「キミに Σd(・∀・)グッジョブ!!」「3ブックマーク」
クリスマス・イブ。
今夜は普段より一際寒く、夜空からはひらひらと雪が舞い降りていた。
ロマンチックな雰囲気の中、寄り添う恋人達。
パーティーのため友人宅へ向かう若者の集団。
子供へのプレゼントを脇に抱え、家路を急ぐサラリーマン。
行き交う人々は、誰もが皆幸せそうだった。
そんな人々を羨ましげに眺めながら、サムズアップ(親指を立てる動作)を繰り返しているカメオ。
一体なぜそんな事をしているのだろう?
今夜は普段より一際寒く、夜空からはひらひらと雪が舞い降りていた。
ロマンチックな雰囲気の中、寄り添う恋人達。
パーティーのため友人宅へ向かう若者の集団。
子供へのプレゼントを脇に抱え、家路を急ぐサラリーマン。
行き交う人々は、誰もが皆幸せそうだった。
そんな人々を羨ましげに眺めながら、サムズアップ(親指を立てる動作)を繰り返しているカメオ。
一体なぜそんな事をしているのだろう?
16年11月19日 22:30
【ウミガメのスープ】 [QQS]
【ウミガメのスープ】 [QQS]
解説を見る
寒風が吹き荒ぶ、とある街の片隅。
夕方から降り始めた雪の中、カメオは交通量調査のアルバイトをしていた。
パイプ椅子に座り、カウンターを右手に握り込んで行き交う人を数える。
長時間じっとしていると身体の芯から冷えてきて、かじかんだ指まで震えてきた。
---カチッ。
「あ」
身体の震えのせいで、不意にカウンターを押し間違えてしまった。
---お金を貰っている以上、きちんと数えないと。
カメオはそう考え、#red#カウンターを押し間違えることの無いように、押すごとに親指を離すことにした。#/red#
#red#かじかんだ指は上手く曲がらず、手の形は奇しくもサムズアップになっていた。#/red#
「うぅ~寒ぃ~。ちくしょー、みんな楽しそうだなー」
羨ましく、ちょっとだけ妬ましく思いながら、カウントを続ける。
その時ふと、人混みの中から小柄な人影がこちらに歩み寄って来た。
「やぁカメオくん、バイトごくろー! Σd(・∀・)」
「か、カメコ!?」
クラスメートのカメコ。カメオにとってはいわゆる「想い人」である。
ここ最近カメオはクリスマスを意識し、タイミングを見計らっては遠回しにカメコにアプローチをかけていたのだが、
クリスマスが近付くにつれむしろカメコは付き合いが悪くなり
放課後はすぐに帰宅してしまうようになっていたので、カメオはもう脈無しだと諦めかけていた。
---偶然通りかかったのかな?
---そう言えばここでバイトしてる事をカメコにも言ったっけか。
カメオは訝りながらカメコに問い掛けた。
「なんだよ、冷やかしに来たのかよー」
「あらら、嫌われたもんだねー。せっかく勤労学生のカメオにプレゼントを持ってきたというのに」
「プ……プレゼント?」
「ほら、感謝しなよ~?ふふっ、それじゃあね!」
カメコはそれだけ言うと、紙袋をカメオに押し付けてあっという間に夜の街へ消えていってしまった。
カメオはしばし呆気にとられてカメコの背中を見送っていたが、ふと我に返ると紙袋の中身を確認した。
ガサゴソ……
「毛糸の手袋……しかもこれ、手縫いだ!」
あまり出来は良くないが、凝った刺繍まで施された毛糸の手袋が1セット。
---もしかして、最近すぐ家に帰っていたのはこれを作るため?
カメオは興奮しながらさっそく手袋を両手にはめた。
「……って、これじゃカウンター使いにくいや」
仕方無く右手の手袋は大事に紙袋にしまい、交通量調査を再開する。
しかし先程までの浮かない表情は消え、自然と緩む頬。
吹き付ける風は冷たくなる一方だったが、カメオの左手と胸の内は温かかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
#big5#簡易解説#/big5#
#b#カメオは交通量調査のアルバイト中、カウンター(数取器)を使って道行く人を数えていたが、#/b#
#b#寒さで体が震えた拍子にカウンターを押し間違えてしまった。#/b#
#b#同じミスを繰り返さないよう、カメオはカウンターを押すたびに親指を離し指を立てるようにした。#/b#
夕方から降り始めた雪の中、カメオは交通量調査のアルバイトをしていた。
パイプ椅子に座り、カウンターを右手に握り込んで行き交う人を数える。
長時間じっとしていると身体の芯から冷えてきて、かじかんだ指まで震えてきた。
---カチッ。
「あ」
身体の震えのせいで、不意にカウンターを押し間違えてしまった。
---お金を貰っている以上、きちんと数えないと。
カメオはそう考え、#red#カウンターを押し間違えることの無いように、押すごとに親指を離すことにした。#/red#
#red#かじかんだ指は上手く曲がらず、手の形は奇しくもサムズアップになっていた。#/red#
「うぅ~寒ぃ~。ちくしょー、みんな楽しそうだなー」
羨ましく、ちょっとだけ妬ましく思いながら、カウントを続ける。
その時ふと、人混みの中から小柄な人影がこちらに歩み寄って来た。
「やぁカメオくん、バイトごくろー! Σd(・∀・)」
「か、カメコ!?」
クラスメートのカメコ。カメオにとってはいわゆる「想い人」である。
ここ最近カメオはクリスマスを意識し、タイミングを見計らっては遠回しにカメコにアプローチをかけていたのだが、
クリスマスが近付くにつれむしろカメコは付き合いが悪くなり
放課後はすぐに帰宅してしまうようになっていたので、カメオはもう脈無しだと諦めかけていた。
---偶然通りかかったのかな?
---そう言えばここでバイトしてる事をカメコにも言ったっけか。
カメオは訝りながらカメコに問い掛けた。
「なんだよ、冷やかしに来たのかよー」
「あらら、嫌われたもんだねー。せっかく勤労学生のカメオにプレゼントを持ってきたというのに」
「プ……プレゼント?」
「ほら、感謝しなよ~?ふふっ、それじゃあね!」
カメコはそれだけ言うと、紙袋をカメオに押し付けてあっという間に夜の街へ消えていってしまった。
カメオはしばし呆気にとられてカメコの背中を見送っていたが、ふと我に返ると紙袋の中身を確認した。
ガサゴソ……
「毛糸の手袋……しかもこれ、手縫いだ!」
あまり出来は良くないが、凝った刺繍まで施された毛糸の手袋が1セット。
---もしかして、最近すぐ家に帰っていたのはこれを作るため?
カメオは興奮しながらさっそく手袋を両手にはめた。
「……って、これじゃカウンター使いにくいや」
仕方無く右手の手袋は大事に紙袋にしまい、交通量調査を再開する。
しかし先程までの浮かない表情は消え、自然と緩む頬。
吹き付ける風は冷たくなる一方だったが、カメオの左手と胸の内は温かかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
#big5#簡易解説#/big5#
#b#カメオは交通量調査のアルバイト中、カウンター(数取器)を使って道行く人を数えていたが、#/b#
#b#寒さで体が震えた拍子にカウンターを押し間違えてしまった。#/b#
#b#同じミスを繰り返さないよう、カメオはカウンターを押すたびに親指を離し指を立てるようにした。#/b#
「モヴィエ」「3ブックマーク」
映画を見に誘られたカメオとカメコ。
カメコは前からその映画をとても楽しみにしていたのですが
映画を見たあとの食事の席でカメオが
今日見た映画はつまらなかった。っと言ったのですが
それを聞くとカメコは怒るどころか喜びました。
一体なぜ?
カメコは前からその映画をとても楽しみにしていたのですが
映画を見たあとの食事の席でカメオが
今日見た映画はつまらなかった。っと言ったのですが
それを聞くとカメコは怒るどころか喜びました。
一体なぜ?
16年08月02日 21:58
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
解説を見る
カメオとカメコの一人息子は十数年前
映画監督になりたいと言ってカメオに反対され家を飛び出したのでした。
そんな息子から久しぶりの連絡があり
ようやく自分の映画が完成したので見て欲しいと頼まれたのでした。
息子の作品をようやく見れると言うこともあってカメコは心待ちにしていましたが
カメオは文句ばかりを言っていました。
映画なんぞ興味もない。くだらないものならわしは寝る。
映画の内容は・・・・まぁ言わずもがな。
カメオは映画をつまらない。あんなものはまだまだだと言っているのですが
(なんだ、ちゃんと見ていたんじゃない)っとカメコは笑みをこぼし
食卓に三人分の食事を用意しました。
映画監督になりたいと言ってカメオに反対され家を飛び出したのでした。
そんな息子から久しぶりの連絡があり
ようやく自分の映画が完成したので見て欲しいと頼まれたのでした。
息子の作品をようやく見れると言うこともあってカメコは心待ちにしていましたが
カメオは文句ばかりを言っていました。
映画なんぞ興味もない。くだらないものならわしは寝る。
映画の内容は・・・・まぁ言わずもがな。
カメオは映画をつまらない。あんなものはまだまだだと言っているのですが
(なんだ、ちゃんと見ていたんじゃない)っとカメコは笑みをこぼし
食卓に三人分の食事を用意しました。
「「好きな人の様子がおかしいんです」正」「3ブックマーク」
あー、困ったなー困ったなー。
え? 何がって? 良く聞いてくれたな。
実はな……。
「ねー、オト先輩聞いてくださいっスよぉ~~ねェ~~。なんでも屋でしょぉ~~~?」
「なんでも屋じゃなくて便利屋な。まあとりあえず水飲め水」
彼女は……ちょっと仕事先で出会った……まあ知人だ。
こいつが仕事を頼みたいっていうんだな。
けど、俺は『交信』のチカラと、『変装』のチカラ、この町の地理についてちょっと明るいくらいしか取り柄がなくてさ。
助けてくれるよな?この昼間っからクダまいてるやつとと俺を放置しないよな?ネッ?お願い!
※皆さんは、オトに話しかけて彼女の頼みを解決してください。
16年03月08日 20:12
【亀夫君問題】 [蒼井門]
【亀夫君問題】 [蒼井門]
長丁場おつかれさまでした!
解説を見る
条件
・酉実は教授に殺されていたのだと暴き、死体を発見する。
一番近くの遺体の手を開く。
中に握られているのは小さなピアス。写真と同じ……、そう。狐ヶ崎教授のものだ。
「……フミくんをつれて、ここまできてくれたんだね」
それを見下ろして立ち上がると声がする。
目の前には酉実亀雄の姿があった。構内から、狐ヶ崎への恨んでいいのかどうしたらいいのかわからない思いからようやく解き放たれたのだろう。
ニカは突然目の前に現れた彼を見て驚いた顔をした後、とっても穏やかな声で言った。
「……そうかあ……。ほんとに……酉実さん幽霊だったんスね。あは、私、霊能力者ってやつになったんスかね!」
なんてことないように笑いながらニカは言ったが、いつも慌てると出る口癖が出ている。
いつもなら「ッスッスうるさい」とでも言うところだろうが、今日の俺は流石に空気を読んだ。
「……そうッスかあ……」
「ごめんね、ニカちゃん。こんな顔させて」
亀雄さんは困ったように笑って、それから流れるのを踏みとどまっているニカの涙をぬぐうそぶりを見せた。
ただ、その手はすり抜けてしまったけど。
こんなにはっきりと見えるのに。こんなにはっきりと聞こえるのに。この人の遺体が回収される場面を俺達は見た。この人は、もう死んでいるのだ。
「本当は……本当は、僕が見えれば。見えたならちょうどいいから早く助けてもらおうと思っていたんだ。
フミが僕を殺したんだって暴いてもらって。井戸の中で腐ってく僕をひきあげてもらおうと思って。
……井戸の中は、とても冷たかった。蓋の隙間からのぞく光を僕はただ見てた。
太陽が出ているのに暗くて、とても凍える、北の夜空のようだった。だから早くここから出たいと――」
どうしてなんですか、と俺は聞いた。
明日が彼の七回忌である。彼が死んで六年だ。ニカと出会ったのは一年前。
今までずっとその環境にいたのに、消えてしまうそのぎりぎりまで。いや、ニカが様子がおかしいことに気が付かなきゃそのまま消えてしまうだけだったのに。
どうしてさっき話してくれたみたいなことをニカに伝えなかったのだろうか。
「……笑顔、かな」
「笑顔?」
「うん。ニカちゃんの笑顔が、太陽みたいだったんだ」
亀雄さんの顔はひどく安らかだった。
「ずっと隙間から漏れ出る光だけを見てたと言っただろう? 僕の意識はずっとあの井戸の中だけだった。
縁があるから、この場所にはこれたけど、ここには窓がない。僕は太陽をこの六年、まともに拝めやしなかった。
けど、ニカちゃんの笑顔は暖かくて、眩しくて。だから、こんな、僕の死なんかにかかわらせちゃいけないと思ったんだ。
僕の死に関係したら、フミくんが彼女に危害を与えるかもしれないと思った。僕が死んでると知られたらきっと怖がらせてしまうと思った。
それくらいなら――最後にずっと見たかった太陽みたいなその笑顔を見て終われるのなら――それはそれでいいのかもしれないと思って」
ああ、時間だ。亀雄さんがつぶやく。
見てわかるほどに体が透けている。だんだんと薄く背景と同化していく。
「行かないで」なんて言葉をニカはつぶやこうとしたみたいだったが、それは出来なかった。
これはどうみても完全なる成仏だ。
それをもう人がとどめておくなんてことはできやしないから。
全く、いつもは鬱陶しいくらい元気なのに、こういう時ばかり遠慮するんだから世話がやけるやつだぜ。
俺は背中をドンと押してやった。
よろけたニカは亀雄さんの体をすり抜ける直前でなんとか踏みとどまって、その顔を見上げた。
「……笑って、ニカちゃん。僕はその笑顔が好きで、そしてその笑顔に救われたんだから。死人が消えるのを悲しむ必要はない――」
はい、ってか細い声だけが聞こえた。
その時にはもうその場にいるのはぐっと服の裾をつかんで耐えてるらしいニカの姿しかなかった。
俺はやっぱりなんていっていいかわからなくて、距離をつめることもないまま、無難な言葉しか投げてやれなかった。
「……よかったな、両想いで」
「……そうッスね」
「……あー、なんだ。その……悲しむ必要はないって、笑って欲しいって亀雄さん言ってたけどよ。……今くらい泣いても、いいんじゃねえの」
「……泣かないッスよ。私は」
折角親切心で言ったってのに。
けど、ニカはそのまま振り向いた。
「笑顔でいてほしいって言われたから笑うッス。酉実さんがいなくなるところに立ち会えた。彼の死を解明できた。悲しいことは何も無いんスから」
その時の笑顔は確かに眩しくて、亀雄さんの言ってたことがなんとなくわかった気がした。
だから、まあ。今日は何か美味しい飯でもご馳走してやろうかな、と思ったのだった。
END
おまけのおまけ
オト「あ~疲れた…って所長!?」
所「お帰り。いろいろ大変だったっぽいね」
オト「そうなんですよ。結局教授が亀雄さんを殺す前から黒衣の人物の噂はあったわけで…」
所「…あ、それ私」
オト「えっ」
所「城からの裏口ってのはホント。でもあれを地下通路に改造したの私。殿様の財宝つかってね」
オト「えっ?」
所「ハッハッハ~便利だったんだけどな、あの通路。あの死体が見つかったんじゃしょうがないか」
オト「全部…知ってたんですか!?死体も含めて!?」
所「ハッハッハ~」
オト「笑ってもごまかされませんよ!?」
オト(っていうか七不思議中三つが俺含めた知り合いってなんなんだよ!)
・酉実は教授に殺されていたのだと暴き、死体を発見する。
一番近くの遺体の手を開く。
中に握られているのは小さなピアス。写真と同じ……、そう。狐ヶ崎教授のものだ。
「……フミくんをつれて、ここまできてくれたんだね」
それを見下ろして立ち上がると声がする。
目の前には酉実亀雄の姿があった。構内から、狐ヶ崎への恨んでいいのかどうしたらいいのかわからない思いからようやく解き放たれたのだろう。
ニカは突然目の前に現れた彼を見て驚いた顔をした後、とっても穏やかな声で言った。
「……そうかあ……。ほんとに……酉実さん幽霊だったんスね。あは、私、霊能力者ってやつになったんスかね!」
なんてことないように笑いながらニカは言ったが、いつも慌てると出る口癖が出ている。
いつもなら「ッスッスうるさい」とでも言うところだろうが、今日の俺は流石に空気を読んだ。
「……そうッスかあ……」
「ごめんね、ニカちゃん。こんな顔させて」
亀雄さんは困ったように笑って、それから流れるのを踏みとどまっているニカの涙をぬぐうそぶりを見せた。
ただ、その手はすり抜けてしまったけど。
こんなにはっきりと見えるのに。こんなにはっきりと聞こえるのに。この人の遺体が回収される場面を俺達は見た。この人は、もう死んでいるのだ。
「本当は……本当は、僕が見えれば。見えたならちょうどいいから早く助けてもらおうと思っていたんだ。
フミが僕を殺したんだって暴いてもらって。井戸の中で腐ってく僕をひきあげてもらおうと思って。
……井戸の中は、とても冷たかった。蓋の隙間からのぞく光を僕はただ見てた。
太陽が出ているのに暗くて、とても凍える、北の夜空のようだった。だから早くここから出たいと――」
どうしてなんですか、と俺は聞いた。
明日が彼の七回忌である。彼が死んで六年だ。ニカと出会ったのは一年前。
今までずっとその環境にいたのに、消えてしまうそのぎりぎりまで。いや、ニカが様子がおかしいことに気が付かなきゃそのまま消えてしまうだけだったのに。
どうしてさっき話してくれたみたいなことをニカに伝えなかったのだろうか。
「……笑顔、かな」
「笑顔?」
「うん。ニカちゃんの笑顔が、太陽みたいだったんだ」
亀雄さんの顔はひどく安らかだった。
「ずっと隙間から漏れ出る光だけを見てたと言っただろう? 僕の意識はずっとあの井戸の中だけだった。
縁があるから、この場所にはこれたけど、ここには窓がない。僕は太陽をこの六年、まともに拝めやしなかった。
けど、ニカちゃんの笑顔は暖かくて、眩しくて。だから、こんな、僕の死なんかにかかわらせちゃいけないと思ったんだ。
僕の死に関係したら、フミくんが彼女に危害を与えるかもしれないと思った。僕が死んでると知られたらきっと怖がらせてしまうと思った。
それくらいなら――最後にずっと見たかった太陽みたいなその笑顔を見て終われるのなら――それはそれでいいのかもしれないと思って」
ああ、時間だ。亀雄さんがつぶやく。
見てわかるほどに体が透けている。だんだんと薄く背景と同化していく。
「行かないで」なんて言葉をニカはつぶやこうとしたみたいだったが、それは出来なかった。
これはどうみても完全なる成仏だ。
それをもう人がとどめておくなんてことはできやしないから。
全く、いつもは鬱陶しいくらい元気なのに、こういう時ばかり遠慮するんだから世話がやけるやつだぜ。
俺は背中をドンと押してやった。
よろけたニカは亀雄さんの体をすり抜ける直前でなんとか踏みとどまって、その顔を見上げた。
「……笑って、ニカちゃん。僕はその笑顔が好きで、そしてその笑顔に救われたんだから。死人が消えるのを悲しむ必要はない――」
はい、ってか細い声だけが聞こえた。
その時にはもうその場にいるのはぐっと服の裾をつかんで耐えてるらしいニカの姿しかなかった。
俺はやっぱりなんていっていいかわからなくて、距離をつめることもないまま、無難な言葉しか投げてやれなかった。
「……よかったな、両想いで」
「……そうッスね」
「……あー、なんだ。その……悲しむ必要はないって、笑って欲しいって亀雄さん言ってたけどよ。……今くらい泣いても、いいんじゃねえの」
「……泣かないッスよ。私は」
折角親切心で言ったってのに。
けど、ニカはそのまま振り向いた。
「笑顔でいてほしいって言われたから笑うッス。酉実さんがいなくなるところに立ち会えた。彼の死を解明できた。悲しいことは何も無いんスから」
その時の笑顔は確かに眩しくて、亀雄さんの言ってたことがなんとなくわかった気がした。
だから、まあ。今日は何か美味しい飯でもご馳走してやろうかな、と思ったのだった。
END
おまけのおまけ
オト「あ~疲れた…って所長!?」
所「お帰り。いろいろ大変だったっぽいね」
オト「そうなんですよ。結局教授が亀雄さんを殺す前から黒衣の人物の噂はあったわけで…」
所「…あ、それ私」
オト「えっ」
所「城からの裏口ってのはホント。でもあれを地下通路に改造したの私。殿様の財宝つかってね」
オト「えっ?」
所「ハッハッハ~便利だったんだけどな、あの通路。あの死体が見つかったんじゃしょうがないか」
オト「全部…知ってたんですか!?死体も含めて!?」
所「ハッハッハ~」
オト「笑ってもごまかされませんよ!?」
オト(っていうか七不思議中三つが俺含めた知り合いってなんなんだよ!)
「ムキになる勝負」「3ブックマーク」
二人でババ抜き勝負をしていたシンディとライナー。
勝負は大詰め。
シンディの手札が一枚、ライナーの手札が二枚で、シンディが引くターン。
これでシンディがババを引かなければシンディの勝ち、ババを引いてしまったら更に勝負は持ち越しという場面である。
その結果は、シンディがババではない方のカードを引いて勝ちとなった。
この勝負、シンディがライナーに#b#顔を意識させた#/b#ために勝てたのだという。
シンディは一体どうやって勝ったのだろう?
勝負は大詰め。
シンディの手札が一枚、ライナーの手札が二枚で、シンディが引くターン。
これでシンディがババを引かなければシンディの勝ち、ババを引いてしまったら更に勝負は持ち越しという場面である。
その結果は、シンディがババではない方のカードを引いて勝ちとなった。
この勝負、シンディがライナーに#b#顔を意識させた#/b#ために勝てたのだという。
シンディは一体どうやって勝ったのだろう?
16年02月13日 18:20
【ウミガメのスープ】 [甘木]
【ウミガメのスープ】 [甘木]
シンディ&ライナー出演問題。
解説を見る
自分の手にある二枚のカードを、まるで焼き切るかのような視線で睨み続けるシンディにライナーは言った。
「確率は二分の一なんだから、悩むだけ時間の無駄だろう?」
カードから視線を外し、そのまま視線をライナーへ移すシンディ。人の心を見透かすかのようないつもの目に戻る。
「いやいや、そんなことはないよ。それこそこういうシンプルなゲームこそ、人間の心理や癖が出てきて奥が深いものさ。たとえば……統計上、キミはババを向かって右側に持つ癖がある……」
当然ながら、シンディがカマをかけて反応をうかがっているということをライナーは察した。
「さぁ、どうだったかな。全く意識していなかったよ」
なんとか大人の余裕を見せるライナー。
二人の間に沈黙が続いた。
「……ババってさ……つまりジョーカーのことだけど。なんでトランプの中で強い立場になっているか知っている?」
先にその沈黙を破ったのはシンディ。
「……いや、ババ抜きではむしろ一番弱い……というか、持っていたら負けのカードだろう?」
「まぁ、そうだけどね。けど、ほかのトランプのルールだとワイルドカードであることは珍しくないだろう?キング(王様)やクイーン(女王)よりも強いケースなんてザラにある。どうしてだか、わかるかい?」
「さぁね。絵柄的に悪魔や死神っぽいから、人間よりも上の存在ってことかな?」
フフン、と明らかにライナーの発言を鼻で笑うシンディ。
「ジョーカーっていうのは道化を表しているというのが定説。『Joker』……ジョークを言うもの。」
大人の余裕を崩さないことを意識し、シンディに鼻で笑われたことに関しては特に気にもかけないフリをしてライナーは聞き返す。
「道化だったら、なおさら王様や女王様より立場が上になることが不思議だが……?」
ライナーが呈した疑問に、シンディはすぐさまいつもの調子に戻って語りだした。
「一説では、道化は王様を楽しませることが出来て、機嫌をよくさせることから人並み以上に発言権があったとも言われている。また、風刺やジョークで政治にもチャチャを入れて大きな影響を与えることが出来ることから、ある意味では王様以上の力を持つことにもなりえた。それがジョーカーをキング以上の最強カードだとする由来とも言われているんだ。ま、諸説あるけどね」
「ほほう……」
ライナーは素直に感心する。その様子を見て手ごたえを感じたシンディは、さらに畳みかけるように話しを続けた。
「あとさ、キングやクイーンで思い出したけど。絵札の顔の向きって意識したことある?」
「……いや。なんとなくいくつか種類があるなということぐらいは漠然と思っていたが……」
シンディの目が一瞬だけ光り、さらに長い語りが始まった。
「まずはトランプのマークに意味があることを知ってほしいんだけどね。【ハート=愛】【ダイヤ=お金】【クラブ=知識】【スペード=死】を表しているんだ。で、ジャック・クイーン・キングはそれぞれのマークに一枚ずつ、全体で計四枚ずつあるということは当然わかるよね。」
「う、うん……」
「ジャック(若者)の場合。ハートは真横を向いて、マークそのものを見ている。これは若いうちに一番関心があるのは『愛』だから!そしてダイヤは少しだけ横向きでマークに視線を向けている。『お金』に興味関心はあれど、愛ほど優先順位は高くないということ。クラブだと、ダイヤと真逆を向いて目をそらしているかのような状態。若いうちは『知識(=勉強)』を意識するのは好まないようだね。……で、スペードにいたっては完全に真逆を向いている。若者にとって『死』は全く意識しないものだからさ!」
「へぇ、なかなか考えられているんだね。ん?若者(ジャック)にとって……ということは、キングやクイーンはまた別なのか?」
「そう!よく気付いたね!」
更にエンジンがかかってきたシンディ。
「キング(王様≒老人)はハートに関しては少し横向きで見ていて、若者(ジャック)ほど興味はない。『愛』は若いころに十分知ったからかな?そのかわり、ダイヤに対して真横を向いて真っ直ぐ見つめている。やはり年月が経つと『お金』の大事さが身に染みてわかるようだ。そしてクラブもハートと同じく横向きで少しだけ視線を向けている。『知識』の大切さは年を取ると意識するものなんだね。最後にスペードは目をそらしている。『死』をできるだけ考えないようにしているけど、若者(ジャック)の時ほど完全に無視はできないというのが悲しいね……キミも思うところがあるんじゃない?」
「な……!私はまだ若者だ!断然ジャック派だ!」
「あはは、そう思っていてもすぐに年月は過ぎ去るもので……」
「……ゴホン。クイーンはどうなんだ?」
「そうそうクイーン(女王≒女性)ね。実は、クイーンはハート・ダイヤ・クラブの三つに対して、少し横向きで視線を向けているようになっている。『愛』『お金』『知識』のすべてにある程度の関心はあれど、深くはのめり込まないように意識していることを表している。……ただ、唯一スペードだけは、目を背けるようにしている。ただ、これはキングとは少し持つ意味合いが違っていて、女性が『老い(≒死)』を何よりも恐れていることを表しているんだ」
「ほほう、なるほどね。思いがけず、タメになったよ。」
「で、私の持っているクイーンはハートだから、少し横向きなんだ。……キミのは?」
「ええと、私のはたしかクラブだったから、同じく少し横向きだったはず……」
そう言って手に持ったカードのうちババではないクイーンの方に目を向けてライナーが確認した、その次の瞬間。
#b#「こっちか!」#/b#
シンディが恐るべきスピードでライナーの視線が向いた方のカードを引き抜いた。
「あっ……!」
あっけにとられるライナー。
得意気にペアになったカードをテーブルの上に置くシンディ。
#big5#「やったー!勝ったー!」#/big5#
やられた、と思った時にはすでに遅い。
ライナーにカードの絵札を確認させ、その目線でシンディはライナーからババではない方のカードを見抜いたのである。
……ライナーにとっては勝負に負けた悔しさ以上に、単なるババ抜きで、長々と蘊蓄の前置きの話をして警戒心を解き、それと同時にカードに対する意識を植え付けて視線を誘導させる……という用意周到な罠を仕掛けてでも勝とうとするシンディの姿勢に、なんとも言えない感情を抱かざるを得なかった。
#b#【簡易解説】#/b#
#b#絵札の顔の向きを意識させ、手札(この例ではクラブのクイーン)の顔の向きを確認するその目線からババでない方を見抜いた。#/b#
「確率は二分の一なんだから、悩むだけ時間の無駄だろう?」
カードから視線を外し、そのまま視線をライナーへ移すシンディ。人の心を見透かすかのようないつもの目に戻る。
「いやいや、そんなことはないよ。それこそこういうシンプルなゲームこそ、人間の心理や癖が出てきて奥が深いものさ。たとえば……統計上、キミはババを向かって右側に持つ癖がある……」
当然ながら、シンディがカマをかけて反応をうかがっているということをライナーは察した。
「さぁ、どうだったかな。全く意識していなかったよ」
なんとか大人の余裕を見せるライナー。
二人の間に沈黙が続いた。
「……ババってさ……つまりジョーカーのことだけど。なんでトランプの中で強い立場になっているか知っている?」
先にその沈黙を破ったのはシンディ。
「……いや、ババ抜きではむしろ一番弱い……というか、持っていたら負けのカードだろう?」
「まぁ、そうだけどね。けど、ほかのトランプのルールだとワイルドカードであることは珍しくないだろう?キング(王様)やクイーン(女王)よりも強いケースなんてザラにある。どうしてだか、わかるかい?」
「さぁね。絵柄的に悪魔や死神っぽいから、人間よりも上の存在ってことかな?」
フフン、と明らかにライナーの発言を鼻で笑うシンディ。
「ジョーカーっていうのは道化を表しているというのが定説。『Joker』……ジョークを言うもの。」
大人の余裕を崩さないことを意識し、シンディに鼻で笑われたことに関しては特に気にもかけないフリをしてライナーは聞き返す。
「道化だったら、なおさら王様や女王様より立場が上になることが不思議だが……?」
ライナーが呈した疑問に、シンディはすぐさまいつもの調子に戻って語りだした。
「一説では、道化は王様を楽しませることが出来て、機嫌をよくさせることから人並み以上に発言権があったとも言われている。また、風刺やジョークで政治にもチャチャを入れて大きな影響を与えることが出来ることから、ある意味では王様以上の力を持つことにもなりえた。それがジョーカーをキング以上の最強カードだとする由来とも言われているんだ。ま、諸説あるけどね」
「ほほう……」
ライナーは素直に感心する。その様子を見て手ごたえを感じたシンディは、さらに畳みかけるように話しを続けた。
「あとさ、キングやクイーンで思い出したけど。絵札の顔の向きって意識したことある?」
「……いや。なんとなくいくつか種類があるなということぐらいは漠然と思っていたが……」
シンディの目が一瞬だけ光り、さらに長い語りが始まった。
「まずはトランプのマークに意味があることを知ってほしいんだけどね。【ハート=愛】【ダイヤ=お金】【クラブ=知識】【スペード=死】を表しているんだ。で、ジャック・クイーン・キングはそれぞれのマークに一枚ずつ、全体で計四枚ずつあるということは当然わかるよね。」
「う、うん……」
「ジャック(若者)の場合。ハートは真横を向いて、マークそのものを見ている。これは若いうちに一番関心があるのは『愛』だから!そしてダイヤは少しだけ横向きでマークに視線を向けている。『お金』に興味関心はあれど、愛ほど優先順位は高くないということ。クラブだと、ダイヤと真逆を向いて目をそらしているかのような状態。若いうちは『知識(=勉強)』を意識するのは好まないようだね。……で、スペードにいたっては完全に真逆を向いている。若者にとって『死』は全く意識しないものだからさ!」
「へぇ、なかなか考えられているんだね。ん?若者(ジャック)にとって……ということは、キングやクイーンはまた別なのか?」
「そう!よく気付いたね!」
更にエンジンがかかってきたシンディ。
「キング(王様≒老人)はハートに関しては少し横向きで見ていて、若者(ジャック)ほど興味はない。『愛』は若いころに十分知ったからかな?そのかわり、ダイヤに対して真横を向いて真っ直ぐ見つめている。やはり年月が経つと『お金』の大事さが身に染みてわかるようだ。そしてクラブもハートと同じく横向きで少しだけ視線を向けている。『知識』の大切さは年を取ると意識するものなんだね。最後にスペードは目をそらしている。『死』をできるだけ考えないようにしているけど、若者(ジャック)の時ほど完全に無視はできないというのが悲しいね……キミも思うところがあるんじゃない?」
「な……!私はまだ若者だ!断然ジャック派だ!」
「あはは、そう思っていてもすぐに年月は過ぎ去るもので……」
「……ゴホン。クイーンはどうなんだ?」
「そうそうクイーン(女王≒女性)ね。実は、クイーンはハート・ダイヤ・クラブの三つに対して、少し横向きで視線を向けているようになっている。『愛』『お金』『知識』のすべてにある程度の関心はあれど、深くはのめり込まないように意識していることを表している。……ただ、唯一スペードだけは、目を背けるようにしている。ただ、これはキングとは少し持つ意味合いが違っていて、女性が『老い(≒死)』を何よりも恐れていることを表しているんだ」
「ほほう、なるほどね。思いがけず、タメになったよ。」
「で、私の持っているクイーンはハートだから、少し横向きなんだ。……キミのは?」
「ええと、私のはたしかクラブだったから、同じく少し横向きだったはず……」
そう言って手に持ったカードのうちババではないクイーンの方に目を向けてライナーが確認した、その次の瞬間。
#b#「こっちか!」#/b#
シンディが恐るべきスピードでライナーの視線が向いた方のカードを引き抜いた。
「あっ……!」
あっけにとられるライナー。
得意気にペアになったカードをテーブルの上に置くシンディ。
#big5#「やったー!勝ったー!」#/big5#
やられた、と思った時にはすでに遅い。
ライナーにカードの絵札を確認させ、その目線でシンディはライナーからババではない方のカードを見抜いたのである。
……ライナーにとっては勝負に負けた悔しさ以上に、単なるババ抜きで、長々と蘊蓄の前置きの話をして警戒心を解き、それと同時にカードに対する意識を植え付けて視線を誘導させる……という用意周到な罠を仕掛けてでも勝とうとするシンディの姿勢に、なんとも言えない感情を抱かざるを得なかった。
#b#【簡易解説】#/b#
#b#絵札の顔の向きを意識させ、手札(この例ではクラブのクイーン)の顔の向きを確認するその目線からババでない方を見抜いた。#/b#
「【ダイニングバー ラテシン】まかない」「3ブックマーク」
モ
グモグ...ングッ!?
よ、ようこそ、ダイニングバー ラテシンへ!
いやあ、みっともないところをお見せしてしまいました。
ちょうどお客様も引けたので、#red#まかない/red#を頂いていたところです。
今ご用意いたしますので、ご一緒にまかない問題でもいかがでしょうか。
-----
とある飲食店でバイトをしていたカメオはまかないをとても楽しみにしていました。
しかしある日からまかないを出される度に涙を流すようになりました。
一体なぜでしょう?
*スポンサー:天童魔子さん。
グモグ...ングッ!?
よ、ようこそ、ダイニングバー ラテシンへ!
いやあ、みっともないところをお見せしてしまいました。
ちょうどお客様も引けたので、#red#まかない/red#を頂いていたところです。
今ご用意いたしますので、ご一緒にまかない問題でもいかがでしょうか。
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とある飲食店でバイトをしていたカメオはまかないをとても楽しみにしていました。
しかしある日からまかないを出される度に涙を流すようになりました。
一体なぜでしょう?
*スポンサー:天童魔子さん。
15年11月15日 15:54
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
解説を見る
・
FA条件:飲食店のオーナーシェフと結婚したカメオ。
バイト時代と違い結婚すると自然とまかないも他のバイトよりも後回しになり、妻カメコが以前から本当の余り物で食事を済ませていることを知り、忙しいのもよしあしだと悲しくなった。
アルバイトをしていた飲食店のオーナーシェフであるカメコと結婚したカメオ。
そのお店は、通常メニューはもちろんまかないまでおいしいと評判のお店でした。
しかし、身内になったカメオの優先順位はカメコとカメオの二人はお客さんへのメニューよりも他の従業員のまかないよりも更に自然と後回しになりました。
そして忙しさの余り閉店してから二人きりの食事をようやく取る事が出来ました。
「出来たよ。ゴメンね、いつも大体余り物で食べるから、簡単なのしか出来ないのよ。」
「…そっか、いつも俺たちのために頑張って作ってくれてたんだね」
本当に簡単な食事だった。
肉や魚の切れ端を寄せ集めて作ったメンチカツ、くず野菜を細かく刻んで作ったスープ、その日あまったライスやパン、パスタなどを主食として、二人で食べた。
「…いつもこんな感じなのかなぁ。」
頑張っているんだと分かった反面、悲しくなった。
-----
しかし、カメオのその考えは#red#希望的観測でしかなかった#/red#。
個人経営で、かつ人気店という事もあり、より忙しい日は殆ど食材が残らない日もある。
翌日の仕込みの分を減らすわけにもいかず、更に簡素な焼き飯やお茶漬けで済ませる日も多々ある。
更にはコンビニで買ってきたおにぎりやパンで済ませる日も多々。
その都度、カメコの苦労をいたんだカメオはほろりと涙を流すのでした。
FA条件:飲食店のオーナーシェフと結婚したカメオ。
バイト時代と違い結婚すると自然とまかないも他のバイトよりも後回しになり、妻カメコが以前から本当の余り物で食事を済ませていることを知り、忙しいのもよしあしだと悲しくなった。
アルバイトをしていた飲食店のオーナーシェフであるカメコと結婚したカメオ。
そのお店は、通常メニューはもちろんまかないまでおいしいと評判のお店でした。
しかし、身内になったカメオの優先順位はカメコとカメオの二人はお客さんへのメニューよりも他の従業員のまかないよりも更に自然と後回しになりました。
そして忙しさの余り閉店してから二人きりの食事をようやく取る事が出来ました。
「出来たよ。ゴメンね、いつも大体余り物で食べるから、簡単なのしか出来ないのよ。」
「…そっか、いつも俺たちのために頑張って作ってくれてたんだね」
本当に簡単な食事だった。
肉や魚の切れ端を寄せ集めて作ったメンチカツ、くず野菜を細かく刻んで作ったスープ、その日あまったライスやパン、パスタなどを主食として、二人で食べた。
「…いつもこんな感じなのかなぁ。」
頑張っているんだと分かった反面、悲しくなった。
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しかし、カメオのその考えは#red#希望的観測でしかなかった#/red#。
個人経営で、かつ人気店という事もあり、より忙しい日は殆ど食材が残らない日もある。
翌日の仕込みの分を減らすわけにもいかず、更に簡素な焼き飯やお茶漬けで済ませる日も多々ある。
更にはコンビニで買ってきたおにぎりやパンで済ませる日も多々。
その都度、カメコの苦労をいたんだカメオはほろりと涙を流すのでした。