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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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【解説の無い水平思考問題】「6ブックマーク」
ラテシンユーザーの男は解説の無い水平思考問題を出題した。

内容は次の通りだ。



『罪を犯した男は人質をとり、とある建物の中に逃げ込んだ。
その建物は警察に完全に包囲された。
だが男は見事にその場から逃げ、その後も捕まらずに済んだ。

一体なぜ?』





男はどうして、解説を打ち込まないまま出題したのだろう?

14年06月01日 14:06
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]



解説を見る
解説の無い水平思考問題の出題者こそが、
問題文中の男だ。

実際に罪を犯した男はヤケになって人質をとり、
とある建物の中に逃げ込んだが、
その建物は警察に完全に包囲されてしまった。

外からはおぞましいパトカーのサイレンや警察の呼び掛ける声、人々のざわめき。

どうしてこんな事になっちまったんだろう………
俺があんな犯罪を犯し、
今ここに人質までとって立て籠るなんて………

嫌だ………俺は絶対に捕まりたくない!!!!!

逃げるんだ………絶対にここから逃げ出すんだ!!!!!

………どうすればいい………
一体どうすれば……………





!!!!!!!!!!



………いるじゃないか、

ラテシンユーザーである俺には、

水平思考という柔軟性に富んだ思考の出来る強い味方が、いるじゃないか!!!!!



………モタモタしてられない、
時間との勝負だ!!!!!

警察に取り囲まれたこの危機的状況から見事に抜け出すアイディアを、
誰か………誰か俺に教えてくれ!!!!!



男は携帯を取り出し、

【解説の無い水平思考問題】

を出題した。



『罪を犯した男は人質をとり、とある建物の中に逃げ込んだ。
その建物は警察に完全に包囲された。
だが男は見事にその場から逃げ、その後も捕まらずに済んだ。

一体なぜ?』





男は祈った。



“俺が警察に捕まらずに逃走出来る
【奇想天外な解説】を、
誰でもいい、生み出して俺に与えてくれ” と………



男の出題した問題には、
ラテシンのメンバーが次々と質問を投げ掛ける。

男は震える指先で“ありのまま”の状況に沿って回答し、
参加者達に“導きのパズル”を組み立てさせていく………





その問題が、どういう結末を迎えたかは、わからない。



ただひとつ、



水平思考は素晴らしい思考法だ。

出来る限り、世の為になる方向性をもって駆使していきたいものである。



この男が“その場から逃げ出せた”のかどうかは解らない。

ただ、犯してしまった罪はしっかりと償うべきだ。



どうせなら、その先の明るい未来の為に、
水平思考を駆使して欲しいと願う。



おかえりなさいと言いたかった「6ブックマーク」
6月1日、
今日も娘は「いってきます」と手を振って学校へ行った。
その日、私は焼死体となって発見された。

何故?
16年06月19日 14:01
【ウミガメのスープ】 [cotto]

喉も焼けるような熱々スープです。僕は御免被りますにゃーฅ^._.^ฅ




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私は酒乱で、酔うと度々無意識に娘に暴力を奮ったり、煙草の火を押し付けたりと言った虐待行為をしてしまうことがあった。

あの子は優しいから、こんな私を責めもせず、毎朝笑顔で「いってきます」と手を振った。

ある年の6月1日。
#b#学校の決まりで、皆が一斉に、夏服に衣替えする日。#/b#

いつものように手を振る娘。
#red#その半袖のブラウスからのぞく腕の、小さな火傷に気付く。#/red#
煙草の火を押し付けた痕だと、はっきり分かった。

いつの傷だろう。昨日まで長袖だったから気づかなかった。
きっとまた、酔っ払った時に私がやったのだ。なんてことだ。

#red#同じ目に遭わなければ。#/red#

ふとそう思った。
あの子に酷いことをした罰を受けなければ、と。

ライターで、煙草に火をつけた。
それを、自分の腕に押し付ける。

#red#「熱……ッ!」#/red#

あまりの熱さに、煙草を取り落としてしまった。
ああ、あの子はこんな痛みを味わっていたのかと後悔するよりも早く、炎が私を包んだ。
#red#部屋中に散乱していた酒瓶。#/red#
#red#その残っていたアルコールが、一瞬で引火したのだ。#/red#

愚かな私は、「いってきます」と手を振ったあの子におかえりなさいも、ごめんねも言うことが出来ないまま、焼け死んだ。
【恐怖を免れる男】「6ブックマーク」
ある夜、入浴中の男の背後から女の声がした。
死を意識しながら、ふと排水溝を見た男。
排水溝から女の髪が出てきたので、男は恐怖せずに済んだ。

一体どういう事だろうか?

15年06月28日 23:44
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]



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風呂場のドア越しに、妻が話し掛けてきた。



『ねぇあなた、今日、私の変化に気付いた?^^』



夫は (……………はぁ? 変化???) などと思いながらも、

怒らせるとめちゃくちゃ怖い妻の事だ、

『えっ、何の事?』 とか 『わからない』 なんて答えたら殺されるかもな……………と怯えながら、



『………あ、ああ。 もちろんだよ^^』



と嘘をついた。



妻『じゃあ、答えて♪^^』





夫は焦りに焦った。

妻の変化??? わからねぇよ、んなもん……………

やばい、殺される。 俺は妻に殺される。



焦る夫はふと、浴槽下の排水溝に目をやった。



【排水溝】…………… 【排水溝】……………



【流れる】…………… 【流れる】……………



【川】…………… 【川】……………



……………なんか、【川】って漢字の形、【女の髪】みたいだな……………



【女の髪】…………… 【女の髪】……………!!!!!



そうか!!!!! そう言えば今日、なんか妻の髪が短くなってた様な…………… それだっ!!!!!





妻『ねぇ、早く答えてよぉ~^^』



夫『今日、髪切ってたよな^^ 凄い似合ってて綺麗だって思ったよ^^』



妻『やだぁ~もう! あなたったらぁ♪♪♪』





夫は命拾いした。



【ぬいぐるみ】「6ブックマーク」
1つのぬいぐるみに対し、
女はそれをウサギのぬいぐるみだと言い、
男はそれをクマのぬいぐるみだと言う。

一体なぜ?

15年05月11日 16:23
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]



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森で熊に遭遇した父娘。

父は冷静に娘を伏せさせ、
娘の持っていたウサギのぬいぐるみを熊に差し出す様に置いた。
熊がぬいぐるみに興味を示しているからだ。

娘『ウサちゃんのぬいぐるみぃ~………涙』

父『シッ! ぬいぐるみはまた新しく買ってあげるから、
  あれはクマさんのものにしてあげてくれ………ごめんな。
  お前の安全の方が大切なんだ。』



父はき顔の娘を小声でなだめ、
熊はやがてウサギのぬいぐるみをくわえて立ち去って行った。



お利口さんだよ!兎美ちゃん!「6ブックマーク」
お兄ちゃんが大好きな兎美ちゃんは、とってもお利口な10歳の女の子。
テストはいつでも百点満点!
お兄ちゃんの亀夫くんも「お前は自慢の妹だ」と褒めてくれます。
その日も兎美ちゃんはみんなが間違えるような問題にひとりだけ正解してお家に帰りました。
その夜、兎美ちゃんは死んでしまいました。
なぜ?
13年10月21日 16:58
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]

四作目です。妙に悟った妹って可愛いと思います。




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学ぶことが好き。
新しいことを知るのが好き。
理解を広げるのが好き。
先人の残した知識が私を蕩けさせる。
先人の遺した謎が私を魅了する。
未知が既知になった時のあの感覚が私の心を放さない。
記憶はないけど、生まれた時から私はこうだったに違いない。
学ぶことが好き。
だけど、一番大好きなのは…お兄ちゃん。

亀夫お兄ちゃんは私より20歳以上歳上で、少しだらしない所のある数学者。
一人じゃご飯も作れなくて、子供みたいに笑って泣いて、何かやりだすと周りのことなんて全然見えない。
だけど、誰よりも一生懸命で、私に真摯に向き合ってくれた人。
未知が我慢できなくて、どんなことでも質問攻めにして、両親からも辟易されていた私にずっと付き合ってくれた…私の世界を広げてくれた人。
小学校に馴染めず、邪魔者扱いされていた私に海外の飛び級制度を勧めてくれたのも、異国の地について来てくれたのも、全部お兄ちゃんだった。
大学の試験で満点を取った時、私の論文が認められた時、お兄ちゃんは「お前は自慢の妹だ」って頭を撫でてくれた。
そのたびに私は、もっと頑張ろうって思えた。

ある時から、お兄ちゃんはひとつの問題に囚われた。
それは過去の数学者が遺した#b#「きらきー定理」#/b#と呼ばれる未解決の命題。
今までにも多くの数学者を虜にした魔性。
一度でも興味を持った者を逃さず、絡め取り、一生かけて夢中にさせる。
お兄ちゃんはその闇に飲まれてしまった。
盲目的に恋人を愛するように、食べるものも食べず、寝る間も惜しみ、定理の全てを暴こうと努力した。
試験で満点をとっても、博士号を取得しても…頭を撫でてくれなくなった。

#red#だから私は、定理(カノジョ)を明(コロ)した。#/red#

#b#矛盾を引裂いた。概念を屠殺した。虚を一片残らず解体した。#/b#
#b#僅かな魅力(ナゾ)も残らぬほどに、凡人ですらも容易に理解できるほどに、噛み砕いて噛み砕いて噛み砕いて噛み砕いて砕いて砕いて砕いて砕いて砕いて砕いて咀嚼して咀嚼して咀嚼して咀嚼咀嚼咀嚼咀嚼咀嚼咀嚼――――!#/b#

定理の全てを明かし、学会に提出して、認められて。
これでお兄ちゃんは私を見てくれる。
また、褒めてくれる。
今までの分も、いっぱいいっぱい撫でてくれる。
期待を込めて、扉を開いて。

お兄ちゃんは首を吊って死んでいた。

私は気付くべきだった。
お兄ちゃんも私を同じで、知識を求め続けないと耐えられない人だということに。
数式ばかりを見て、歴史ばかりを識って、人の心をまったく学んでいなかった。
一番大切にしていたものを、見ようとしなかった。

お兄ちゃんの足下には、遺書が残されていた。
それには定理への思いと無念。失ったことへの絶望がつらつらと綴られていて。
私の名前は、書かれていなかった。
一度も…書かれていなかった。

ぶら下がったお兄ちゃんの手を取ると、ひんやりした死の感触が伝わってくる。
初めての感覚。未知の感覚。しかし私の心は凍りついてしまったようになにも感じない。
手を、そっと自分の頭に添える。
以前よくやってくれたように、撫でるように動かしてみる。
やはり何も感じない。

「…ああ、そっか」

お兄ちゃんは、こんな気持ちを味わったんだね。
ごめんね。
こんなの生きていけないよね。
私、ひどい妹だね。

テーブルに残ったロープを手に取り、お兄ちゃんの隣にぶら下げる。
冷たいお兄ちゃんの手を握る。こうすればせめて同じ場所にいけるような気がした。
不思議と恐怖はなかった。
何もなかった。
空っぽだった。

私は台を蹴る。
次は人に優しく出来る馬鹿な子に生まれることを願って――。