「異報駐輪スペース」「3ブックマーク」
見落としがないようにするために、多くの場所に駐輪禁止と書かれているのをみつけた私は、
そのすぐ近くに自転車を止める事にした。
一体なぜ?
そのすぐ近くに自転車を止める事にした。
一体なぜ?
17年07月15日 23:17
【ウミガメのスープ】 [風木守人]
【ウミガメのスープ】 [風木守人]
解説を見る
駐輪禁止と書かれたビラがたくさん落ちていたため。
おそらく、違法駐輪した人たちが自転車に貼られていたか、
カゴに入れられていただろうビラを捨てたのであろう。
つまり、無事に自転車を回収できた人が多いのだ。
そこで、この場所に自転車を停めてもすぐには撤去されないと私は考え、駐輪することにした。
おそらく、違法駐輪した人たちが自転車に貼られていたか、
カゴに入れられていただろうビラを捨てたのであろう。
つまり、無事に自転車を回収できた人が多いのだ。
そこで、この場所に自転車を停めてもすぐには撤去されないと私は考え、駐輪することにした。
「ストップアンドゴー」「3ブックマーク」
ある日の昼下がり。
「あれをストップさせられるか?」
「当然だ。」
宣言どおり男は止めて見せた。
別の日の昼下がり。
「以前ストップしたのと同じだな。止められるか?」
「あれを止めるのは無理。でもほかのものならとめられる。」
いったいどういうことだろう?
「あれをストップさせられるか?」
「当然だ。」
宣言どおり男は止めて見せた。
別の日の昼下がり。
「以前ストップしたのと同じだな。止められるか?」
「あれを止めるのは無理。でもほかのものならとめられる。」
いったいどういうことだろう?
14年01月26日 17:14
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
無事に終了いたしましたー!ありがとうございました^^
解説を見る
放
浪のバイオリニスト フィオーレが友人を訪ねた。
その際に町の中を歩いていると、彼が得意としている曲をバイオリンで弾いている音が遠くから聞こえた。
「…悪いが下手だな。聞くに堪えん。お前止めてきてくれよ。っ手無理かw」
友人はしかめ面でつぶやいた。
「気は乗らないけどわかったよ。」
「え?」
フィオーレはおもむろに自らの得物をケースから出した。
下手な旋律を上書きするようにごく小さい音で弾き始め、徐々に大きく弾いていった。
数十秒後、旋律はひとつに減っていた。
弾き終えると、友人の拍手と、少女からの賞賛の声が遠く聞こえた。
「ブラボー!ミスターフィオーレ!」
「ありがとう!」
(…音だけで僕だとわかったのか?)
数年後。
フィオーレは久しぶりに友人の住む町へやってきた。
友人宅へ向かういつもの道を友人と二人で歩いていると、また彼が好きな曲が奏でられている。
「前にお前さんが止めたのと同じ曲だな。前みたいに止められるか?」
友人は訪ねる。
耳を済ませるフィオーレ。
「あのバイオリンを止めるのは無理。でも、別なものは止められるよ。」
にっこりとしながら、あの時と同じようにバイオリンを取り出した。
そして同じように旋律をたどり、徐々に音量を上げていった。
音が、変わる。
相手の旋律が、副旋律になったのだ!
あの時と同じ曲が、<二人>の音楽家の手によってより活き活きとしたものとなっている。
「お、おお、何これ…、すげぇ…!」
友人は感嘆の声を上げ、曲が終わった。
気づけば回りに野次馬がいた。
盛大な拍手が送られている。
「すげーよ!通りすがりの人の足を止めるとか!」
バイオリニストは口元に指を当て、周囲へ静かにするよう促した。
静まったとおり。
彼は精一杯の大声を出した。
「前に僕の音楽を聞いて、相当な精進をしたんだね!さあ、君もこちらに来て!もっと一緒に奏でようよ!」
「今参ります!フィオーレ様!」
彼女の名前はファータ。
後に彼と二人で<ファティナ・フィオーレ(小さな花の妖精)>として世界を旅することになる。
*一度目は下手な演奏を止めるために奏でた。二度目はプロ並みの腕前の人が演奏していたため、演奏技術で圧倒して演奏を止めることはしなかった。代わりに「できる」と見込んでセッションに持ち込み、通行人の<足>を止めて見せた
浪のバイオリニスト フィオーレが友人を訪ねた。
その際に町の中を歩いていると、彼が得意としている曲をバイオリンで弾いている音が遠くから聞こえた。
「…悪いが下手だな。聞くに堪えん。お前止めてきてくれよ。っ手無理かw」
友人はしかめ面でつぶやいた。
「気は乗らないけどわかったよ。」
「え?」
フィオーレはおもむろに自らの得物をケースから出した。
下手な旋律を上書きするようにごく小さい音で弾き始め、徐々に大きく弾いていった。
数十秒後、旋律はひとつに減っていた。
弾き終えると、友人の拍手と、少女からの賞賛の声が遠く聞こえた。
「ブラボー!ミスターフィオーレ!」
「ありがとう!」
(…音だけで僕だとわかったのか?)
数年後。
フィオーレは久しぶりに友人の住む町へやってきた。
友人宅へ向かういつもの道を友人と二人で歩いていると、また彼が好きな曲が奏でられている。
「前にお前さんが止めたのと同じ曲だな。前みたいに止められるか?」
友人は訪ねる。
耳を済ませるフィオーレ。
「あのバイオリンを止めるのは無理。でも、別なものは止められるよ。」
にっこりとしながら、あの時と同じようにバイオリンを取り出した。
そして同じように旋律をたどり、徐々に音量を上げていった。
音が、変わる。
相手の旋律が、副旋律になったのだ!
あの時と同じ曲が、<二人>の音楽家の手によってより活き活きとしたものとなっている。
「お、おお、何これ…、すげぇ…!」
友人は感嘆の声を上げ、曲が終わった。
気づけば回りに野次馬がいた。
盛大な拍手が送られている。
「すげーよ!通りすがりの人の足を止めるとか!」
バイオリニストは口元に指を当て、周囲へ静かにするよう促した。
静まったとおり。
彼は精一杯の大声を出した。
「前に僕の音楽を聞いて、相当な精進をしたんだね!さあ、君もこちらに来て!もっと一緒に奏でようよ!」
「今参ります!フィオーレ様!」
彼女の名前はファータ。
後に彼と二人で<ファティナ・フィオーレ(小さな花の妖精)>として世界を旅することになる。
*一度目は下手な演奏を止めるために奏でた。二度目はプロ並みの腕前の人が演奏していたため、演奏技術で圧倒して演奏を止めることはしなかった。代わりに「できる」と見込んでセッションに持ち込み、通行人の<足>を止めて見せた
「相次ぐ増税」「3ブックマーク」
税金が多い事で有名なラテ国。
ある時、増税が決まり、国民の大半が文句を言ったという。
その後、また増税が決まった時、国民から文句はほとんど出なかったという。
なぜだろうか?
ある時、増税が決まり、国民の大半が文句を言ったという。
その後、また増税が決まった時、国民から文句はほとんど出なかったという。
なぜだろうか?
17年10月11日 22:30
【ウミガメのスープ】 [狐狗狸]
【ウミガメのスープ】 [狐狗狸]
解説を見る
文句を言っていた、貧しい層が国から居なくなったため。
別の国へ行ったのか、それとも…
別の国へ行ったのか、それとも…
「【猛者のスープ】君につぐ望み」「3ブックマーク」
望み…、ですか…。ええ。
おや皆様、ちょうどいいところに。
少しお尋ねしたいことがございまして。ええ。
皆様方はここラテシンに何を望んでいらっしゃいますか?
いえ、ええ。すこし気になりまして。
お答えくだされば届いたばかり、とびきりの謎を提供いたしますよ、ええ。
ああ、ついでに、この望みの行く末もあなた方に託しましょう。
皆様方がこの謎を解くことができれば是、出来なければ否。それでよいでしょう。
まずはこの手紙をご覧ください。
しがない小説家が最後に送ってよこした手紙です。ええ。
~~~~~~~~~~~~~~
この手紙を読む君に宛てる
望むこと、と聞いて君たちは何を浮かべる?
誰に望むのか、何を望むのか、あるいはどこに望むのか。
私は君に私の望みを叶えてもらいたいがためにこの手紙を書く。
この手紙を読む君たちの意思なしにはかなわない望みだ。
まずは自己紹介をしておこう。私は物書きとして生計を立てている。
とはいえ木っ端の木っ端。名を知る人も少ないだろう。
それでも代表作をと問われれば答えるものはある。
「名探偵アレス」これを知らない者はいないのではないか。
幸せな家族を襲う悲劇。母を殺され、犯人は精神異常で罪に問われず、一家の子供は薬に逃げ、現実から逃げ。
けれども現れた模倣犯を前に子供はそのくすんだ瞳に色を取り戻していく。
挑発的な猟奇殺人から宙を歩く怪人、殺しなんてない平和な宝さがし――その後も名探偵の前に次々と立ちはだかる不可解な事件。
誰もが心揺さぶられる奇なる謎を鮮やかに解決していくアレスには誰もが憧れと尊敬を抱いたはずだ。
しかしなにも称賛や名誉を望みとしたわけではない。
私は私の小説の一番のファンだった娘のために作品をこの世に送り出し続けてきたのだ。
さて、私はこれまでいろいろな謎を手掛けたが、最後に選んだ謎はウミガメのスープ。
「なぜ私がウミガメのスープを選んだか?」
を問いにする、シンプルな問題だ。
そしてこれを解き明かし、私の望みを叶えてほしいと願うのだ。
ソロモン・M・ルイズ
~~~~~~~~~~~~~~
彼はこことご息女に同文の手紙を送ったそうです。
なぜ彼がウミガメのスープを最後の作品に選んだのかをお答えください。
ええ。
ああ、一つ言い忘れておりました。
未回答の質問が、一人2つを超えることのないようお願い申し上げます。
というのも、この機会では、皆様にじっくり質問へ向き合ってほしいと考えまして。ええ。
決してわたくしが質問を裁ききれないからなどとお考えなさいませんよう。ええ。ええ。
おや皆様、ちょうどいいところに。
少しお尋ねしたいことがございまして。ええ。
皆様方はここラテシンに何を望んでいらっしゃいますか?
いえ、ええ。すこし気になりまして。
お答えくだされば届いたばかり、とびきりの謎を提供いたしますよ、ええ。
ああ、ついでに、この望みの行く末もあなた方に託しましょう。
皆様方がこの謎を解くことができれば是、出来なければ否。それでよいでしょう。
まずはこの手紙をご覧ください。
しがない小説家が最後に送ってよこした手紙です。ええ。
~~~~~~~~~~~~~~
この手紙を読む君に宛てる
望むこと、と聞いて君たちは何を浮かべる?
誰に望むのか、何を望むのか、あるいはどこに望むのか。
私は君に私の望みを叶えてもらいたいがためにこの手紙を書く。
この手紙を読む君たちの意思なしにはかなわない望みだ。
まずは自己紹介をしておこう。私は物書きとして生計を立てている。
とはいえ木っ端の木っ端。名を知る人も少ないだろう。
それでも代表作をと問われれば答えるものはある。
「名探偵アレス」これを知らない者はいないのではないか。
幸せな家族を襲う悲劇。母を殺され、犯人は精神異常で罪に問われず、一家の子供は薬に逃げ、現実から逃げ。
けれども現れた模倣犯を前に子供はそのくすんだ瞳に色を取り戻していく。
挑発的な猟奇殺人から宙を歩く怪人、殺しなんてない平和な宝さがし――その後も名探偵の前に次々と立ちはだかる不可解な事件。
誰もが心揺さぶられる奇なる謎を鮮やかに解決していくアレスには誰もが憧れと尊敬を抱いたはずだ。
しかしなにも称賛や名誉を望みとしたわけではない。
私は私の小説の一番のファンだった娘のために作品をこの世に送り出し続けてきたのだ。
さて、私はこれまでいろいろな謎を手掛けたが、最後に選んだ謎はウミガメのスープ。
「なぜ私がウミガメのスープを選んだか?」
を問いにする、シンプルな問題だ。
そしてこれを解き明かし、私の望みを叶えてほしいと願うのだ。
ソロモン・M・ルイズ
~~~~~~~~~~~~~~
彼はこことご息女に同文の手紙を送ったそうです。
なぜ彼がウミガメのスープを最後の作品に選んだのかをお答えください。
ええ。
ああ、一つ言い忘れておりました。
未回答の質問が、一人2つを超えることのないようお願い申し上げます。
というのも、この機会では、皆様にじっくり質問へ向き合ってほしいと考えまして。ええ。
決してわたくしが質問を裁ききれないからなどとお考えなさいませんよう。ええ。ええ。
17年08月23日 21:00
【ウミガメのスープ】 [ポトフ]
【ウミガメのスープ】 [ポトフ]
コメントはありませんよ、ええ。
解説を見る
【要約】
ええ、では解説と行きましょう。
名探偵アレスとは、アレッサンドラ嬢、彼のご息女のこと。
謎好きが高じて探偵になったそうですが、とある事件でお母上が殺され、事件を解決するも、犯人は無罪。結果に失望してなぞ解きへの意欲を失ってしまったとのことです。ええ。
元気づけようとあれこれ手を打っていた彼は、そのうち、お母上の事件を追っていた頃の彼女の姿に行きついたようです。ええ。事件を起こせば娘もまた、元気を取り戻すのではないか、と。
そして、昔取材で話を聞いたことのある犯罪者に連絡を取り、犯行計画書を渡したのです。
事件はご息女の手で解決され、犯人に重く罰が下ったことにより、彼女の瞳にも力が戻り始めました。
けれど、彼はそれを、あまりよく思えなかったようです。また、無罪になる犯人に出会ったときに、彼女は力を失うのではないかと。ええ。
さらに考えた彼は、彼女が気力を失ったのは、謎解きに見返りを求め、それが叶わなかったためだろう、との結論に行きつきます。そして、それならば、なぞ解きに見返りを求めないように誘導しよう。ただ純粋に、謎解きを楽しめるように、と。
彼は、その後も人を使って事件の手引きを続けましたが、その事件はだんだん罰されるべき犯人などいない、平和な謎へとシフトしていきました。目立ちたがり屋の宙に浮く怪人、子供が持ってきた古びた地図の先の宝さがし、という風に。ええ。
そうして究極的に楽しみだけを得る謎として、ウミガメのスープを選んだというわけです。
彼はご息女に、純粋に楽しいだけの謎解きを続けてほしいと願い、その提供者にラテシンを選びました。
そして今、ラテシンとしての方針は決まったわけです。ええ。
それではシンディさん、アレッサンドラ嬢のお迎えに行っていただけますか?
その間の時間にこれをどうぞ。
解説ですよ。彼の書いた。
もっともこれは、彼の最期の筆になったようですが…。
~~~~~~~~~~~~~~
この手紙を真相を望む君に宛てる
望むこと、と聞いて私が浮かべること。
それは一つだけだった。
事件の真相は君ならすでに理解しているだろう。
娘アレスの物語。そして、哀れな小説家の物語だ。
私がしてきたこと。すべてが間違っていたとは思わない。
アレスの笑顔。そのためなら私はどんな手段でも取ってきた。
残忍な手口の連続殺人に、歯も浮くような甘いラブストーリー。
手に汗握る冒険譚や、奇想天外なファンタジー。どれもこれも、私の書いた小説では
アレスの心には届かなかった。
物を書くことしか知らない私に残された手段は一つしかなかったのだ。
それは筆を血で汚すこと。
私は事件の筋書きを描いた。
金で雇った男に人を殺させた。
時には自らも現場へと赴いた。すべてはアレスの笑顔を取り戻すため。
一度踏み出した道、もう後戻りはできなかった。
アレスは謎を解くうちに徐々に気力を取り戻していった。
原動力は復讐の心か、母の残像か。けれども私にとっては些細なことだった。
あの頃の娘に戻るのなら。
アレスは次々に事件を解決していく。犯人には厳罰が下され、アレスの目には光が戻っていった。復讐という暗い灯火が。
けれども、私は気づいてしまった。いくら事件を解決したところでアレスの顔に浮かぶのは復讐に取りつかれた狂気ばかり。
あの頃の娘の面影はアレスから消えていた。
今のアレスはいつか壊れてしまうだろう。私の危惧は日に日に募っていく。
もしも、母の事件の時と同じように犯人に厳罰がくだらなかったら。それに私だって人間だ。
いつまでもアレスのそばにいてあげることはできない。
ならば、変わらなければ。アレスも、私も。
私が望むのはアレスの笑顔。それだけが私の原動力だった。
その日からアレスの周りで起こる事件は変わり始めた。
ある時は宙を駆ける怪人との大捕り物。
またある時は子供の落書きが導く驚くべき宝を探して。
アレスのために多くの事件を手引きし続けた。
けれど私もやはり年だ。アレスに謎を与え続ける役目を果たすことはできないだろう。
ならばせめて最後にと、私はアレスの、あの頃の娘の笑顔を望んだ。
謎を復讐の道具でなく、母の幻影を埋める手段でなく、
ただ単純に真相を追い求め、楽しむ。心豊かにするものとして。
謎への向き合い方は人それぞれだ。当然皆が違うもの。
でもだからこそ、娘にもあるはずなのだ。心惹かれる謎が。無心になれる楽しみ方が。
だから聞かせてくれないか。
君たちの楽しみ方を、そして心躍る謎解きを。
『君』の笑い声を。
ソロモン・M・ルイズ
親愛なるアレスに愛をこめて
~~~~~~~~~~~~~~
#b#FA条件#/b#
① 「名探偵アレス」が実在の人物であることを見抜き、「アレス」と「娘」が同一人物であると見抜く
② ①より文中の事件がすべて父親に起こされたことを見抜き、それが娘のために行ったことであることを見抜く
③ ①、②よりこれ以上謎を生み出せなくなった父親が、ラテシンにその役目を託したことを見抜く
④ ③まで判明した時点でウミガメのスープと、事件との違いを指摘する
ええ、では解説と行きましょう。
名探偵アレスとは、アレッサンドラ嬢、彼のご息女のこと。
謎好きが高じて探偵になったそうですが、とある事件でお母上が殺され、事件を解決するも、犯人は無罪。結果に失望してなぞ解きへの意欲を失ってしまったとのことです。ええ。
元気づけようとあれこれ手を打っていた彼は、そのうち、お母上の事件を追っていた頃の彼女の姿に行きついたようです。ええ。事件を起こせば娘もまた、元気を取り戻すのではないか、と。
そして、昔取材で話を聞いたことのある犯罪者に連絡を取り、犯行計画書を渡したのです。
事件はご息女の手で解決され、犯人に重く罰が下ったことにより、彼女の瞳にも力が戻り始めました。
けれど、彼はそれを、あまりよく思えなかったようです。また、無罪になる犯人に出会ったときに、彼女は力を失うのではないかと。ええ。
さらに考えた彼は、彼女が気力を失ったのは、謎解きに見返りを求め、それが叶わなかったためだろう、との結論に行きつきます。そして、それならば、なぞ解きに見返りを求めないように誘導しよう。ただ純粋に、謎解きを楽しめるように、と。
彼は、その後も人を使って事件の手引きを続けましたが、その事件はだんだん罰されるべき犯人などいない、平和な謎へとシフトしていきました。目立ちたがり屋の宙に浮く怪人、子供が持ってきた古びた地図の先の宝さがし、という風に。ええ。
そうして究極的に楽しみだけを得る謎として、ウミガメのスープを選んだというわけです。
彼はご息女に、純粋に楽しいだけの謎解きを続けてほしいと願い、その提供者にラテシンを選びました。
そして今、ラテシンとしての方針は決まったわけです。ええ。
それではシンディさん、アレッサンドラ嬢のお迎えに行っていただけますか?
その間の時間にこれをどうぞ。
解説ですよ。彼の書いた。
もっともこれは、彼の最期の筆になったようですが…。
~~~~~~~~~~~~~~
この手紙を真相を望む君に宛てる
望むこと、と聞いて私が浮かべること。
それは一つだけだった。
事件の真相は君ならすでに理解しているだろう。
娘アレスの物語。そして、哀れな小説家の物語だ。
私がしてきたこと。すべてが間違っていたとは思わない。
アレスの笑顔。そのためなら私はどんな手段でも取ってきた。
残忍な手口の連続殺人に、歯も浮くような甘いラブストーリー。
手に汗握る冒険譚や、奇想天外なファンタジー。どれもこれも、私の書いた小説では
アレスの心には届かなかった。
物を書くことしか知らない私に残された手段は一つしかなかったのだ。
それは筆を血で汚すこと。
私は事件の筋書きを描いた。
金で雇った男に人を殺させた。
時には自らも現場へと赴いた。すべてはアレスの笑顔を取り戻すため。
一度踏み出した道、もう後戻りはできなかった。
アレスは謎を解くうちに徐々に気力を取り戻していった。
原動力は復讐の心か、母の残像か。けれども私にとっては些細なことだった。
あの頃の娘に戻るのなら。
アレスは次々に事件を解決していく。犯人には厳罰が下され、アレスの目には光が戻っていった。復讐という暗い灯火が。
けれども、私は気づいてしまった。いくら事件を解決したところでアレスの顔に浮かぶのは復讐に取りつかれた狂気ばかり。
あの頃の娘の面影はアレスから消えていた。
今のアレスはいつか壊れてしまうだろう。私の危惧は日に日に募っていく。
もしも、母の事件の時と同じように犯人に厳罰がくだらなかったら。それに私だって人間だ。
いつまでもアレスのそばにいてあげることはできない。
ならば、変わらなければ。アレスも、私も。
私が望むのはアレスの笑顔。それだけが私の原動力だった。
その日からアレスの周りで起こる事件は変わり始めた。
ある時は宙を駆ける怪人との大捕り物。
またある時は子供の落書きが導く驚くべき宝を探して。
アレスのために多くの事件を手引きし続けた。
けれど私もやはり年だ。アレスに謎を与え続ける役目を果たすことはできないだろう。
ならばせめて最後にと、私はアレスの、あの頃の娘の笑顔を望んだ。
謎を復讐の道具でなく、母の幻影を埋める手段でなく、
ただ単純に真相を追い求め、楽しむ。心豊かにするものとして。
謎への向き合い方は人それぞれだ。当然皆が違うもの。
でもだからこそ、娘にもあるはずなのだ。心惹かれる謎が。無心になれる楽しみ方が。
だから聞かせてくれないか。
君たちの楽しみ方を、そして心躍る謎解きを。
『君』の笑い声を。
ソロモン・M・ルイズ
親愛なるアレスに愛をこめて
~~~~~~~~~~~~~~
#b#FA条件#/b#
① 「名探偵アレス」が実在の人物であることを見抜き、「アレス」と「娘」が同一人物であると見抜く
② ①より文中の事件がすべて父親に起こされたことを見抜き、それが娘のために行ったことであることを見抜く
③ ①、②よりこれ以上謎を生み出せなくなった父親が、ラテシンにその役目を託したことを見抜く
④ ③まで判明した時点でウミガメのスープと、事件との違いを指摘する
「南奔北走なんのその」「3ブックマーク」
1月、肌が乾燥する季節。
背中をかいていたカメオは、突然右手を上げた。
そして、手を上げたまま北と反対の方向に向かったと思うと、
またすぐに北に向かって動き出した。
状況を補完して下さい。
背中をかいていたカメオは、突然右手を上げた。
そして、手を上げたまま北と反対の方向に向かったと思うと、
またすぐに北に向かって動き出した。
状況を補完して下さい。
17年04月23日 11:38
【ウミガメのスープ】 [YOUSUN]
【ウミガメのスープ】 [YOUSUN]
批評大歓迎です
解説を見る
新年の書き初めをしているカメオ。
カメオは深呼吸をした後、目の前の半紙に筆を置いた。
そして、見事な筆運びで#red#「背中」の「背」の文字を書いていく。#/red#
5画目を書き終えたカメオは、筆を持ち上げ、若干つぶれた「北」から遠ざかるように縦の線をおろした。
そして、また筆を持ち上げると、7画目を書くため「北」の字の方向に筆を持っていった。
カメオは深呼吸をした後、目の前の半紙に筆を置いた。
そして、見事な筆運びで#red#「背中」の「背」の文字を書いていく。#/red#
5画目を書き終えたカメオは、筆を持ち上げ、若干つぶれた「北」から遠ざかるように縦の線をおろした。
そして、また筆を持ち上げると、7画目を書くため「北」の字の方向に筆を持っていった。