「あなたの恋はおいくらですか?」「7ブックマーク」
私は失恋をすることで、自分の恋の値段がわかりました。何故でしょうか?
16年03月18日 10:54
【ウミガメのスープ】 [よしろぎ]
【ウミガメのスープ】 [よしろぎ]

まったりと
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好きです、付き合ってください!
入学式、桜の木の下で笑顔で友達と戯れるあなたに一目惚れしてから早三年。
『サラサラで黒くてストレート!そしてロングヘア!女の子はそれが1番カワイイよね!』
噂であなたの好みを聞いてすぐに行動に移しました。毎日ヘアケアーを欠かさず、定期的に美容院に行きました。都市伝説でもなんでもよかった、髪が黒くあるように海藻も食べました。そして腰まで伸びました。
そして今日、卒業式。私は、あの日あの時あなたに惚れたこの場所で、思いの丈を伝えます。
「ごめんなさい。ちょっと貞子みたいで怖いしムリです。」
そうして失恋した私は、あなたへの思いが詰まったこの髪を切ることに決めたのです。
ー美容院にて。
「ええ!こんなに綺麗な長い髪切っちゃうの!?」
最初は驚かれましたが、事の成り行きを伝えると、
「そっかー。それなら、ただ切っちゃうだけじゃなくて、売らない?」
売る?この髪を?髪って売れるのですか?
「人毛は私たち美容師の練習には最適でね。頭部のみのマネキンに植毛して練習台にするんだ。だからもしよかったらなんだけども。」
私のこの恋心が誰かの助けになるのならば...。
そう言って引き受けました。私の毛量は多いらしく、それでいて質も上等、長さもあるとのことで、大変なお値段で買い取っていただきました。こんな理由で切った髪がこんな値段になるものなんだ。
そうか、これが私の恋の値段。
そう思うとなんだかとってもちっぽけに思えました。
入学式、桜の木の下で笑顔で友達と戯れるあなたに一目惚れしてから早三年。
『サラサラで黒くてストレート!そしてロングヘア!女の子はそれが1番カワイイよね!』
噂であなたの好みを聞いてすぐに行動に移しました。毎日ヘアケアーを欠かさず、定期的に美容院に行きました。都市伝説でもなんでもよかった、髪が黒くあるように海藻も食べました。そして腰まで伸びました。
そして今日、卒業式。私は、あの日あの時あなたに惚れたこの場所で、思いの丈を伝えます。
「ごめんなさい。ちょっと貞子みたいで怖いしムリです。」
そうして失恋した私は、あなたへの思いが詰まったこの髪を切ることに決めたのです。
ー美容院にて。
「ええ!こんなに綺麗な長い髪切っちゃうの!?」
最初は驚かれましたが、事の成り行きを伝えると、
「そっかー。それなら、ただ切っちゃうだけじゃなくて、売らない?」
売る?この髪を?髪って売れるのですか?
「人毛は私たち美容師の練習には最適でね。頭部のみのマネキンに植毛して練習台にするんだ。だからもしよかったらなんだけども。」
私のこの恋心が誰かの助けになるのならば...。
そう言って引き受けました。私の毛量は多いらしく、それでいて質も上等、長さもあるとのことで、大変なお値段で買い取っていただきました。こんな理由で切った髪がこんな値段になるものなんだ。
そうか、これが私の恋の値段。
そう思うとなんだかとってもちっぽけに思えました。
「落第シューター」「7ブックマーク」
歴史の先生が「ここテストに出るぞ」と言ったのを藤堂君があまり気にしていない様子だったので、成瀬は彼にバスケのシュートのコツを尋ねた。
一体何故?
一体何故?
17年10月05日 22:31
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
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バスケ部エースの藤堂君は背が高い。190センチくらいある。
成瀬の席は藤堂君のすぐ後ろである。当然、黒板は全然見えない。
黒板を書き写そうと藤堂君が身を屈めた時に、成瀬も一気に書き写してしまうことにしている。
ところがその日の歴史の授業中、先生が「ここテストに出るぞ」と言ったのに彼は書き写そうとしなかった。
よほどその分野に自信があるのか、あるいはぼけっとしていて気付かなかったのか。
いずれにしろ、このままでは重要事項が書き写せない。
「ちょっと頭下げて」と言って気を使わせてしまうのも憚られたので、一計を案じた成瀬は、ちぎったノートにこう書いた。
「バスケのシュートって、どうやったら上手くなる?」
それをたたんで前の席に放り投げる。
藤堂君は紙を開いて、ちょっと考える仕草をした後、自分もノートをちぎって何かを書き始めた。
藤堂君が身を屈めてくれたので、ようやく黒板が見えた。
黒板には「試験範囲全部」と書かれていた。
【要約解説】
成瀬は、前の席の藤堂君の背が高いせいで、彼が黒板を書き写しているときしか黒板が見えない。
歴史の授業では藤堂君が黒板を書き写そうとしなかったので、返答を求める手紙を渡すことで、身を屈めさせようとした。
成瀬の席は藤堂君のすぐ後ろである。当然、黒板は全然見えない。
黒板を書き写そうと藤堂君が身を屈めた時に、成瀬も一気に書き写してしまうことにしている。
ところがその日の歴史の授業中、先生が「ここテストに出るぞ」と言ったのに彼は書き写そうとしなかった。
よほどその分野に自信があるのか、あるいはぼけっとしていて気付かなかったのか。
いずれにしろ、このままでは重要事項が書き写せない。
「ちょっと頭下げて」と言って気を使わせてしまうのも憚られたので、一計を案じた成瀬は、ちぎったノートにこう書いた。
「バスケのシュートって、どうやったら上手くなる?」
それをたたんで前の席に放り投げる。
藤堂君は紙を開いて、ちょっと考える仕草をした後、自分もノートをちぎって何かを書き始めた。
藤堂君が身を屈めてくれたので、ようやく黒板が見えた。
黒板には「試験範囲全部」と書かれていた。
【要約解説】
成瀬は、前の席の藤堂君の背が高いせいで、彼が黒板を書き写しているときしか黒板が見えない。
歴史の授業では藤堂君が黒板を書き写そうとしなかったので、返答を求める手紙を渡すことで、身を屈めさせようとした。
「RH-なんて専門知識の筈なのに皆知ってる」「7ブックマーク」
AB型でRH-の血液型である私の体調は万全だ。
にもかかわらず、献血に行ったら断られてしまった。
私の血液は貴重で、今も足りてない筈なのに。
断られたのは何故?
にもかかわらず、献血に行ったら断られてしまった。
私の血液は貴重で、今も足りてない筈なのに。
断られたのは何故?
17年08月16日 16:28
【ウミガメのスープ】 [和菓子屋さん]
【ウミガメのスープ】 [和菓子屋さん]
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遙か昔、吸血鬼は人々を襲って生きてきた。
だが人々の文明は発達し、立場は逆転した。
人を襲えば特殊部隊がすぐに駆けつけ、銀の弾丸を連射してくる。
隠れても最新の科学捜査とやらで発見されて殺される。
吸血鬼は人を襲えず、血を吸う事が出来ずに絶滅の危機に瀕していた。
しかし、人間は吸血鬼を殺しておきながらも絶滅をよしとしなかった。
[NPO法人・吸血鬼を守る会]
「吸血鬼は生きるために仕方なく人を襲っている。吸血鬼だって人間だ。人間に餓死しろというのか!?」
そのような主張をしながら、吸血鬼を守る会は活動を始めた。
活動内容は主に献血事業、吸血鬼が飲むための血を集める事であった。
私「へ~、こんな活動してる団体あるんだ。たまには献血しようかな」
守る会の人「いや貴重な血液型なんですから患者さんに使ってやって」
だが人々の文明は発達し、立場は逆転した。
人を襲えば特殊部隊がすぐに駆けつけ、銀の弾丸を連射してくる。
隠れても最新の科学捜査とやらで発見されて殺される。
吸血鬼は人を襲えず、血を吸う事が出来ずに絶滅の危機に瀕していた。
しかし、人間は吸血鬼を殺しておきながらも絶滅をよしとしなかった。
[NPO法人・吸血鬼を守る会]
「吸血鬼は生きるために仕方なく人を襲っている。吸血鬼だって人間だ。人間に餓死しろというのか!?」
そのような主張をしながら、吸血鬼を守る会は活動を始めた。
活動内容は主に献血事業、吸血鬼が飲むための血を集める事であった。
私「へ~、こんな活動してる団体あるんだ。たまには献血しようかな」
守る会の人「いや貴重な血液型なんですから患者さんに使ってやって」
「英世に会いたくて」「7ブックマーク」
あるものを購入したカメコは、
お釣りを小銭にして返されたので、
やはり買うべきではなかったと後悔した。
カメコが購入したものとは一体なに?
お釣りを小銭にして返されたので、
やはり買うべきではなかったと後悔した。
カメコが購入したものとは一体なに?
17年07月03日 22:28
【20の扉】 [YOUSUN]
【20の扉】 [YOUSUN]

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#big5#翻訳機#/big5#
【解説】
海外旅行に備えて翻訳機を購入したカメコ。
性能を確かめようと、試しに
“Do you need the change?.”(#red#お釣り#/red#は要りますか?)
という文を英和翻訳にかけてみたところ、
「#red#小銭#/red#は要りますか?」という翻訳結果を返されたので、
翻訳機の性能の低さを悟り、買ったことを後悔したのだ。
【解説の解説】
英語では「お釣り」のことも「小銭」のことも“change”という。
【解説】
海外旅行に備えて翻訳機を購入したカメコ。
性能を確かめようと、試しに
“Do you need the change?.”(#red#お釣り#/red#は要りますか?)
という文を英和翻訳にかけてみたところ、
「#red#小銭#/red#は要りますか?」という翻訳結果を返されたので、
翻訳機の性能の低さを悟り、買ったことを後悔したのだ。
【解説の解説】
英語では「お釣り」のことも「小銭」のことも“change”という。
「谷に暮らすということは」「7ブックマーク」
男は、自分の愛娘を殺した犯人を捕らえると、館へと連れ帰った。
そして犯人に食物や衣類を与え、書物や絵画を買い与えた。
時には楽隊や劇団、詩人を呼び、音楽や芝居を犯人と共に楽しんだ。
しかしそれから一年後、この話を聞いた人々は、男の執念に震え上がった。
何があったのだろう?
そして犯人に食物や衣類を与え、書物や絵画を買い与えた。
時には楽隊や劇団、詩人を呼び、音楽や芝居を犯人と共に楽しんだ。
しかしそれから一年後、この話を聞いた人々は、男の執念に震え上がった。
何があったのだろう?
16年04月02日 21:18
【ウミガメのスープ】 [妙伎]
【ウミガメのスープ】 [妙伎]
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短文解説
犯人の少年が邪神への信仰により死を恐れないことを知った男は、少年に多くの情報を与えることで邪神への信仰を捨てさせた。
その結果、生に執着した少年は処刑の際に恐怖と後悔を感じ、男は娘の仇を取った。
長文解説
「何故、私の娘を殺した!」
捕らえられ、目の前に引き出された犯人に、憎しみと怒りに震える声を投げつける男。
しかし、男が犯人の顔を覆う布を取り去った直後、その表情は驚愕に変わった。
「我らの神の思し召しだ。我らの神への供物には、無垢な少女こそふさわしい」
目の前にいたのは、まだ幼さの残る少年だった。
「あの少年は生まれた時から邪神信仰の中で育てられたようです」
家臣の報告を男は苦い顔で聞いた。
「信者は谷底の集落で集団生活を送り、そこで生まれた子供は外界を知らず、邪神への信仰心のみで育てられる。邪神に従う行いのみが肯定され、信仰のために命を落とせば邪神の元で生まれ変わる…というあれか」
「左様。そのため腕のいい暗殺者が多数育ちます。彼らは捕らえられ、処刑されることを恐れません。例え殺人が法では罪でも、信仰にそれ以上の救いがあると信じているのです」
「処刑されれば信仰に殉じたことになる、か…分かった、あの少年の処遇は私が決める。下がってよい」
翌日、男は少年を捕らえた地下牢に、自分が食べるのと同様の美味しい食事と、暖かく綺麗な色の衣類を届けた。
「これは何だ。僕をどうする気だ」
「見たことも食べたこともないだろう。さあ、その服を着て、好きなだけ食べなさい」
男は少年と鉄格子を隔てて話をしながら、少年の目の前で食事を始める。
不審な目を向けるばかりだった少年も、やがて漂って来る食事の匂いに抗えず、口をつける。
「…美味い…!」
「そうだろう。君の暮らしていた場所では、こういった物はなかっただろうからね」
何日かして、男が沢山の書物を抱えて姿を見せると、少年は少し警戒を緩めて男を見た。
「今日はこれを君にあげよう。この世界のいろいろな事を書いた書物だ。君の暮らしていた場所では、こんな話は聞けなかっただろう」
また何日かして、男は美しい絵を携えて少年の元を訪れた。
「世界は広く、輝きに満ちている。この絵を見るといい。港町、雪を被った山、海に沈む夕日…君の暮らしていた場所では、こんな景色を目にすることはなかっただろう」
それからしばらくして、男は楽団を伴って姿を見せた。
「君は知らないだろう、音楽の美しさを。君の暮らしていた場所では、こんな音は聞けなかっただろう」
男の合図で、演奏が始まる。呆気に取られていた少年は、やがてその演奏に引き込まれ、いつの間にか涙を流していた。
別の時には劇団に目の前で芝居をさせた。
また別の時には、吟遊詩人にいろいろな歌を歌わせた。
やがて少年の目は、最初の頃とは明らかに変わっていった。
「…僕は、あまりに世界を知らな過ぎた。美味しい食事や美しい景色も知らなかった。笑うことも泣くことも、人の温もりも恋も知らなかった…」
少年はいまや「信仰」が間違いだったと考えるまでになっていた。
そんな日々が続いた一年後、また男が姿を見せた。
「外に出ろ」
少年の顔は喜びに輝いた。本で読み、絵で見た世界を自分の目で見られる。「信仰」に縛られることなく、「生きる」ことができる…!
しかし。
少年が引き出された先にあったのは、処刑場だった。
恐怖に顔を引きつらせた少年の耳に、男の声が聞こえる。
「さあ、神のために命を捧げなさい」
「僕にはもうあの神への信仰心はありません!」
窓一つない処刑場の冷たい床に跪かされた少年の両目から、涙が溢れる。
「嫌だ…嫌だ、あんな美しい世界を見られずに死ぬなんて!あんな素晴らしい世界に触れることがないまま死ぬなんて!」
少年の背後に処刑人が立つ。ぎらり、と光る斧を視界の隅にとらえ、少年は悲痛に叫んだ。
「お願い、殺さないで!死にたくない、死にたくないよ……っ!!」
と、少年を見据えていた男が、冷酷に笑った。
「私の可愛い娘も、きっとそう叫びながらお前に殺されたんだろうね」
降り下ろされた斧が、少年の首を斬り飛ばした。
少年の目からは、最後まで恐怖と後悔、そして懺悔の涙が流れていた。
犯人の少年が邪神への信仰により死を恐れないことを知った男は、少年に多くの情報を与えることで邪神への信仰を捨てさせた。
その結果、生に執着した少年は処刑の際に恐怖と後悔を感じ、男は娘の仇を取った。
長文解説
「何故、私の娘を殺した!」
捕らえられ、目の前に引き出された犯人に、憎しみと怒りに震える声を投げつける男。
しかし、男が犯人の顔を覆う布を取り去った直後、その表情は驚愕に変わった。
「我らの神の思し召しだ。我らの神への供物には、無垢な少女こそふさわしい」
目の前にいたのは、まだ幼さの残る少年だった。
「あの少年は生まれた時から邪神信仰の中で育てられたようです」
家臣の報告を男は苦い顔で聞いた。
「信者は谷底の集落で集団生活を送り、そこで生まれた子供は外界を知らず、邪神への信仰心のみで育てられる。邪神に従う行いのみが肯定され、信仰のために命を落とせば邪神の元で生まれ変わる…というあれか」
「左様。そのため腕のいい暗殺者が多数育ちます。彼らは捕らえられ、処刑されることを恐れません。例え殺人が法では罪でも、信仰にそれ以上の救いがあると信じているのです」
「処刑されれば信仰に殉じたことになる、か…分かった、あの少年の処遇は私が決める。下がってよい」
翌日、男は少年を捕らえた地下牢に、自分が食べるのと同様の美味しい食事と、暖かく綺麗な色の衣類を届けた。
「これは何だ。僕をどうする気だ」
「見たことも食べたこともないだろう。さあ、その服を着て、好きなだけ食べなさい」
男は少年と鉄格子を隔てて話をしながら、少年の目の前で食事を始める。
不審な目を向けるばかりだった少年も、やがて漂って来る食事の匂いに抗えず、口をつける。
「…美味い…!」
「そうだろう。君の暮らしていた場所では、こういった物はなかっただろうからね」
何日かして、男が沢山の書物を抱えて姿を見せると、少年は少し警戒を緩めて男を見た。
「今日はこれを君にあげよう。この世界のいろいろな事を書いた書物だ。君の暮らしていた場所では、こんな話は聞けなかっただろう」
また何日かして、男は美しい絵を携えて少年の元を訪れた。
「世界は広く、輝きに満ちている。この絵を見るといい。港町、雪を被った山、海に沈む夕日…君の暮らしていた場所では、こんな景色を目にすることはなかっただろう」
それからしばらくして、男は楽団を伴って姿を見せた。
「君は知らないだろう、音楽の美しさを。君の暮らしていた場所では、こんな音は聞けなかっただろう」
男の合図で、演奏が始まる。呆気に取られていた少年は、やがてその演奏に引き込まれ、いつの間にか涙を流していた。
別の時には劇団に目の前で芝居をさせた。
また別の時には、吟遊詩人にいろいろな歌を歌わせた。
やがて少年の目は、最初の頃とは明らかに変わっていった。
「…僕は、あまりに世界を知らな過ぎた。美味しい食事や美しい景色も知らなかった。笑うことも泣くことも、人の温もりも恋も知らなかった…」
少年はいまや「信仰」が間違いだったと考えるまでになっていた。
そんな日々が続いた一年後、また男が姿を見せた。
「外に出ろ」
少年の顔は喜びに輝いた。本で読み、絵で見た世界を自分の目で見られる。「信仰」に縛られることなく、「生きる」ことができる…!
しかし。
少年が引き出された先にあったのは、処刑場だった。
恐怖に顔を引きつらせた少年の耳に、男の声が聞こえる。
「さあ、神のために命を捧げなさい」
「僕にはもうあの神への信仰心はありません!」
窓一つない処刑場の冷たい床に跪かされた少年の両目から、涙が溢れる。
「嫌だ…嫌だ、あんな美しい世界を見られずに死ぬなんて!あんな素晴らしい世界に触れることがないまま死ぬなんて!」
少年の背後に処刑人が立つ。ぎらり、と光る斧を視界の隅にとらえ、少年は悲痛に叫んだ。
「お願い、殺さないで!死にたくない、死にたくないよ……っ!!」
と、少年を見据えていた男が、冷酷に笑った。
「私の可愛い娘も、きっとそう叫びながらお前に殺されたんだろうね」
降り下ろされた斧が、少年の首を斬り飛ばした。
少年の目からは、最後まで恐怖と後悔、そして懺悔の涙が流れていた。












