動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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る物に
「八」が付いたのを見て溜息をつく亀乃。
更に「二」を見て悲しむ亀乃。
とどめに「サンズイ」が付いて項垂れる亀乃。

一体どういう事?
16年01月06日 21:40
【ウミガメのスープ】 [春雨]



解説を見る


「小じわが増えたなあ……。」
I'll make you happy!「8ブックマーク」
もう、10年も前の話だ。
あの日から、ずっと待っていた。
だけど、待っても待っても、ただ時間が過ぎるだけ。
あの日の返事は、いまだに返って来ない。
だから、もういいよね……

【《亀夫君》見覚えの無い場所 「私はどこにいるの?」】

カメコ「……? ここは一体、どこなのかしら?」

カメコはあたりを見渡すが、暗くてよくわからない。
手探りで何か無いか探すと、手元に自分のものらしい、リュックが置いてあった。

カメコ「……ん、何か音が聞こえるわ。これは……通信機?」

リュックの中から、音がするものを手に取る。四角い箱のようなそれは、トランシーバーのようだ。

カメコ「誰か、誰か聞こえる?」

声を掛けると、誰かの声が聞こえた。

カメコ「この声は、ラテシンの……? もしかしたら、ラテシンのみんななら、私がいる場所が分かるかもしれないわ。みんな、私を助けて! 分かることなら何でも答えるわ!」

聞こえてくるカメコの声に、君たちは応えられるだろうか?

※最初は亀夫君形式の問題です。カメコに質問しながら、現在カメコがいる場所がどこなのかを考えてみてください。
15年12月21日 21:53
【新・形式】 [フィーカス]

誘導疲れたから多分もうやらない(




解説を見る
カメコが目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。

「……夢だったのかしら?」

そう思いながら、カメコは着替えを済ませ、散歩に出かけた。
息も凍るような冷たい空気の中、公園では元気に子供たちが遊んでいる。

「学校はそろそろ冬休みかしらね」

そんなことを思いながら、カメコはペンキの剥げた黄色いベンチに向かった。

「……そういえば、ここだったわね、10年前、あの子に……」

不意に、後ろからザッと足音が聞こえた。振り返ると、高校生くらいの男の子が立っていた。

「あら、あなたはもしかして……カメオ君?」

「は、はい、お久しぶりです、カメコさん。覚えていてくれたんですね! その、ここに来れば、また会えると思って……」

「そう……私もよ」

「え、そ、そうなんですか? なんだか、うれしいなぁ……」

顔を赤くして照れるカメオに、カメコは続けた。

「それで、10年前の答えを聞きに来たんじゃないの?」

「そ、それはその、まあ、確かに……」

「いいわ、聞かせてあげる。私の答えは……」

カメコが紡ぐ言の葉、それは、冷たい風と共に、その先の未来に流れていった。


#b#【各問題の解説】#/b#

#b#【亀夫君問題】#/b#
・リュックに入っている物:懐中電灯、トランシーバー→懐中電灯を用いて辺りを照らす
・周囲:土壁、通路のようになっている
・ずっと一本道
・壁に書かれている「lab」の文字(「labyrinth」の一部)
ことから、FA条件は#red#カメコがいる場所が迷宮である#/red#ことを導くことである。
※「迷路」には必ず分岐点があるが、「迷宮」は一本道であり交差せず、迷宮内に余すところなく通路が存在する、などという違いで区別される。

#b#【20の扉】#/b#
5桁の番号とは、#red#ラテシンの問題番号#/red#を示す。
そのうち、迷宮から脱出するためには#red#迷宮入りした問題#/red#を選ぶ必要がある。
さらに#red#石板に書かれているキーワードから、タイトルに「夢」が入った問題#/red#を選ぶ必要がある。

よって、#red#迷宮入り問題「幸夢?悪夢?」の問題番号である18082#/red#が正解である。

#b#【ウミガメのスープ】#/b#
#red#カメコは独身であり、恋人が欲しかった#/red#
夢の中では#red#年相応の好きな男性に告白された#/red#ので、そのまま正夢にならないかと思った。
しかし現実の世界では、#red#カメコよりもずっと年下、小学生からプロポーズされた#/red#。
確かにその小学生のことは大好きだったし、ある意味では正夢にはなった。しかし、いくら何でも結婚できない小学生に結婚を申し込まれては、どう答えればいいか焦ってしまったのだ。

-----------------------------

カメオ「お姉ちゃん、僕と結婚してよ。僕、お姉ちゃんのこと、きっと幸せにするから」

カメコ「……ありがとう、カメオ君。でも、その答えは、もっと大きくなってからね。そうねぇ、10年くらい経ってからかしら」

カメオ「わかった、僕、それまでずっと待ってるからね!」

D.C. Question's text.


※This title means 【I'll "迷宮" happy】.
海の見えるレストランに入ったカメオは、
注文もしていないのに、いきなりウミガメのスープを出された。
もちろんカメオは「頼んでませんが」と断ったが、
ウエイターは「きっと来るであろう貴方の為にご用意した物です」と答えた。

ウミガメのスープが出されたのは何故だろう?
14年06月28日 23:27
【ウミガメのスープ】 [セルス]



解説を見る
むかーしむかしのお話です。
海釣りをしていた帰り道、カメオは近所の子供たちがウミガメをいじめている所に遭遇し、
カメオはこれを助けました。
ウミガメはこれを大変感謝し、お礼にカメオを海の底の城-竜宮城へと連れていきました。

竜宮城の主である乙姫がカメオを出迎えました。
#b#乙姫はカメオの事を大層気に入りました#/b#。
カメオを広間へと招き入れ、宴を以て歓迎しました。
まるで夢のようなひと時に、カメオはうっとりとしました。

-#b#もう一日。もう一日だけ。#/b#

乙姫にそう言われ続け、気が付けば三年ほどの月日が経っていました。
竜宮城でのひと時はとても素晴らしいものでしたが、
自分が突然いなくなり、村の者もさぞ心配しているのではなかろうか。
カメオはそう思い、乙姫に自分を返して欲しいと頼みました。
しかし、#b#乙姫は頑としてこれを聞き入れませんでした#/b#。
#red#カメオの事をとても気に入っていた乙姫は、カメオが元の場所に帰る事を良しとしなかったのです。#/red#

-#b#貴方様がいなければ、私は生きていけません。#/b#
-#b#カメオ様、どうか、私のお傍に・・・#/b#
-#b#ずっと、ずっと、一緒に居てください・・・#/b#

そうせがまれてしまっては、面と向かってそれでも帰りたいとは言えず。
かといって、村の皆の事も心配です。
そこでカメオは、乙姫に隠れて、自分を竜宮城に連れてきたウミガメに村へ連れ帰るようお願いしました。

ウミガメにとってはカメオは恩人です。
乙姫に仕える身として難しい立場ではありましたが、恩人の願いを無碍にする訳にも行かず、
ウミガメはカメオの願いを聞き入れることにしました。
翌日の夜まで待ち、こっそりとカメオを元いた村に連れ帰る計画を立てました。

しかし不運な事に、その計画の事がどこからか乙姫の知るところとなってしまったのです。

-#b#ウミガメよ。お前の主は誰ですか?#/b#
-#b#お前の主は私です。#/b#
-#b#私が、いつ、カメオ様を連れ帰れと言いましたか。#/b#
-#b#ここまで育ててきた恩を仇で返すつもりですか。#/b#

-#red#この恩知らずめ。恥を知れ。#/red#
-#red#お前の命を以て、その大罪を償うが良い。#/red#





翌日。

カメオは乙姫と夕食を共にする約束をしていました。
カメオはこの夕食の後、ウミガメと落ち合う算段でした。

乙姫から先に行っていてほしいと言われ、竜宮城の中にあるレストランにやって来ました。
#b#窓から竜宮城の外、つまり海底の様子が見えるそのレストラン#/b#は、カメオにとっても既に馴染みの場所でした。

乙姫に誘われるままカメオが席につくや否や、いきなり料理が運ばれてきました。
運ばれてきたのはスープのようです。カメオの分と、まだこの場に現れぬ乙姫の分の、二人分。
しかし、カメオにはこれを注文した覚えなどありません。
「頼んでませんが」
ウエイターにそう断りましたが、ウエイターは
「きっと来るであろう貴方の為にご用意した物です」と答えました。
いつもと少し違う対応に戸惑いながらも、カメオはそれ以上の追求をしませんでした。

しばらくして、乙姫が現れました。

-#b#あら、今日はお仕事が早いようですわ。#/b#

既にテーブルの上に運ばれていたスープを見て乙姫が呟きました。

「乙姫様、#red#この料理は貴女が運ばせたのですか?#/red#」
-#b#ええ。これは#/b##red#貴方のために、今日だけ特別に用意させた料理なんですよ。#/red#
「特別な料理?・・・一体何ですか?」
-#b#ふふ・・・知りたいですか?#/b#



-#red#これは、ウミガメのスープです。#/red#
-#red#私の恩を受けながら、私の意に反し、貴方を元いた場所へ連れ去ろうとした#/red#
-#red#そう、愚かなるあのウミガメ。貴方を竜宮城へと連れてきたあの子の肉で作ったスープです。#/red#
-#red#あの子は死にました。これで貴方はもう、ここから帰ることは叶いません。#/red#



-#red#・・・だから、ね?#/red#
-#red#もう二度と、帰りたいなどと仰らないで、ずぅっと、ここで一緒に暮らしましょう?#/red#
-#red#ずぅっと、ずぅーっと。貴方が死ぬまで。ね?#/red#



-#b#・・・ふふ。#/b#
-#b#っふふふふ。#/b#





-#red#あははははははははは!アッハッハハあハハハアぁハアアアハハはハハッハハハハッはアハ…#/red#



狂気に満ちた声で笑う乙姫の姿に、カメオは恐怖で震えた。



※要約
助けたウミガメに竜宮城に連れられて来たカメオ。
しかし、帰るための唯一の手段であるウミガメを乙姫に殺されてしまった。
乙姫は竜宮城のレストランに手配し、殺したウミガメを、見せしめとしてスープにしてカメオに出させた。

こうしてカメオは、ヤンデレ乙姫の手により、一生竜宮城に軟禁されることとなった。
【●●●●●●】「8ブックマーク」
解はカタカナ6文字。

それを当ててください。

14年05月14日 22:32
【20の扉】 [のりっこ。]



解説を見る
回答中にある暗号の様な言葉は、
その質問の

4番目の文字
2番目の文字
『 、』を挟んで
1番目の文字
9番目の文字
5番目の文字

つまり、

42.195

を表す。



解は【フルマラソン】だ。

笑顔の君に会いたくて「8ブックマーク」
兎美ちゃんはとってもクールな女の子。
誰にも笑顔を見せることなく、いつも冷たくあしらいます。

きらきーちゃんはいつも明るい女の子。
みんなに優しく、いつも周囲に笑顔を振りまきます。

そんな二人がある日出会って。
きらきーちゃんは兎美ちゃんに言いました。

「もし兎美ちゃんが死んだとしても、自分は絶対悲しみません」

兎美ちゃんは喜びました。

なぜ?
14年05月11日 18:05
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]

17作目です。女の子同士の友情は大好きです。




解説を見る
名前:水平兎美
性別:女
年齢:15歳
血液型:AB型
余命:1年

生まれた時から体の弱く、ずっと入院を続けてきた私だけれど、流石に余命1年と告げられた時は愕然とした。
薄々覚悟はしていた。
15年間も付き合ってきた体だから、いまさらドラマみたいに奇跡が起こって普通の日常に戻れる…なんてことがありえないのは分かっていた。
それでも…これは堪える。
自分の可能性がことごとく摘み取られるような、先に広がっているはずのレールが全部外されるような、そんな喪失感。
馬鹿みたいに熱い、夏の日のことだった。

それから私は、笑うことが無くなった。
より正確にいうなら、笑えなくなってしまった。
足しげく通ってくれる両親、祖父母、妹に数少ない友人。
彼らに会いたくない。
言葉を交わしたくない。
…生きていくみんなに、弱音を吐きたくない。
そんな気持ちばかりが先走りして、みんなを避けるようになった。

体調が悪い、といって面会を拒否して。
薬で朦朧としているフリをしてやり過ごし。
避けられない時は、ずっと視線を合わせずに無視して。

また来るね、といって帰っていく姿を見るのが辛い。
本音をいうなら、ずっと一緒にいてほしい。
泣きごとを聞いてほしい。
叫び散らしたい。
どうして私だけ死ななきゃいけないのか。
どうして私は普通に生きることもできないのか。
それが言えたらきっと楽になるだろう。
…でもそれは、逆にみんなに重荷を背負わせることになる。
だから私は…これでいいんだ。

嫌われよう。
困ったやつになろう。
無口なお人形になろう。
何を言われても返事をしなければ、みんなそのうち愛想を尽かすだろう。
大丈夫。
我慢できる。
だって、たったの1年だから。


…月日は流れて、冬。
病院の窓から見える景色は、どんよりと淀んだ曇り空。
いっそ雪でも降れば少しはロマンがあるというのに、空気はじっとりと湿って、むしろ雨でも降りそうな気配。
思わず気が滅入るような、そんな日に…あの子と出会った。
ずっと一人だった私の病室。
そこに相部屋として入ってきた、あの騒がしい子に。

「どうもっ!海亀きらきーっす、よろしくおねがいしゃーっす!」
「…………」

なんだこいつは、と思った。
見たところ、私とそう変わらない年に見える少女。
さっぱりしたショートカットに、すらっとした長身。私服だと男の子と間違われそうな中性的な子。
しかしそのテンションは、何かおかしい…というかヤバイ。
体育会系というか、遠足当日の小学生というか、十代半ばで保っていいテンションではない。
…いや、辛うじてそれは認めるとしても、病院で保っていいテンションでは断じてない。

「いやー、同室は同い年の女の子って聞いてたから、チョー楽しみだったっす。あ、兎美ちゃんっていうんですよね。名前で呼んでもいいですか?というか呼びますね。仲良くしてください!」
「…………」
「無視された!?なーんてね、ふっふっふ。ちゃんと看護師さんから噂は聞いてるんですよ。全然口を開いてくれないこの病棟のプリンセス。ひと呼んで【沈黙の姫君】の噂は!」

いや、これは無視とかそんなのじゃなくて、唖然としているだけというか。
…っていうかなんだその噂は!
人にそんな恥ずかしいあだ名をつけているのかあの看護師たちは!
中二か!!
久しぶりに心の中で総ツッコミだ。

「でも兎美ちゃん。それ、疲れるでしょ?」

突然。
真面目な声で問いただされた。
一瞬、違う人が部屋に来たのかと思った。
でも、ここにいるのは私と彼女だけだ。
さっきまでと同じ…にこにこと笑みを浮かべた彼女だけ。

「………」
「噂は聞いたっす。ええ。もう半年もずっと、口を開いてないんですよね。嫌われたくて、ずっと黙ってるんですよね」
「………っ!」

見透かしたように。
見通したように。
笑顔で、彼女は。

「死ぬのが怖くて心を閉ざした…なんて思う人もいますけど、違いますよね。死ぬのが分かってるから、いなくなるのが分かってるから、せめてその時に負担を軽くしようと…みんなの中から、自分を減らそうと頑張ってる」

「………」

「死んだ後に悲しませたくないから、生きてる間に冷たくするんっすよね」

「………れ」

「でもそれって…本末転倒だと思うっす」

#b#「五月蠅い黙れぇ!!」#/b#

久しぶりに出した声は、どこか他人のようで。
正体不明の痛みが胸を襲う。
ギリギリ、ギリギリ。刺すような痛みに顔が歪む。
くそ。なんだこいつは。こいつのせいだ。
唇をかみしめて睨みつける…しかしきらきーと名乗った女の顔には、変わらず笑顔。

「当たり…みたいっすね」
「…だったらなんだっていうの」
「それ、疲れるだけっすよ」

また。
同じことをこいつは。

「…なにを、知ったようなことを…アンタに関係ないでしょ!」
「そうっすね。関係ないです…でも、素直にすごいとは思ってるっす」
「何を…」
「自分は一月、我慢できませんでした」
「…ぇ?」
「自分も、突き離そうって頑張ってみたんですけどね…付き合ってた彼氏振ったり、他の友達をくっつけようとしたり、家で大暴れしてみたり…でも一月で我慢できなくなって、泣きついちゃいました」

そうだ。
ここにいるということは、彼女もそうのはずなのだ。
この子の馬鹿みたいな笑顔に騙されていた。
ここは終末期の人間が訪れる特別病棟。
退院の見込みがなくなった患者の流刑地。
ただ死を待つだけの場所。

「兎美ちゃんは、いつまでっすか?」

誕生日でも聞くような、自然な問いかけ。
茫然としていた私は思わず答えてしまう。

「…次の蝉の声は、聞けないわ。血液の癌よ」
「それなら自分の勝ちっすね!」

そう言って、彼女は自分の頭を軽く叩き。

「ここに腫瘍が出来ちゃいまして。自分は、次の桜を見れません。あと3ヶ月っす」
「……っ!」

この子は。
私よりずっと早く、死ぬことが決められている。
それなのに、こんな風に笑みを浮かべている。
楽しそうに笑っている。

「…なんで笑えるのよ。3ヶ月なんですぐじゃない」
「そっすね。アニメ1クール分っす」
「じゃあなんでへらへら笑ってるのよ!」
「だって、いつ死ぬかわかんねーですし」

きらきーは。
悪戯っこのように笑って。

「最後の顔が笑顔って、サイコーじゃないっすか」


「………ぁ」

唖然とした。
この子は現実から逃げてるわけでもなく、やけになったわけでもなく。
いつ死んでも悔いを残さないように。
いつ死んでも残された人が安心できるように。
ずっと笑顔を保っているんだ。
死の恐怖も、喪失の痛みも堪えてずっと。

「兎美ちゃんは、大事な人を悲しませたくないから、突き放すんですよね」
「…そうよ」
「悪いとは言いません。でもそれってやっぱり、けっこー辛いと思うんっすよ」
「じゃあ何?いまさらあんたみたいにへらへらしろっていうの?」
「そっすねー。それも素敵っすけど、いきなりは恥ずかしいでしょう?」

経験者だからだろうか。
なんだか妙に子供扱いされている気分だ。

「とりあえず、自分には本音でぶつかってくれて平気っすよ」
「平気…?」
「自分、兎美ちゃんより先に死にますから」
「……っ」
「もし兎美ちゃんが死んだとしても、自分は絶対悲しみません」

この子は。
どうしてこんな見透かした風に言うんだ。
どうして私に逃げ道を与えるようなことばかり言うんだ。
死の間際に、なんで他人のことなんかに気を使って…。

…ああ。そうか。
結局この子も私と同じなんだ。

私は残される人の悲しみを減らしたくて。

この子は残される人の笑顔を増やしたくて。

方法は違うけど、やりたいことは一緒で。
つまりは今も…。

「…お断りよ」
「えええぇ!?そ、そんな!完璧な口説き文句だと思ったのに!?」
「どこが。『貴方より先に死にます』って、プロポーズだとしても最低よ」
「そんなぁ~…」

気が抜けたように床にへたり込むきらきー。
いちいちリアクションがオーバーな子だ。
見ているだけで疲れるし、相手をするのはもっと疲れる。
でも…。

「…3ヶ月だけなら、付き合ってあげるわ」
「ぇ…ま、マジっすか!」
「勘違いしないで。断って毎日しつこく言われてもうっとうしいからよ」
「むはー!生で『勘違いしないで』いただきましたー!」
「あ、どうしよう。いらっとする。やっぱり3ヶ月って言わずに今すぐ死んでちょうだい」
「冗談きついっすよ兎美ちゃん!?」
「本音よ」

本当に、いちいち反応が鬱陶しい子だ。
見ているだけで疲れるし、相手にするのはもっと疲れる。
でも…他に疲れることもないここなら、丁度いいかもしれない。

「兎美ちゃんー。ツンだけじゃなくてデレ見せてくださいよー。ツンデレは配分が大事なんっすよー?」
「しねばいいのに」

眩しいほどの笑顔を浮かべる彼女を罵倒して。
半年後に、こんな顔で死んでいる自分を妄想し、苦笑した。