「【世界田中奇行】貴女が嫌いと言ったから。今日は失恋記念日」「6ブックマーク」
『−−やっぱり、貴方との婚約はなかったことにしてください。』
電話越しに向かって、婚約者の田中カメオにそう切り出したカメミ。
突然持っていた携帯電話からそんなことを告げられた田中は少し呆然とした後、この携帯電話を大切にとっておこうと思った。
一体どうしてだろう?
電話越しに向かって、婚約者の田中カメオにそう切り出したカメミ。
突然持っていた携帯電話からそんなことを告げられた田中は少し呆然とした後、この携帯電話を大切にとっておこうと思った。
一体どうしてだろう?
16年01月17日 01:13
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
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『−−もしもし。……もしもしって言うのも変か。とりあえず現在の状況から。私は今、多分山の中腹辺りなんだと思うけど−−現在地が分からず遭難しています。今は偶然小さな洞窟を見つけてそこで休んでいるけど、気休め程度です。食料は先程の滑落で紛失してしまって、この吹雪じゃ救助も見込めそうにない……。寒い……とても寒いです……この携帯電話も電波は通じません。指はすでに満足に動かないので、こうしてレコーダー機能を使って記録しています。ちゃんと録れているかな−−−−っ……田中くんがこの録音を聞いているってことは、もう私はこの世にはいないのでしょう。−−ごめんなさい。こんなことになってしまうなんて……貴方のプロポーズ、本当に嬉しかった。もしかしたら貴方は、今回急用で一緒に登れなかったことを後悔しているかもしれません。−−でも、お願いだから自分を責めないで。私は、むしろこれでよかったとも思っています。だって、貴方まで死んでしまうことになったかもしれないから。それは−−もっと嫌だ。だから、後悔はしないでください。−−−−それと、やっぱり貴方との婚約はなかったことにしてください。−−−−ひっ、……ぐ……それはもはや貴方を縛る鎖になるから。もう、私のことは忘れて、どうか幸せに生きて……さようなら』
すでに手遅れの状態で発見されたカメミが、大事に握り締めていた携帯電話。濡れたりしないようにしっかりと袋詰めにされていたそれには、こんなメッセージが込められていた。
もう会えないと思っていた。声も聞けないと思っていた。
そんなカメミからの突然のメッセージ。
少し呆然としながら、田中はポツリと言葉を漏らした。
「馬鹿野郎、忘れられるわけ……ないじゃん……」
田中は持っていたカメミの携帯電話を握り締め、ずっと忘れないように、大切に持っていようと決めた。
−−わかった。
幸せになる。なれるようにがんばるから。
忘れてなんて言わず、ずっと見守っていてくれよな−−−−。
すでに手遅れの状態で発見されたカメミが、大事に握り締めていた携帯電話。濡れたりしないようにしっかりと袋詰めにされていたそれには、こんなメッセージが込められていた。
もう会えないと思っていた。声も聞けないと思っていた。
そんなカメミからの突然のメッセージ。
少し呆然としながら、田中はポツリと言葉を漏らした。
「馬鹿野郎、忘れられるわけ……ないじゃん……」
田中は持っていたカメミの携帯電話を握り締め、ずっと忘れないように、大切に持っていようと決めた。
−−わかった。
幸せになる。なれるようにがんばるから。
忘れてなんて言わず、ずっと見守っていてくれよな−−−−。
「潜む熱情」「6ブックマーク」
女は冷静すぎたためにミスをおかした。
どういうことか説明してほしい。
どういうことか説明してほしい。
14年08月25日 13:53
【ウミガメのスープ】 [緋色]
【ウミガメのスープ】 [緋色]
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*
「お前ってさ、ほんっとに何考えてんだかわかんねーよな。
#red#冷静すぎてつまんねー女。 #/red#
てかさ、30のババアと結婚する気なんてねーから」
なんて貴方が言うから。
仕方がなかったの。
気づいたら血まみれの貴方が転がってたんだから。
--------------------------
それからの私の行動は本当に素晴らしかったわ。
指紋をふき取り、不自然じゃないように彼の部屋を荒らして...
そして大声をあげたわ。
#big5#「きゃー!!!」 #/big5#
急いで部屋を飛び出して
#red#エレベーターで一階におり #/red#助けを呼んだの。
-------------------------
ふふっ、自分が完璧すぎてぞくぞくしちゃう。
...え?
じゃあなんで重要参考人として取り調べられているかって?
そんなの決まってるじゃない。
#red#冷静すぎたのよ。 #/red#
死体を見て驚いたふりをした私は髪を振り乱し、
靴も片方脱げた状態だったのね。
なのに、エレベーターの閉のボタンを
#red#一回しかおさなかったの。 #/red#
普通だったら閉のボタン、連打するでしょ?
あんなにかっこが乱れているのに冷静すぎておかしいらしいわよ。
---------------------------
ふふっ、笑っちゃうわよね。
本当に冷静だったら、
エレベーターの偽装工作だってちゃんとやったわよ。
30にもなって年がいもなくあんな男と...馬鹿な女。
もう少し素直になっていれば...
なんていまさら遅いわね、、
「お前ってさ、ほんっとに何考えてんだかわかんねーよな。
#red#冷静すぎてつまんねー女。 #/red#
てかさ、30のババアと結婚する気なんてねーから」
なんて貴方が言うから。
仕方がなかったの。
気づいたら血まみれの貴方が転がってたんだから。
--------------------------
それからの私の行動は本当に素晴らしかったわ。
指紋をふき取り、不自然じゃないように彼の部屋を荒らして...
そして大声をあげたわ。
#big5#「きゃー!!!」 #/big5#
急いで部屋を飛び出して
#red#エレベーターで一階におり #/red#助けを呼んだの。
-------------------------
ふふっ、自分が完璧すぎてぞくぞくしちゃう。
...え?
じゃあなんで重要参考人として取り調べられているかって?
そんなの決まってるじゃない。
#red#冷静すぎたのよ。 #/red#
死体を見て驚いたふりをした私は髪を振り乱し、
靴も片方脱げた状態だったのね。
なのに、エレベーターの閉のボタンを
#red#一回しかおさなかったの。 #/red#
普通だったら閉のボタン、連打するでしょ?
あんなにかっこが乱れているのに冷静すぎておかしいらしいわよ。
---------------------------
ふふっ、笑っちゃうわよね。
本当に冷静だったら、
エレベーターの偽装工作だってちゃんとやったわよ。
30にもなって年がいもなくあんな男と...馬鹿な女。
もう少し素直になっていれば...
なんていまさら遅いわね、、
「【最後の一文】今度、会っていただけませんか。」「6ブックマーク」
太郎は、愛する花子から今度会ってほしいと言われて、
激しい後悔ののちに、次郎を抹殺することにした。
いったいどうして?
※本企画は、「解説の最後の一文でぞくっとする問題」「その最後の一文をタイトルとする」というテーマで出題したものです。
激しい後悔ののちに、次郎を抹殺することにした。
いったいどうして?
※本企画は、「解説の最後の一文でぞくっとする問題」「その最後の一文をタイトルとする」というテーマで出題したものです。
16年05月08日 20:01
【ウミガメのスープ】 [3000才]
【ウミガメのスープ】 [3000才]
【最後の一行】
解説を見る
太郎は、妻の葉子との生活に疲れていた。
葉子は、思い込みが激しいのだ。
付き合った頃はそれもかわいかったのだが、
長くいると耐えられなくなる。
趣味も、価値観も近かったのだが、結婚生活はそれだけでは成立しない。
太郎の周りに女性はいないからSNSで出会いを求めた。
すぐにある女性と意気投合できた。
何でも話した。
SNSでは、本名はさすがにはばかられたので、次郎と名乗っていた。
ついた嘘はそれだけだった。
彼女は花子といった。
彼女も夫との生活に疲れていた。
離婚も考えている、と。
趣味もあった。
世代も近かった。
境遇も、価値観も。
太郎は直感した。
花子と出会ったとき、おそらく、妻の葉子を裏切ることになるだろう。
花子にもしも出会えたらと思うと楽しみだが、それと同時に恐ろしかった。
なるべく出会うことを先延ばしにいる自分がいた。
それでも、ネットでの付き合いだけで愛が深まることを太郎は知った。
ある日。
太郎は、葉子から離婚を切り出された。
葉子も、太郎との生活に限界を感じていたという。
これからどうするのか。
そう尋ねても、首を振るだけだった。
太郎にとっても、離婚に不満はない。
太郎の脳裏に、まだ見ぬ花子が思い浮かんだ。
太郎は、離婚届に印鑑を押した。
その夜、太郎は、激しい後悔ののちに、
SNSの自分のアカウント―次郎―の存在意味がないことを知り、消去することを決意した。
太郎のSNS用に作ったメールアドレスに、葉子の携帯アドレスからメールが届いていたからだ。
なぜ葉子が自分のメールアドレスを知っているのかと訝しながらメールを開くと、
こう書いてあった。
次郎さんへ
花子です。
今日は思い切って、携帯メールアドレスから初めてメールします。
よければ次郎さんの携帯アドレスも教えていただけるとうれしいです。
今日、夫が離婚に承諾してくれました。
今度、会っていただけませんか。
葉子は、思い込みが激しいのだ。
付き合った頃はそれもかわいかったのだが、
長くいると耐えられなくなる。
趣味も、価値観も近かったのだが、結婚生活はそれだけでは成立しない。
太郎の周りに女性はいないからSNSで出会いを求めた。
すぐにある女性と意気投合できた。
何でも話した。
SNSでは、本名はさすがにはばかられたので、次郎と名乗っていた。
ついた嘘はそれだけだった。
彼女は花子といった。
彼女も夫との生活に疲れていた。
離婚も考えている、と。
趣味もあった。
世代も近かった。
境遇も、価値観も。
太郎は直感した。
花子と出会ったとき、おそらく、妻の葉子を裏切ることになるだろう。
花子にもしも出会えたらと思うと楽しみだが、それと同時に恐ろしかった。
なるべく出会うことを先延ばしにいる自分がいた。
それでも、ネットでの付き合いだけで愛が深まることを太郎は知った。
ある日。
太郎は、葉子から離婚を切り出された。
葉子も、太郎との生活に限界を感じていたという。
これからどうするのか。
そう尋ねても、首を振るだけだった。
太郎にとっても、離婚に不満はない。
太郎の脳裏に、まだ見ぬ花子が思い浮かんだ。
太郎は、離婚届に印鑑を押した。
その夜、太郎は、激しい後悔ののちに、
SNSの自分のアカウント―次郎―の存在意味がないことを知り、消去することを決意した。
太郎のSNS用に作ったメールアドレスに、葉子の携帯アドレスからメールが届いていたからだ。
なぜ葉子が自分のメールアドレスを知っているのかと訝しながらメールを開くと、
こう書いてあった。
次郎さんへ
花子です。
今日は思い切って、携帯メールアドレスから初めてメールします。
よければ次郎さんの携帯アドレスも教えていただけるとうれしいです。
今日、夫が離婚に承諾してくれました。
今度、会っていただけませんか。
「祝福されしものを称えよ(∩゚∀゚)∩ 1000出題おめでとう」「6ブックマーク」
やっほー(゚д゚)ゞ みんな元気~? こんばんわ~
今日はBSをしますのですが普通にはやらないのですよ。
#b#まず普通にウミガメを出題します#/b#
そのウミガメが解決しだいに#red#残り時間までBSが発動します。#/red#
つまり3時間制限がある内の余った時間がBSの残り時間となるのです。
しかし#b#このBSは亀夫君に変わるのです#/b#(それはではBSは発動しません、ご注意を)
#red#ある条件にて君たちに正解が入る条件があるのです。#/red#
#b#つまり質問者がとある舞台の登場人物となる訳なのです#/b#
そしてその条件次第によってみんなに正解が手に入る可能性があるのです。
そしてその条件すら解明された場合、残り時間30分辺りで
質問制限はなし、ただし時間制限有りでの#b#20の扉の物当て#/b#が出題されるのです。
それすら解けてしまった場合は仕方が無いのでおまけを出題します
各問題が解かれ次第、詳しい概要をヒントとまとメモに載せる予定なのです。
君たちは私の期待に添えるかな?
それでは問題
① #b#浜辺に来ていた僕とおじいさん#/b#
#b#貝殻がたくさん採れておじいさんも喜んでいました。#/b#
#b#しかししばらくしてまた浜辺に来た僕とおじいさんは#/b#
#b#貝殻がたくさん採れたのにとても怒りました。#/b#
一体なぜ?
今日はBSをしますのですが普通にはやらないのですよ。
#b#まず普通にウミガメを出題します#/b#
そのウミガメが解決しだいに#red#残り時間までBSが発動します。#/red#
つまり3時間制限がある内の余った時間がBSの残り時間となるのです。
しかし#b#このBSは亀夫君に変わるのです#/b#(それはではBSは発動しません、ご注意を)
#red#ある条件にて君たちに正解が入る条件があるのです。#/red#
#b#つまり質問者がとある舞台の登場人物となる訳なのです#/b#
そしてその条件次第によってみんなに正解が手に入る可能性があるのです。
そしてその条件すら解明された場合、残り時間30分辺りで
質問制限はなし、ただし時間制限有りでの#b#20の扉の物当て#/b#が出題されるのです。
それすら解けてしまった場合は仕方が無いのでおまけを出題します
各問題が解かれ次第、詳しい概要をヒントとまとメモに載せる予定なのです。
君たちは私の期待に添えるかな?
それでは問題
① #b#浜辺に来ていた僕とおじいさん#/b#
#b#貝殻がたくさん採れておじいさんも喜んでいました。#/b#
#b#しかししばらくしてまた浜辺に来た僕とおじいさんは#/b#
#b#貝殻がたくさん採れたのにとても怒りました。#/b#
一体なぜ?
16年02月21日 21:00
【新・形式】 [天童 魔子]
【新・形式】 [天童 魔子]
解説を見る
①ウミガメ ここ掘れワンワン
貝殻は昔の通貨でお金に関するものはみんな貝と付くのです
もちろん綺麗なものに限りますが
隣りの欲張り爺さんは大儲けを狙おうとして乱暴に掘り返してしまったので
全部ゴミとなってしまいましたとさ
②亀夫君 サクラサク
登場人物の君たち【受験生】が尋ねる数字が質問番号と合致した場合に正解を差し上げるのです
欲張らずに譲り合えば全員に正解が手に入る可能性があるのですが
欲張りが競い合うと数字がなかなか合わなくなるトラップなのです。
#red#受験生たちよ。どんな結果になろうと誇りを持って進め#/red#
③20の扉
花咲か爺さん・サクラサク=桜。
桜・まっている
#red#桜の木の下には死体が埋まっている#/red#
④ 2月21日は #b#3000才さんが3年目#/b#に突入したのです。
#big5#3000才さん おめでとうございます#/big5#
貝殻は昔の通貨でお金に関するものはみんな貝と付くのです
もちろん綺麗なものに限りますが
隣りの欲張り爺さんは大儲けを狙おうとして乱暴に掘り返してしまったので
全部ゴミとなってしまいましたとさ
②亀夫君 サクラサク
登場人物の君たち【受験生】が尋ねる数字が質問番号と合致した場合に正解を差し上げるのです
欲張らずに譲り合えば全員に正解が手に入る可能性があるのですが
欲張りが競い合うと数字がなかなか合わなくなるトラップなのです。
#red#受験生たちよ。どんな結果になろうと誇りを持って進め#/red#
③20の扉
花咲か爺さん・サクラサク=桜。
桜・まっている
#red#桜の木の下には死体が埋まっている#/red#
④ 2月21日は #b#3000才さんが3年目#/b#に突入したのです。
#big5#3000才さん おめでとうございます#/big5#
「Who are you?【初出題】」「6ブックマーク」
ある日オリオン家に来訪者を知らせるチャイムが鳴った。
家の中にいたオリオンはドアの向こうの来訪者に対して何者かと尋ねた。
来訪者がそれに返事をする。
すると返事を聞いた途端、オリオンは急に笑顔になった。
一体なぜ?
家の中にいたオリオンはドアの向こうの来訪者に対して何者かと尋ねた。
来訪者がそれに返事をする。
すると返事を聞いた途端、オリオンは急に笑顔になった。
一体なぜ?
14年11月01日 23:41
【ウミガメのスープ】 [オリオン]
【ウミガメのスープ】 [オリオン]
SPを引き受けてくださった甘木さん、ありがとうございました!
解説を見る
#b#~ピンポーン~ #/b#
……なんだ?
日曜日の朝っぱらからどこのど誰だ?
無視無視。
こちとら寝不足でねみぃんだよ。
昨日も夜遅くまでラテシンで遊んでたんだから……。
#b#~ピンポーン~#/b#
……ああもうっ!
しつこいなっ!
分かったよ!出ればいいんでしょ!
出れば!
オリオンは不機嫌になりながらも仕方なく起きあがった。
オリオン家のインターフォンはカメラ付き。画面をのぞき込んだオリオンは少しだけ驚いた。画面にはご近所の田中さん家のカメオくんが、妙に緊張した表情で映っている。
カメオくんの小さな手には回覧板がぎゅうっと握られており、周りに他の大人の姿はない。カメオくんはまだ幼稚園生の年長さんだ。普通なら誰かお家の人と一緒に訪ねてくるはずなのになんで一人なんだろう……?
オリオンはすぐに答えに思い至った。
ははあ、分かったぞ。
さては初めてのお使いってやつだな?
この時点でオリオンが感じていた怒りはほとんど吹き飛んだ。こんなに小さな、しかも一生懸命な来訪者を相手に腹を立てるなんて、大人げないにもほどがあるじゃないか。
オリオンはインターフォンの受話器を取ると、出来るだけ優しい声色でカメオくんに話しかけた。
「はい、どちら様ですか?」
Σ(;゚д゚)「えっ……!」
話しかけられたカメオくんは急にあわあわと何かを考え込んでしまった。一体急に何を悩んでいるんだろうと思っていると、やがて意を決したように、カメオくんはこう言ったのだ。
#big5# (*≧д≦)「か、カメオ様ですっ!」 #/big5#
「(*;゚;艸;゚;)ブハッ!?!?!?」
オリオンは吹き出してしまいそうになるのを必死に堪える。
#b#『どちら“様”』#/b#って、そういう意味じゃないんですけど!?
しかしカメオくんは真剣だ。きっと『どちら様ですか?』と聞かれて、本気で考えた末の答えなのだろう。それ故にかえっておかしくてたまらない。
だがカメオくんが真剣であることを思うと、無闇に笑うわけには……っ!!
「……は~い、カメオ様ですね?今鍵を開けますから、少し待っててくださいね?」
(´∀`)ノ「はぁいっ!」
オリオンはなんとは冷静を装って受話器を置くと、それでもこみ上げてきてしまう笑みにニヤニヤと頬を緩ませながら玄関へと向かったのであった。
……なんだ?
日曜日の朝っぱらからどこのど誰だ?
無視無視。
こちとら寝不足でねみぃんだよ。
昨日も夜遅くまでラテシンで遊んでたんだから……。
#b#~ピンポーン~#/b#
……ああもうっ!
しつこいなっ!
分かったよ!出ればいいんでしょ!
出れば!
オリオンは不機嫌になりながらも仕方なく起きあがった。
オリオン家のインターフォンはカメラ付き。画面をのぞき込んだオリオンは少しだけ驚いた。画面にはご近所の田中さん家のカメオくんが、妙に緊張した表情で映っている。
カメオくんの小さな手には回覧板がぎゅうっと握られており、周りに他の大人の姿はない。カメオくんはまだ幼稚園生の年長さんだ。普通なら誰かお家の人と一緒に訪ねてくるはずなのになんで一人なんだろう……?
オリオンはすぐに答えに思い至った。
ははあ、分かったぞ。
さては初めてのお使いってやつだな?
この時点でオリオンが感じていた怒りはほとんど吹き飛んだ。こんなに小さな、しかも一生懸命な来訪者を相手に腹を立てるなんて、大人げないにもほどがあるじゃないか。
オリオンはインターフォンの受話器を取ると、出来るだけ優しい声色でカメオくんに話しかけた。
「はい、どちら様ですか?」
Σ(;゚д゚)「えっ……!」
話しかけられたカメオくんは急にあわあわと何かを考え込んでしまった。一体急に何を悩んでいるんだろうと思っていると、やがて意を決したように、カメオくんはこう言ったのだ。
#big5# (*≧д≦)「か、カメオ様ですっ!」 #/big5#
「(*;゚;艸;゚;)ブハッ!?!?!?」
オリオンは吹き出してしまいそうになるのを必死に堪える。
#b#『どちら“様”』#/b#って、そういう意味じゃないんですけど!?
しかしカメオくんは真剣だ。きっと『どちら様ですか?』と聞かれて、本気で考えた末の答えなのだろう。それ故にかえっておかしくてたまらない。
だがカメオくんが真剣であることを思うと、無闇に笑うわけには……っ!!
「……は~い、カメオ様ですね?今鍵を開けますから、少し待っててくださいね?」
(´∀`)ノ「はぁいっ!」
オリオンはなんとは冷静を装って受話器を置くと、それでもこみ上げてきてしまう笑みにニヤニヤと頬を緩ませながら玄関へと向かったのであった。