「自立してよね!兎美ちゃん!」「8ブックマーク」
兎美ちゃんときらきーちゃんはとっても仲良し。
兎美ちゃんは、幼い頃から泣いてばかりのきらきーちゃんを、いつも優しく導いてきました。
ある日、きらきーちゃんに結婚の話がやってきました。
とても良縁の結婚で、父親は祝福しましたが、兎美ちゃんはひとり反対しました。
「結婚なんてしないで!」
きらきーちゃんは怒りで殴りつけました。
そして泣きながら結婚を断りました。
どういうこと?
兎美ちゃんは、幼い頃から泣いてばかりのきらきーちゃんを、いつも優しく導いてきました。
ある日、きらきーちゃんに結婚の話がやってきました。
とても良縁の結婚で、父親は祝福しましたが、兎美ちゃんはひとり反対しました。
「結婚なんてしないで!」
きらきーちゃんは怒りで殴りつけました。
そして泣きながら結婚を断りました。
どういうこと?
13年12月12日 15:00
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]
九作目です。結婚式に乱入って素敵だと思います。
解説を見る
おや【親】
子を生んだ人。父と母の総称。また、その一方。
養父母などにもいう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
水平兎美。12歳。小学六年生。
得意教科は家庭科と音楽。苦手教科は理科と算数。
好きな食べ物はモヤシ炒め。嫌いな食べ物はなし。
身長138cm。体重32kg。
家族構成、きらきーちゃん。
私は母と呼べる人の顔を知りません。
母は難産だった私を産んだ後に経過が優れず、生後3日の私と父を遺して死んでしまったそうです。
その話をすると、友達も先生も可哀想と言います。
でも私にとっては最初からいないのと同じことだし、みんなの可哀想がよく分からなかったりします。
だからなのかな。小学校に上がって、お父さんが「今日からこの人が兎美のお母さんだよ」ってきらきーちゃんを連れてきた時も、まるでピンときませんでした。
私のお父さんは絵描きさんでした。
ほとんど売れなかったから家はいつも貧乏だったけど、とても優しい絵を描く人だったのをぼんやり覚えてます。
そんなお父さんが連れてきたのが、きらきーちゃん。
ふたりの馴れ初めなんかは分からないけど、彼女は子供の私から見てもお父さんに不釣り合いなくらい若く、美人でした。
少しぼーっとした所はあるものの、それも神秘的な魅力に感じられる、そんな不思議な魅力をもった女性。 それが私の第一印象。
正直いうと、私は状況をちゃんと理解できていませんでした。
ただ、幸せそうなお父さんをみていると、その幸せ邪魔しちゃいけないと思いました。
だから、私はふたりを祝福して、きらきーちゃんと家族になったのです。
だけどその1月後にお父さんも事故で死んで。
私たちはお互いに何も知らないまま、ふたりきりの家族になりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから5年が過ぎて。
私はきらきーちゃんと一緒に安アパートに住んでいます。
収入はもっぱら生活保護に母子手当、あとは内職のお給金。
最初は色々と大変だったけど、元々貧乏に慣れていたせいかな。私はあまり動じることなく、この暮らしにも慣れていきました。
今日も学校の帰りに、八百屋さんで売れ残りのお野菜をもらって家に向かいます。私たちの生活は皆さんの優しさで支えられているのです。
「今日はお手紙の宛名書きのお仕事だっけ…うん、美味しいご飯作ってがんば…ぎゃーーー!?」
家に帰ってくると、窓から黒煙が上がってました。
私が慌てて家の扉を蹴破るように開くと、すぐそばできらきーちゃんがへたり込んでいて。
「きらきーちゃん!今日は何したの!?」
「違うの…違うのよ兎美…私はご飯を作ろうとしただけなの…でもお鍋が怒りだして…」
「お鍋は勝手に怒らないよ!一体何を…なんでお鍋の横に機械油があるのー!」
「同じ油だし…いいかなって…」
「いいわけないでしょー!!」
一緒に暮らして分かったことですけど、きらきーちゃんは凄まじいほどに生活能力がありませんでした。
というより、常識が完全に欠如していました。
食材は料理しないと食べられない。
部屋は掃除しないと汚れていく。
働かないとお金はもらえない。
そんな当たり前のことを、彼女は知りませんでした。
今までどうやって生きてきたのか、疑問に思わずにはいられないレベルの無知。まるで穢れを知らない赤ん坊でした。
当然、社会で上手く馴染むこともできず、出来る仕事は内職くらい。それもよく失敗しては、子供のように泣きじゃくる。
…正直、どっちが養っているのか分からない状況です。
私はすごい勢いでフランべになってる鍋に蓋をかぶせてどうにか鎮火させ、くったりと崩れ落ちます。
隣ではきらきーちゃんが何かしようとして、でも何をしていいのか分からなくておろおろしてます。
「兎美…あの…あの…」
おどおどした仕草で、涙目になって。なんだかその姿が先生に怒られるクラスメイトと被ってしまいます。
…その涙に、胸の奥がちくりと痛みます。
「もういいよ、きらきーちゃん。悪気はなかったんだもんね。それより、火傷とかしてない?」
「ぅ…ひくっ…ぅん…してない…」
「そっかそっか。よかった。一緒にお片付けしようね?」
「うん…」
目元をぬぐい、鼻をすすってなんとか泣きやむきらきーちゃん。
そのことに私はほっと胸を撫でおろします。
彼女の泣き顔は苦手です。
どうしても…初めてその顔をみた、お父さんのお葬式を思い出してしまうから。
作りもののように綺麗だと感じていた彼女が、ひとりの弱い人間だと理解したあの日を、思い出してしまうから。
だから私は…
「よーし、それじゃあご飯作るから、きらきーちゃんは奥で待ってて」
「ぁ…でも…兎美も疲れてるのに…私が…」
「私は大丈夫だよ!だから…」
ずっと彼女に笑っていて欲しくて。
「私のことは気にしないでっ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……結婚?」
それは新年を迎えようとしている、年の瀬のある日。
きらきーちゃんの父親を名乗る人が、アパートを訪ねてきました。
彼はとても立派な格好をした壮年の男性で、なんていうのだろう。すごく自信に満ち溢れた人でした。
一方できらきーちゃんは、お父さん…私にとっては義理のお爺さんになるのでしょうか。彼の前では目を伏せたまま、怖がるようにいつも以上に小さくなっています。
「お前も夫に先立たれてもう5年だ。流石に頭も冷えただろう…相手はうちのお得意様の息子さんだが、お前の結婚歴も気にしないと言ってくれている。悪い話ではないぞ」
そういって差し出す写真に写っていたのは、私でも知っている大手企業の御曹司でした。
驚きました。こんな話が来たことより、きらきーちゃんがそんな相手に選ばれるような、お金持ちのお嬢様だったことに。
「お前は何も出来なくていい。仕事は全て使用人がやる。こんなところでロクに金にならん仕事をして、貧しい暮らしをするより、ずっとお前のためになる」
「ぇ…ぁ、その…でも…」
「……っ」
きらきーちゃんの顔が、泣き顔に歪んでいきます。
やっと彼女の無知の理由がわかりました。
きらきーちゃんは、教えられていなかったからなんです。
ずっと知る機会を与えられなかったから。
ずっと考えることを許されなかったから。
だからきらきーちゃんはこんなにも真っ白で、純粋になってしまったんです。
胸が痛い。
ちりちりと焼け付くような痛みが広がっていきます。
…でも、今度ばかりは私が口を出していい問題じゃありません。これは家庭の…きらきーちゃんの家の問題。
だから私は口を出しません。
どんな答えを選んだとしても、ずっときらきーちゃんについて行くことに変わりはなかったから。
…でも、私のそんな思いは次の言葉で砕かれました。
「子供のことなら心配いらない。この子の受け入れ先も、ちゃんと準備してある」
「え…?」
「懇意にしている代議士の先生でな。子宝に恵まれずに嘆いていたのだが…健気な娘だと気にいられ、是非とも養女に迎え入れたいと言ってくださっている」
「あ…え…?」
…あれ?どういう意味でしょう。
どうしてここで知らない人の話が出てくるんでしょう。
理解できません。したくありません。
だって、他の人の養子になるっていうことは…。
「あ、あのっ!」
それはつまり…。
「…私、きらきーちゃんと一緒にいけないんですか…?」
声が震えます。
声だけでなく、指先も…全身が小さく震えて止まりません。
けれど、彼はそんな私の様子には気づかず、当たり前のように言います。
「何を言っているんだ。新婚の夫婦の元に連れ子が、それも血の繋がりもない子が付いていって、関係が悪くなったらどうする?君くらい聡明な子なら、それくらい理解できるだろう」
「それは…分かります、けど…」
…そうだよ。それくらい、当り前のことじゃない。
結婚相手の子供でもない、赤の他人の連れ子を迎え入れるなんて、そうそう出来ることじゃない。
お互いに気まずくなるだけにきまってるじゃない。
それならお互いに違う場所にいた方が、幸せになれるに…決まって…。
「分かってくれたようだな。なに、先生もご婦人も、人格者としても有名な方だ。きっと君も幸せになれる」
この人の言葉に嘘はないんだろう。
新しい家族のところにいけば、なに不自由ない暮らしが私を迎えてくれるだろう。
貰い物じゃない綺麗な服を着て、食べたことのない料理が並んで、テレビで見たような豪邸に住んで。
学校から帰って、遊びにも行かずに家事をしたり、造花を作ったり、手紙を書いたり、そんなことしなくてもいい生活。
私が今まで経験したことのない、夢みたいな毎日。
「ぁ…う…兎美…」
きらきーちゃんが、縋るように私を見つめます。
いつも私が守ってきたきらきーちゃん…でも彼女も、この話が決まれば、私じゃない誰かに守ってもらえるようになるんだろう。
その人は私なんかよりずっと大人で、ずっときらきーちゃんを幸せにできるんだろう。
「きらきーちゃん…」
それなら…私にできる最後の手助けは、きらきーちゃんの幸せに向かって背中を押してあげることだけです。
ひとりでは何も決められない彼女を、導いてあげることだけです。
いつものように言ってあげればいいんです。
ーー結婚した方がいいよ。
ーー私のことは気にしないで!
それできっと、きらきーちゃんはなんの迷いもなく、結婚に踏み切ってくれるから。
私もきらきーちゃんも、なに不自由なく幸せになれるから。
だから私は、いつものように笑顔で。
……言おうとしました。
でも、私の口から出たのは、まるで違う言葉でした。
「………やだ」
笑顔で告げようとしたはずなのに、私の声はひどく掠れていました。
「…なんだと?」
声色が変わったのを感じました。
引きつった、威嚇するような声。
でも、一度外面の壊れた心は止められません。
「やだっ!やっぱりやだ!綺麗な服着れても、豪華なご飯食べれても、大きな家に住めても!きらきーちゃんがいなきゃやだ!」
溢れ出します。
隠していた弱い私が、堰を切ったよう私の中から氾濫します。
喉の奥が熱い。体が勝手に震えて、目からは涙が零れます。
『ーーお願い…一緒にいて…』
まるで…
『ーーひとりに…しないで…』
あの日のきらきーちゃんみたいに。
「もし新しいお母さんができて…それがすっごく優しい人だったとしても!」
あの日から私は…
「お父さんのために泣いてくれたのは!きらきーちゃんだけなんだもん!」
この人と一緒に頑張りたいと思ったんだ。
「結婚なんてしないで!私のことをひとりにしないで!!」
認めてしまうと、もう我慢できなかった。
離れたくない。一緒にいたい。
どんなに貧しくても、苦しくても、きらきーちゃんと…お母さんがいなくなるよりずっといい!
「こ、の…っ!身内の問題に、関係のない子供が出しゃばりおって!!」
お爺さんの分厚い大きな手が振り上げられました。
その顔は真っ赤になって、怒りに我を忘れているのが分かります。
思わず瞳を瞑り、体が緊張に強張ります。
パシン!と鋭い音が部屋に響きました…でも、私の頬はまるで痛みを感じません。
恐る恐る目を開くと…映ったのは、お母さんの背中。
お母さんはそのか細い手で、実の父を張り倒していました。
「なっ…な、な…!おま、お前、何を…!」
「私の娘が、関係ないと言いましたか」
お母さんは、一語一句ハッキリと言い聞かせるように言葉を紡ぎます。
それは私が今まで聞いたことのない、見たことのない…凛とした彼女の姿。
それは彼にとっても同じだったんでしょう。予想外の反撃に、お爺さんはすっかり及び腰でした。
「な、なにを…事実だろう!まるで血の繋がりのない子供が、知ったような口を!」
「血の繋がりがそんなに大切ですか、お父様」
相手の大きな体にも、怒鳴りつけるような声にも怯むことなく…。
「この子は…悲しみに壊れそうな私をずっと支えてくれました。側にいてくれました。優しさをくれました」
私を守るように、堂々と…。
「お引き取りください、お父様。私は家には戻りません」
それは私が密かに憧れた、母の姿でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お爺さんを帰した後、私は崩れるようにぺたんとへたり込みました。
「兎美…大丈夫だった…?」
「…うん。きら…じゃなくて…その…」
「…?」
「ーーお母さんが…守ってくれたから」
出来るだけ自然に言うよう頑張ったつもりですが…私の顔は林檎みたいだったと思います。
その証拠に、お母さんは不思議なものを見たような顔で固まってーーぼろぼろに泣き出しました。
「え、えええ!?お、お母さんどうしたの!やっぱり怖かったの!?」
「だ、だって、ひぅっ、兎美が、おかっ、お母さんって…う、うぅぅ〜…」
そう言って泣きじゃくるお母さんは、私のよく知ってるいつものお母さんでした。
ただいつもと少しだけ違うのは…今度の涙は、胸が暖かくなる喜びの涙だっていうこと。
私はそれが嬉しくて…ふたりで抱き合って、気が済むまで泣いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ねえ、お母さん」
「ぐじゅ…ひぅ…なあに…兎美…」
しばらくして。
ようやく気持ちの余裕を取り戻した私は、まだ腕の中でぐずり声をあげるお母さんに尋ねます。
「あの時…私が我儘いわなかったら、お母さん結婚してたの…?」
「それは…わからないわ…あの時は…どうすればいいかわからなかったし…」
「そっか」
「でも今なら」
お母さんは、涙と鼻水だらけのみっともない顔に満面の笑みを浮かべて言いました。
「ちゃんと言える…私の夫は亀夫さんで…私の娘は、兎美以外にあり得ない」
その言葉に私は笑顔で応えて。
今夜からはお母さんと一緒にご飯を作ろうと、心に決めた。
子を生んだ人。父と母の総称。また、その一方。
養父母などにもいう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
水平兎美。12歳。小学六年生。
得意教科は家庭科と音楽。苦手教科は理科と算数。
好きな食べ物はモヤシ炒め。嫌いな食べ物はなし。
身長138cm。体重32kg。
家族構成、きらきーちゃん。
私は母と呼べる人の顔を知りません。
母は難産だった私を産んだ後に経過が優れず、生後3日の私と父を遺して死んでしまったそうです。
その話をすると、友達も先生も可哀想と言います。
でも私にとっては最初からいないのと同じことだし、みんなの可哀想がよく分からなかったりします。
だからなのかな。小学校に上がって、お父さんが「今日からこの人が兎美のお母さんだよ」ってきらきーちゃんを連れてきた時も、まるでピンときませんでした。
私のお父さんは絵描きさんでした。
ほとんど売れなかったから家はいつも貧乏だったけど、とても優しい絵を描く人だったのをぼんやり覚えてます。
そんなお父さんが連れてきたのが、きらきーちゃん。
ふたりの馴れ初めなんかは分からないけど、彼女は子供の私から見てもお父さんに不釣り合いなくらい若く、美人でした。
少しぼーっとした所はあるものの、それも神秘的な魅力に感じられる、そんな不思議な魅力をもった女性。 それが私の第一印象。
正直いうと、私は状況をちゃんと理解できていませんでした。
ただ、幸せそうなお父さんをみていると、その幸せ邪魔しちゃいけないと思いました。
だから、私はふたりを祝福して、きらきーちゃんと家族になったのです。
だけどその1月後にお父さんも事故で死んで。
私たちはお互いに何も知らないまま、ふたりきりの家族になりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから5年が過ぎて。
私はきらきーちゃんと一緒に安アパートに住んでいます。
収入はもっぱら生活保護に母子手当、あとは内職のお給金。
最初は色々と大変だったけど、元々貧乏に慣れていたせいかな。私はあまり動じることなく、この暮らしにも慣れていきました。
今日も学校の帰りに、八百屋さんで売れ残りのお野菜をもらって家に向かいます。私たちの生活は皆さんの優しさで支えられているのです。
「今日はお手紙の宛名書きのお仕事だっけ…うん、美味しいご飯作ってがんば…ぎゃーーー!?」
家に帰ってくると、窓から黒煙が上がってました。
私が慌てて家の扉を蹴破るように開くと、すぐそばできらきーちゃんがへたり込んでいて。
「きらきーちゃん!今日は何したの!?」
「違うの…違うのよ兎美…私はご飯を作ろうとしただけなの…でもお鍋が怒りだして…」
「お鍋は勝手に怒らないよ!一体何を…なんでお鍋の横に機械油があるのー!」
「同じ油だし…いいかなって…」
「いいわけないでしょー!!」
一緒に暮らして分かったことですけど、きらきーちゃんは凄まじいほどに生活能力がありませんでした。
というより、常識が完全に欠如していました。
食材は料理しないと食べられない。
部屋は掃除しないと汚れていく。
働かないとお金はもらえない。
そんな当たり前のことを、彼女は知りませんでした。
今までどうやって生きてきたのか、疑問に思わずにはいられないレベルの無知。まるで穢れを知らない赤ん坊でした。
当然、社会で上手く馴染むこともできず、出来る仕事は内職くらい。それもよく失敗しては、子供のように泣きじゃくる。
…正直、どっちが養っているのか分からない状況です。
私はすごい勢いでフランべになってる鍋に蓋をかぶせてどうにか鎮火させ、くったりと崩れ落ちます。
隣ではきらきーちゃんが何かしようとして、でも何をしていいのか分からなくておろおろしてます。
「兎美…あの…あの…」
おどおどした仕草で、涙目になって。なんだかその姿が先生に怒られるクラスメイトと被ってしまいます。
…その涙に、胸の奥がちくりと痛みます。
「もういいよ、きらきーちゃん。悪気はなかったんだもんね。それより、火傷とかしてない?」
「ぅ…ひくっ…ぅん…してない…」
「そっかそっか。よかった。一緒にお片付けしようね?」
「うん…」
目元をぬぐい、鼻をすすってなんとか泣きやむきらきーちゃん。
そのことに私はほっと胸を撫でおろします。
彼女の泣き顔は苦手です。
どうしても…初めてその顔をみた、お父さんのお葬式を思い出してしまうから。
作りもののように綺麗だと感じていた彼女が、ひとりの弱い人間だと理解したあの日を、思い出してしまうから。
だから私は…
「よーし、それじゃあご飯作るから、きらきーちゃんは奥で待ってて」
「ぁ…でも…兎美も疲れてるのに…私が…」
「私は大丈夫だよ!だから…」
ずっと彼女に笑っていて欲しくて。
「私のことは気にしないでっ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……結婚?」
それは新年を迎えようとしている、年の瀬のある日。
きらきーちゃんの父親を名乗る人が、アパートを訪ねてきました。
彼はとても立派な格好をした壮年の男性で、なんていうのだろう。すごく自信に満ち溢れた人でした。
一方できらきーちゃんは、お父さん…私にとっては義理のお爺さんになるのでしょうか。彼の前では目を伏せたまま、怖がるようにいつも以上に小さくなっています。
「お前も夫に先立たれてもう5年だ。流石に頭も冷えただろう…相手はうちのお得意様の息子さんだが、お前の結婚歴も気にしないと言ってくれている。悪い話ではないぞ」
そういって差し出す写真に写っていたのは、私でも知っている大手企業の御曹司でした。
驚きました。こんな話が来たことより、きらきーちゃんがそんな相手に選ばれるような、お金持ちのお嬢様だったことに。
「お前は何も出来なくていい。仕事は全て使用人がやる。こんなところでロクに金にならん仕事をして、貧しい暮らしをするより、ずっとお前のためになる」
「ぇ…ぁ、その…でも…」
「……っ」
きらきーちゃんの顔が、泣き顔に歪んでいきます。
やっと彼女の無知の理由がわかりました。
きらきーちゃんは、教えられていなかったからなんです。
ずっと知る機会を与えられなかったから。
ずっと考えることを許されなかったから。
だからきらきーちゃんはこんなにも真っ白で、純粋になってしまったんです。
胸が痛い。
ちりちりと焼け付くような痛みが広がっていきます。
…でも、今度ばかりは私が口を出していい問題じゃありません。これは家庭の…きらきーちゃんの家の問題。
だから私は口を出しません。
どんな答えを選んだとしても、ずっときらきーちゃんについて行くことに変わりはなかったから。
…でも、私のそんな思いは次の言葉で砕かれました。
「子供のことなら心配いらない。この子の受け入れ先も、ちゃんと準備してある」
「え…?」
「懇意にしている代議士の先生でな。子宝に恵まれずに嘆いていたのだが…健気な娘だと気にいられ、是非とも養女に迎え入れたいと言ってくださっている」
「あ…え…?」
…あれ?どういう意味でしょう。
どうしてここで知らない人の話が出てくるんでしょう。
理解できません。したくありません。
だって、他の人の養子になるっていうことは…。
「あ、あのっ!」
それはつまり…。
「…私、きらきーちゃんと一緒にいけないんですか…?」
声が震えます。
声だけでなく、指先も…全身が小さく震えて止まりません。
けれど、彼はそんな私の様子には気づかず、当たり前のように言います。
「何を言っているんだ。新婚の夫婦の元に連れ子が、それも血の繋がりもない子が付いていって、関係が悪くなったらどうする?君くらい聡明な子なら、それくらい理解できるだろう」
「それは…分かります、けど…」
…そうだよ。それくらい、当り前のことじゃない。
結婚相手の子供でもない、赤の他人の連れ子を迎え入れるなんて、そうそう出来ることじゃない。
お互いに気まずくなるだけにきまってるじゃない。
それならお互いに違う場所にいた方が、幸せになれるに…決まって…。
「分かってくれたようだな。なに、先生もご婦人も、人格者としても有名な方だ。きっと君も幸せになれる」
この人の言葉に嘘はないんだろう。
新しい家族のところにいけば、なに不自由ない暮らしが私を迎えてくれるだろう。
貰い物じゃない綺麗な服を着て、食べたことのない料理が並んで、テレビで見たような豪邸に住んで。
学校から帰って、遊びにも行かずに家事をしたり、造花を作ったり、手紙を書いたり、そんなことしなくてもいい生活。
私が今まで経験したことのない、夢みたいな毎日。
「ぁ…う…兎美…」
きらきーちゃんが、縋るように私を見つめます。
いつも私が守ってきたきらきーちゃん…でも彼女も、この話が決まれば、私じゃない誰かに守ってもらえるようになるんだろう。
その人は私なんかよりずっと大人で、ずっときらきーちゃんを幸せにできるんだろう。
「きらきーちゃん…」
それなら…私にできる最後の手助けは、きらきーちゃんの幸せに向かって背中を押してあげることだけです。
ひとりでは何も決められない彼女を、導いてあげることだけです。
いつものように言ってあげればいいんです。
ーー結婚した方がいいよ。
ーー私のことは気にしないで!
それできっと、きらきーちゃんはなんの迷いもなく、結婚に踏み切ってくれるから。
私もきらきーちゃんも、なに不自由なく幸せになれるから。
だから私は、いつものように笑顔で。
……言おうとしました。
でも、私の口から出たのは、まるで違う言葉でした。
「………やだ」
笑顔で告げようとしたはずなのに、私の声はひどく掠れていました。
「…なんだと?」
声色が変わったのを感じました。
引きつった、威嚇するような声。
でも、一度外面の壊れた心は止められません。
「やだっ!やっぱりやだ!綺麗な服着れても、豪華なご飯食べれても、大きな家に住めても!きらきーちゃんがいなきゃやだ!」
溢れ出します。
隠していた弱い私が、堰を切ったよう私の中から氾濫します。
喉の奥が熱い。体が勝手に震えて、目からは涙が零れます。
『ーーお願い…一緒にいて…』
まるで…
『ーーひとりに…しないで…』
あの日のきらきーちゃんみたいに。
「もし新しいお母さんができて…それがすっごく優しい人だったとしても!」
あの日から私は…
「お父さんのために泣いてくれたのは!きらきーちゃんだけなんだもん!」
この人と一緒に頑張りたいと思ったんだ。
「結婚なんてしないで!私のことをひとりにしないで!!」
認めてしまうと、もう我慢できなかった。
離れたくない。一緒にいたい。
どんなに貧しくても、苦しくても、きらきーちゃんと…お母さんがいなくなるよりずっといい!
「こ、の…っ!身内の問題に、関係のない子供が出しゃばりおって!!」
お爺さんの分厚い大きな手が振り上げられました。
その顔は真っ赤になって、怒りに我を忘れているのが分かります。
思わず瞳を瞑り、体が緊張に強張ります。
パシン!と鋭い音が部屋に響きました…でも、私の頬はまるで痛みを感じません。
恐る恐る目を開くと…映ったのは、お母さんの背中。
お母さんはそのか細い手で、実の父を張り倒していました。
「なっ…な、な…!おま、お前、何を…!」
「私の娘が、関係ないと言いましたか」
お母さんは、一語一句ハッキリと言い聞かせるように言葉を紡ぎます。
それは私が今まで聞いたことのない、見たことのない…凛とした彼女の姿。
それは彼にとっても同じだったんでしょう。予想外の反撃に、お爺さんはすっかり及び腰でした。
「な、なにを…事実だろう!まるで血の繋がりのない子供が、知ったような口を!」
「血の繋がりがそんなに大切ですか、お父様」
相手の大きな体にも、怒鳴りつけるような声にも怯むことなく…。
「この子は…悲しみに壊れそうな私をずっと支えてくれました。側にいてくれました。優しさをくれました」
私を守るように、堂々と…。
「お引き取りください、お父様。私は家には戻りません」
それは私が密かに憧れた、母の姿でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お爺さんを帰した後、私は崩れるようにぺたんとへたり込みました。
「兎美…大丈夫だった…?」
「…うん。きら…じゃなくて…その…」
「…?」
「ーーお母さんが…守ってくれたから」
出来るだけ自然に言うよう頑張ったつもりですが…私の顔は林檎みたいだったと思います。
その証拠に、お母さんは不思議なものを見たような顔で固まってーーぼろぼろに泣き出しました。
「え、えええ!?お、お母さんどうしたの!やっぱり怖かったの!?」
「だ、だって、ひぅっ、兎美が、おかっ、お母さんって…う、うぅぅ〜…」
そう言って泣きじゃくるお母さんは、私のよく知ってるいつものお母さんでした。
ただいつもと少しだけ違うのは…今度の涙は、胸が暖かくなる喜びの涙だっていうこと。
私はそれが嬉しくて…ふたりで抱き合って、気が済むまで泣いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ねえ、お母さん」
「ぐじゅ…ひぅ…なあに…兎美…」
しばらくして。
ようやく気持ちの余裕を取り戻した私は、まだ腕の中でぐずり声をあげるお母さんに尋ねます。
「あの時…私が我儘いわなかったら、お母さん結婚してたの…?」
「それは…わからないわ…あの時は…どうすればいいかわからなかったし…」
「そっか」
「でも今なら」
お母さんは、涙と鼻水だらけのみっともない顔に満面の笑みを浮かべて言いました。
「ちゃんと言える…私の夫は亀夫さんで…私の娘は、兎美以外にあり得ない」
その言葉に私は笑顔で応えて。
今夜からはお母さんと一緒にご飯を作ろうと、心に決めた。
「カラフル」「8ブックマーク」
年頃の娘が父親に外泊の許可をもらおうと、必死に頼み込んでいた。
はじめは渋っていた父親だったが、ついに娘の外泊を許すことにした。
しかし当日、娘は家から一歩も外に出ることはなかった。
なぜ?
瞬殺かもしれないです。
なので、嘘は一回。
よろしくお願いします( *´ ∀ ` )
はじめは渋っていた父親だったが、ついに娘の外泊を許すことにした。
しかし当日、娘は家から一歩も外に出ることはなかった。
なぜ?
瞬殺かもしれないです。
なので、嘘は一回。
よろしくお願いします( *´ ∀ ` )
11年03月08日 20:48
【ウミガメのスープ】 [みったん]
【ウミガメのスープ】 [みったん]
解説を見る
その部屋の物は全てが白かった。
壁も床も天井も、ベッドのシーツでさえも真っ白。
ベッドには細い管で繋がれた、色白の少女が横たわり、その横には白衣に身を包んだ中年の男。
彼は彼女の主治医であり、この病院の院長であり、また少女の父親であった。
『お家に帰りたい』
『駄目だ』
少女の体調は思わしくなかった。
父親として、何より医者として許すわけにはいかなかった。
『明日、私の誕生日だよ?』
『ああ。明日はパパもお休みだからママと三人でお祝いしよう。』
『お家でお祝いして。』
『駄目だ。』
先程から同じ会話を何回も繰り返している。
それも毎日、いや、何ヶ月も。
『お家帰れないなら、次の手術受けないから。』
こんな事を言い出すのは初めてではなかった。しかし、今回は父親がどんなに説き伏せても、頑なに聞き入れようとしない。
『わかった・・・一日だけだぞ。』
ついに折れたのは父親の方だった。
翌日、少女は外泊許可を得て家へ向かう。
その日、少女は一日中家で過ごした。
母親の手料理も、父親からのプレゼントも、三人で作ったバースデーケーキも全てが少女にとって素晴らしかった。
『パパ、ママ。』
食後の団欒の一時、少女が不意に口を開いた。
『私ね、もっと生きたい。もっと楽しいこといっぱい経験して、仕事もして、恋とかもして、結婚して・・・いつかこんな家庭作りたいな。』
少女は照れ臭そうに笑った。
両親は目に涙目を浮かべている。
『さて、今日ははしゃぎ過ぎて疲れちゃった。もう寝るね!お休みなさい!』
楽しい一日を終え、彼女は自分の部屋に向かう。
扉を開けると、ピンクの壁紙に花柄のカーテン。水玉模様のベッドカバーに赤い目をしたうさぎのぬいぐるみ。
そこは病室とは似ても似つかない、色とりどりの世界。
少女は大好きな色たちに囲まれて、静かに眠りについた。
お粗末さまでした<(_ _)>
自分の家に帰るのに外泊って何か変な感じ(´・ω・`)
っていうお話でした。
ちなみに解説は上記とは別に、心配性過ぎて貧血ごときで娘を入院させてしまう父親のパターンも考えましたが、書けませんでしたヘ(゚∀゚ヘ)
いつか、ギャグとグロも書いてみたいφ(・ε・。) ~♪
そしてきのこさんスナイプを目の当たりにしてビックリするみったんでした。。
みったん
壁も床も天井も、ベッドのシーツでさえも真っ白。
ベッドには細い管で繋がれた、色白の少女が横たわり、その横には白衣に身を包んだ中年の男。
彼は彼女の主治医であり、この病院の院長であり、また少女の父親であった。
『お家に帰りたい』
『駄目だ』
少女の体調は思わしくなかった。
父親として、何より医者として許すわけにはいかなかった。
『明日、私の誕生日だよ?』
『ああ。明日はパパもお休みだからママと三人でお祝いしよう。』
『お家でお祝いして。』
『駄目だ。』
先程から同じ会話を何回も繰り返している。
それも毎日、いや、何ヶ月も。
『お家帰れないなら、次の手術受けないから。』
こんな事を言い出すのは初めてではなかった。しかし、今回は父親がどんなに説き伏せても、頑なに聞き入れようとしない。
『わかった・・・一日だけだぞ。』
ついに折れたのは父親の方だった。
翌日、少女は外泊許可を得て家へ向かう。
その日、少女は一日中家で過ごした。
母親の手料理も、父親からのプレゼントも、三人で作ったバースデーケーキも全てが少女にとって素晴らしかった。
『パパ、ママ。』
食後の団欒の一時、少女が不意に口を開いた。
『私ね、もっと生きたい。もっと楽しいこといっぱい経験して、仕事もして、恋とかもして、結婚して・・・いつかこんな家庭作りたいな。』
少女は照れ臭そうに笑った。
両親は目に涙目を浮かべている。
『さて、今日ははしゃぎ過ぎて疲れちゃった。もう寝るね!お休みなさい!』
楽しい一日を終え、彼女は自分の部屋に向かう。
扉を開けると、ピンクの壁紙に花柄のカーテン。水玉模様のベッドカバーに赤い目をしたうさぎのぬいぐるみ。
そこは病室とは似ても似つかない、色とりどりの世界。
少女は大好きな色たちに囲まれて、静かに眠りについた。
お粗末さまでした<(_ _)>
自分の家に帰るのに外泊って何か変な感じ(´・ω・`)
っていうお話でした。
ちなみに解説は上記とは別に、心配性過ぎて貧血ごときで娘を入院させてしまう父親のパターンも考えましたが、書けませんでしたヘ(゚∀゚ヘ)
いつか、ギャグとグロも書いてみたいφ(・ε・。) ~♪
そしてきのこさんスナイプを目の当たりにしてビックリするみったんでした。。
みったん
「心配性の父」「7ブックマーク」
娘が作った#b#人形#/b#の隣に#b#双眼鏡を#/b#見つけた父は、娘に#b#透明になれる能力#/b#を教えた。
状況を説明してください。
※この問題は牛削りさんにテストプレイをしていただきました。氏のご厚意に感謝を。
状況を説明してください。
※この問題は牛削りさんにテストプレイをしていただきました。氏のご厚意に感謝を。
16年08月06日 23:27
【ウミガメのスープ】 [tosh]
【ウミガメのスープ】 [tosh]
解説を見る
季節は冬。雪が降り積もったホワイトクリスマスイブの夜の事。
幼い娘はサンタクロースの存在を信じていた。
だから雪の降り積もった雪の上に仰向けになり、双眼鏡でクリスマスイブの夜にプレゼントを配るというサンタクロースを探した。
しかしサンタクロースは見つかるはずもなく、少女は諦めて家に戻った。
自らが雪に残したヒトガタの傍に双眼鏡を忘れて。
翌朝、娘の枕元にプレゼントをこっそり置くというミッションを終えた父は、庭の雪の上にヒトガタと双眼鏡を発見する。
クリスマスイブ、娘のものと思われる小さなヒトガタ、双眼鏡。
娘はきっとサンタクロースを探したのだろうと父は思った。
その光景を思い浮かべ暖かな気持ちになっていた父だったが、娘が寒い夜空の下で一人空を見上げていたことに危機感を持った。
娘は来年以降も、もしかしたら昨日のように空を見上げるのかもしれない。昨晩は家に入ったようだがもしかしたらそのまま寝てしまうことだってあるかもしれない。
そのまま凍死するなんてことがあったら…。父は娘が同じことをしないよう注意することも考えた。
しかし、健気にサンタを信じる娘に一方的にやめろとは言いづらい。
だから父は嘘を付くことにした。
「いいかい、娘よ。サンタさんはね、子供には見えないんだ。透明になれる能力を持っているんだよ。だから、空を見上げても残念だけどサンタさんは見えないんだ。」
幼い娘はサンタクロースの存在を信じていた。
だから雪の降り積もった雪の上に仰向けになり、双眼鏡でクリスマスイブの夜にプレゼントを配るというサンタクロースを探した。
しかしサンタクロースは見つかるはずもなく、少女は諦めて家に戻った。
自らが雪に残したヒトガタの傍に双眼鏡を忘れて。
翌朝、娘の枕元にプレゼントをこっそり置くというミッションを終えた父は、庭の雪の上にヒトガタと双眼鏡を発見する。
クリスマスイブ、娘のものと思われる小さなヒトガタ、双眼鏡。
娘はきっとサンタクロースを探したのだろうと父は思った。
その光景を思い浮かべ暖かな気持ちになっていた父だったが、娘が寒い夜空の下で一人空を見上げていたことに危機感を持った。
娘は来年以降も、もしかしたら昨日のように空を見上げるのかもしれない。昨晩は家に入ったようだがもしかしたらそのまま寝てしまうことだってあるかもしれない。
そのまま凍死するなんてことがあったら…。父は娘が同じことをしないよう注意することも考えた。
しかし、健気にサンタを信じる娘に一方的にやめろとは言いづらい。
だから父は嘘を付くことにした。
「いいかい、娘よ。サンタさんはね、子供には見えないんだ。透明になれる能力を持っているんだよ。だから、空を見上げても残念だけどサンタさんは見えないんだ。」
「夏なので」「7ブックマーク」
私は夏になると
にうよのちにい#red#ま#/red#
きとくおていおに
まあとがすいあや
っんけかくしかへ
たしてなるれでて
じんしまいうれけ
かするのだがそつ
んにこれにかひを
のは何故?
※2時間後に始まり5時間後に終わります。
(toshさんにテストプレイをしていただきました。toshさんありがとうございました)
にうよのちにい#red#ま#/red#
きとくおていおに
まあとがすいあや
っんけかくしかへ
たしてなるれでて
じんしまいうれけ
かするのだがそつ
んにこれにかひを
のは何故?
※2時間後に始まり5時間後に終わります。
(toshさんにテストプレイをしていただきました。toshさんありがとうございました)
16年08月17日 00:49
【ウミガメのスープ】 [フィーカス]
【ウミガメのスープ】 [フィーカス]
解説を見る
この問題は#red#蚊取り線香#/red#をイメージしている。
#red#火が付いているイメージを持たせた赤い文字(右上の「ま」)から左回りに渦巻き状に読んでいく#/red#と、最初の問題文と併せて以下のようになる。
私は夏になると
まいにちのようにきまったじかんにこれにかひをつけてへやにおいておくとあんしんするのだがそれでかあいすがとけてしまいうれしくなる
のは何故?
これでは少々問題文が分かりづらい。そこで、#red#この問題は蚊取り線香をイメージしている#/red#ことから、#red#問題文から「か」を取る#/red#とこうなる。
私は夏になると
まいにちのようにきまったじんにこれにひをつけてへやにおいておくとあんしんするのだがそれであいすがとけてしまいうれしくかなる
のは何故?
一見すると、
「私は夏になると毎日のように決まった時間にこれに火をつけて部屋に置いておくと安心するのだがそれでアイスが溶けてしまいうれしくなるのは何故?」
と変換できそうだが、「時間」ではなく「じん」なので意味が伝わらなくなってしまう。
そこで「※2時間後に始まり5時間後に終わります」というヒントを使う。途中のヒントにある通り、#red#この蚊取り線香の燃焼時間は最大8時間#/red#である。
文字数は全部で64文字あるため、1時間あたり8文字となる。
ということで、最初の2時間分(16文字)を削ったところから始め、5時間経過したところで終わるように読み、「か」を除くと、
私は夏になると
まいにちのように|きまったじかんに|#red#これに#/red#か#red#ひをつけ|てへやにおいてお|くとあんしんする#/red#|のだがそれでかあ|いすがとけてしま|いうれしくかなる
のは何故?
すなわち
#red#「私は夏になるとこれに火をつけて部屋に置いておくと安心するのは何故?」#/red#
となり、答えは#b#蚊が寄ってこないから(他にも「蚊に刺される心配が無くなるから」「蚊が落ちるから」など)#/b#となる。
#red#火が付いているイメージを持たせた赤い文字(右上の「ま」)から左回りに渦巻き状に読んでいく#/red#と、最初の問題文と併せて以下のようになる。
私は夏になると
まいにちのようにきまったじかんにこれにかひをつけてへやにおいておくとあんしんするのだがそれでかあいすがとけてしまいうれしくなる
のは何故?
これでは少々問題文が分かりづらい。そこで、#red#この問題は蚊取り線香をイメージしている#/red#ことから、#red#問題文から「か」を取る#/red#とこうなる。
私は夏になると
まいにちのようにきまったじんにこれにひをつけてへやにおいておくとあんしんするのだがそれであいすがとけてしまいうれしくかなる
のは何故?
一見すると、
「私は夏になると毎日のように決まった時間にこれに火をつけて部屋に置いておくと安心するのだがそれでアイスが溶けてしまいうれしくなるのは何故?」
と変換できそうだが、「時間」ではなく「じん」なので意味が伝わらなくなってしまう。
そこで「※2時間後に始まり5時間後に終わります」というヒントを使う。途中のヒントにある通り、#red#この蚊取り線香の燃焼時間は最大8時間#/red#である。
文字数は全部で64文字あるため、1時間あたり8文字となる。
ということで、最初の2時間分(16文字)を削ったところから始め、5時間経過したところで終わるように読み、「か」を除くと、
私は夏になると
まいにちのように|きまったじかんに|#red#これに#/red#か#red#ひをつけ|てへやにおいてお|くとあんしんする#/red#|のだがそれでかあ|いすがとけてしま|いうれしくかなる
のは何故?
すなわち
#red#「私は夏になるとこれに火をつけて部屋に置いておくと安心するのは何故?」#/red#
となり、答えは#b#蚊が寄ってこないから(他にも「蚊に刺される心配が無くなるから」「蚊が落ちるから」など)#/b#となる。
「ラブライブラリ」「7ブックマーク」
カメオとラテコは図書館の棚から同じ本を取ろうとして手が触れ合った。
カメオはラテコのほうがその本を見つけるのが早かったと言ってラテコに本を譲ったので、
ラテコはカメオに対するイメージが悪くなった。
なぜか。
カメオはラテコのほうがその本を見つけるのが早かったと言ってラテコに本を譲ったので、
ラテコはカメオに対するイメージが悪くなった。
なぜか。
16年08月09日 00:43
【ウミガメのスープ】 [鳴子]
【ウミガメのスープ】 [鳴子]
解説を見る
カメオとラテコは図書館の職員だ。
二人は本棚に間違った本が並んでいるのに気づき、正しい場所に移そうと本に手を伸ばしたが、
カメオはラテコのほうが気づくのが早かったと主張し、仕事をラテコに押し付けたので、
ラテコはカメオに対するイメージが悪くなった。
二人は本棚に間違った本が並んでいるのに気づき、正しい場所に移そうと本に手を伸ばしたが、
カメオはラテコのほうが気づくのが早かったと主張し、仕事をラテコに押し付けたので、
ラテコはカメオに対するイメージが悪くなった。