「とある死刑囚の手記」「8ブックマーク」
200x年6月11日
ついに俺にまた弁護士がついた。
あの事件に疑問を持ち、俺の無実を信じてくれている。
これでやっと希望の光が見えた。
200x年9月22日
おそらくそろそろ、死刑執行の日となるだろう。
俺は刑を受け入れよう。
そして、~(ここから文字がかすれて読めない)~
弁護士の手記最終ページ
私はまだまだ勉強不足だ。
死刑が執行されたのは私のせいだ。
~中略~
これから、病院に行こうと思う。
日記を補完して男が刑を受け入れるまでの経緯を説明せよ。
ついに俺にまた弁護士がついた。
あの事件に疑問を持ち、俺の無実を信じてくれている。
これでやっと希望の光が見えた。
200x年9月22日
おそらくそろそろ、死刑執行の日となるだろう。
俺は刑を受け入れよう。
そして、~(ここから文字がかすれて読めない)~
弁護士の手記最終ページ
私はまだまだ勉強不足だ。
死刑が執行されたのは私のせいだ。
~中略~
これから、病院に行こうと思う。
日記を補完して男が刑を受け入れるまでの経緯を説明せよ。
13年02月25日 00:34
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

出題し直しました。本当に申し訳ありませんでした。一応久々(?)の自信作です^^;
解説を見る
200x年5月21日
私は今、ひょんなことからとある事件の記録を読んでいる。
どうもこの事件,動機などが不鮮明で矛盾しているところがある。
少し調べてみることにする。
200x年5月30日
調べていけばいくほど、疑問点や矛盾点が浮き彫りになっていく。
どうやら証拠はDNA鑑定らしいがこの当時の鑑定精度なんてたかがしれている。
───この事件,冤罪なのではないか?
今度この事件の犯人とされている人物、海亀 亀吉氏に面会しに行こうと思う。
200x年6月11日
今日、亀吉氏と面会した。
やはり、彼は無実だ。
今日面会してそれを確信した。
この冤罪を証明しよう。
彼とともに再審請求の準備をすることにした。
自分はまだ新米だが、やれる分だけやってみよう。
200x年6月20日
今日亀吉氏に面会すると、どうも亀吉氏の様子がおかしい。
聞くと、なんと彼の妹が重度の腎臓障害だそうだ。
もともと持病でそれが悪化したと連絡があったらしい。
200x年6月21日
彼の妹に面会してみた。
彼女が助かるにはどうやら腎臓移植しかないらしい。
ずっとドナーを待っているそうだ。
とても兄想いの妹で、彼の無実をずっと一人、信じてきたそうだ。陰でなんと侮蔑され、疎まれようとも───
なんとしても彼女のためにも真実を法廷で証明させたい。
200x年6月24日
亀吉氏との三度目の面会。
彼は妹とは適合したが、一回目の移植手術で失敗したらしい。
つまり、彼はもう妹に与えられる腎臓がない。
200x年6月29日
再審が認められない。
やはりまだかなり時間がかかる。
準備が足りない。
時間が足りない・・・!
200x年7月1日
彼が再審をするのをやめると言ってきた。
どうしてだ!
理由は教えてくれなかった。
200x年9月22日
亀吉氏と面会した。
もういつ死刑執行になってもおかしくない。
彼はついに理由を話してくれた。
死刑の時に、自分が死んだらその臓器を妹に移植して欲しいと頼むそうだ。
そんな事が・・・!
混乱した私は、何も言う事が出来なかった。
200x年9月23日
冷静になって考えて、調べて、悪寒が走った。
日本では死刑囚からの臓器移植は、前例がなかったのだ!
このままでは・・・!
そう思い、彼の面会を求めたが、・・・刑は執行された後だった。
案の定、彼の最期の願いは聞きいられなかった。
なんということだ・・・
200x年9月24日
私はまだまだ勉強不足だ。
死刑が執行されたのは私のせいだ。
これは、私の罪だ───。
せめてこの罪を償う為に、彼の願いを叶えてあげよう。
私の腎臓が彼女に適合するなら、喜んで差し出そう。
仮にそうでなくても、最大限のサポートをしよう。
たとえ彼女が私を許さなくても。
これから、病院に行こうと思う。
私は今、ひょんなことからとある事件の記録を読んでいる。
どうもこの事件,動機などが不鮮明で矛盾しているところがある。
少し調べてみることにする。
200x年5月30日
調べていけばいくほど、疑問点や矛盾点が浮き彫りになっていく。
どうやら証拠はDNA鑑定らしいがこの当時の鑑定精度なんてたかがしれている。
───この事件,冤罪なのではないか?
今度この事件の犯人とされている人物、海亀 亀吉氏に面会しに行こうと思う。
200x年6月11日
今日、亀吉氏と面会した。
やはり、彼は無実だ。
今日面会してそれを確信した。
この冤罪を証明しよう。
彼とともに再審請求の準備をすることにした。
自分はまだ新米だが、やれる分だけやってみよう。
200x年6月20日
今日亀吉氏に面会すると、どうも亀吉氏の様子がおかしい。
聞くと、なんと彼の妹が重度の腎臓障害だそうだ。
もともと持病でそれが悪化したと連絡があったらしい。
200x年6月21日
彼の妹に面会してみた。
彼女が助かるにはどうやら腎臓移植しかないらしい。
ずっとドナーを待っているそうだ。
とても兄想いの妹で、彼の無実をずっと一人、信じてきたそうだ。陰でなんと侮蔑され、疎まれようとも───
なんとしても彼女のためにも真実を法廷で証明させたい。
200x年6月24日
亀吉氏との三度目の面会。
彼は妹とは適合したが、一回目の移植手術で失敗したらしい。
つまり、彼はもう妹に与えられる腎臓がない。
200x年6月29日
再審が認められない。
やはりまだかなり時間がかかる。
準備が足りない。
時間が足りない・・・!
200x年7月1日
彼が再審をするのをやめると言ってきた。
どうしてだ!
理由は教えてくれなかった。
200x年9月22日
亀吉氏と面会した。
もういつ死刑執行になってもおかしくない。
彼はついに理由を話してくれた。
死刑の時に、自分が死んだらその臓器を妹に移植して欲しいと頼むそうだ。
そんな事が・・・!
混乱した私は、何も言う事が出来なかった。
200x年9月23日
冷静になって考えて、調べて、悪寒が走った。
日本では死刑囚からの臓器移植は、前例がなかったのだ!
このままでは・・・!
そう思い、彼の面会を求めたが、・・・刑は執行された後だった。
案の定、彼の最期の願いは聞きいられなかった。
なんということだ・・・
200x年9月24日
私はまだまだ勉強不足だ。
死刑が執行されたのは私のせいだ。
これは、私の罪だ───。
せめてこの罪を償う為に、彼の願いを叶えてあげよう。
私の腎臓が彼女に適合するなら、喜んで差し出そう。
仮にそうでなくても、最大限のサポートをしよう。
たとえ彼女が私を許さなくても。
これから、病院に行こうと思う。
「死神のお迎え。」「8ブックマーク」
「始めまして、お迎えにあがりました」
「・・・あなたは?」
「私、あちらの世界で現在死神業務の方を担当しております」
「そうですか・・・私はもうすぐ死ぬのでしょうか?」
「非常に申し上げにくいですが、そうなっております」
「仕方ありません、医者も私にはさじを投げていたようですから・・・」
「更に申し上げにくいのですが、死ぬのは今すぐということに」
「・・・どうりで、さっきから苦しいと思ってたんです。」
「しかしお客様!私、死ぬ直前の方の願いを一つ叶えて差し上げます」
「本当ですか?」
「ええ、業務でございますから。」
「では、久しぶりに思いきり体を動かしたいです。」
「おやすい御用でございます、では一分間だけ叶えて差し上げますね。
それっ!」
この後私は彼を連れて行くつもりでございました
しかし彼はお亡くなりにはならなかった
皆様も「奇跡だ」と驚いておられました
どういうことか、当てていただけますでしょうか?
ちなみに私、亀夫さんではございません
業務上YesNoでしか答えませんが、何でも知っております
「・・・あなたは?」
「私、あちらの世界で現在死神業務の方を担当しております」
「そうですか・・・私はもうすぐ死ぬのでしょうか?」
「非常に申し上げにくいですが、そうなっております」
「仕方ありません、医者も私にはさじを投げていたようですから・・・」
「更に申し上げにくいのですが、死ぬのは今すぐということに」
「・・・どうりで、さっきから苦しいと思ってたんです。」
「しかしお客様!私、死ぬ直前の方の願いを一つ叶えて差し上げます」
「本当ですか?」
「ええ、業務でございますから。」
「では、久しぶりに思いきり体を動かしたいです。」
「おやすい御用でございます、では一分間だけ叶えて差し上げますね。
それっ!」
この後私は彼を連れて行くつもりでございました
しかし彼はお亡くなりにはならなかった
皆様も「奇跡だ」と驚いておられました
どういうことか、当てていただけますでしょうか?
ちなみに私、亀夫さんではございません
業務上YesNoでしか答えませんが、何でも知っております
14年08月20日 19:18
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
解説を見る
過去の事故で大怪我をし、植物人間になったこの男性
植物人間になって10年が過ぎ、お医者様も彼の回復にはさじを投げていました
彼は植物状態ながらもそれを聞き、自分がもう長くないと誤解しておられたようです。
一向に起きない夫に対し、妻はある日限界を迎えました
彼女は夫の生命維持装置を外し、病室を後にしました
彼の命が消えかけた時、私に業務連絡が入りまして
私、急いで彼の元に向かい潜在意識に語りかけました。
そして願い通り、彼は目覚め、久しぶりに体を動かそうとしました
その時、生命維持装置の異常に気付いたのです
自分が死にかけている原因はそれかもしれない、彼はそう思い
万一の可能性に賭けナースコールを押しました。
一分が過ぎ、彼の意識が内へ戻った頃ナースが現れ、異常に気づきお医者様を呼び
彼は一命を取り留めました
これがなければ私は業務をやりとげていたでしょう。
私と彼本人以外には、誰も押した人物を知らないナースコール
この不思議に気付いた皆様、口々に「奇跡だ」とつぶやいておられました
植物人間になって10年が過ぎ、お医者様も彼の回復にはさじを投げていました
彼は植物状態ながらもそれを聞き、自分がもう長くないと誤解しておられたようです。
一向に起きない夫に対し、妻はある日限界を迎えました
彼女は夫の生命維持装置を外し、病室を後にしました
彼の命が消えかけた時、私に業務連絡が入りまして
私、急いで彼の元に向かい潜在意識に語りかけました。
そして願い通り、彼は目覚め、久しぶりに体を動かそうとしました
その時、生命維持装置の異常に気付いたのです
自分が死にかけている原因はそれかもしれない、彼はそう思い
万一の可能性に賭けナースコールを押しました。
一分が過ぎ、彼の意識が内へ戻った頃ナースが現れ、異常に気づきお医者様を呼び
彼は一命を取り留めました
これがなければ私は業務をやりとげていたでしょう。
私と彼本人以外には、誰も押した人物を知らないナースコール
この不思議に気付いた皆様、口々に「奇跡だ」とつぶやいておられました
「マスクド・アサシン」「8ブックマーク」
路上にて。
それは一瞬の出来事だった。
顔を隠した男がナイフで女の胸を刺したのだ。
ナイフは急所を外れたものの女は大怪我を負った。
その様子を見て呆然としていた目撃者の一人が悲鳴を上げたと同時に
男は握っていたナイフから手を離し、その場から全速力で走り出した。
男が走っていく姿を見てしばらく誰一人動きだせなかったが、
ナイフで刺された女が3分後にあっさり男を捕まえた。
女は手しか動かせないような状態だったのに一体なぜだろうか?
それは一瞬の出来事だった。
顔を隠した男がナイフで女の胸を刺したのだ。
ナイフは急所を外れたものの女は大怪我を負った。
その様子を見て呆然としていた目撃者の一人が悲鳴を上げたと同時に
男は握っていたナイフから手を離し、その場から全速力で走り出した。
男が走っていく姿を見てしばらく誰一人動きだせなかったが、
ナイフで刺された女が3分後にあっさり男を捕まえた。
女は手しか動かせないような状態だったのに一体なぜだろうか?
14年06月20日 12:14
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
解説を見る
路上パフォーマーの田中夫妻。
得意とするのは投げナイフ。
その日も歩行者天国となった路上で行われるイベントにお呼びを受けていた。
いつものように段取りを進める田中。
十字に広げた妻の手、そして足を壁にくくりつけ、四肢の自由を奪う。
動かせるのは手の平くらいだ。
そうこうしているうちに観客が集まってくる。
田中は専用のホルダーにナイフを数本携え、30m離れた投擲場所に向かった。
まずは小手試し。
田中はナイフを五本連続で妻に向かって投擲。
そのどれもが妻の体ギリギリのところで壁に刺さった。
次が大技。目隠しナイフ投げ。
田中はアイマスクを付けて観客を煽った。
盛り上がる観客達。
その第一投。
しかし無情にもナイフは妻の胸に吸い寄せられていった。
しばしの静寂。
一人の観客の悲鳴がその静寂を掻き消した。
悲鳴は連鎖して行く。
第二投目を構えていた田中は慌てて握っていたナイフを捨て、目隠しを外す。
田中の目に写ったのは妻の体に突き刺さったナイフ。
田中は急いで妻に向かって走り出した。
妻の元にたどり着いた田中。
「だ、大丈夫か⁉︎」
「・・・うん、きゅ、急所は、外れた、みたい・・・ ナ、ナイフは、まだ、抜かない方が、いいわね・・・」
田中は少し安堵しながら妻の拘束を解いていく。
手が震えてヒモをほどくのに手間取ったが、ようやく妻に四肢の自由が戻った。
胸に刺さったナイフを気にしながら田中に覆いかぶさる妻。
「はぁ…はぁ… 捕まぁえた。 き、気にしないで、ね。まだ、208回目じゃない・・・」
「ごめん、ごめんな。(しっかりカウントしてるんだな…)」
観客達 (けっこう失敗してるな!)
得意とするのは投げナイフ。
その日も歩行者天国となった路上で行われるイベントにお呼びを受けていた。
いつものように段取りを進める田中。
十字に広げた妻の手、そして足を壁にくくりつけ、四肢の自由を奪う。
動かせるのは手の平くらいだ。
そうこうしているうちに観客が集まってくる。
田中は専用のホルダーにナイフを数本携え、30m離れた投擲場所に向かった。
まずは小手試し。
田中はナイフを五本連続で妻に向かって投擲。
そのどれもが妻の体ギリギリのところで壁に刺さった。
次が大技。目隠しナイフ投げ。
田中はアイマスクを付けて観客を煽った。
盛り上がる観客達。
その第一投。
しかし無情にもナイフは妻の胸に吸い寄せられていった。
しばしの静寂。
一人の観客の悲鳴がその静寂を掻き消した。
悲鳴は連鎖して行く。
第二投目を構えていた田中は慌てて握っていたナイフを捨て、目隠しを外す。
田中の目に写ったのは妻の体に突き刺さったナイフ。
田中は急いで妻に向かって走り出した。
妻の元にたどり着いた田中。
「だ、大丈夫か⁉︎」
「・・・うん、きゅ、急所は、外れた、みたい・・・ ナ、ナイフは、まだ、抜かない方が、いいわね・・・」
田中は少し安堵しながら妻の拘束を解いていく。
手が震えてヒモをほどくのに手間取ったが、ようやく妻に四肢の自由が戻った。
胸に刺さったナイフを気にしながら田中に覆いかぶさる妻。
「はぁ…はぁ… 捕まぁえた。 き、気にしないで、ね。まだ、208回目じゃない・・・」
「ごめん、ごめんな。(しっかりカウントしてるんだな…)」
観客達 (けっこう失敗してるな!)
「死者にツッコミ」「8ブックマーク」
眠
りから覚めた男
ドクターJKの手術は成功だ
夢じゃない・・・アザゼルさん・・・ディダムズさん・・・俺は生きてるんですね?
やっぱりか・・・そうだよなぁ・・・
理由を話した男は殴られた
何故?
【参加テーマ・これをしたら死ぬと思う】
りから覚めた男
ドクターJKの手術は成功だ
夢じゃない・・・アザゼルさん・・・ディダムズさん・・・俺は生きてるんですね?
やっぱりか・・・そうだよなぁ・・・
理由を話した男は殴られた
何故?
【参加テーマ・これをしたら死ぬと思う】
13年09月07日 21:24
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
解説を見る
男
が言うには とりあえず夢では無い
死んでいるならアザゼルさんは地獄、ディダムズさんは天国に居るはずだから同時には会えない
今ここに二人が居るって事は俺は生きてるんだと悟ったんだ
直後アザゼルに張り倒された事は言うまでもない
が言うには とりあえず夢では無い
死んでいるならアザゼルさんは地獄、ディダムズさんは天国に居るはずだから同時には会えない
今ここに二人が居るって事は俺は生きてるんだと悟ったんだ
直後アザゼルに張り倒された事は言うまでもない
「ガリガリ君」「8ブックマーク」
女はアイスの当たりを見て文句を言い、泣き出した。
そして当たりを出した男の話を聞いて、少し笑った。
状況を説明してください。
そして当たりを出した男の話を聞いて、少し笑った。
状況を説明してください。
13年02月22日 21:33
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
解説を見る
ルルルルルルル……… ルルルルルルル………
電話が鳴っている。
女は慌てて靴を脱ぎ捨てると、電話口へと急いだ。
「も、もしもし! 浦川です!」
「浦川さんですか? 首輪の裏を見て電話をさせて頂いたものです」
・・・
男に案内された場所は近所の臨海公園だった。
その公園のちょっと奥まったところ、海が見える位置にそれはあった。
少し盛り上がった土の上にチョコンと木の棒が挿さっている。
「多分、車にはねられたんでしょうね… そのままにするも可哀想だったので …あと少し言いにくいのですが、遺体の損傷が激しかったのでそのまま埋葬しました。勝手なことをして申し訳ないです」
「いえ、そこまで気を使っていただきましてありがとうございます。まったく…勝手に家を飛び出すから…」
女は男が簡易的に拵えた墓に近づき、その盛り上がった土を撫でた。
地面にポタリポタリと水滴が落ちる。
「昨日まで、あんなに元気だったのにね…」
墓をよく見てみると墓標にアイスの棒が使われていることが分かった。
その視線に気づいた男は照れながら言った。
「すいません、適当なものがなくて… でも一応そのアイスの棒、当たりなんですよ? わざわざお店に当たり棒を持っていってまでアイスと交換してもらうのが恥ずかしくて、ずっと取ってあったものを使ったんです」
女はその話を聞いて少しポカンとした後、控えめに笑い出した。
男は更に続けた。
「すいません。不謹慎でしたよね? でもハズレよりもいいかなぁと思ったんですけど…」
「フフッ… 気を使っていただいてありがとうございます。あれ?さっきもおんなじこと言った気がする… 少し元気が出ました」
「名前、なんていうんですか?」
「浦川です。浦川あさみっていいます」
「…え〜と、じゃなくて、犬のお名前…」
「・・・ッ! す、す、すいません。やだ、あたし何言ってんだろう… タロっていうんです! その子の名前!」
「そうなんですか… 私も犬を飼っているんです。だからどうしてもほっておけなくて…」
二人は海が見える公園でしばらく談笑した。
タロ「俺のこと忘れてない?」
電話が鳴っている。
女は慌てて靴を脱ぎ捨てると、電話口へと急いだ。
「も、もしもし! 浦川です!」
「浦川さんですか? 首輪の裏を見て電話をさせて頂いたものです」
・・・
男に案内された場所は近所の臨海公園だった。
その公園のちょっと奥まったところ、海が見える位置にそれはあった。
少し盛り上がった土の上にチョコンと木の棒が挿さっている。
「多分、車にはねられたんでしょうね… そのままにするも可哀想だったので …あと少し言いにくいのですが、遺体の損傷が激しかったのでそのまま埋葬しました。勝手なことをして申し訳ないです」
「いえ、そこまで気を使っていただきましてありがとうございます。まったく…勝手に家を飛び出すから…」
女は男が簡易的に拵えた墓に近づき、その盛り上がった土を撫でた。
地面にポタリポタリと水滴が落ちる。
「昨日まで、あんなに元気だったのにね…」
墓をよく見てみると墓標にアイスの棒が使われていることが分かった。
その視線に気づいた男は照れながら言った。
「すいません、適当なものがなくて… でも一応そのアイスの棒、当たりなんですよ? わざわざお店に当たり棒を持っていってまでアイスと交換してもらうのが恥ずかしくて、ずっと取ってあったものを使ったんです」
女はその話を聞いて少しポカンとした後、控えめに笑い出した。
男は更に続けた。
「すいません。不謹慎でしたよね? でもハズレよりもいいかなぁと思ったんですけど…」
「フフッ… 気を使っていただいてありがとうございます。あれ?さっきもおんなじこと言った気がする… 少し元気が出ました」
「名前、なんていうんですか?」
「浦川です。浦川あさみっていいます」
「…え〜と、じゃなくて、犬のお名前…」
「・・・ッ! す、す、すいません。やだ、あたし何言ってんだろう… タロっていうんです! その子の名前!」
「そうなんですか… 私も犬を飼っているんです。だからどうしてもほっておけなくて…」
二人は海が見える公園でしばらく談笑した。
タロ「俺のこと忘れてない?」