「【童話】ラテずきん【要知識】」「1ブックマーク」
母「森に住むおばあ様にお見舞いに行ってちょうだい。ほら、お土産にワインとパンを持って、それとオオカミには気をつけて行きなさい。」
ある日、お母様から蓋付きの綺麗なバスケットを渡され頼まれたラテずきんは、おばあ様の家へと向かった。
オオカミ「うぇっへへ美味そうな嬢ちゃんじゃねぇか、俺と花摘みしようや」
ラテずきん「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」
お土産をオオカミに投げつけて逃げました。
おばあ様の家に着き、振り返ってみるとオオカミは追ってきていませんでした。
ラテずきん「おばあ様、さっきオオカミに会ったの。」
おばあ様「まぁっ!大事な大事なラテずきんや、お前は無事なのかい?
」
ラテずきん「ええ、私は大丈夫よおばあ様!でもお土産のワインとパン置いてきちゃった……」
おばあ様「そうか……ラテずきんは無事なら、良かった良かった。」
そう言ってニッコリ笑ったおばあ様に、ラテずきんは笑い返したのでした。
この状況を説明してください。
ある日、お母様から蓋付きの綺麗なバスケットを渡され頼まれたラテずきんは、おばあ様の家へと向かった。
オオカミ「うぇっへへ美味そうな嬢ちゃんじゃねぇか、俺と花摘みしようや」
ラテずきん「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」
お土産をオオカミに投げつけて逃げました。
おばあ様の家に着き、振り返ってみるとオオカミは追ってきていませんでした。
ラテずきん「おばあ様、さっきオオカミに会ったの。」
おばあ様「まぁっ!大事な大事なラテずきんや、お前は無事なのかい?
」
ラテずきん「ええ、私は大丈夫よおばあ様!でもお土産のワインとパン置いてきちゃった……」
おばあ様「そうか……ラテずきんは無事なら、良かった良かった。」
そう言ってニッコリ笑ったおばあ様に、ラテずきんは笑い返したのでした。
この状況を説明してください。
17年06月18日 23:10
【ウミガメのスープ】 [Coffee]
【ウミガメのスープ】 [Coffee]
解説を見る
キリスト教において、パンはキリストの肉、ワインはキリストの血と言われます。
ここでお母様の言うパンとワイン=肉と血という風に考えましょう。
オオカミが追ってこなかったのは肉と血が投げつけられたからですね。ラテずきん助かったね、良かった良かった。
おばあ様へのお土産の肉と血は、獣の物だといいですね。もし獣でなかったら、そのお土産の代わりが目の前にいると#red#ついつい食べちゃうかも#/red#ですからね。
ここでお母様の言うパンとワイン=肉と血という風に考えましょう。
オオカミが追ってこなかったのは肉と血が投げつけられたからですね。ラテずきん助かったね、良かった良かった。
おばあ様へのお土産の肉と血は、獣の物だといいですね。もし獣でなかったら、そのお土産の代わりが目の前にいると#red#ついつい食べちゃうかも#/red#ですからね。
「純白」「1ブックマーク」
彼は妹に会えて喜んだ。
そして暫くして、彼は心配した。
最後に彼は微笑んだ。
何があったのだろうか。
そして暫くして、彼は心配した。
最後に彼は微笑んだ。
何があったのだろうか。
11年05月01日 20:41
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
解説を見る
夕方、テレビを見ていると、電車が横転したというニュースがやっていた。
それを見た時、俺は背筋が寒くなった。
テレビに映る、横転して大破した電車は、妹が乗っている筈の電車だから。
ちらりと時計を見る。いつもなら帰ってきてもいい時間なのに。
いや、違う。きっと違う。きっと部活が長引いたんだ。そうに違いない。だからあの電車には乗らなかったんだ。
自分にそう言い聞かせるという無駄な行為は、ドアチャイムの音で中断された。
気怠い気分で扉を開けると、そこには妹がいた。
「ごめんごめん。部活長引いちゃってさ……電車が横転したんだって? 心配かけてごめんね」
手を合わせ、ウインクをする妹。謝る時の癖だ。
俺はほっと息を吐いた。内心、安堵感でいっぱいだった。
妹が「お腹空いた」と駄々をこね始める前に、晩御飯の準備に取り掛かる。
ふと気付いた。飼い猫がさっきから見当たらない事に。
そんなこと何度でもあったから、同じようにいつの間にか戻って来るだろう。猫ってのは気紛れだし。
でもちょっとだけ心配だ。お腹が空けば戻るだろうな、と器に猫缶を盛り、適当な場所に置いておく。
晩御飯を食べている最中、妹がその方向を見ていたような気がしたのは気のせいだったのだろうか。
翌朝、目覚まし時計の音ではなく、電話の音で目が覚めた。
寝ぼけ眼をこすりながら、電話に出る。相手は警察からだった。
「先日の列車事故の遺体の中に、妹さんの遺体がありました」
その事を聞いた俺は愕然とした。
妹はちゃんといる。昨日だって晩御飯を食べた。テレビを見て笑っていた。
受話器を放り出し、妹の部屋を開けてみる。
誰もいなかった。それどころか、妹が昨日持ち帰った鞄もなかった。
妹は忽然と姿を消した。まるで、自分はもう役目を終えた、と言うように。
学校から帰った後、警察病院の死体安置所に行った。
妹はベッドの上ではなく、そこで眠っていた。傷一つ無いのはエンバーミングのお陰だろう。
肩を落とし、しょんぼりと家に帰った俺の足に、飼い猫がすり寄ってきた。
全く、タイミングの良い時に帰って来るんだから。
俺はしゃがみ込み、純白の頭を撫でた。いつも妹が洗っていた純白の毛。
頭を撫でながら、俺は気付いた。妹がいる時、こいつはいなかった。妹がいなくなった時、こいつはひょっこり現れた。
俺は微笑み、猫を抱き上げた。
「そうだったな。お前がいたんだな」
それを見た時、俺は背筋が寒くなった。
テレビに映る、横転して大破した電車は、妹が乗っている筈の電車だから。
ちらりと時計を見る。いつもなら帰ってきてもいい時間なのに。
いや、違う。きっと違う。きっと部活が長引いたんだ。そうに違いない。だからあの電車には乗らなかったんだ。
自分にそう言い聞かせるという無駄な行為は、ドアチャイムの音で中断された。
気怠い気分で扉を開けると、そこには妹がいた。
「ごめんごめん。部活長引いちゃってさ……電車が横転したんだって? 心配かけてごめんね」
手を合わせ、ウインクをする妹。謝る時の癖だ。
俺はほっと息を吐いた。内心、安堵感でいっぱいだった。
妹が「お腹空いた」と駄々をこね始める前に、晩御飯の準備に取り掛かる。
ふと気付いた。飼い猫がさっきから見当たらない事に。
そんなこと何度でもあったから、同じようにいつの間にか戻って来るだろう。猫ってのは気紛れだし。
でもちょっとだけ心配だ。お腹が空けば戻るだろうな、と器に猫缶を盛り、適当な場所に置いておく。
晩御飯を食べている最中、妹がその方向を見ていたような気がしたのは気のせいだったのだろうか。
翌朝、目覚まし時計の音ではなく、電話の音で目が覚めた。
寝ぼけ眼をこすりながら、電話に出る。相手は警察からだった。
「先日の列車事故の遺体の中に、妹さんの遺体がありました」
その事を聞いた俺は愕然とした。
妹はちゃんといる。昨日だって晩御飯を食べた。テレビを見て笑っていた。
受話器を放り出し、妹の部屋を開けてみる。
誰もいなかった。それどころか、妹が昨日持ち帰った鞄もなかった。
妹は忽然と姿を消した。まるで、自分はもう役目を終えた、と言うように。
学校から帰った後、警察病院の死体安置所に行った。
妹はベッドの上ではなく、そこで眠っていた。傷一つ無いのはエンバーミングのお陰だろう。
肩を落とし、しょんぼりと家に帰った俺の足に、飼い猫がすり寄ってきた。
全く、タイミングの良い時に帰って来るんだから。
俺はしゃがみ込み、純白の頭を撫でた。いつも妹が洗っていた純白の毛。
頭を撫でながら、俺は気付いた。妹がいる時、こいつはいなかった。妹がいなくなった時、こいつはひょっこり現れた。
俺は微笑み、猫を抱き上げた。
「そうだったな。お前がいたんだな」
「カフェ・ラテ3~注文の少ない喫茶店~」「1ブックマーク」
注文された品を、客のところへ持っていくと、突然その客は怒りだした。
私は確かに注文通りの品を持って行った筈だ。
なのに何故。
私は確かに注文通りの品を持って行った筈だ。
なのに何故。
11年05月14日 14:17
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
解説を見る
「ナポリタンを一つ」
とあるお客様が、私にそう言いました。
私は早速、スパゲッティ・ナポリタンを作り、お客様のところへ持って行きました。
この喫茶店で食事を召し上がるなんて珍しいな、と調理中に思いましたが、まあ一見様なのでそうなるでしょうね。
お客様のテーブルにナポリタンを置いた時、それを見たお客様が私に言いました。
「頼んだものと違うじゃないか!」
私は首を傾げました。
確かにナポリタンを頼まれた筈なのに、それをちゃんと持ってきたのに何故注文と違うのか。
「これがナポリタンですが……」私がお客様にそう言ったところ、お客様はこう仰いました。
「俺が頼んだナポリタンは、ナポリタンアイスのことなんだけど」
ナポリタンアイス。バニラ、苺、チョコの三色アイスのことだと、後で知りました。
どうやらお客様も、メニューに書かれていた「ナポリタン」を勘違いしたようです。
その後、ちゃんとメニューは「スパゲッティ・ナポリタン」と「ナポリタンアイス」と書き直しました。
「ナポリタンを一つ」
今ではそのお客様も常連様。
私はすぐに、ナポリタンアイスを運びました。
すると、お客様はちょっと苦笑いして、
「今日はスパゲッティの方が食べたかったんだけどなぁ」
と、仰いました。
とあるお客様が、私にそう言いました。
私は早速、スパゲッティ・ナポリタンを作り、お客様のところへ持って行きました。
この喫茶店で食事を召し上がるなんて珍しいな、と調理中に思いましたが、まあ一見様なのでそうなるでしょうね。
お客様のテーブルにナポリタンを置いた時、それを見たお客様が私に言いました。
「頼んだものと違うじゃないか!」
私は首を傾げました。
確かにナポリタンを頼まれた筈なのに、それをちゃんと持ってきたのに何故注文と違うのか。
「これがナポリタンですが……」私がお客様にそう言ったところ、お客様はこう仰いました。
「俺が頼んだナポリタンは、ナポリタンアイスのことなんだけど」
ナポリタンアイス。バニラ、苺、チョコの三色アイスのことだと、後で知りました。
どうやらお客様も、メニューに書かれていた「ナポリタン」を勘違いしたようです。
その後、ちゃんとメニューは「スパゲッティ・ナポリタン」と「ナポリタンアイス」と書き直しました。
「ナポリタンを一つ」
今ではそのお客様も常連様。
私はすぐに、ナポリタンアイスを運びました。
すると、お客様はちょっと苦笑いして、
「今日はスパゲッティの方が食べたかったんだけどなぁ」
と、仰いました。
「【ラテクエ錠】タンゴ」「1ブックマーク」
娘と一緒に晩御飯を食べていた。
食べ終わった後、娘はいきなり泣き出した。
何があったのだろうか。
食べ終わった後、娘はいきなり泣き出した。
何があったのだろうか。
11年04月30日 23:42
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
解説を見る
「ど、どうしたの? お魚さんの骨が喉に刺さったの?」
今日の晩御飯は焼き魚と味噌汁とご飯。一般的な日本の食卓だ。
パパは帰ってくるのが遅く、私と娘の二人だけの、けれど楽しい食卓。
だった筈なのに、晩御飯を食べ終わると、娘はいきなり泣き出した。
心配になって、魚の骨が喉に刺さったのか、と訊いたら、彼女は首を横に振った。
「ちがうの。あのね、あのねママ」
娘はしゃくり上げながら、ゆっくりと喋り出した。
どうやら昼、友達と遊んでいた時に、一匹の魚で喧嘩していた猫を見かけたらしい。
だから、自分は争わずに食べちゃってよかったのか、と小さいながらも罪の意識に苛まれたらしい。
それを母に話すと、母は笑って、「あんたも同じような事あったじゃない」と言った。
晩御飯で泣いた記憶なんてなかったから、私はどういうことかと訊いた。
「あんた、あんなに泣いてたのに忘れたの?」母はまた笑って、話し始めた。
私が、私の娘ぐらいの年齢だった頃、近所の黒猫と仲が良かったらしい。
元々私が生まれる前から近所にいて、母もよく餌付けをしていたせいか、黒猫も私たち一家に懐いていた。
母は、その猫はまるで私のお兄さんというか、私を守る騎士のようだったと言った。
私が近くをよちよちと散歩する時は、いつも付き添っていたらしい。
私もその黒猫が大好きで、「わたしのこいびとなのよ!」とよく自慢げに母に話していたという。
「黒猫のタンゴか」と思ったわ、と笑いながら言う母の声が受話器を通して聞こえた。
うーん……思い出せそうで思い出せない……
ある日、小さな私は、野良猫に襲われた。
それを助けてくれたのが、その黒猫だった。
二匹の戦う鳴き声は結構遠くまで響いたらしく、近所の人たちみんなが外に出た。
人間たちが大勢来たからか、その野良猫は退散した。
そこまで聞いた時、私の記憶の鍵が外れる音が聞こえた気がした。
けたたましい猫の鳴き声。夕暮れ時の赤い陽光。
そしてアスファルトに広がる……
「もういいよお母さん……もういい。思い出しちゃった……」
黒猫は、冷たいアスファルトに横たわり、弱く息をしていた。
腹から流れ出た大量の血に、私は何も言えなくなったのだ。
怖くて、野良猫のことが、黒猫が死ぬことが、怖くて怖くて、何も言葉が出てこなかった。
黒猫が死ぬまで、時間はそうかからなかった。
その日の晩御飯は焼き魚。黒猫が好きだった魚を見て、その死の瞬間を思い出したのか、私はずっと泣き続けていたらしい。
目の前で初恋の相手を喪った。そのショックから、私は無意識のうちにこの記憶に鍵をかけていたようだ。
涙が、膝の上に落ちた。ズボンに転々とできるシミは、数を増していく。
どこに埋めたかな。お墓参りして、そして忘れててごめんって謝らなきゃ。
そう思った時、母が突然思い出したように口を開いた。
「そうだ、ねえ、あの黒猫に名前つけてたじゃない? シュヴァルツって」
「ああうん……そういえばそうだったね」
「いやぁ……あんたがさ、それをシュヴァちゃん、シュヴァちゃん呼ぶのは流石に止めてほしかったわ。笑い堪えるのに必死だったから。それじゃあシュヴァルツネッガーじゃないかって(笑)」
私は、母のあまりの空気の読めなさに絶句した。
今日の晩御飯は焼き魚と味噌汁とご飯。一般的な日本の食卓だ。
パパは帰ってくるのが遅く、私と娘の二人だけの、けれど楽しい食卓。
だった筈なのに、晩御飯を食べ終わると、娘はいきなり泣き出した。
心配になって、魚の骨が喉に刺さったのか、と訊いたら、彼女は首を横に振った。
「ちがうの。あのね、あのねママ」
娘はしゃくり上げながら、ゆっくりと喋り出した。
どうやら昼、友達と遊んでいた時に、一匹の魚で喧嘩していた猫を見かけたらしい。
だから、自分は争わずに食べちゃってよかったのか、と小さいながらも罪の意識に苛まれたらしい。
それを母に話すと、母は笑って、「あんたも同じような事あったじゃない」と言った。
晩御飯で泣いた記憶なんてなかったから、私はどういうことかと訊いた。
「あんた、あんなに泣いてたのに忘れたの?」母はまた笑って、話し始めた。
私が、私の娘ぐらいの年齢だった頃、近所の黒猫と仲が良かったらしい。
元々私が生まれる前から近所にいて、母もよく餌付けをしていたせいか、黒猫も私たち一家に懐いていた。
母は、その猫はまるで私のお兄さんというか、私を守る騎士のようだったと言った。
私が近くをよちよちと散歩する時は、いつも付き添っていたらしい。
私もその黒猫が大好きで、「わたしのこいびとなのよ!」とよく自慢げに母に話していたという。
「黒猫のタンゴか」と思ったわ、と笑いながら言う母の声が受話器を通して聞こえた。
うーん……思い出せそうで思い出せない……
ある日、小さな私は、野良猫に襲われた。
それを助けてくれたのが、その黒猫だった。
二匹の戦う鳴き声は結構遠くまで響いたらしく、近所の人たちみんなが外に出た。
人間たちが大勢来たからか、その野良猫は退散した。
そこまで聞いた時、私の記憶の鍵が外れる音が聞こえた気がした。
けたたましい猫の鳴き声。夕暮れ時の赤い陽光。
そしてアスファルトに広がる……
「もういいよお母さん……もういい。思い出しちゃった……」
黒猫は、冷たいアスファルトに横たわり、弱く息をしていた。
腹から流れ出た大量の血に、私は何も言えなくなったのだ。
怖くて、野良猫のことが、黒猫が死ぬことが、怖くて怖くて、何も言葉が出てこなかった。
黒猫が死ぬまで、時間はそうかからなかった。
その日の晩御飯は焼き魚。黒猫が好きだった魚を見て、その死の瞬間を思い出したのか、私はずっと泣き続けていたらしい。
目の前で初恋の相手を喪った。そのショックから、私は無意識のうちにこの記憶に鍵をかけていたようだ。
涙が、膝の上に落ちた。ズボンに転々とできるシミは、数を増していく。
どこに埋めたかな。お墓参りして、そして忘れててごめんって謝らなきゃ。
そう思った時、母が突然思い出したように口を開いた。
「そうだ、ねえ、あの黒猫に名前つけてたじゃない? シュヴァルツって」
「ああうん……そういえばそうだったね」
「いやぁ……あんたがさ、それをシュヴァちゃん、シュヴァちゃん呼ぶのは流石に止めてほしかったわ。笑い堪えるのに必死だったから。それじゃあシュヴァルツネッガーじゃないかって(笑)」
私は、母のあまりの空気の読めなさに絶句した。
「Lilie」「1ブックマーク」
勇敢な女性がいた。
彼女はずっと、見知らぬ人からの電話に悩まされていた。
電話に出ても中々相手は喋ろうとしない。
悪質な悪戯だと思い、彼女はキツい口調で、迷惑だと言い電話を切った。
それ以降、電話はかかってくることがなかったが、彼女は大変後悔した。
何故彼女は後悔したのだろうか。
彼女はずっと、見知らぬ人からの電話に悩まされていた。
電話に出ても中々相手は喋ろうとしない。
悪質な悪戯だと思い、彼女はキツい口調で、迷惑だと言い電話を切った。
それ以降、電話はかかってくることがなかったが、彼女は大変後悔した。
何故彼女は後悔したのだろうか。
11年04月23日 23:18
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
【ウミガメのスープ】 [アイゼン]
解説を見る
間違い電話が止んだ数週間後、彼女は信じられない知らせを受けた。
一番仲の良かった、大好きだった幼馴染が死んだらしい。会社での虐めを苦にした自殺だそうだ。
信じられないという気持ちのまま、彼女は幼馴染の葬式に行った。
葬式は数人の親族と、彼女だけの非常にささやかなもので、より寂しさを感じられた。
葬式の後、彼女は幼馴染の母親から、「遺書に渡すように書いてあったから」と缶の箱を手渡された。
幼馴染が大切にしていたものが詰まっているものらしい。彼女は複雑な気持ちながら、幼馴染の遺志なら、とそれを受け取った。
家に帰り、蓋を開けると、一番上に手紙が置いてあった。
彼女は手紙の封を開け、中の手紙を読むと、息を呑んだ。
「ごめんね」で始まり、「ごめんね」で終わる手紙。幼い頃の思い出から、今に至るまでの経緯、思いが書き綴られた手紙。
ぽたり、ぽたりと落ちる涙が、便箋のインクを滲ませた。
「私、ちょっと頼り過ぎてたみたい。ごめんね、迷惑だったよね。言ってくれてありがとう」
この一文を読み、彼女は全てを悟った。あの電話は幼馴染からの電話だったのだと。
彼女は、幼馴染に頼られる事が嬉しかった。あの子の為なら何でもしてあげられると思っていた。
なのに、あの子の願いを断ち切ってしまった。大好きな、愛していたあの子を死に追いやったのは私だ!
手紙を握り締めたまま、彼女は崩れ落ちた。自責の念に押し潰されそうだった。
溢れ出る涙は、枯れることなく流れ続ける。止まらない、止められない。
「ごめんね」を連呼しながら、泣き崩れる彼女の脳裏には、百合のように白い肌の、柩の中で眠る幼馴染の姿があった。
一番仲の良かった、大好きだった幼馴染が死んだらしい。会社での虐めを苦にした自殺だそうだ。
信じられないという気持ちのまま、彼女は幼馴染の葬式に行った。
葬式は数人の親族と、彼女だけの非常にささやかなもので、より寂しさを感じられた。
葬式の後、彼女は幼馴染の母親から、「遺書に渡すように書いてあったから」と缶の箱を手渡された。
幼馴染が大切にしていたものが詰まっているものらしい。彼女は複雑な気持ちながら、幼馴染の遺志なら、とそれを受け取った。
家に帰り、蓋を開けると、一番上に手紙が置いてあった。
彼女は手紙の封を開け、中の手紙を読むと、息を呑んだ。
「ごめんね」で始まり、「ごめんね」で終わる手紙。幼い頃の思い出から、今に至るまでの経緯、思いが書き綴られた手紙。
ぽたり、ぽたりと落ちる涙が、便箋のインクを滲ませた。
「私、ちょっと頼り過ぎてたみたい。ごめんね、迷惑だったよね。言ってくれてありがとう」
この一文を読み、彼女は全てを悟った。あの電話は幼馴染からの電話だったのだと。
彼女は、幼馴染に頼られる事が嬉しかった。あの子の為なら何でもしてあげられると思っていた。
なのに、あの子の願いを断ち切ってしまった。大好きな、愛していたあの子を死に追いやったのは私だ!
手紙を握り締めたまま、彼女は崩れ落ちた。自責の念に押し潰されそうだった。
溢れ出る涙は、枯れることなく流れ続ける。止まらない、止められない。
「ごめんね」を連呼しながら、泣き崩れる彼女の脳裏には、百合のように白い肌の、柩の中で眠る幼馴染の姿があった。