「3月坊主」「1ブックマーク」
男が私の宝物だといって見せた箱の中身は、三ヶ月分の内容が書かれた複数の日記だった
何故これが男の宝物なのだろう?
何故これが男の宝物なのだろう?
16年08月03日 22:19
【ウミガメのスープ】 [OUR]
【ウミガメのスープ】 [OUR]
解説を見る
男は遠洋漁業を生業とする漁師である、彼の乗る船は9ヶ月の間日本を離れ、陸の家族と過ごせる期間は三ヶ月に過ぎない
その三ヶ月の間男は欠かさず日記を付け、船の上でふと家族が恋しくなった時に読み返すのだ
辛い海の上でも色褪せぬ家族との思い出こそ、男の宝物だったというわけだ。
その三ヶ月の間男は欠かさず日記を付け、船の上でふと家族が恋しくなった時に読み返すのだ
辛い海の上でも色褪せぬ家族との思い出こそ、男の宝物だったというわけだ。
「俺の尻を見てくれないか?┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐」「1ブックマーク」
戦
士ツォンの尻を見た侍 水上は自らの尻をツォンに見せた
水上『どうだ?これが…』
ツォン『おお…素晴らしい!』
ツォンは何に感動しているのでしょう?
【参加テーマ・┌(┌^o^)┐キャラと言えば?】
士ツォンの尻を見た侍 水上は自らの尻をツォンに見せた
水上『どうだ?これが…』
ツォン『おお…素晴らしい!』
ツォンは何に感動しているのでしょう?
【参加テーマ・┌(┌^o^)┐キャラと言えば?】
15年05月04日 21:29
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
解説を見る
戦
いが終わり連れションに来た水上とツォン
水上はツォンの尻を見て驚く
水上『ツォンよお前は下着を着けないのか?宿でははいてただろ?』
ツォン『ああ。下着は小便は兎も角 大便をするのに不便なんだ。下ろすのに腰当てだけでなく下半身の鎧を全て外す必要が有るからな』
確かに鎧を着た場所は膨らんで居るため下着は脱げないし戦場で下半身裸は命に関わる(死んでも死にきれない)
そこで侍の水上は自分の腰当てを外す。当然そこには褌が。その褌を外してみる
おお!何て便利な下着なんだ!ツォンは初めてみる東洋の下着に感激する。脚鎧を外さなくても用を足せる上、一枚の布から出来ているためいざと言う時にはロープにも包帯にもなると聞き更に感激したのだった
その光景を覗いていた女性メンバー
┌(┌^o^)┐『まぴさんまぴさん』
(γ・^)『はいでチュ うりさん』
┌(┌^o^)┐『二人がお尻を見せあってツォンさんが水上さんのお尻を褒めてましてよ?』
(γ・^)『でチュねでチュね!これは当然「やらないか?」が始まるでチュね!』
いが終わり連れションに来た水上とツォン
水上はツォンの尻を見て驚く
水上『ツォンよお前は下着を着けないのか?宿でははいてただろ?』
ツォン『ああ。下着は小便は兎も角 大便をするのに不便なんだ。下ろすのに腰当てだけでなく下半身の鎧を全て外す必要が有るからな』
確かに鎧を着た場所は膨らんで居るため下着は脱げないし戦場で下半身裸は命に関わる(死んでも死にきれない)
そこで侍の水上は自分の腰当てを外す。当然そこには褌が。その褌を外してみる
おお!何て便利な下着なんだ!ツォンは初めてみる東洋の下着に感激する。脚鎧を外さなくても用を足せる上、一枚の布から出来ているためいざと言う時にはロープにも包帯にもなると聞き更に感激したのだった
その光景を覗いていた女性メンバー
┌(┌^o^)┐『まぴさんまぴさん』
(γ・^)『はいでチュ うりさん』
┌(┌^o^)┐『二人がお尻を見せあってツォンさんが水上さんのお尻を褒めてましてよ?』
(γ・^)『でチュねでチュね!これは当然「やらないか?」が始まるでチュね!』
「ソフトクリームは和製英語です」「1ブックマーク」
ここは夢のあふれるテーマパーク。
道行く人はみな美味しそうに名物のソフトクリームを食べています。
それを見て、遊びに来ていた水野と山本は、そのソフトクリームを購入することにしました。
それぞれ違う味のソフトを購入したのですが、二人は購入したことを後悔したようです。
いったいどうしてでしょう?
道行く人はみな美味しそうに名物のソフトクリームを食べています。
それを見て、遊びに来ていた水野と山本は、そのソフトクリームを購入することにしました。
それぞれ違う味のソフトを購入したのですが、二人は購入したことを後悔したようです。
いったいどうしてでしょう?
15年03月09日 20:17
【ウミガメのスープ】 [陽成院+]
【ウミガメのスープ】 [陽成院+]
初出題です
解説を見る
夢あふれるテーマパークへ遊びに来た水野と山本。
ひと休みすることにして、水野はお手洗いへ、山本はベンチに座って待っています。
そこで山本は、近くに名物のソフトクリームが売っていたことを思い出しました。
山本はきっと水野も食べたいだろう、と二つ購入しました。
いっぽうの水野もお手洗いの帰り、山本の分と合わせて二つ購入しました。
両手にソフトクリームを持った水野と山本が合流します。
二人は「二つも食べなきゃいけないじゃん。勝手に買うんじゃなかったなあ」と後悔したのです。
その後、ソフトクリームは美味しくいただかれました。
なささんにスープパートナーをしてもらいました!
なささんすてき!惚れる!
ひと休みすることにして、水野はお手洗いへ、山本はベンチに座って待っています。
そこで山本は、近くに名物のソフトクリームが売っていたことを思い出しました。
山本はきっと水野も食べたいだろう、と二つ購入しました。
いっぽうの水野もお手洗いの帰り、山本の分と合わせて二つ購入しました。
両手にソフトクリームを持った水野と山本が合流します。
二人は「二つも食べなきゃいけないじゃん。勝手に買うんじゃなかったなあ」と後悔したのです。
その後、ソフトクリームは美味しくいただかれました。
なささんにスープパートナーをしてもらいました!
なささんすてき!惚れる!
「【ラテクエリサイクル】教会で鐘が鳴る」「1ブックマーク」
メイの結婚式の前日、ジュンは自分の計画にほくそ笑んでいた。
教会は赤く染まり、鐘が鳴り響く中、ジュンはメイを見て自分の失敗に気がついた。
状況を説明してください。
教会は赤く染まり、鐘が鳴り響く中、ジュンはメイを見て自分の失敗に気がついた。
状況を説明してください。
13年06月21日 20:15
【ウミガメのスープ】 [3000才]
【ウミガメのスープ】 [3000才]
解説を見る
小さいころから、ジュンはメイが嫌いだった。
一卵性の双子の姉妹。
見た目も、趣味も、男の好みもなんでも似ていた。
何もいわなくても、いいたいことが伝わった。
何もいわなくても、考えていることが伝わった。
それでも、ちょっとずつだけ、メイのほうがジュンよりなんでもうまくやるのだ。
5月31日の23時50分に生まれた姉。
6月1日の0時10分に生まれた妹。
5月と6月の英語からとって、メイとジュンと名付けられた。
まるで5月31日と6月1日の境目に何かがあったかのように、
先に生まれたメイのほうが、後から生まれたジュンより、いつもちょっぴりうわてでうまくやる。
だからジュンは、小さいころからメイが嫌いだった。
ジュンはメイに恋人のタロウを紹介した時のことを後悔していた。
そのときメイが付き合っていた火消しのジロウは、
ちょっと粘着質なところがあったし、いつも愚痴をいっていたから、
ジュンは初めてメイに勝てた気がして、浮かれていたのかもしれない。
考えが甘かった。
メイはジロウとすぐに別れて、自分からタロウを奪っていった。
メイとタロウが結婚式を挙げると聞いた時から、
メイから結婚式に参加してほしいといわれた時から、
ジュンは考えていた。
皆にいい顔をする、この性悪の女の結婚式を無茶苦茶にしてやることを。
結婚式場の教会がジロウの管轄の地域にあることを知ったとき、
ジュンの脳裏に閃光がよぎった。
教会に火をつけよう。
火消しのジロウをメイに会わせよう。
無茶苦茶な結婚式場と元カレと再会する花嫁という修羅場を思い浮かべ、
ジュンはメイの結婚式が楽しみになった。
結婚式場には、時限式で火がつくように仕掛けた。
すべての準備を終え、ジュンは控室で待つメイに会いに行った。
メイは、真っ白なウェディングドレスに身を包んでいた。
「おめでとう」
「どうもありがとう。来てくれてうれしいわ」
「きれいね。とてもいい結婚式になるわ」
「本心からいってくれてるのね。ありがとう。双子ですもの、わかるわ。
今日は最後までいてくれる?
タロウさんより、ジュンのほうが私のことを知ってくれてるもの。
今日は、あなたにとっても、いい日になってくれるといいな」
いつもなら嫌気のさすメイの言葉も、今日だけは聞いてられる。
メイから勧められたコーヒーを飲みながら、ジュンがそう思っていると、徐々に意識が薄れていった。
遠くの方でかすかにメイの声が聞こえた気がした。
「――どうしたのかしら。寝ちゃったわ。大丈夫かしら。
最近疲れてたみたいだし、披露宴まで寝かせてあげようか――」
ジュンが目を覚めたとき、教会中に火がまわっていた。
否応なく黒煙を吸い込んだ。
遠くの方から消防車の鐘の音が聞こえた気がした。
窓から、涙ながらに消防隊員に訴えているメイが見えた。
ジュンはすべてを悟った。
メイにやられたのだ。
はめられたのだ。
たぶん、私は助からない。
メイのことだ。
きっとうまくやっているのだろう。
いいわ。
自分が死ぬのは予想外だったけど、計画自体は失敗してない。
結婚式は滅茶苦茶にできたし。
きっとジロウと再会して、すこしは嫌な気分になるだろうし。
それに、あなたの本性を知っている私がいなくなったら、
誰一人理解する人がいない世界を、あなたは生きていくことになるのだから。
一卵性の双子の姉妹。
見た目も、趣味も、男の好みもなんでも似ていた。
何もいわなくても、いいたいことが伝わった。
何もいわなくても、考えていることが伝わった。
それでも、ちょっとずつだけ、メイのほうがジュンよりなんでもうまくやるのだ。
5月31日の23時50分に生まれた姉。
6月1日の0時10分に生まれた妹。
5月と6月の英語からとって、メイとジュンと名付けられた。
まるで5月31日と6月1日の境目に何かがあったかのように、
先に生まれたメイのほうが、後から生まれたジュンより、いつもちょっぴりうわてでうまくやる。
だからジュンは、小さいころからメイが嫌いだった。
ジュンはメイに恋人のタロウを紹介した時のことを後悔していた。
そのときメイが付き合っていた火消しのジロウは、
ちょっと粘着質なところがあったし、いつも愚痴をいっていたから、
ジュンは初めてメイに勝てた気がして、浮かれていたのかもしれない。
考えが甘かった。
メイはジロウとすぐに別れて、自分からタロウを奪っていった。
メイとタロウが結婚式を挙げると聞いた時から、
メイから結婚式に参加してほしいといわれた時から、
ジュンは考えていた。
皆にいい顔をする、この性悪の女の結婚式を無茶苦茶にしてやることを。
結婚式場の教会がジロウの管轄の地域にあることを知ったとき、
ジュンの脳裏に閃光がよぎった。
教会に火をつけよう。
火消しのジロウをメイに会わせよう。
無茶苦茶な結婚式場と元カレと再会する花嫁という修羅場を思い浮かべ、
ジュンはメイの結婚式が楽しみになった。
結婚式場には、時限式で火がつくように仕掛けた。
すべての準備を終え、ジュンは控室で待つメイに会いに行った。
メイは、真っ白なウェディングドレスに身を包んでいた。
「おめでとう」
「どうもありがとう。来てくれてうれしいわ」
「きれいね。とてもいい結婚式になるわ」
「本心からいってくれてるのね。ありがとう。双子ですもの、わかるわ。
今日は最後までいてくれる?
タロウさんより、ジュンのほうが私のことを知ってくれてるもの。
今日は、あなたにとっても、いい日になってくれるといいな」
いつもなら嫌気のさすメイの言葉も、今日だけは聞いてられる。
メイから勧められたコーヒーを飲みながら、ジュンがそう思っていると、徐々に意識が薄れていった。
遠くの方でかすかにメイの声が聞こえた気がした。
「――どうしたのかしら。寝ちゃったわ。大丈夫かしら。
最近疲れてたみたいだし、披露宴まで寝かせてあげようか――」
ジュンが目を覚めたとき、教会中に火がまわっていた。
否応なく黒煙を吸い込んだ。
遠くの方から消防車の鐘の音が聞こえた気がした。
窓から、涙ながらに消防隊員に訴えているメイが見えた。
ジュンはすべてを悟った。
メイにやられたのだ。
はめられたのだ。
たぶん、私は助からない。
メイのことだ。
きっとうまくやっているのだろう。
いいわ。
自分が死ぬのは予想外だったけど、計画自体は失敗してない。
結婚式は滅茶苦茶にできたし。
きっとジロウと再会して、すこしは嫌な気分になるだろうし。
それに、あなたの本性を知っている私がいなくなったら、
誰一人理解する人がいない世界を、あなたは生きていくことになるのだから。
「お礼がしたい」「1ブックマーク」
ある日、王子様が国中にお触れを出した。
「礼がしたい女性がいる。探してほしい」
けれど誰も積極的に探そうとはしなかった。
困った王子様はお触れに更に付け足しをした。
すると国民は積極的に探す様になり、ようやく女性が見つかったと報告があった。
しかしその後、王子様は自室に閉じ籠もってしまった。
状況の補完をお願いします。
「礼がしたい女性がいる。探してほしい」
けれど誰も積極的に探そうとはしなかった。
困った王子様はお触れに更に付け足しをした。
すると国民は積極的に探す様になり、ようやく女性が見つかったと報告があった。
しかしその後、王子様は自室に閉じ籠もってしまった。
状況の補完をお願いします。
13年02月16日 15:08
【ウミガメのスープ】 [カゲリ]
【ウミガメのスープ】 [カゲリ]
元ネタ改変問題です。
解説を見る
【泡になる】
美しい姿で、美しい歌声で、それは海の中で生きるという。
だが誰もその姿を見たことはない。
それは誰もがお伽話だと、信じて止まない。
とある小国に一人の王子様がいました。とても有能で、決断力のある立派な王子様でした。
ある日、王子様は一つのお触れを出しました。それはとある女性を見つけて来いという内容で、
しかし国民達は王子様は気がふれてしまったのではないかと噂しました。
けれども、それは大きな勘違いでした。至って健常な王子様は、ただ命の恩人を探していただけなのです。
遡ること数日前、外交から帰る船旅で、王子様は突然の嵐に見舞われてしまいます。
未だ数名が行方不明の中、幸運にも王子様は波打ち際で発見されました。
誰もが奇跡だと言う中で、王子様は凛とした声で言いました。
「私は人魚に助けられた。私は是非とも人魚に礼がしたい」
皆が皆、口を揃えて言いました。
「王子様、それはきっと見間違いです」
「夢で見てそう思い込んでしまったのでしょう」
「人魚などお伽話。この世には存在しないのです」
周囲の否定の声に、王子様は半ば苛立ちながら言いました。
「貴様等は私が夢幻を見たと言うのか!?私は確かに彼女に会い、助けられた!妄言でも何でもない、これは事実だ!
私は彼女に礼をしたい!だから彼女を探して参れ!」
とても頑固な王子様は、こうなってしまうと誰にも手がつけられません。
家臣は渋々ながらお触れを出すも、誰もが予想した通り、待てども待てども彼女は現れません。それ以前に、王子様以外誰も人魚の存在を信じていないので、積極的に探そうともしませんでした。
これに黙っていられなかった王子様。頭を唸らせながら考え付いたのが、「報奨金」という手でした。
「皆積極的に探さないから見つからないのだ。ならば積極的になるように報酬を出す事にしよう」
王子様のこの考えは大当たりでした。報奨金は暫くは遊んで暮らせる金額でしたので、国民達は血眼になって人魚を探し始めました。王子様はこれには複雑な思いでした。
そして遂に王子様の元に恩人の人魚が見つかったと報告が入りました。報奨金を出すと宣言してから、僅か三日の事でした。
王子様はすぐに謁見の間に通すように言い、けれどもやって来たのは小汚い数人の男達でした。
王子様は思わず顔をしかめてしまいました。嗅いだことの無い強烈な刺激臭が漂って来たからです。それは王子だけではなく、側に控えている近衛兵もメイドも同じようでした。
思わず何処から漂っているのかを探していると、男達はお世辞にも綺麗とは言えない布を被せた箱の様な物を王子様の前へと運びました。布からは絹の様なブロンドの髪と魚の尾ヒレが覗いています。
布を目の前にした直後、刺激臭が一層強くなり、王子様は吐き気を何とか堪えると、報奨金をせがむ男達に対して先ず人魚の姿を確認させる様に言いました。
ですがその言葉に、何故か男達は躊躇いを見せます。
「布を外さずとも人魚だとお分かりでしょう」
「さ、先に報奨金を…」
「ならぬ。同じ人魚でも私の恩人かどうかを確認するのが先だ」
男達は尚も言いすがりましたが、その内諦めたのか、そっと汚れた布を外しました。
「……………!!!」
その光景に誰もが呼吸を忘れ、中には嘔吐してしまった者や失神する者もいました。
王子様は再度込み上げた吐き気を何とか抑えると、恐る恐る布の中から現れたそれに視線を戻しました。
布の中から現れたのは、木箱と木箱に収まらずダラリとはみ出した人魚───を模した人間の死体でした。
それは確かに条件に合う、ブロンドの長い髪に空色の瞳をしていました。
けれども何故か顔は鬱血した様に赤黒く、よく見ると首元に何かで絞められたような痛々しい痣がありました。
上半身には乾いた血がベッタリとこびり付いており、腰から下は何故かごっそりと無くなっています。そして恐らくこの近郊でよく見かける大きな魚の尾ヒレがおざなりに下半身の代わりの様に置かれおり、女性の上半身と共にダラリと木箱からはみ出していました。
あまりの異様な光景に耐えきれず、王子様はとうとう気を失ってしまいました。
◆
「…で、そのあと報奨金欲しさに私達の偽物を作った男達は、その場で取り押さえられて即刻死刑。お触れも取り消されて、あの場に居合わせた近衛兵とメイドは皆やめちゃって、酷い人は精神が病んで入院生活しちゃってるみたいだねー。
肝心の王子様もトラウマ抱えちゃって自室に籠もりっきりだってさ。食事もまともにとれない状態だって。うふふっ、悲惨な結末ね!でもお金で釣って、他人に任せるからああなったんじゃない?
……ふふっ、まぁヒトに関わった貴女も悪いのだけどね。どお?後悔してる?
王子様、早く良くなると良いわね。そうじゃなきゃ、助けたのが水の泡になっちゃうのだから」
元ネタ:人魚姫(アンデルセン童話)
美しい姿で、美しい歌声で、それは海の中で生きるという。
だが誰もその姿を見たことはない。
それは誰もがお伽話だと、信じて止まない。
とある小国に一人の王子様がいました。とても有能で、決断力のある立派な王子様でした。
ある日、王子様は一つのお触れを出しました。それはとある女性を見つけて来いという内容で、
しかし国民達は王子様は気がふれてしまったのではないかと噂しました。
けれども、それは大きな勘違いでした。至って健常な王子様は、ただ命の恩人を探していただけなのです。
遡ること数日前、外交から帰る船旅で、王子様は突然の嵐に見舞われてしまいます。
未だ数名が行方不明の中、幸運にも王子様は波打ち際で発見されました。
誰もが奇跡だと言う中で、王子様は凛とした声で言いました。
「私は人魚に助けられた。私は是非とも人魚に礼がしたい」
皆が皆、口を揃えて言いました。
「王子様、それはきっと見間違いです」
「夢で見てそう思い込んでしまったのでしょう」
「人魚などお伽話。この世には存在しないのです」
周囲の否定の声に、王子様は半ば苛立ちながら言いました。
「貴様等は私が夢幻を見たと言うのか!?私は確かに彼女に会い、助けられた!妄言でも何でもない、これは事実だ!
私は彼女に礼をしたい!だから彼女を探して参れ!」
とても頑固な王子様は、こうなってしまうと誰にも手がつけられません。
家臣は渋々ながらお触れを出すも、誰もが予想した通り、待てども待てども彼女は現れません。それ以前に、王子様以外誰も人魚の存在を信じていないので、積極的に探そうともしませんでした。
これに黙っていられなかった王子様。頭を唸らせながら考え付いたのが、「報奨金」という手でした。
「皆積極的に探さないから見つからないのだ。ならば積極的になるように報酬を出す事にしよう」
王子様のこの考えは大当たりでした。報奨金は暫くは遊んで暮らせる金額でしたので、国民達は血眼になって人魚を探し始めました。王子様はこれには複雑な思いでした。
そして遂に王子様の元に恩人の人魚が見つかったと報告が入りました。報奨金を出すと宣言してから、僅か三日の事でした。
王子様はすぐに謁見の間に通すように言い、けれどもやって来たのは小汚い数人の男達でした。
王子様は思わず顔をしかめてしまいました。嗅いだことの無い強烈な刺激臭が漂って来たからです。それは王子だけではなく、側に控えている近衛兵もメイドも同じようでした。
思わず何処から漂っているのかを探していると、男達はお世辞にも綺麗とは言えない布を被せた箱の様な物を王子様の前へと運びました。布からは絹の様なブロンドの髪と魚の尾ヒレが覗いています。
布を目の前にした直後、刺激臭が一層強くなり、王子様は吐き気を何とか堪えると、報奨金をせがむ男達に対して先ず人魚の姿を確認させる様に言いました。
ですがその言葉に、何故か男達は躊躇いを見せます。
「布を外さずとも人魚だとお分かりでしょう」
「さ、先に報奨金を…」
「ならぬ。同じ人魚でも私の恩人かどうかを確認するのが先だ」
男達は尚も言いすがりましたが、その内諦めたのか、そっと汚れた布を外しました。
「……………!!!」
その光景に誰もが呼吸を忘れ、中には嘔吐してしまった者や失神する者もいました。
王子様は再度込み上げた吐き気を何とか抑えると、恐る恐る布の中から現れたそれに視線を戻しました。
布の中から現れたのは、木箱と木箱に収まらずダラリとはみ出した人魚───を模した人間の死体でした。
それは確かに条件に合う、ブロンドの長い髪に空色の瞳をしていました。
けれども何故か顔は鬱血した様に赤黒く、よく見ると首元に何かで絞められたような痛々しい痣がありました。
上半身には乾いた血がベッタリとこびり付いており、腰から下は何故かごっそりと無くなっています。そして恐らくこの近郊でよく見かける大きな魚の尾ヒレがおざなりに下半身の代わりの様に置かれおり、女性の上半身と共にダラリと木箱からはみ出していました。
あまりの異様な光景に耐えきれず、王子様はとうとう気を失ってしまいました。
◆
「…で、そのあと報奨金欲しさに私達の偽物を作った男達は、その場で取り押さえられて即刻死刑。お触れも取り消されて、あの場に居合わせた近衛兵とメイドは皆やめちゃって、酷い人は精神が病んで入院生活しちゃってるみたいだねー。
肝心の王子様もトラウマ抱えちゃって自室に籠もりっきりだってさ。食事もまともにとれない状態だって。うふふっ、悲惨な結末ね!でもお金で釣って、他人に任せるからああなったんじゃない?
……ふふっ、まぁヒトに関わった貴女も悪いのだけどね。どお?後悔してる?
王子様、早く良くなると良いわね。そうじゃなきゃ、助けたのが水の泡になっちゃうのだから」
元ネタ:人魚姫(アンデルセン童話)