともかく、もう残すところ最終回のみだというのに……。
「2ヶ月、か……」
彼女はぽつりと呟いた。それくらいなら、何とか頑張れるかもしれない。最終回は何としても読みたい。
――あと2ヵ月は、とりあえず頑張ってみよう。死ぬかどうかは、最終回を読んで、その時また決めよう――。
彼女は線路に飛び込むことなく、やってきた電車に乗って家へ帰った。
2ヶ月の間に、状況はいくらか改善した。成績は少しずつだが上向き始めたし、彼女をいじめていたグループも、受験どころでだんだんそれどころではなくなってきた。すべてが良い方向に、とまではいかずとも、少なくとも2ヵ月後、最終回を読む彼女は、こんなことで死ぬのは馬鹿らしいと思える程度には、心に余裕ができていた。
2ヵ月前に予定通り最終回が掲載されていたら、当時の自分なら本当に自殺していたかもしれない……そう思うとぞっとするとともに、結果として安東先生が事故に遭い怪我をしたことは自分にとっては奇跡だったのだと、多少は申し訳なく思いつつ、運命の悪戯とやらに感謝するのだった。
それから数年後、とある喫茶店。
新作の構想を練る安東ヒロキのそばには、今は新米編集者となった、当時の少女の姿があった。
高校3年生の彼女はその頃、クラスで陰湿ないじめに遭っていた。加えて、迫る大学受験への不安と伸び悩む成績……。諸々の悩みに追い詰められ、いつしか彼女は気が付けば「死にたい」と呟くようになっていた。
そんな彼女の精神をギリギリのところで保っていたのが、毎週の『ラテクエスト』だった。連載を追いかけている彼女にとって、毎週の最新回を読むのがほとんど唯一といっていい娯楽だ。特に今は物語のクライマックス。続きが気になる……その思いが彼女の日々を生き抜く原動力になっていた。
だから。
いよいよ来週で最終回と知ったとき、彼女は「もう自分は死ぬしかない」と思った。連載が終わってしまえば、何とか一週間頑張ろうという気も起きなくなるだろう。それに、大好きな『ラテクエスト』が終わるのと同時に、自分の生涯も終わる、それはそれで“散り様”としては美しいじゃないか――。そんなことを考えながら、彼女は今週号の雑誌を手に取った。
ところが、いくらページをめくっても、一向に『ラテクエスト』のページにならない。おかしいなと思う彼女がようやく見つけたのは、今週の休載を知らせるページだった。
そのページには、
・作者が交通事故に遭い、最終回の原稿が描けていないこと
・命に別状はなく、怪我は全治一カ月の重傷だが、それが癒えればまたすぐ描けるようになるだろうということ
・怪我の回復具合にもよるが、最終回の掲載は約二か月後を予定していること
が書かれていた。
彼女はここで初めて、作者が事故に遭ったことを知った。最近はスマホの電源も切りっぱなしだった彼女は、世間のニュースをほとんど知らなかったのだ。
『ラテクエスト』が載っていないなら、とりあえずこの雑誌に用はない。ごみ箱に雑誌を放り込みながら、少女は考える。
今を生きるのは辛い。しかし、#b#『ラテクエスト』の最終回を読まずして死ぬのはあまりにも惜しい。#/b#連載がまだまだ途中ならともかく、もう残すところ最終回のみだというのに……。
「2ヶ月、か……」
彼女はぽつりと呟いた。それくらいなら、何とか頑張れるかもしれない。最終回は何としても読みたい。
――あと2ヵ月は、とりあえず頑張ってみよう。死ぬかどうかは、最終回を読んで、その時また決めよう――。
彼女は線路に飛び込むことなく、やってきた電車に乗って家へ帰った。
2ヶ月の間に、状況はいくらか改善した。成績は少しずつだが上向き始めたし、彼女をいじめていたグループも、受験どころでだんだんそれどころではなくなってきた。すべてが良い方向に、とまではいかずとも、少なくとも2ヵ月後、最終回を読む彼女は、こんなことで死ぬのは馬鹿らしいと思える程度には、心に余裕ができていた。
2ヵ月前に予定通り最終回が掲載されていたら、当時の自分なら本当に自殺していたかもしれない……そう思うとぞっとするとともに、結果として安東先生が事故に遭い怪我をしたことは自分にとっては奇跡だったのだと、多少は申し訳なく思いつつ、運命の悪戯とやらに感謝するのだった。
それから数年後、とある喫茶店。
新作の構想を練る安東ヒロキのそばには、今は新米編集者となった、当時の少女の姿があった。