動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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男は家族を捨ててまで、女に会うために旅に出た。
家族のいるところには二度と戻らない決意をして。
そんな決意までしたのだが、女を遠くから眺めるだけで、一言も話しかけなかった。

いったいなぜ?

*自前リサイクルです
13年05月14日 22:40
【ウミガメのスープ】 [人良星鈴]



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男は病気を患っており、突然死ぬかもしれない状態だった。
男には愛する妻と、3歳になる娘がいる。
(俺が死んでしまったら・・・家族が本当に心配だ・・・特に娘は。)
これからどんなふうに成長していくのか、どんな仕事に就くのか、・・・どんな奴と結婚するのか。

男は決意をした。
死ぬ前に未来に行き、未来で死ぬのだ。

どうせ死ぬことには変わりない、だったら早めにいなくなって少しでも家族の負担を減らそう。
そして、娘がどのように成長しているのかだけでも見たい。

もちろん話しかけはしない。
男がいなくても、無事に成長しているのかを確かめるためだ。


未来に着いて、娘を見つけた。
(こんな男と付き合ってるのか・・・こんな仕事してんのか・・・)
(ん?今日はやけに気合い入れてるな。結婚式だ!俺の写真もってバージンロード歩いてくれてるぜ・・・)

女「私、今本当に幸せです・・・」

(それがわかっただけで十分だ。)


こうして、未来の地で一人、幸せに死んでいったとさ。



女「あの結婚式のぞいてたHENTAI誰だったのかなぁ・・・がぐぶるっ」
冷たいレモネードをどうぞ「3ブックマーク」
夏の風物詩、レモネードスタンド。
私は夏が来ると、様々なレモネードスタンドのレモネードを飲むのが趣味だった。
しかし、去年の夏から私はその趣味をぱったりとやめた。
一体何故
11年07月05日 20:50
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]



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去年の夏、私は片隅にぽつんと立っているレモネードスタンドに立ち寄った。
可愛らしい二人の女性の笑顔。爽やかなレモネードの香り。
やっぱりこの趣味をやっていてよかった。私はそう思いながら、差しだされたレモネードに口をつけました。
味が変だ。不味さの中にある甘味に気持ち悪くなる。それと同時に身体が、瞼が重くなる。
霞む視界。グラスの中で揺れてるのは赤い液体……? そしてグラスの縁には――

気が付くと、そこは薄暗い倉庫だった。
拘束はされてないようなので、立ち上がり、歩き回ってみる。
笑顔に見とれていて大変なものを飲まされた。頭がぐらぐらする。
そう思いつつ、適当にふらふら歩いていると、何かに足が当たった。
何だろうと、足元を見ると、そこには死体が無造作に積み重なっていた。
悲鳴を抑え、それをよく観察する。両目が、なかった。
それを確認したとどうじに脳内にフラッシュバックする意識を失う前の光景。

赤い液体。
グラスの縁に飾られていた、レモンのように輪切りされた、


目玉。


私は逃げ出した。
鍵はかかってなかった。きっと、もっと長く寝ているのだろうと、彼女たちは思っていたのだろう。
走った。無我夢中で走った。
何とか交番に辿り着き、今までの事を説明し、半ば引っ張るように警察官をレモネードスタンドがあった場所に連れて行った。
が、そこには何もなかった。警察は私を嫌な目で見て、立ち去った。

それ以来、私はレモネードにすっかりトラウマを持ってしまった。
彼女たちを見かけた事はないが、女性の笑顔を見ると、必ず背筋が寒くなる。
きっと、何処かで同じような事をしているのだろう。そう思い、また背筋が寒くなるのだった。



元ネタは、HTFの「Eyes Cold Lemonade」
グロいので、検索する時はご注意下さい。
YouTubeのやつは、サムネからして……
ある女の悲劇「3ブックマーク」
女は今日、話題のデートプランのリポートをする。
撮影準備は整い、彼女はヘリに乗った。
綺麗な夜景に感動し興奮してリポートしていた彼女は、
身を乗り出し過ぎて落下してしまった。
しかし彼女の悲鳴を聴いても、カメラマンはそのまま撮影をし続けた。


どうしてでしょうか?
13年06月05日 07:31
【ウミガメのスープ】 [みん]



解説を見る
女がリポートしていたのは、水上から夜景を楽しむ遊覧船だった。

「ひゃー!キレイですねー!
陸の夜景が素晴らしいのはもちろん、水面に移った夜景が
なんとも幻想的でカップルに人気だそうですよ~!」

彼女は船の縁(ヘリ)に座り、身を乗り出してリポートしていた為、
川に落ちてしまった。
「ぎゃ~!助けて~!!」

大げさにジタバタもがく彼女は、スタッフに無事救助された。
そして、びしょ濡れになった彼女はカメラに向かって一言。

「…水も滴るいい女。
誰か遊覧船デートに連れてって~!」

彼女はお笑い芸人で、ボケる為にわざと落ちたのだ。
打ち合わせ通りだった為一部始終はカメラに収められていた。
しかしあまりにつまらなかった為、最後はカットされたとか。

※よい子はマネしないでね。
末っ子は天邪鬼!「3ブックマーク」
僕は家族の末っ子だった。

お父さんはいなかったけれど、お母さん、お姉ちゃんがいて、二人とも僕のことを大切にしてくれた。

だけどある時・・・僕の家族はいなくなってしまった。

僕はそれを知って、嬉しかったんだ。



するとある時、お母さんが戻ってきた。
僕はその時、とても悲しくなった。

そして、僕たちはまた家族になった。

状況を説明してください。
13年05月03日 11:15
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

この問題の出題秘話を雑談「出題秘話」 ルームキー「舞台裏」にて公開中です。




解説を見る
僕が物心ついたときは、そこは孤児院だった。
僕は駅のロッカーに捨てられていたところを保護されたらしい。

そのまま孤児院で育って6歳になったけど、僕はやっぱり家族が欲しかった。

するとある時、孤児院で一番年上のお姉ちゃんが、

「じゃあ、私がお母さんになってあげる」

と言って、次に二番目に年上のお姉ちゃんが、

「じゃあ、私はお姉ちゃんになってあげる!」

と言ってくれた。

聞くと、二人も僕と同じように家族が欲しかったんだって。

その日から、僕たちは家族になった。

周りから見たら、子供のままごとみたいに見えるかもしれない。

それでも、僕たちは家族だった。



するとある時、お母さんとお姉ちゃんが突然いなくなった。

先生が、「二人は、里親が来て養子になったのよ」

と言ってきた。

僕はそれを聞いて、とても嬉しくなった。

だって、二人とも、本当の家族ができたんだもの。

その嬉しさに比べたら、この胸にある寂しさなんてどうでもよかった。





それから少しして。

あの時の僕と同じような子達がやって来た。
僕はあの時のお母さんたちがやったように、家族になった。

僕はお父さんと呼ばれるようになった。

そう呼ばれてから数年後。

───あの時引き取られていった、お母さんがやって来た。
すっかり綺麗な、大人の女性になっていた。

そしてあの時突然離れてしまった僕のことがどうしても気がかりで、お姉ちゃんと相談して僕を養子として引き取ることを決めたらしい。

だけど、それを聞いたとき、僕は他の子供たちの顔が思い浮かんだ。

僕がいなくなったら、それこそあの時の僕と同じように、寂しい思いをするんじゃないか・・・?

そう思うと、とても悲しくなった。


だけど同時に、あの時の僕の気持ちも思い出した。

僕は、あの時嬉しかったんだ・・・


僕は、養子になる事になった。



孤児院を出るとき───。

僕ももう一度、ここへ来ようと思った。
今度は、あの子達を引き取れるように・・・
本日正午過ぎ、天才ピアニストの#b#志藤辰三#/b#が殺された。

現場には、大手プロデューサーである#b#雷城仁#/b#への紹介状に、#red#血文字#/red#でメッセージが残されていた。
第一発見者の弟子、#b#阿部マリア#/b#が重要参考人として呼ばれたのを受けて、彼女のマネージャーは
『千重実子 探偵事務所』へ、彼女の潔白を証明してもらうよう依頼した…。

※ 探偵・千重実子のアドバイザーとして、彼女や部下に指示して、事件を解き明かして下さい!

#b#【亀夫君問題では…】  出題者は、物語内の登場人物として、質問や指示に対応します。#/b#
・ よって、その人物が知らない・出来ないような質問・要望には応えられません。
・ その代わり、YESNOでは答えられないような質問にも対応することが出来ます。
・ また、登場人物 (主に探偵事務所の人間) に指示をして、行動・情報収集させることができます。


#b#「さて…とりあえず電話で依頼を受けたけど、詳しくは事務所に来て説明するんだって」#/b#
#b#「依頼人が来るまで、下調べしておきましょう! 県警本部の窓畑警部に連絡して…ドキドキ」#/b#

今回は、県警直轄の事件ではないので、窓畑警部に所轄のウミガメ署へと渡りをつけて頂いたわ。
とりあえず、被害者周りの人物リストをFAX送ってもらったけど… ふむふむ…?

#b#【被害者】#/b#
#b#志藤 辰三 (しどう たつみ♂)#/b# ・天才ピアニスト
凄腕のピアニストで、作曲も手がけるが、ここ数年演奏会は開いておらず、新曲の発表もなかった。
最近はバラエティでのテレビ出演が多く、音楽活動も休みがちで、それを批判する声もあった。
死因は、自宅の書斎で胸をナイフで刺されての出血死。

#b#【参考人】#/b#
#b#雷城 仁 (らいじょう じん♂)#/b# 大物プロデューサー。事件の数時間後、志藤と会う予定だった。
#b#阿部 毬耶 (あべ まりや♀)#/b# 志藤の弟子の、若き女性ピアニストで、第一発見者。
#b#白土 麗美 (しらど れいみ♀)#/b# 志藤とは恋仲。生前の志藤に最後に会った人物。 
#b#猿渡 保子 (さるわたり やすこ♀)#/b# 志藤の後輩の音楽講師。 事件の朝、志藤の下を訪れていた。
#b#祖波 新人 (そは にいと♂)#/b# 引きこもりの作曲家。事件前、志藤とメールをしていた。

#red#(※ 回答中は、人物名を見やすくするため、氏名をカタカナで表記することにします)#/red#

#b#「さて、依頼人が来るまでまだ時間があるし、今のうち窓畑警部にいろいろ聞いてみましょう!」#/b#
13年05月10日 21:01
【亀夫君問題】 [yan]

皆さんの質問の流れを基に、物語風の解説にしてみました!




解説を見る
※ 今回の解説は、質問の流れをまとめて、問題文と解説を見れば、内容がわかるようにしています。
ただ、今回はとっても長くなってしまったので、結果だけ見たい方は、【暗号解読編】から読んで下さいませ!

#big5#【事前調査編】#/big5#
「依頼人が来るまで下調べしておきましょう!まずは、県警本部の窓畑警部に#red#渡りをつけて#/red#もらって…」

「この参考人のうち、ピアニストの卵の#b#阿部 毬耶 (アベマリヤ)#/b#って子の疑いを晴らせばいいのね!
でもこの子、警察で尋問中なの? しかも朝のアリバイが不明なのに黙秘… 雲行き怪しくない?」

「とりあえず依頼人が来るまで窓畑警部と電話でお話して…♪ あとイナバ君、参考人の所へGO!」
「ラジャー!…で、どこ行きましょ?」 「そうね…#b#猿渡 保子(サルワタリ ヤスコ)#/b# 音楽教室に
向かってくれる?住所は電話帳で調べて」 「ガッテン! 行ってきまーす!」

「で、警部… 事件の概要を教えてもらえます?」  (各参考人のアリバイについてはまとメモ参照)
「ああ、第一発見者のマリヤ嬢の証言では、玄関の扉が半開きになってて、ベルを鳴らしても反応が
ないので、いつものようにあがって書斎まで行ったら、シドウ氏が血だまりの中に倒れていたそうだ」
「凶器は市販のナイフで、持ち主不明、指紋も出てない。 現場は被害者宅の書斎で、死亡時刻は
12:30~13:00 と予測される。根拠は死体の状態と、PCのメール履歴、胃の内容物からの推測だ」

「そして死体の手元には、#b#雷城 仁(ライジョウ ジン)#/b#氏宛の紹介状。しかも、#red#血文字#/red#が記されていた」
「血文字? ダイイングメッセージという奴ね。 画像を送ってもらえますか?あと紹介状の内容は?」
「ああ、所轄の許可が取れ次第送るよ。あるいはこっちに直接取りに来てもらえると助かる。内容は、
メディアの露出がまだ少ないマリヤ嬢をライジョウ氏に紹介し、大々的に打ち出そうというものらしい」

「なお胃の内容物は、遺留品からコンビニのパンとジュースと断定した。どこで買ったかは調査中だ」
「もし被害者が外出してたら… 犯行時刻ははっきり限定できるわね。 あと、メールの内容は?」
「相手は作曲家の#b#祖波 新人 (ソハ ニイト)#/b#氏で、内容は、コンサートの打ち合わせだったようだ」


#big5#【猿渡保子(サルワタリヤスコ)】#/big5#
「こちらイナバ!音楽教室に着きました~。ちょうど授業が終わったようです。黒板にAマイナーとか
Cメジャーとか書かれてるッスね。…ドレミ=ABCだったかな?では、ヤスコさんに話を伺います!」

「まず世間話から…”クイズ・どれ見てもGO!” のシドウさん、凄かったですね!ズバズバ当てるし」 
「!ええ!先輩、クイズも得意なんですよね!あたし毎週見てました!学生時代は、ライシロ先輩とも
一緒にクイズ大会に出たりしたなぁ…懐かしい」 「…ライシロさん? って誰?」
「あ… いえ、ライジョウ(雷城)さんのことです。 仲間内では”ライシロ”って呼ばれてたんですよ」

「タツミ先輩、素敵だったなぁ。ウミガメ高校の音楽部で教えて貰った事が、今の私の基盤ですわ…
でも、私はシドウ先輩とクイズ大会に出たり、なぞなぞを出し合ってるあの時間が好きだったなぁ…」


#big5#【依頼人: 乾音々(イヌイネオン)】#/big5#
<ピンポン♪> 「あ、依頼人が来たみたい。私が対応するから、アリスちゃんは警部と話の続きを」
「はい。 でも、警部も間に入って大変そうなので、ウミガメ署に行って、直接色々聞いてみるです。」

「#b#乾 音々(イヌイ ネオン)#/b#さんですね?早速ですが、マリヤさんと貴方の、今日の動向を。」
「分刻みでスケジュールを決めてるのではないので、予定を全て把握してるわけじゃないですけど…
ボクは朝からコンサート会場の下見、彼女は一人で13時にシドウ先生宅、14時にライジョウ氏の所へ
先生と一緒に挨拶に行く予定でした。 …でも、彼女に限って、殺人なんて絶対ありえないです!」

「…ずいぶん、熱が入ってるのね? ひょっとして、マリヤさんとは恋仲?」
「ち、違います! ボクと姉ちゃんはそんなんじゃないです!それに他に… (ハッ)Σ( ゚Д゚ ;)」
「…え?姉弟なの?苗字が違うけど。 ん?まさか#red#音々=音音=おとおと#/red#? あと”他に”って…」

「あう… はい、親が離婚しちゃったけど、実の姉なんです。 姉ちゃん人が良過ぎて心配だから、
交渉とかお金のことはボクがやろうって… あと姉ちゃん、午前中は、男の人と会ってたのかも」

「ふーん? どうせなら本人に聞いたほうがいいかしら。 でも事情聴取、まだ終わってないか…
じゃ、被害者の最後のメール相手、ソハ氏に連絡を… イヌイさんに連絡先教えてもらって、と」


#big5#【祖波新人(ソハニイト)】#/big5#
「もしもし、ソハ ニイトさんですね?事件の件で、シドウ氏について聞かせて下さい」
「う、は、はい… 先生は、素晴らしい方でした。自分みたいな引きこもりの人間を評価してくれて、
色々教えてくれて…ここ1年半、演奏会も開かれてないけど、先生の生演奏聞いてみたかった…」

「そういえば、ずっと音楽活動やめてるって聞いたわ。何か理由があるのかしら?」
「ボクらの指導に力を入れてくれてたんです。”次は君らの時代だ”って。…先生だってまだ元気なのに」
(…まるで、「もうすぐ死ぬ」みたいな言い方ね。 これは、自殺のセンも考えるべきかしら?)
「なにか、メールでおかしなこと言ってなかった? そもそも、どんなやりとりをしていたの?」

「今度開くコンサートの話です。…あ、そういや先生、最後のメールでボクのこと ”ニート”って呼んだ。
いつもの先生なら、ボクのことは必ず ” ニ イ ト ” ってちゃんと呼んでくれるのに」
「…よくわからないこだわりだけど、気には留めておくわ」

(ちゃ~り~ら~♪) 「あ… メールだ! すみません、もう電話切っちゃってもいいですか!?」
「あ、じゃあ最後に。 あなたの知ってる人で、先生を殺した人物に心当たりはない?」
「え、引きこもりのボクにそれを聞かれても(汗) …あ、でも、マリヤちゃんは違いますよ絶対!」

「そっか、ありがとう! また用事があったら、そっちに直接伺うかもしれないから、よろしくね」
「はい、わかり… え?」 (引きこもりって言っても、メール相手はいるんだ。…女の子かしらね♪)


#big5#【白土 麗美 (シラド レイミ)】#/big5#
「じゃあ、次は白土 麗美 (シラド レイミ)さんに連絡を…恋仲だったそうだし、ショックだろうなぁ。
連絡先は…ウミガメ病院の内科? え、女医さんなんだ! とりあえずかけてみよう…もしもし」
「…ええ、彼とは数年前から付き合っていました。…でも、彼は音楽のことで頭がいっぱいだった。
死ぬ前に、もっと一緒にいたかったのに…やりたいことのために、時間を尽くしたいって言ってた」

「やりたいこと?…あの、シドウ氏が音楽活動を休み出した原因について、何かご存知ですか?」
「!…それは…」  「ひょっとして… シドウさんは、どこか体の具合が優れなかったんじゃ?」
「…ええ、本人も亡くなったし、隠す意味は無いかしら。…彼はね、ガンで、余命半年だったのよ」

「今日も、余生を安静にして一緒に過ごしてほしい、って説得しに行ったの。でも彼、言ってたわ。
残り半年、若い子達、特にマリヤちゃんの相手をしたいって…。 ちょっぴり妬けちゃったわ」


#big5#【警察署・暗号】#/big5#
「アリス@警察署です。コンビニの件は、被害者宅から歩いて数分のコンビニで確定取れました。
店員の自供、ビデオカメラ共に確認済。 11:55 に買い物を済ませ、自宅に戻ったようですね」

「そう。じゃあ、少なくとも午前中に殺害の可能性は消えたか… マリヤさんの聴取は終わった?」
「みたいですね。今から取調室に向かいます。 あと、例の”血文字の紹介状”、画像送りますね」

【挿絵参照】 (横書きにしたら、↓こんな感じ)

#red#(#/red##b#紹 介#/b##red#)#/red# #b#状 #/b#   #red#虱 神#/red#

#red#●→● ●→● #/red# 
#big5#雷 城  仁 殿 へ   志 藤  辰 三 より #/big5#

「何かしら?この、名前の横の丸印と、矢印は… それに、矢印の部分だけやたら細いような?」
「こっちは、#b#”風神”#/b#…?それにしては左端の”ノ”が無いし。あと紹介の部分の丸か…」
「鑑識の調べでは、矢印部分だけ、何か尖った細いもので書かれていたそうです。」
「…おかしいわね。 死ぬ間際の人間が、道具まで使って字を書けるものかしら…」

「なお、現場から物が無くなってない事から物盗りのセンは薄く、また争った形跡がない事から、
顔見知りの犯行の可能性が高い。自殺のセンは、ナイフに指紋がないから可能性は低そうです」
「メールで死を匂わせるようなことを言ってたのは、自殺じゃなくて、病気だったからなのよね…。
そもそも、話の内容からして、病気を苦に自殺したわけでもなさそうだし… やっぱり他殺かな」

「あ、そういえばメールに不審な点があったのよね。PCのキーボードに怪しいとこはなかった?」
「鑑識の調べでは、被害者以外の指紋や手袋の跡はなかったそうです。 ただ、一部のキーには
何か尖ったものが触れた跡があって、さらに、被害者の血がわずかに付着してたらしいです」

「あと、書斎の応接テーブルの裏側に、何か、はがしたような跡があったらしいですね」
「テーブルの裏側…?まさか盗聴器!?」 「ええ、市販の盗聴器とサイズが一致したそうです」
「なお、その盗聴器のタイプなら、電池はもって半日、送信距離は10Mってところらしいです」
「…じゃあ、”犯人”は、現場近くに待機してた可能性があるわね。 そして、仕掛けたのは…!」


#big5#【阿部毬耶(アベマリヤ)】#/big5#
「あ、マリヤさん、いました! 今、ケータイでメールしてるところみたいですね。」
「…メール?(ネオンのほうを見る)マネージャー宛てじゃなさそうね… あれ?ひょっとして…?
アリスちゃん、マリヤさんとニイトくんの関係を聞いてみてくれる?」 「はい。 マリヤさん…?」
「!?えー!な、ななんでです?その、シドウ先生に紹介してもらって…か、顔見知りですけど」

「…マリヤさん、午前中、ニイトくんと会ってたんじゃない? 黙秘してたのは、彼をかばうため?」
「…はい。先生に会うのが13時だから、一緒に食事しようと思って… でも12時前には別れたし、
アリバイには弱いから… それを言っても、あの人に、迷惑かけるだけじゃないかと思って…」

「午前中、レストラン ”あんな未来図” で一緒に食事して、それから彼の家で12時前に別れて…
13時ギリギリに着いたんです」  「…じゃあ、到着して、すぐに殺した可能性は消せないか…
ん?そういえばメール…!ねぇマリヤさん、シドウさんはニイトくんをニートって呼んだりする?」

「!それは絶対に無いです!先生、彼に言ってました。”名前で苛められるからって、親御さんを
恨んじゃいけない。君が生まれた頃は、ニートなんて言葉はなかったんだし。それに、君の名は
ニ イ ト だろ?いい響きじゃないか”って… 名前をちゃんと呼ぶこと、先生こだわってました」

「…すると、やはりメールは犯人の偽装?最後のメールが12:30だから、それが証明できれば、
マリヤさんがそれを行うのは不可能ってことになるわね。 そして、怪しいのは… イナバくん、
ヤスコさんのほうはどうなってるかしら?できれば、生徒さんのほうに評判を聞きたいのだけど」


#big5#【猿渡保子 その2】#/big5#
「よかった!話題が無くて、ちょっと困ってたところでした!仕方なく、音楽のこと習ってましたよ。
さっきの音楽のABCですけど、音階ではABC=ドレミじゃなくて、ABC=ラシドになるそうです」
「じゃ、生徒さんに評判聞いてみますね」 「え?先生?うーん、ちょっと神経質なところあるかな。
ちょっと爪を伸ばすと、” ピアニストは指が大事って言ってるでしょ!” って、すごく怒るんだよ!」

「爪…! アリスちゃん、血文字の矢印やキーボードの細かい傷って、”爪”の跡の可能性は?」
「鑑識も、血文字の矢印やキーボードの傷、盗聴器をはがした跡の傷は爪と考えています。あと 
マリヤさんのレストランでのアリバイ確認取れました。移動時間も短縮できて5分くらいですね。」

「これでマリヤちゃんの無実は証明できそうね。 イナバくん、ヤスコさんの爪はどんな感じ?」
「えっと… きれいに切りそろえてますね。」 「…ひょっとしたら、付け爪の可能性もあるかしら?
イナバくん、彼女を事務所に連れて来れない?ダイイングメッセージを見て欲しいとか言って」
「わかりました!でも来てくれるかな… あれ?あっさりOK貰えました。なんか乗り気ですね…」


#big5#【暗号解読編・ 雷城仁(ライジョウジン)】#/big5#

「さて、今のところ暗号は ラ→イ、シ→ロ … ラシ→イロ?ってくらいしかわからないのよね…」 
「こちらアリス。暗号ですけど、”虱”は”シラミ”のことですよ。虫の」 「ふーん?シラミ…シラミ?
まさか、シラ(ドレイ)ミさん…?いや、犯人の偽造かも。 それに シ ラ ミ って全部音階…?」

「よし、残った参考人…ライジョウ氏にも連絡をとってみるわ。暗号についても何か聞けるかも。」
「はい、ライジョウです。まさか、こんなことになるとは…彼とはシド、ライシロと呼び合う仲だった。
今回、シドと話すつもりだったのは、今後のコンサート運営についてだ。マリヤちゃんやニイトくん
のような若い世代の音楽家を、財団を作って、もっと大々的に支援していこう、ってね」

「ところで、シドウ氏の持ってた紹介状に、血文字の暗号があったんですが…何かわかります?」
「どれどれ?(メール画像を見る) ふむ…!こりゃまたオレ好みというか…アイツが好きそうだな。
オレの名前の横に付いている●→●はおそらく… 探偵さん、あんたはわかるんじゃないか?」 
「(…試されてるのかな?) ラ→イ・シ→ロ でしょ? あと、シラミは… シラドレイミさんとか」

「いや、てがかりになるのは、音階なんだよ。 シラミを音階として、別の表現に変えてみたら?」
「そういえば、イナバ君が言ってたわね。 ラシド=ABCなら… シラミ=BAE? …シラミ蝿?」
「…そのBAEを、並べ替えてみたら?」  「ABE…アベ!? じゃあ、” 神 ” と ” 紹介” は?」
「神は、聖母マリヤからの連想かもな。 あと、オレに紹介を受けるのは、マリヤちゃんだし…」

「…でも、これで犯人がアベマリヤちゃん、って決まったわけじゃないですよね」
「ああ、シドが死ぬ間際に残すにしちゃ、回りくど過ぎるだろう。おそらく、これを書いたのは…」
「ところで、シラミを ラ→イ・シ→ロ を基にして変換してみたらどうなる? 全部音階として、だ」
「ロイミ? …いえ、ミも音階として… ラシドレミファソ→イロハニホヘト。 シラミ → ロイホ…?」

「そして、それを組み合わせて漢字を作ってみたら?」  「…イロホ→保!? 保子さんの!?」
「次に、”神”だが… ここでクイズを出そう。 シドとイヌイ君の二人にある、3つの共通点は?」
「シドうたつミ… 音階が3つ。乾音々で、音が…2つだけかぁ。 …ん?ひょっとして、干支!?」
「そう、 しど ウ・タツ・ミ。イヌ・イ・ネ おん。干支が3つ、しかも順番に並んでいる。そして”神”…」

「! ネ と 申…。 変換すれば、干支の”ね=子”だし、”申=猿”だわ! じゃあ、紹介は…?」
「誰かに誰かを紹介することをなんていう?」  「!”渡りをつける”ね!つまり ”渡” をつけて…」
「ああ、暗号が示すのは、猿渡保子ちゃんだ… そして、この暗号は、彼女自身が書いたものだ」
「そんな…なぜ?」 「理由はわからん。が、こんな暗号を作れるのは、シド以外には彼女しか…」 


#big5#【解決編】#/big5#

「あ、盗聴器…!ヤスコさんが仕掛けたとしたら…レイミさんとシドウさんの会話も聞いているはず」
「今日、犯行に及んだのは、それが関係するのかしら。…彼女もう着くはずよね。警部も呼んで…」

「おじゃまします。…タツミさんが残したメッセージって、これですか?これは…シラミ→ABEで…」
「…ヤスコさん、この暗号は、貴女自身を示しているんでしょう? そして、これを書いたのも貴女。」
「!? …そう、もうわかってるのね。お見事だわ。まさか、今日中に解かれるとは思ってなかった。
暗号の答えをテレビで応募すれば、もっと話題になったのに、残念だわ…」

「なぜこんなことを?そして、なぜメッセージにいくつもの意味を込めたの!?」
「それは、あの人との共同作業にしたかったから… あの人の血、あの人の指で、あの人の温もりが
残っているうちに書きたかったの。 暗号の解釈が複数なのは、あの女どもに疑いがかかるように。
でも、最後は、私の名前でないといけないの。あの人を殺した特別な人が、私だとわかるように…」

「盗聴してたら、タツミさん、あと半年っていうじゃない。しかも、レイミって女と付き合ってたなんて… 
残りの人生を、マリヤって女の育成にささげるって聞いた時は、レイミざまぁ!って思ったけど。
逆にマリヤ許すまじ!って思ったわ。 タツミさんにとって特別な存在は、あたしだけでいいの… 
そして、残り半年、醜く生きながらえるより、あたしの手で殺してあげたほうが…」

「そんな…! 自分勝手だわ! それでシドウさんが喜ぶとでも思ってるの!?」
「そんなこと… わかってるわよ!! あの人が、あたしに見向きもしないことくらい! で も ね、 
愛されなくても、愛することは、出来るのよ… たとえ、一方通行であってもね」

そして彼女は、バッグから何かを取り出した。…毒!? 自殺するつもり? させない!
「ヤスコさん!シドウさんは残りの人生を決して醜く生き永らえようとはしなかった。むしろ逆に!」

「そう、シドは、自分を捨てて、未来ある若者のために命をかけようとしたんだ。晩年、クイズ番組に
出ていたのも、財団を作る資金のためさ。…別にマリヤちゃんだけのためじゃない、彼が考えてた
” 未来ある若者 ” の中には、君だって入っていたんだよ…」 

「ライシロさん… そんな… あの人は、私のことも、見てくれてたっていうの?」


#big5#【エピローグ】#/big5#

今日は、ライジョウ氏のプロデュースで、シドウ財団の設立記念コンサートが開かれている。
演奏はマリヤ嬢で、作曲はニイト君。 初のコラボ曲というわけだ。

今回の事件を通して、二人とも色々と思うところがあったようだ。
マリヤ嬢は、メディアの露出に積極的になってきたし、ニイトくんは引きこもりを完全にやめた。
そのせいで、「ひきこもり作曲家」の肩書は無くなったわけだが、彼は、「そんなものなくっても、
曲自身で有名になれるくらいになってみせますよ!」 と元気いっぱいだ。

ネオンくんは、マネージャーとして急に忙しくなってきたものの、やりがいを感じているようだ。
レイミ嬢は、悲しみのうちにありながらも財団のボランティアにも参加しながら、強く生きている。
ヤスコ嬢も、獄中で考えを改めつつある。面接に来るライジョウ氏の影響も大きいようだ。

事務所のほうにも多めの報酬が入ってきたわけだが、めでたしめでたし、という気分ではない。
「もっと気楽に解決できて、報酬もいっぱい入ってくる仕事が来るといいなぁ…」

そんな虫のいいことを考えながら、元の日常に戻っていくのだった…   fin