「【三題噺4】ゾンビを見つけたら、うまい棒以外は全部捨てろ」「2ブックマーク」
ゾンビを見て、花子は袋の中に変なものがないか探した。
花子はうまい棒を1つなかから取り出し、それ以外は全部捨てた。
状況を説明してください。
※【この問題は「ツナ(ヅナでも可)」、「ゾンビ」、「変○(丸の中は自由)」のお題をもとに作られた三題噺のウミガメです。
~無茶振り三題噺とは?~
「三つのキーワードからウミガメのスープを作ろう」という企画です。
詳しくは、チャット『三題噺』(ルームキー:三題噺)をご覧ください】
花子はうまい棒を1つなかから取り出し、それ以外は全部捨てた。
状況を説明してください。
※【この問題は「ツナ(ヅナでも可)」、「ゾンビ」、「変○(丸の中は自由)」のお題をもとに作られた三題噺のウミガメです。
~無茶振り三題噺とは?~
「三つのキーワードからウミガメのスープを作ろう」という企画です。
詳しくは、チャット『三題噺』(ルームキー:三題噺)をご覧ください】
13年10月20日 21:44
【ウミガメのスープ】 [3000才]
【ウミガメのスープ】 [3000才]
解説を見る
ハロウィーン。
本場、米国のハロウィーンは命がけである。
慎重な親ならば、子供がもらってきた袋の中身をすべて確認する。
米国暮らしの長かった花子は、日本でもついその癖が抜けなかった。
ゾンビを扮した息子の太郎が無事家まで帰ってくると、
花子は、太郎が持っていたお菓子入りの袋を取り上げ、袋の中身を確認した。
手作りクッキー、ケーキ、キャンデイー。
これらはすべてゴミ箱に捨てた。
かつて、米国で、これらのお菓子の中にコカインやヘロインが入れられていたために、食べた子供が死亡するという事件が何度も起こったからだ。
残ったのはうまい棒1本。
花子は既製品で未開封の「うまい棒」には毒物の混入はないと判断し、太郎に与えた。
うまい棒を片手にただただじっと虚空を見つめる太郎であった。
本場、米国のハロウィーンは命がけである。
慎重な親ならば、子供がもらってきた袋の中身をすべて確認する。
米国暮らしの長かった花子は、日本でもついその癖が抜けなかった。
ゾンビを扮した息子の太郎が無事家まで帰ってくると、
花子は、太郎が持っていたお菓子入りの袋を取り上げ、袋の中身を確認した。
手作りクッキー、ケーキ、キャンデイー。
これらはすべてゴミ箱に捨てた。
かつて、米国で、これらのお菓子の中にコカインやヘロインが入れられていたために、食べた子供が死亡するという事件が何度も起こったからだ。
残ったのはうまい棒1本。
花子は既製品で未開封の「うまい棒」には毒物の混入はないと判断し、太郎に与えた。
うまい棒を片手にただただじっと虚空を見つめる太郎であった。
「互角の勝負?」「2ブックマーク」
彼が自分の名前を書き続ける様子を多くの人が興味深く見ている。
状況を説明してください。
状況を説明してください。
13年09月07日 19:07
【ウミガメのスープ】 [甘木]
【ウミガメのスープ】 [甘木]
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正(ただし)君は投票用紙を確認しながら黒板に正の字を書いていった。
お化け屋敷 正正正正一
ウミガメのスープ喫茶 正正正正T
「はい、文化祭の出しものはウミガメのスープ喫茶に決まりました!」
お化け屋敷 正正正正一
ウミガメのスープ喫茶 正正正正T
「はい、文化祭の出しものはウミガメのスープ喫茶に決まりました!」
「体操は大事(。-_-。)」「2ブックマーク」
俺は半袖、長ズボンの格好でそっと両腕を前につき出した。
しばらくそうした後、俺は首をおさえながら悔しがった。
一体どうして?
しばらくそうした後、俺は首をおさえながら悔しがった。
一体どうして?
13年08月15日 00:57
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
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家でくつろいでいると、突如目の前に蚊が飛んできた。
あわてて捕まえようとするも、見逃してしまった。
ヤバイ。
そういえばまだ蚊取り線香を買っていなかった。
だけどこんな炎天下の中買いに行きたくない。
そこで俺は一件を案じた。
そうだ!
罠を仕掛ければいいんだ!
俺は半袖、長ズボンの格好でそっと両腕を前につき出した。
長ズボンに、しかも安座の体勢。
これならまず足は食われにくい。
顔は流石に気づく。
そして腕に止まったら、確実に潰す。
わはは、我ながら完璧!!
首刺されちゃったよ(´・_・`)
あわてて捕まえようとするも、見逃してしまった。
ヤバイ。
そういえばまだ蚊取り線香を買っていなかった。
だけどこんな炎天下の中買いに行きたくない。
そこで俺は一件を案じた。
そうだ!
罠を仕掛ければいいんだ!
俺は半袖、長ズボンの格好でそっと両腕を前につき出した。
長ズボンに、しかも安座の体勢。
これならまず足は食われにくい。
顔は流石に気づく。
そして腕に止まったら、確実に潰す。
わはは、我ながら完璧!!
首刺されちゃったよ(´・_・`)
「【ラテクエ32リサイクル】この先生きのこるには」「2ブックマーク」
熱
気がこもる部屋でじっと我慢していたが、とうとう堪え切れず窓に向かい、開けた。
開けた窓から風が入り、私の体に吹き付ける。あぁ、すんごく涼しい!
でもこのままではマズイなと思い、私は窓からすぐに離れた。
体も濡れて、痛い思いをしたのだが、どうにか生き残ることが出来た。
どういうことだろう?
ラテクエ32問題決定戦 コウCHAさんの問題をリサイクルさせて頂きました。
気がこもる部屋でじっと我慢していたが、とうとう堪え切れず窓に向かい、開けた。
開けた窓から風が入り、私の体に吹き付ける。あぁ、すんごく涼しい!
でもこのままではマズイなと思い、私は窓からすぐに離れた。
体も濡れて、痛い思いをしたのだが、どうにか生き残ることが出来た。
どういうことだろう?
ラテクエ32問題決定戦 コウCHAさんの問題をリサイクルさせて頂きました。
13年07月19日 00:16
【ウミガメのスープ】 [兎]
【ウミガメのスープ】 [兎]
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ス
トーブの上にかけたやかんからもうもうと湯気がたっている。
季節は冬・・・。ではない。真夏だ。
男は今週のボクシングのタイトルマッチに向け、減量に励んでいた。
もう30代も半ば。これが最後のチャンスであるのと同時に、負ければ引退ということになるだろう。
明日までにあと1kg。みっともない真似はできない。
そう意気込む男であったが、徐々に意識がもうろうとしてきた。
いかん・・・。一度外の空気を浴びるか。
たまらず窓を開ける。夏の風は生温かかったが、男にとっては心地よいものであった。
同時にその風は男を現実に引き戻した。
いかん、こんなに意志の弱いことでどうする。後がないのだぞ。
男は窓を閉め、サウナのような部屋にこもった。
そのかいがあり、翌日の計量にパスした男。
試合でも相手のパンチをいくつも食らい、汗だくであったが、なんとか勝利した。
生き残ったのだ、まだまだやれるんだ。
男はぼこぼこの顔に汗を流しながら勝利の余韻に浸った。
トーブの上にかけたやかんからもうもうと湯気がたっている。
季節は冬・・・。ではない。真夏だ。
男は今週のボクシングのタイトルマッチに向け、減量に励んでいた。
もう30代も半ば。これが最後のチャンスであるのと同時に、負ければ引退ということになるだろう。
明日までにあと1kg。みっともない真似はできない。
そう意気込む男であったが、徐々に意識がもうろうとしてきた。
いかん・・・。一度外の空気を浴びるか。
たまらず窓を開ける。夏の風は生温かかったが、男にとっては心地よいものであった。
同時にその風は男を現実に引き戻した。
いかん、こんなに意志の弱いことでどうする。後がないのだぞ。
男は窓を閉め、サウナのような部屋にこもった。
そのかいがあり、翌日の計量にパスした男。
試合でも相手のパンチをいくつも食らい、汗だくであったが、なんとか勝利した。
生き残ったのだ、まだまだやれるんだ。
男はぼこぼこの顔に汗を流しながら勝利の余韻に浸った。
「【創作落語】泥棒」「2ブックマーク」
泥棒を捕らえて縄をなう、なんて言葉がありますが、自分が泥棒にあうなんてなかなか普段からは思わないものです。泥棒という言葉の由来にもいろいろ諸説あるようで、押し売りをする人という意味の「押し売り坊」が転じて泥棒になったとか、「取り奪う」が変化して泥棒になった、なんていうのが有力なようで、私が子供のころ聞いた、「顔を隠すために泥をつけて武器に棒を持っていたから」というのはどうやら嘘のようです。嘘つきは泥棒の始まり、といいますが、泥棒の由来の話が嘘とは思いもよりませんでしたね。まぁ、海外には桜の木を切ったことを正直に言った大統領の話、というのがありますが、その話自体が嘘だそうで、それと比べればまだ可愛げがあるってものです。
さて、ここにいるのは少々気も頭も弱い男。金持ちのご隠居が一人で暮らしてるって話を聞いて金目の物を盗みに行ったところまでは良かったんですが、盗んだものを外に出そうとしているところをあっさりと見つかってしまいました。なんとか、盗んだものを返すことで許してもらったんですが、その後、そのご隠居は世を憂いてすっかりしょげてしまったそうです。さて、何があったんでしょうね?
※tsunaさんとのコラボ企画です。
さて、ここにいるのは少々気も頭も弱い男。金持ちのご隠居が一人で暮らしてるって話を聞いて金目の物を盗みに行ったところまでは良かったんですが、盗んだものを外に出そうとしているところをあっさりと見つかってしまいました。なんとか、盗んだものを返すことで許してもらったんですが、その後、そのご隠居は世を憂いてすっかりしょげてしまったそうです。さて、何があったんでしょうね?
※tsunaさんとのコラボ企画です。
13年06月30日 21:02
【ウミガメのスープ】 [3000才]
【ウミガメのスープ】 [3000才]

tsunaさんとのコラボ企画です
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※少々長めですので、ショートバージョンの解説は別途下に用意しています。
ある日、老人は家の部屋のすべての電球がなくなっていることに気づいた。
おかしいなと首をかしげていると、部屋の隅に体中に電球を身に着けた気と頭の弱そうな男が立っていた。
「おい、ちょいとお前さん。そんなところで何しているんだい?」
「ひぇ、なんです、びっくりするじゃありませんか。急に話しかけないでください」
「驚いたね。びっくりしているのはこっちの方だよ。お前さん、人んちで何しているんだい?」
「え、こちらの家、ご隠居の家で?」
「まあ、そうだけど、初対面にご隠居って言われるのはいい気分じゃねぇな。なんで知ってるんだ?」
「へえ、ここに盗みに入る前に、金持ちのご隠居が一人で過ごしてるって下調べしやしたんで」
「おい、ずいぶんあっさりゲロっちまったな。お前さん、泥棒かい?」
「へい、あんまり人に言うなって、兄貴には言われてるんですが」
「まあ、そうだろうなあ。それにしてもお前さん、体中に電球つけてどういうつもりだい?」
「いえ、兄貴にピカピカ光る高そうな金目のもん盗って来いって言われたんで」
「また、飛び切りのバカだね。電球はピカピカ光るけどね、高いもんでも金目のもんでもないよ」
「え、でも、電球のフィラメントってタングステンでできてるんですよね?タングステンってのは融点がいちばん高い金属だって学校で習いやした」
「お前さん、頭いいのか悪いのかわからないやつだね。しかし、それにしてもね、なんでまた、その電球を頭につけているんだい?」
「へい、頭の上で光ると、閃いた、みたいな感じでいいアイディアが浮かぶかと思いまして」
「効果あるかい?」
「おいらじゃぁ全然光りゃしないんです。兄貴は光るって言ってたからなぁ。おいら、やっぱり才能ないんですかね?」
「まぁ、いつか光るかもしれないから、あきらめずにずっとつけておくことだね。それにしても鼻にさしてんのは何だい?」
「これですか?豆電球です。明日デートなんで晴れてほしいんですよ」
「どこの言い伝えだい、それは。ん、おしりにも電球突っ込んでるのか?」
「ホタルはおしりを光らせてメスに求婚するって聞いたんで。へへ、明日のデートでおいら、女にプロポーズにするんでさ」
「ほー、そりゃぁお熱いことで」
「いえ、LEDなんで熱くないですよ?」
「そうか。これはわしが間違えたの。どうやってプロポーズするつもりなんだい?」
「まずはプラネタリウムのデートに行きましてね」
「ちょっとは光るのから離れられないのかい?」
「帰り道に言うんです。暗くなっても星が見えないね、って」
「プラネタリウム帰りにわざわざする会話じゃないね」
「でも、都会の星が見えないのは、空が汚れているから。人は便利な生活とともに豊かな心をなくしたのではないか」
「急にどうした?…いや、頭の電球は光ってないから確認しなくていい」
「え、今のでも光らないんですかい。こりゃあ一生光らないなあ」
「そう簡単に夢をあきらめちゃいけないよ」
「ご隠居やさしいですね。まぁ、こんな感じでいい雰囲気になると思うんで、プレゼントを渡すんです」
「何だい?」
「カラスよけのCDです。家に同じのがたくさんあって邪魔なんで」
「投票権欲しさにCD買うからそういうことになるんだ。そんな風に後先考えずにお金を使うから、泥棒なんてする羽目になるってもんだよ。そういう話くらい、お前さんなら分かってるんだろ?」
「よく分かる話です。おいら、どうしてもセンターになってほしいんです」
「そっちじゃないよ。電球の話だ」
「え、センターじゃなくてライトですか?」
「バカ野郎」
「ライトといえば、イチローですよね。でも、どっちかっていうと、おいら、サッカー派なんですよね」
「知らないよ」
「来年はW杯じゃないですか。絶対に寝不足になるから、今のうちに寝ておこっかなー」
「お前さん、用意周到なバカだね。寝るんだったら、牢屋で寝るかね?」
「え、でも兄貴から初犯は3回までセーフって聞いたんですけど」
「どこの国の人だ、お前さんの兄貴は。…まったく、しょうがない奴だねぇ。お前さん見ていると、本当に悪い奴とはとても思えないんだよ。若いんだし、未来ってもんもある。盗んだもの全部おいていくなら、今日だけは見逃してやらあ」
「ご隠居、どうもありがとうございます。こいつがないとプロポーズできないんですが、明るい未来を消すわけにはいかねぇ」
「いや、おしりの電球だけはいらねえや。上手いこと言った褒美にくれてやるよ」
「ご隠居、何から何までありがとうございます。お礼に『蛍の光』歌いますね」
「うるせぇ!いつまでもやさしくしていると思うな!いい加減に消えやがれ!」
そうして、『蛍の光』を口ずさみながら、おしりに電球を突っ込んだままプロポーズに向かった若い男。それをじっと見届けた老人はつぶやいた。
「やれやれ。やっと行ったかい。それにしても、懐中電灯を忘れるとは俺も年だな。さて、急がないと、そろそろこの家の主人が帰ってくる」
男から奪い取った電球を部屋につけ、老人は金庫の方へと向かっていった。
翌朝、その家の主人が真っ青な顔で叫んだ。
「ない!わしの大事なしずかちゃんの入浴切り抜き集がない!もうだめだ、お先真っ暗だ」
おあとがよろしいようで。
【ショートバージョン】
男が泥棒に入ったところを老人に見つかり、盗んだものをすべて返した。
しかし、その老人も泥棒で、その家の主人が大事にしていたものを盗んでいったのだった。
ある日、老人は家の部屋のすべての電球がなくなっていることに気づいた。
おかしいなと首をかしげていると、部屋の隅に体中に電球を身に着けた気と頭の弱そうな男が立っていた。
「おい、ちょいとお前さん。そんなところで何しているんだい?」
「ひぇ、なんです、びっくりするじゃありませんか。急に話しかけないでください」
「驚いたね。びっくりしているのはこっちの方だよ。お前さん、人んちで何しているんだい?」
「え、こちらの家、ご隠居の家で?」
「まあ、そうだけど、初対面にご隠居って言われるのはいい気分じゃねぇな。なんで知ってるんだ?」
「へえ、ここに盗みに入る前に、金持ちのご隠居が一人で過ごしてるって下調べしやしたんで」
「おい、ずいぶんあっさりゲロっちまったな。お前さん、泥棒かい?」
「へい、あんまり人に言うなって、兄貴には言われてるんですが」
「まあ、そうだろうなあ。それにしてもお前さん、体中に電球つけてどういうつもりだい?」
「いえ、兄貴にピカピカ光る高そうな金目のもん盗って来いって言われたんで」
「また、飛び切りのバカだね。電球はピカピカ光るけどね、高いもんでも金目のもんでもないよ」
「え、でも、電球のフィラメントってタングステンでできてるんですよね?タングステンってのは融点がいちばん高い金属だって学校で習いやした」
「お前さん、頭いいのか悪いのかわからないやつだね。しかし、それにしてもね、なんでまた、その電球を頭につけているんだい?」
「へい、頭の上で光ると、閃いた、みたいな感じでいいアイディアが浮かぶかと思いまして」
「効果あるかい?」
「おいらじゃぁ全然光りゃしないんです。兄貴は光るって言ってたからなぁ。おいら、やっぱり才能ないんですかね?」
「まぁ、いつか光るかもしれないから、あきらめずにずっとつけておくことだね。それにしても鼻にさしてんのは何だい?」
「これですか?豆電球です。明日デートなんで晴れてほしいんですよ」
「どこの言い伝えだい、それは。ん、おしりにも電球突っ込んでるのか?」
「ホタルはおしりを光らせてメスに求婚するって聞いたんで。へへ、明日のデートでおいら、女にプロポーズにするんでさ」
「ほー、そりゃぁお熱いことで」
「いえ、LEDなんで熱くないですよ?」
「そうか。これはわしが間違えたの。どうやってプロポーズするつもりなんだい?」
「まずはプラネタリウムのデートに行きましてね」
「ちょっとは光るのから離れられないのかい?」
「帰り道に言うんです。暗くなっても星が見えないね、って」
「プラネタリウム帰りにわざわざする会話じゃないね」
「でも、都会の星が見えないのは、空が汚れているから。人は便利な生活とともに豊かな心をなくしたのではないか」
「急にどうした?…いや、頭の電球は光ってないから確認しなくていい」
「え、今のでも光らないんですかい。こりゃあ一生光らないなあ」
「そう簡単に夢をあきらめちゃいけないよ」
「ご隠居やさしいですね。まぁ、こんな感じでいい雰囲気になると思うんで、プレゼントを渡すんです」
「何だい?」
「カラスよけのCDです。家に同じのがたくさんあって邪魔なんで」
「投票権欲しさにCD買うからそういうことになるんだ。そんな風に後先考えずにお金を使うから、泥棒なんてする羽目になるってもんだよ。そういう話くらい、お前さんなら分かってるんだろ?」
「よく分かる話です。おいら、どうしてもセンターになってほしいんです」
「そっちじゃないよ。電球の話だ」
「え、センターじゃなくてライトですか?」
「バカ野郎」
「ライトといえば、イチローですよね。でも、どっちかっていうと、おいら、サッカー派なんですよね」
「知らないよ」
「来年はW杯じゃないですか。絶対に寝不足になるから、今のうちに寝ておこっかなー」
「お前さん、用意周到なバカだね。寝るんだったら、牢屋で寝るかね?」
「え、でも兄貴から初犯は3回までセーフって聞いたんですけど」
「どこの国の人だ、お前さんの兄貴は。…まったく、しょうがない奴だねぇ。お前さん見ていると、本当に悪い奴とはとても思えないんだよ。若いんだし、未来ってもんもある。盗んだもの全部おいていくなら、今日だけは見逃してやらあ」
「ご隠居、どうもありがとうございます。こいつがないとプロポーズできないんですが、明るい未来を消すわけにはいかねぇ」
「いや、おしりの電球だけはいらねえや。上手いこと言った褒美にくれてやるよ」
「ご隠居、何から何までありがとうございます。お礼に『蛍の光』歌いますね」
「うるせぇ!いつまでもやさしくしていると思うな!いい加減に消えやがれ!」
そうして、『蛍の光』を口ずさみながら、おしりに電球を突っ込んだままプロポーズに向かった若い男。それをじっと見届けた老人はつぶやいた。
「やれやれ。やっと行ったかい。それにしても、懐中電灯を忘れるとは俺も年だな。さて、急がないと、そろそろこの家の主人が帰ってくる」
男から奪い取った電球を部屋につけ、老人は金庫の方へと向かっていった。
翌朝、その家の主人が真っ青な顔で叫んだ。
「ない!わしの大事なしずかちゃんの入浴切り抜き集がない!もうだめだ、お先真っ暗だ」
おあとがよろしいようで。
【ショートバージョン】
男が泥棒に入ったところを老人に見つかり、盗んだものをすべて返した。
しかし、その老人も泥棒で、その家の主人が大事にしていたものを盗んでいったのだった。