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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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【ラテクエU^ェ^U】こそばゆい。「7ブックマーク」
「せっかくですが、お断りします」
相手は、がっかりしたが、その後、喜んだ。
状況を説明せよ。
10年11月28日 21:02
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]



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二人が50年間大切に守り続けてきた"夫婦"という関係は、今日終わった。

康子と康雄は幼い頃からずっと一緒にいた。
似た名前の二人はよく他人からからかわれたりした。
そんな声には耳を貸さず、二人はずっと一緒にいた。
お互いがお互いのことを、やすくん、やすちゃんと呼んでいた。
お互いがお互いのことを、大好きだった。

18の時、二人は結ばれた。
式場の前に並ぶ二人の名前。ちょっと面白い。こそばゆい。
康子は康雄のことをあなたと呼ぶことにした。
康雄も康子のことをおまえと呼ぶようになった。こそばゆい。

康雄は浮気もせずに、康子のために小さな仕事を頑張った。
康子も散財もせずに、康雄のために小さな家庭を守った。
二人には一つの命が授けられ、その命を立派に育て上げた。

人間としての至福をじっくり煮込んでいった二人の愛。
それはゆっくりと、ほろほろに煮崩れていくことになる。

康雄は突然取引先の社長の名前が思い出せなくなった。
それからというもの、小さなミスを重ねるようになる。
会社は康雄に有給を取らせ、病院へと行くようにすすめた。
康雄はそれに従い、医者に症状を伝える。
精密検査が行われる。
検査結果はすぐにでた。

病名、アルツハイマー。

康雄は泣いた。家族の今後を憂いて泣いた。
康子は耐えた。家族の今後を信じて耐えた。

康雄は使い物にならなくなる前に必死で働いた。
康子は忘れ去られてしまわぬよう必死で励ました。

康雄が仕事をやめた時、症状はますます悪化した。
康子は暗くならずに、笑顔を絶やさず励ました。
そしてある日のことである。


「今年も二人で、高野山へ紅葉狩りに行きたかね。
あなたあそこで酔いつぶれてお昼寝するの好きでしょう。
去年なんて……うふふ。
今年はヤスシも連れてってあげようかね。」

「……………………せっかくですが、お断りします。」

康子から笑顔が消えた。
康雄が怯えながら康子を見ている。
康雄は自分の半身のことを忘れてしまった。
これから先はどんなに愛情を注いでも、康子は冷たく蔑まれ続けた。

康子はボロボロになった。
好きで好きでたまらない。抱きしめたい。
しかし康雄は拒む。暴れる。泣く。
お前は誰だ。怖い、助けてくれ。

それでも康子は康雄のそばにいた。

木枯らしが肌身を震わす11月。
康雄は最期の時を迎えようとしている。
医者がそれを康子に伝える。
康子は康雄の手を握る。

「こんなお婆さんが最期の人でごめんなさいね。
でも……でも私はあなたの事を本当に愛しておりました。
だから最期くらい抱きしめさせてくださいね。
やすくん。」

康雄の身体がふわっと熱に包まれた。
いつもならば必死で拒むはず。今日はその様子はない。
康雄も康子に手をまわした。

「…………………………………………………………」

声が出ない。出ない。
しかし康子は分かってしまう。50年もそばにいるのだから分かる。
二人にしか分からないその言葉。
その言葉に康子は至福の涙を流した。
それは二人だけの約束。結ばれた二人のきっかけの言葉。

「ずっと一緒にいようね。やすちゃん。」

二人が50年間大切に守り続けてきた"夫婦"という関係は、今日終わった。
二人の愛は永遠である。
男は仕事が忙しかったので安堵した。
一体なぜ?
15年05月29日 21:38
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]



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その日、男は【仕事が忙しかったので、とても疲れた。】

男は【とても疲れたので、甘いものが食べたくなった。】

男は【甘いものが食べたくなったので、ケーキを買って帰った。】

男は【ケーキを買って帰ったので、その日が誕生日だった娘はとても喜んだ。】

男は【その日が誕生日だった娘がとても喜んだので、すっかり忘れていたけど仕事が忙しくて結果オーライだったと安堵した。】
暖冬「7ブックマーク」
今年の冬は暖冬とはいえ、流石に暖房無しでは堪える寒さだ。

我が家では、毎年この時期になるとリビングに石油ストーブを置くのだが、

今日、妻が娘に、
「あんたの欲しがってた手袋、買ってきたわよ。」

と言っていたのを聞いた私は、来年の冬からはストーブを使わないことに決めた。

一体なぜ?
16年01月26日 00:05
【ウミガメのスープ】 [ruxyo]



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今年12歳になる娘は、確かに去年までサンタさんを信じていたはずなのに。

・・・
我が家には立派な暖炉があり、基本的にはそちらを暖房として使っている。
しかし、毎年この時期になると、暫くの間暖炉を使わないようにする。

まだ小さかった娘が、『ススだらけの煙突を通るサンタが可哀想だ』というものだから、
クリスマスの時期になると暖炉と煙突の中を大掃除し、
代わりにオンボロの『石油ストーブ』を使って寒さを凌ぐのが毎年の恒例となっていた。

そして、今年。
娘がサンタにお願いしたのは可愛らしい「手袋」だった。

全く可愛らしくない値段のコイツはなかなかの人気者のようだったので、
私は今日のうちに手袋を確保して、来る日のために家に隠しておいたのだ。
・・・もっとも、その情報は妻を介して娘にリークされていたようだが。

娘がサンタを信じている演技をし始めたのは、一体いつごろからなのだろうか。

歳を重ねるごとに嘘や演技が上手くなっていく娘の姿が、なんだか妻に似てきたように思う。
将来、あんな妖怪うそつきオババになってしまうのかと考えると、暖炉の前だというのに震えが止まらない。


答え:
実は娘はサンタの正体に気づいているということがわかってしまったので、
来年のクリスマスは普段どおり暖炉を使うことに決めたから。
黄泉翔「7ブックマーク」

リ子は読書家で本をいつも持ち歩いていた。
ある日恋人のソラ太と遊園地に行った後、
読みかけの本を読み進めるのをやめた。

一体何故?
16年01月18日 23:56
【ウミガメのスープ】 [春雨]



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「遊園地の入場券、まだ持ってたんだ」
ソラ太にからかわれた。
「本のしおりにしてただけだから。読み終えたら捨てるよー」
とっさに口に出た言い訳。
初デートの記念になんとなくとっておいただけ。

でも、読み終えたら捨てるでも、良いかな。


―ルリ子はそっとページを閉じた。思い出を閉じ込めて。
死にざまをうつす鏡「7ブックマーク」
男はふと立ちよった場所で妙な鏡を見かけた

「これはあなたの死にざまをうつす鏡
 どうぞお気軽にご覧ください」
と書いてある。

恐る恐るのぞき込むと、そこに映っていたのは
年老いた自分が家族に見守られながら
しずかに息をひきとる、絵にかいたような
幸せな最期の光景であった。

しかし男は深く絶望する。なぜか。
15年04月04日 01:14
【ウミガメのスープ】 [kinnsada]



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男はその結果を見て安堵し、胸をなでおろした。
しかしよく見ると小さな文字でこう書いてあった。
「これはあなたの死にざまを「感染す(うつす)」水鏡
 あなたの前に覗き込んだ方の死にざまがあなたに感染されます。」
あわてて後ずさったが時すでに遅し。
鏡には暗い森の中で一人寂しく首を吊る自分が映されていた。