「一握の砂は誰が為に」「12ブックマーク」
東西に長く伸びる砂浜にて肩まで砂に埋まった状態のハジメ。
潮が満ちいつの間にか近くまで迫っていた波がハジメの恐怖をあおる。
さて、このときハジメの状態に気付いたナナが、ハジメを助けるために
彼がいない西側の砂を掘り始めたのはなぜか。
潮が満ちいつの間にか近くまで迫っていた波がハジメの恐怖をあおる。
さて、このときハジメの状態に気付いたナナが、ハジメを助けるために
彼がいない西側の砂を掘り始めたのはなぜか。
17年04月18日 02:30
【ウミガメのスープ】 [tosh]
【ウミガメのスープ】 [tosh]
解説を見る
ハジメとナナは男児と女児。
遊びに来た砂浜で作った砂浜にトンネルを掘っていたハジメ。
しかし、トンネルが開通する前に潮が満ちてきて、砂山ギリギリまで波が迫る。
せっかく作った砂山が崩れそうなことに恐怖を感じながらも肩まで手を突っ込んでトンネルを掘り進めるハジメ。
それに気づいたナナはハジメを助けるために、東側から砂山を掘り進んでいるハジメとは逆の西側から
砂山にトンネルを掘り始めた。
遊びに来た砂浜で作った砂浜にトンネルを掘っていたハジメ。
しかし、トンネルが開通する前に潮が満ちてきて、砂山ギリギリまで波が迫る。
せっかく作った砂山が崩れそうなことに恐怖を感じながらも肩まで手を突っ込んでトンネルを掘り進めるハジメ。
それに気づいたナナはハジメを助けるために、東側から砂山を掘り進んでいるハジメとは逆の西側から
砂山にトンネルを掘り始めた。
「【ラテクエ27リサイクル】 「遅すぎた告白」」「12ブックマーク」
俺はあいつに告白して恋人同士になった。 でもある時、俺は後悔した。
そして、この告白はもっと早くにするべきものだったのに、そうしなかった自分を呪った。
悩んだあげく、俺は殺人を犯すことにした。これで全て解決すると思ったからだ。
でも無理だった。俺は後悔の中、自殺することにした。 さて、どういう事だろう?
【ラテクエ27 選考問題、ゲッシュさんの出題のリサイクルです】
そして、この告白はもっと早くにするべきものだったのに、そうしなかった自分を呪った。
悩んだあげく、俺は殺人を犯すことにした。これで全て解決すると思ったからだ。
でも無理だった。俺は後悔の中、自殺することにした。 さて、どういう事だろう?
【ラテクエ27 選考問題、ゲッシュさんの出題のリサイクルです】
13年02月22日 21:25
【ウミガメのスープ】 [yan]
【ウミガメのスープ】 [yan]
【ラテクエ27 選考問題、ゲッシュさんの出題のリサイクルです】
解説を見る
【#big5#簡易解説】#/big5#
若いころの俺は、あまりにも意地っ張りで、自己中心的すぎた。
だから、あいつとの破局を迎えることになった。
あいつとは幼馴染で、互いに想い合っていることに胡坐をかき、自分の気持ちを
言葉にすることを怠ったせいで、「あの男」に横取りされるハメになったのだ。
あいつを失った俺は、以前から研究していたタイムマシンの開発に人生を捧げた。
数十年後、完成間近で行き詰まった私は、彼女が病に伏せっていることを知った。
なりふり構わず彼女の家を訪ねた俺の姿に、彼女は一瞬驚いた顔をしたものの、
すぐに招き入れてくれた。二人でずっと話し合い、わだかまりは溶けて行った。
俺はタイムマシンの研究の話をし、「もう無理かもしれない」と弱音を吐くと、彼女は
「絶対に成功するわ、自分を信じて」と励ましてくれた。 俺は、そんな彼女を…
俺は思い切って、告白した。彼女は、「やっと言ってくれた」と、苦笑いしながらも
受け入れてくれた。離れていた時間を取り戻すように、仲睦まじく過ごす二人。
だが、彼女の時間はもう残されていなかった。いまわの際、彼女は言い残す。
「ありがとう、あなたと一緒で、幸せな人生だった。何一つ後悔してないわ…」
だが、俺は絶望した。なぜもっと早く告白しなかったのか。想い合っていたのに!
…奴が、「あの男」がいなければ…!
俺は、未完成のタイムマシンを起動させる。過去に戻り、「あの男」を殺すのだ。
しかし、やはり装置に不具合があったのか。俺は時空の海に放り出された…
気がつくと、俺はベッドの上にいた。見覚えのある部屋。いやな予感がする…
そして、予感は当たった。ドアから顔を出したのは、「彼女」だった…
俺は「あの男」を殺すことはできない。なぜなら「俺」があの男だったからだ。
俺はなんのためにタイムマシンを作ったんだ?歴史を繰り返すためだけに?
いいや。あんな思いをするのは「俺」だけで十分だ。俺は、「若い頃の俺」と
彼女に手紙を残すと、海に身を投げた。若い二人がうまくいくことを願って…
#big5#【長編解説】#/big5#
俺は、あいつ-ウミコを問い詰めた。
「何だよあの男は! 寝室に連れ込むなんて、どういう仲なんだ!」
「違うわよ。 家の前で倒れていたから、介抱してあげただけ」
「そんなの、病院に連れて行けばいいじゃないか」
「病院はダメだっていうのよ。 …きっと、何か訳ありなんだわ」
「余計怪しいじゃないか!そんな素性の知れない男をなぜ… 惚れたのか?」
「なっ…何を言うのよ!」 そう口ごもったあいつの顔は、真っ赤に染まっていた。
その反応が、俺にはショックだった。 「俺というものがありながら…!」
だが、その呟きを聞いたあいつは逆に激昂し、俺に詰め寄った。
「貴方が何だというの?! 一度だって、好きとか言ってくれなかったくせに!」
「そっ… そんなの、改めて言うまでもないだろ…? だいたい、何で俺が…」
「…貴方はわかってないわ。 結局貴方は、何よりも自分の研究が大事なのよ」
「それは否定しないがね。 今やってる研究は凄いぞ! まさに世界を変える…」
ウミコは悲しそうな顔で、かぶりを振った。 「…さよならカメオ。もう来ないで」
そして静かに扉は閉じ、俺たちはそれきり会わなくなった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はっ、大富豪で天才科学者の、このカメオ博士が、なぜ媚びなきゃいけない?
まぁいいさ、今やってる研究に比べれば、色恋沙汰などくだらないことだ。
この時空間転移装置…タイムマシンが完成すれば、正に人類の歴史が変わる!
研究に専念できて、むしろ都合がいいくらいだ。 せいせいしたよ…
…だが、この革新的な研究に対し、世間の理解は乏しかった。今まで資金提供
をしていたパトロンや取巻き連中もいなくなり、俺は一人、黙々と研究を続けた。
#b#そして、数十年の時が流れ…。#/b#
研究は完成に近づいているはず…。 だが、最後の詰めがうまくいかない。
先祖代々の財産も食いつぶし、実験を行うことすら困難な状態だった。
(このまま何の成果も出せずに終わるのか…?) そう疑問を抱き始めたころ、
伝聞で、あいつが病気で臥せっているということを聞いた。
夫となったあの男とはとうの昔に死別し、子供もおらず、身寄りもないというのに、
延命処置を断り、余命いくばくもないまま、あの家に一人戻って療養中だという。
(あいつが、死ぬ…? それも誰にも看取られず一人さびしく…?)
俺は、自分でも信じられないくらい早く、行動に移っていた。
もう夜も更けていたが、着の身着のまま、彼女の家の扉をノックする。
「はい…こんな時間に、誰ですか? …!? あなた…! どうして!!?」
「…幼馴染が死にかけてるんだ。 放って置くほうがおかしいだろう?」
「…カメオ…! …そう、そういうことなの。…わかったわ、あがってちょうだい」
俺たちは、語り合った。共通の思い出、別れてからのこと、そして近況など。
話題が研究の話に移ると、俺はためらいながらも、自嘲気味に答えた。
「あれからずっとタイムマシンの研究だよ。でももう無理かもな…可笑しいだろ?」
「タイムマシン…そう、タイムマシンなのね。…大丈夫、あなたなら成功するわ」
「…笑わないのかい?夢見たいな話で、しかも何十年も成果がないというのに」
「笑ったりしないわ… カメオ、昔のように自信を持って。…そう、自分を信じて」
…そうだ。 ウミコは、いつだって俺の味方をしてくれた。 なのに俺は…
#b#「…ウミコ、俺は君が好きだ。 今でも、いや今までも、ずっと。」#/b#
「…やっと、言ってくれたのね。待ちくたびれて、私もうしわくちゃのお婆さんよ?」
「そんなことはないさ…俺の方はすっかりジジイだがな。受け入れてくれるかい?」
「喜んで! …ふふ、あなたも、素敵なオジサマよ?」
そして俺たちは、彼女に残された時間が尽きるまで、一緒に出かけたり、映画を
見たり、たわいもない会話をしたりしながら、過ごしていった。 だが…
「カメオ…そろそろ、もう、ダメみたい…」 「ウミコ…! しっかりしろ!」
「せっかくあなたと会えたのに、残念… でも充実した人生だった。後悔はないわ」
…俺は複雑な気持ちになった。じゃあ、「あの男」との結婚も、後悔してないのか?
きっと、ひどい顔をしていたに違いない。 彼女は俺を見て、首を振りながら言った。
「カメオ、違うの。そうじゃなくて… お願い、あたしを困らせないで」
そう言うと、彼女は俺に向かって優しく手を差し伸べた。 俺はその手を、強く握る。
「ありがとうカメオ… わたしは、あなたと一緒に過ごせて、幸せだった…」
そして彼女は、静かに目を閉じた。
#b#「う…うああああああ!」#/b# 俺は、莫迦だ…! もっと早く告白すべきだったのに…!
互いに想いあっていたのに、彼女が死ぬ間際にようやく告白? なんと愚かな…!
俺は自分を呪った。そして、同時に「あの男」をも恨んだ。あいつさえいなければ…!
悩んだ挙句、私はある決意をした…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
研究室に戻った私は、タイムマシンを起動させた。 作動実験は行えなかったが、
理論上は問題ないはずなのだ。 …時間転移にかかるエネルギーは1回こっきり。
失敗したら終わりだが… #b#《自分を信じて!》#/b# 彼女の言葉が、私を後押ししてくれる。
「転移、開始。」 …周囲の景色が歪み、上下の感覚がなくなり始める。
目標時間軸は「あの男」が現れる前日、座標は彼女の家の裏手。計器は正常だ…
突然、装置がショートした。 マズいと思う間もなく、私は時空の狭間に飲み込まれ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目を覚ますと、俺はベッドの上で寝ていた。 ここは、見覚えがある…!
「あっ、起きられたんですね?とりあえず手当てしましたけど、夜が明けたら病院に…」
「いや、病院は待ってくれ」 「えっ?でも…」 「…頼む。命には別状はなさそうだし…」
「…わかりました。訳がおありなんですね。普通に動けるまではここに居ていいですよ」
「…助かる。」 「あの…お名前は?」 「…。 私はオメガ。 技術士をやっているものだ」
しばらく彼女の家で過ごし、正体がバレないように話をするうち、すっかり打ち解けた。
「…不思議です。オメガさんとは、初めて会った気がしないの」 「…運命、なのかもな」
「まぁ…!」 彼女は頬を赤らめると、「買い物に行きます」と言い、そそくさと部屋を出た。
そんな彼女の様子を微笑ましく見ながら、内心では深い絶望に襲われていた。
俺は、「あの男」を殺すつもりだった。 それで、すべて解説すると思ったからだ。
でも、それは無理だ。 なぜなら… 『俺』こそが、「あの男」だったのだから。
ふと窓の下を見ると、家の前で「若い頃の俺」が、憎々しげな顔をして見上げていた。
きびすを返して立ち去る「俺」の姿を見て、なぜ『過去から来た俺』が「若い頃の俺」を
応援せず、あまつさえ彼女を奪い取ったのか、わかるような気がした。
「若い頃の俺」は、あまりにも余裕がなく自己中心的過ぎた。仮に彼女と結ばれても、
すぐに破局を迎えるだろう。 だが、今の『俺』なら…
俺は、病床のウミコの家を訪れた時の、彼女の言葉を思い出す。
『#red#あなた#/red#…! どうして!?」 「#red#カメオ…そう、そういうことなの#/red#」
「#red#そう、タイムマシンなのね。…大丈夫、あなたなら成功するわ#/red#」
「#red#充実した人生だった。後悔はないわ#/red#」 「#red#あたしを困らせないで…#/red#」
「#red#あなたと一緒に過ごせて、幸せだった#/red#」
そう。彼女は俺と再会した時、すべてを悟ったのだろう。そして、「未来から来た俺」は、
間違いなく彼女を幸せにしていたはずなのだ。
あるいは、事故の影響で記憶を失ったのかもしれないし、単に「自分が彼女と結ばれたい」
という利己的な理由かもしれない。それでも、「若い頃の私」よりは随分マシだろう。
俺は絶望した。何の為にタイムマシンを開発したのだ?この歴史を繰り返す為だけに?
前に時間を遡った『俺』は、それで満足したのだろう。確かにそれで彼女を幸せに出来た。
だが、俺が同じ道を選べば、この時間軸の「若い俺」も、同じ運命を辿ることになる。
…あんな思いをするのは、もう、俺一人でたくさんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…私は、2通の手紙をしたためた。 1通は、「若い自分」への手紙。
このまま研究を続ければ、色んな物を失うこと。得られるものは虚しさだけということ。
愛情は、言葉にしなければ伝わらないこと。彼女こそ、最大の味方であるということ。
もう1通は、彼女へ。
勝手に去ることを許して欲しい。だが、自分はここに居るべき人間ではなく、きみには
もっとふさわしい人物が居ること。 そしていつか、また会える日が来るということ…
…うまく、行くだろうか? 駄目なら、ただ歴史が繰り返されるだけだ。
いずれにせよ、俺はもうここに居てはいけない。 俺は岬に行くと、海に身を投げた…。
####################################
「…あなた、そろそろ、もう、ダメみたい…」 「ウミコ…! しっかりしろ!」 「母さん!」
「おばあちゃん、しなないで!」 家族に囲まれながら、ウミコは息を引き取ろうとしている。
「あのね…昔のことを思い出したわ。あなたがプロポーズしてくれた前の日までいた人…」
「…私も、彼に手紙をもらったよ」 「不思議…ふふ、あの人の顔、今のあなたにそっくり…」
「確かに不思議だ… 意地っ張りだった若い頃の私が、なぜか彼の言葉は素直に訊けた」
「実は私、あの人に惚れてしまったんだけど…無理もないわ、あなたそっくりなんだもの」
「…喜んでいいのかな?」 「ええ…。 ふふ、年をとっても、あなたは素敵よ…?」 「…」
「…充実した人生だったわ。 あなたと一緒に過ごせて、とても幸せだった…」
若いころの俺は、あまりにも意地っ張りで、自己中心的すぎた。
だから、あいつとの破局を迎えることになった。
あいつとは幼馴染で、互いに想い合っていることに胡坐をかき、自分の気持ちを
言葉にすることを怠ったせいで、「あの男」に横取りされるハメになったのだ。
あいつを失った俺は、以前から研究していたタイムマシンの開発に人生を捧げた。
数十年後、完成間近で行き詰まった私は、彼女が病に伏せっていることを知った。
なりふり構わず彼女の家を訪ねた俺の姿に、彼女は一瞬驚いた顔をしたものの、
すぐに招き入れてくれた。二人でずっと話し合い、わだかまりは溶けて行った。
俺はタイムマシンの研究の話をし、「もう無理かもしれない」と弱音を吐くと、彼女は
「絶対に成功するわ、自分を信じて」と励ましてくれた。 俺は、そんな彼女を…
俺は思い切って、告白した。彼女は、「やっと言ってくれた」と、苦笑いしながらも
受け入れてくれた。離れていた時間を取り戻すように、仲睦まじく過ごす二人。
だが、彼女の時間はもう残されていなかった。いまわの際、彼女は言い残す。
「ありがとう、あなたと一緒で、幸せな人生だった。何一つ後悔してないわ…」
だが、俺は絶望した。なぜもっと早く告白しなかったのか。想い合っていたのに!
…奴が、「あの男」がいなければ…!
俺は、未完成のタイムマシンを起動させる。過去に戻り、「あの男」を殺すのだ。
しかし、やはり装置に不具合があったのか。俺は時空の海に放り出された…
気がつくと、俺はベッドの上にいた。見覚えのある部屋。いやな予感がする…
そして、予感は当たった。ドアから顔を出したのは、「彼女」だった…
俺は「あの男」を殺すことはできない。なぜなら「俺」があの男だったからだ。
俺はなんのためにタイムマシンを作ったんだ?歴史を繰り返すためだけに?
いいや。あんな思いをするのは「俺」だけで十分だ。俺は、「若い頃の俺」と
彼女に手紙を残すと、海に身を投げた。若い二人がうまくいくことを願って…
#big5#【長編解説】#/big5#
俺は、あいつ-ウミコを問い詰めた。
「何だよあの男は! 寝室に連れ込むなんて、どういう仲なんだ!」
「違うわよ。 家の前で倒れていたから、介抱してあげただけ」
「そんなの、病院に連れて行けばいいじゃないか」
「病院はダメだっていうのよ。 …きっと、何か訳ありなんだわ」
「余計怪しいじゃないか!そんな素性の知れない男をなぜ… 惚れたのか?」
「なっ…何を言うのよ!」 そう口ごもったあいつの顔は、真っ赤に染まっていた。
その反応が、俺にはショックだった。 「俺というものがありながら…!」
だが、その呟きを聞いたあいつは逆に激昂し、俺に詰め寄った。
「貴方が何だというの?! 一度だって、好きとか言ってくれなかったくせに!」
「そっ… そんなの、改めて言うまでもないだろ…? だいたい、何で俺が…」
「…貴方はわかってないわ。 結局貴方は、何よりも自分の研究が大事なのよ」
「それは否定しないがね。 今やってる研究は凄いぞ! まさに世界を変える…」
ウミコは悲しそうな顔で、かぶりを振った。 「…さよならカメオ。もう来ないで」
そして静かに扉は閉じ、俺たちはそれきり会わなくなった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はっ、大富豪で天才科学者の、このカメオ博士が、なぜ媚びなきゃいけない?
まぁいいさ、今やってる研究に比べれば、色恋沙汰などくだらないことだ。
この時空間転移装置…タイムマシンが完成すれば、正に人類の歴史が変わる!
研究に専念できて、むしろ都合がいいくらいだ。 せいせいしたよ…
…だが、この革新的な研究に対し、世間の理解は乏しかった。今まで資金提供
をしていたパトロンや取巻き連中もいなくなり、俺は一人、黙々と研究を続けた。
#b#そして、数十年の時が流れ…。#/b#
研究は完成に近づいているはず…。 だが、最後の詰めがうまくいかない。
先祖代々の財産も食いつぶし、実験を行うことすら困難な状態だった。
(このまま何の成果も出せずに終わるのか…?) そう疑問を抱き始めたころ、
伝聞で、あいつが病気で臥せっているということを聞いた。
夫となったあの男とはとうの昔に死別し、子供もおらず、身寄りもないというのに、
延命処置を断り、余命いくばくもないまま、あの家に一人戻って療養中だという。
(あいつが、死ぬ…? それも誰にも看取られず一人さびしく…?)
俺は、自分でも信じられないくらい早く、行動に移っていた。
もう夜も更けていたが、着の身着のまま、彼女の家の扉をノックする。
「はい…こんな時間に、誰ですか? …!? あなた…! どうして!!?」
「…幼馴染が死にかけてるんだ。 放って置くほうがおかしいだろう?」
「…カメオ…! …そう、そういうことなの。…わかったわ、あがってちょうだい」
俺たちは、語り合った。共通の思い出、別れてからのこと、そして近況など。
話題が研究の話に移ると、俺はためらいながらも、自嘲気味に答えた。
「あれからずっとタイムマシンの研究だよ。でももう無理かもな…可笑しいだろ?」
「タイムマシン…そう、タイムマシンなのね。…大丈夫、あなたなら成功するわ」
「…笑わないのかい?夢見たいな話で、しかも何十年も成果がないというのに」
「笑ったりしないわ… カメオ、昔のように自信を持って。…そう、自分を信じて」
…そうだ。 ウミコは、いつだって俺の味方をしてくれた。 なのに俺は…
#b#「…ウミコ、俺は君が好きだ。 今でも、いや今までも、ずっと。」#/b#
「…やっと、言ってくれたのね。待ちくたびれて、私もうしわくちゃのお婆さんよ?」
「そんなことはないさ…俺の方はすっかりジジイだがな。受け入れてくれるかい?」
「喜んで! …ふふ、あなたも、素敵なオジサマよ?」
そして俺たちは、彼女に残された時間が尽きるまで、一緒に出かけたり、映画を
見たり、たわいもない会話をしたりしながら、過ごしていった。 だが…
「カメオ…そろそろ、もう、ダメみたい…」 「ウミコ…! しっかりしろ!」
「せっかくあなたと会えたのに、残念… でも充実した人生だった。後悔はないわ」
…俺は複雑な気持ちになった。じゃあ、「あの男」との結婚も、後悔してないのか?
きっと、ひどい顔をしていたに違いない。 彼女は俺を見て、首を振りながら言った。
「カメオ、違うの。そうじゃなくて… お願い、あたしを困らせないで」
そう言うと、彼女は俺に向かって優しく手を差し伸べた。 俺はその手を、強く握る。
「ありがとうカメオ… わたしは、あなたと一緒に過ごせて、幸せだった…」
そして彼女は、静かに目を閉じた。
#b#「う…うああああああ!」#/b# 俺は、莫迦だ…! もっと早く告白すべきだったのに…!
互いに想いあっていたのに、彼女が死ぬ間際にようやく告白? なんと愚かな…!
俺は自分を呪った。そして、同時に「あの男」をも恨んだ。あいつさえいなければ…!
悩んだ挙句、私はある決意をした…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
研究室に戻った私は、タイムマシンを起動させた。 作動実験は行えなかったが、
理論上は問題ないはずなのだ。 …時間転移にかかるエネルギーは1回こっきり。
失敗したら終わりだが… #b#《自分を信じて!》#/b# 彼女の言葉が、私を後押ししてくれる。
「転移、開始。」 …周囲の景色が歪み、上下の感覚がなくなり始める。
目標時間軸は「あの男」が現れる前日、座標は彼女の家の裏手。計器は正常だ…
突然、装置がショートした。 マズいと思う間もなく、私は時空の狭間に飲み込まれ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目を覚ますと、俺はベッドの上で寝ていた。 ここは、見覚えがある…!
「あっ、起きられたんですね?とりあえず手当てしましたけど、夜が明けたら病院に…」
「いや、病院は待ってくれ」 「えっ?でも…」 「…頼む。命には別状はなさそうだし…」
「…わかりました。訳がおありなんですね。普通に動けるまではここに居ていいですよ」
「…助かる。」 「あの…お名前は?」 「…。 私はオメガ。 技術士をやっているものだ」
しばらく彼女の家で過ごし、正体がバレないように話をするうち、すっかり打ち解けた。
「…不思議です。オメガさんとは、初めて会った気がしないの」 「…運命、なのかもな」
「まぁ…!」 彼女は頬を赤らめると、「買い物に行きます」と言い、そそくさと部屋を出た。
そんな彼女の様子を微笑ましく見ながら、内心では深い絶望に襲われていた。
俺は、「あの男」を殺すつもりだった。 それで、すべて解説すると思ったからだ。
でも、それは無理だ。 なぜなら… 『俺』こそが、「あの男」だったのだから。
ふと窓の下を見ると、家の前で「若い頃の俺」が、憎々しげな顔をして見上げていた。
きびすを返して立ち去る「俺」の姿を見て、なぜ『過去から来た俺』が「若い頃の俺」を
応援せず、あまつさえ彼女を奪い取ったのか、わかるような気がした。
「若い頃の俺」は、あまりにも余裕がなく自己中心的過ぎた。仮に彼女と結ばれても、
すぐに破局を迎えるだろう。 だが、今の『俺』なら…
俺は、病床のウミコの家を訪れた時の、彼女の言葉を思い出す。
『#red#あなた#/red#…! どうして!?」 「#red#カメオ…そう、そういうことなの#/red#」
「#red#そう、タイムマシンなのね。…大丈夫、あなたなら成功するわ#/red#」
「#red#充実した人生だった。後悔はないわ#/red#」 「#red#あたしを困らせないで…#/red#」
「#red#あなたと一緒に過ごせて、幸せだった#/red#」
そう。彼女は俺と再会した時、すべてを悟ったのだろう。そして、「未来から来た俺」は、
間違いなく彼女を幸せにしていたはずなのだ。
あるいは、事故の影響で記憶を失ったのかもしれないし、単に「自分が彼女と結ばれたい」
という利己的な理由かもしれない。それでも、「若い頃の私」よりは随分マシだろう。
俺は絶望した。何の為にタイムマシンを開発したのだ?この歴史を繰り返す為だけに?
前に時間を遡った『俺』は、それで満足したのだろう。確かにそれで彼女を幸せに出来た。
だが、俺が同じ道を選べば、この時間軸の「若い俺」も、同じ運命を辿ることになる。
…あんな思いをするのは、もう、俺一人でたくさんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…私は、2通の手紙をしたためた。 1通は、「若い自分」への手紙。
このまま研究を続ければ、色んな物を失うこと。得られるものは虚しさだけということ。
愛情は、言葉にしなければ伝わらないこと。彼女こそ、最大の味方であるということ。
もう1通は、彼女へ。
勝手に去ることを許して欲しい。だが、自分はここに居るべき人間ではなく、きみには
もっとふさわしい人物が居ること。 そしていつか、また会える日が来るということ…
…うまく、行くだろうか? 駄目なら、ただ歴史が繰り返されるだけだ。
いずれにせよ、俺はもうここに居てはいけない。 俺は岬に行くと、海に身を投げた…。
####################################
「…あなた、そろそろ、もう、ダメみたい…」 「ウミコ…! しっかりしろ!」 「母さん!」
「おばあちゃん、しなないで!」 家族に囲まれながら、ウミコは息を引き取ろうとしている。
「あのね…昔のことを思い出したわ。あなたがプロポーズしてくれた前の日までいた人…」
「…私も、彼に手紙をもらったよ」 「不思議…ふふ、あの人の顔、今のあなたにそっくり…」
「確かに不思議だ… 意地っ張りだった若い頃の私が、なぜか彼の言葉は素直に訊けた」
「実は私、あの人に惚れてしまったんだけど…無理もないわ、あなたそっくりなんだもの」
「…喜んでいいのかな?」 「ええ…。 ふふ、年をとっても、あなたは素敵よ…?」 「…」
「…充実した人生だったわ。 あなたと一緒に過ごせて、とても幸せだった…」
「【速い車】」「12ブックマーク」
娘を車の助手席に乗せ、遠いウミガメシティへ向かう父親。
あとどれ位でウミガメシティに着くのかと娘に訊ねられた父親が2時間位だと答えてからほんの数分後、
特に車を飛ばしていた訳でもないのに、娘が突然
『パパの車、速いね!』
と言った。
この原因は、“ 父親と田中の目的地が同じだったから ” である。
これは一体どういう事だろうか?
あとどれ位でウミガメシティに着くのかと娘に訊ねられた父親が2時間位だと答えてからほんの数分後、
特に車を飛ばしていた訳でもないのに、娘が突然
『パパの車、速いね!』
と言った。
この原因は、“ 父親と田中の目的地が同じだったから ” である。
これは一体どういう事だろうか?
16年04月30日 20:30
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
解説を見る
ヒッチハイクでウミガメシティを目指す田中が道端で
【ウミガメシティ】
と書いたボードを掲げていたので、
ヒッチハイクを知らない娘は車内からそれを見て
もうウミガメシティに入ったのだと勘違いしたのである。
【ウミガメシティ】
と書いたボードを掲げていたので、
ヒッチハイクを知らない娘は車内からそれを見て
もうウミガメシティに入ったのだと勘違いしたのである。
「【コラボ問題】冥府に消えた男【屁理屈推理合戦】」「12ブックマーク」
皆様、魔女の館へようこそお越しくださいました。
私は魔女クリスティーナと申します。
もしかしたら「久しぶり」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
はい?魔女などという存在は信じられぬ、と?
そうですね・・・それでは改めて宣言致しましょう。
#red#私、クリスティーナは魔女です。#/red#
今の赤い言葉は「赤き真実」という私の魔法の一つです。
#red#「赤き真実」にて綴られる言葉に一切の嘘偽りはなく、全て真実です。#/red#
その証明には論も証拠も必要とせず、ただ真実であるということが保証されます。
この魔法にて、ひとまずは納得いただけますでしょうか?
折角お越しいただきましたので、ちょっとした余興をご用意いたしました。
まずはこちらの物語をご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とある名家の当主、カメオ。
彼は極度の人間嫌いで、カメオの私室には誰一人として入れようとしなかった。
長年連れ添った妻であるタト子ですらも、例外ではなかった。
あるときから、カメオは黒魔術に傾倒するようになった。
カメオは私室の近くに部屋を作らせ、そこを『#b#儀式の間#/b#』と称した。
#b#異界から異形の者を召喚#/b#する儀式などを執り行う部屋だとカメオは言った。
そうして、儀式の間に入ってから、数時間もの間出てこなくなることが頻繁になっていった。
不審に思ったタト子は、ある時、カメオが儀式の間に入るのを確認し、部屋の様子を窺うことにした。
しかし、待てども待てどもカメオが出てくる気配はない。
痺れを切らしたタト子は、思い切って儀式の間の扉を開く---
#b#そこにはカメオの姿はなかった#/b#。
あったのは、床に描かれた不気味な魔法陣がただ一つ。
魔法陣の中には、古代の言語で次の一文が書き入れられていた。
-#b#我が魂を悪魔に捧げよう#/b#-
-#b#悪魔よ 禁断の扉を開き 我を人知れぬ世界へと誘い賜え#/b#-
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
物語の詳細を説明させていただきますね。
#red#人名の他、儀式の間、扉などの固有名詞は、全て同一の存在を指し示します#/red#。
#red#儀式の間は、如何なる破壊も加工も不可能な部屋です#/red#。
#red#儀式の間には、扉は一つしかありません#/red#。#red#隠し通路や窓の類も存在しません#/red#。
#red#儀式の間の中には道具は存在しません#/red#。
#red#カメオ、タト子は超科学的、非科学的な特徴の無い人間です#/red#。
#red#カメオ、タト子以外に、如何なる生物も関与しません#/red#。ただし、生命を超越した存在である悪魔の関与は否定いたしません。
#red#タト子はカメオが儀式の間に立ち入ってから、出入り口より目を離すことはありませんでした#/red#。
そして・・・#red#タト子が扉を開けた時、部屋の中にカメオは存在していません#/red#。
さて。#b#一体カメオはどのようにして儀式の間から消え失せたのか#/b#。
私はこれを、#b#儀式の間にて召喚されし悪魔が、カメオを異界へと連れ去った#/b#、と説明します。
対して、皆様には#b#悪魔の関与を否定#/b#していただきたいのです。
詳しいルールはこちらです。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆当問題のルール☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
当問題は、2chの同人掲示板で実施されている「屁理屈推理合戦」というパズルをラテシンに輸入してみたものです。
基本的には「ウミガメのスープ」と同様、質疑応答により物語の真相を明らかにしていく内容となりますが、特殊なルールを設けております。
①#red#赤き真実、つまり赤い文字で記される言葉は、絶対的な真実として保証されます#/red#。言い換えれば、#red#赤き真実で嘘を語る事は不可能です#/red#。
(#red#回答欄では文字を赤くすることができないので、代わりに【赤】という記号で囲まれた部分を「赤き真実」とします#/red#。)
②Yes/Noで解答可能な質問に限らず、#red#どのような質問も可能です#/red#。#red#推理の提示や、特定の事柄について出題者に赤き真実での宣言を要求する事も可能です#/red#。
③#red#出題者は真相を全て知っています#/red#が、基本的に#red#出題者は質問に対する回答義務を持ちません#/red#。出題者は回答を任意に拒否することができます。
④ただし、#red#質問者から提示された推理により悪魔の関与が否定された場合、出題者はこれに赤き真実で反論する義務を負います#/red#。
#red#出題者が質問者から提示された推理に反論できない場合は、正解となります#/red#。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
皆様が普段より嗜んでいらっしゃる「ウミガメのスープ」とは少々異なる部分もございますが、
最初の内はあまり気になさらず、気軽にご質問や推理のご披露をいただくのが良いでしょう。
さぁ、皆様。
どうか悪魔の幻影を、見事打ち破ってくださいませ。
※天童 魔子さんとのコラボ問題です。天童さんにはこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
問題原案:天童 魔子さん 企画・出題:セルス
私は魔女クリスティーナと申します。
もしかしたら「久しぶり」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
はい?魔女などという存在は信じられぬ、と?
そうですね・・・それでは改めて宣言致しましょう。
#red#私、クリスティーナは魔女です。#/red#
今の赤い言葉は「赤き真実」という私の魔法の一つです。
#red#「赤き真実」にて綴られる言葉に一切の嘘偽りはなく、全て真実です。#/red#
その証明には論も証拠も必要とせず、ただ真実であるということが保証されます。
この魔法にて、ひとまずは納得いただけますでしょうか?
折角お越しいただきましたので、ちょっとした余興をご用意いたしました。
まずはこちらの物語をご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とある名家の当主、カメオ。
彼は極度の人間嫌いで、カメオの私室には誰一人として入れようとしなかった。
長年連れ添った妻であるタト子ですらも、例外ではなかった。
あるときから、カメオは黒魔術に傾倒するようになった。
カメオは私室の近くに部屋を作らせ、そこを『#b#儀式の間#/b#』と称した。
#b#異界から異形の者を召喚#/b#する儀式などを執り行う部屋だとカメオは言った。
そうして、儀式の間に入ってから、数時間もの間出てこなくなることが頻繁になっていった。
不審に思ったタト子は、ある時、カメオが儀式の間に入るのを確認し、部屋の様子を窺うことにした。
しかし、待てども待てどもカメオが出てくる気配はない。
痺れを切らしたタト子は、思い切って儀式の間の扉を開く---
#b#そこにはカメオの姿はなかった#/b#。
あったのは、床に描かれた不気味な魔法陣がただ一つ。
魔法陣の中には、古代の言語で次の一文が書き入れられていた。
-#b#我が魂を悪魔に捧げよう#/b#-
-#b#悪魔よ 禁断の扉を開き 我を人知れぬ世界へと誘い賜え#/b#-
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
物語の詳細を説明させていただきますね。
#red#人名の他、儀式の間、扉などの固有名詞は、全て同一の存在を指し示します#/red#。
#red#儀式の間は、如何なる破壊も加工も不可能な部屋です#/red#。
#red#儀式の間には、扉は一つしかありません#/red#。#red#隠し通路や窓の類も存在しません#/red#。
#red#儀式の間の中には道具は存在しません#/red#。
#red#カメオ、タト子は超科学的、非科学的な特徴の無い人間です#/red#。
#red#カメオ、タト子以外に、如何なる生物も関与しません#/red#。ただし、生命を超越した存在である悪魔の関与は否定いたしません。
#red#タト子はカメオが儀式の間に立ち入ってから、出入り口より目を離すことはありませんでした#/red#。
そして・・・#red#タト子が扉を開けた時、部屋の中にカメオは存在していません#/red#。
さて。#b#一体カメオはどのようにして儀式の間から消え失せたのか#/b#。
私はこれを、#b#儀式の間にて召喚されし悪魔が、カメオを異界へと連れ去った#/b#、と説明します。
対して、皆様には#b#悪魔の関与を否定#/b#していただきたいのです。
詳しいルールはこちらです。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆当問題のルール☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
当問題は、2chの同人掲示板で実施されている「屁理屈推理合戦」というパズルをラテシンに輸入してみたものです。
基本的には「ウミガメのスープ」と同様、質疑応答により物語の真相を明らかにしていく内容となりますが、特殊なルールを設けております。
①#red#赤き真実、つまり赤い文字で記される言葉は、絶対的な真実として保証されます#/red#。言い換えれば、#red#赤き真実で嘘を語る事は不可能です#/red#。
(#red#回答欄では文字を赤くすることができないので、代わりに【赤】という記号で囲まれた部分を「赤き真実」とします#/red#。)
②Yes/Noで解答可能な質問に限らず、#red#どのような質問も可能です#/red#。#red#推理の提示や、特定の事柄について出題者に赤き真実での宣言を要求する事も可能です#/red#。
③#red#出題者は真相を全て知っています#/red#が、基本的に#red#出題者は質問に対する回答義務を持ちません#/red#。出題者は回答を任意に拒否することができます。
④ただし、#red#質問者から提示された推理により悪魔の関与が否定された場合、出題者はこれに赤き真実で反論する義務を負います#/red#。
#red#出題者が質問者から提示された推理に反論できない場合は、正解となります#/red#。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
皆様が普段より嗜んでいらっしゃる「ウミガメのスープ」とは少々異なる部分もございますが、
最初の内はあまり気になさらず、気軽にご質問や推理のご披露をいただくのが良いでしょう。
さぁ、皆様。
どうか悪魔の幻影を、見事打ち破ってくださいませ。
※天童 魔子さんとのコラボ問題です。天童さんにはこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
問題原案:天童 魔子さん 企画・出題:セルス
14年07月14日 21:05
【新・形式】 [セルス]
【新・形式】 [セルス]
天童 魔子さんとのコラボ問題です。
解説を見る
お見事です。よくぞ悪魔の幻影を打ち破りました。
儀式の間に出入りするための扉はたった一つ。ですが、扉を出た先が一つとは限りません。
#red#儀式の間は移動した#/red#-これこそが、悪魔の心臓を貫く銀の弾丸だったのです。
語りましょう。
嘘偽りのない、真実の物語を。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カメオはとある名家の嫡男として生を受けた。
幼き頃より、厳格な両親から、一切の甘えを許さぬ英才教育を受け続けた。
両親による抑圧を受け続けたことにより、カメオは人間そのものを嫌うようになっていった。
何一つとして自由に選択する権利を与えられなかったのだから、当然といえば当然かもしれない。
食べるものも。学びの場所も。趣味も。友人も。結婚相手でさえも。
タト子との結婚は、完全なる政略結婚であった。
両家の立場もあり、表面上は当たり障りのない結婚生活を続けていた。
だが、長年タト子と連れ添うにつれ、徐々に夫婦間での諍いが絶えなくなっていった。
跡取りを決めるためだけに産まされた、何の愛着もない子供たちとその家族も、
誰が跡取りになるだとか、誰が遺産を継ぐだとか、そんな下らぬ衝突を繰り返してばかり。
カメオは孤独だった。
やがて名家の当主となり、莫大な財産を手にしてなお、心は空虚なままだった。
『彼女』と出会うまでは。
いつものように私室に籠っていると、ふと、ピアノの奏でる音色がカメオの耳に届いた。
幼いころの英才教育の一環でピアノを弾かされ、弾き間違えてはピアノの教師に手をはたかれていたのを思い出した。
手を叩かれないよう必死に、楽譜通りの音を機械的に再現していた。
その作業が嫌だった。だからピアノは嫌いだった。
嫌いのはずだった。
響いてくるピアノの音色をどれほど意識の外へ追いやろうとしても、耳から離れることはない。
それどころか、徐々にその旋律に心惹かれていった-あるいは、憧れていたのかもしれない。
かつて自分が奏でていた、無機質で事務的なものとは明確な違いを感じていた。
音の一つ一つが自由に遊び回るように、しかしそれぞれの音が調和して、
それだけで、一つの大きな世界を形作っているかのような。そんな錯覚を覚えた。
音を辿ると、娯楽室へと行きついた。
娯楽とは言いながらも、かつての自分が両親から強引に押し付けられた趣味の部屋だ。
ピアノもその中の一つだった。
ピアノの音の主を見る。
それはそれは美しい女性が、心の底から楽しむかのような表情で鍵盤に向かっていた。
それが、『彼女』との初めての出会いだった。
『彼女』は、長男夫妻が孫のピアノの講師として招いたピアニストだった。
『彼女』が訪れる週に二、三度だけ、あれだけ人を嫌っていたカメオが部屋から出て、
娯楽室の中の様子を窺うようになっていた。
気づけばカメオは、『彼女』に恋心を抱いていることに気が付いた。
空虚で無味乾燥なカメオの心に、初めて色を与えてくれた『彼女』に。
それはカメオにとって、本当の初恋であり、初めて他人に心を開いた瞬間でもあった。
ある時、カメオは『彼女』に声をかけ、私室へと招いた。
最近は妻のタト子ですら近づけないようにしていたあの私室に、初めて招き入れた客人だ。
『彼女』との談笑の中で、カメオはますます『彼女』に心を奪われていった。
だが、これまで人間との付き合いが希薄であったカメオの慕情は、徐々にあらぬ方向へと向かっていった。
執着のあまり、『彼女』を私室に軟禁するようになった。
それはまるで鳥籠に入れられた鳥のよう。
その事実を隠蔽することも徐々に難しくなっていった。
人を寄せつけないようにしているとはいえ、強引に家族に私室に入られたら見つかってしまうかもしれない。
このままでは『彼女』を私室に閉じ込めているのが明らかになるのも時間の問題。
そこでカメオは考え付いた。
『彼女』を、誰にも見つからない場所に閉じ込めてしまえば良いと。
カメオは黒魔術に傾倒した-”フリ”をした。
そして、黒魔術の儀式を行うための部屋だと言って作らせたのが、あの『#b#儀式の間#/b#』だった。
あの部屋を作らせる口実は何でも良かったのだろうが、黒魔術で使うなどと言っておけば、
気味悪がって誰も近寄りはしないだろう。そう思った。
その日もいつものように儀式の間に入る。
すると、地面から浮き上がるかのような錯覚を覚えた。
だがそれもいつもの事。
しばらくして儀式の間の扉を開けると-その向こうには『彼女』とピアノが存在していた。
#red#儀式の間はエレベーターだった#/red#。
#red#地下に作った地下室へと続く唯一の入り口#/red#。#red#それこそが、儀式の間の正体#/red#。
#red#儀式の間に存在する出入り口はただ一つ#/red#だが、#red#カメオが入った後に儀式の間は地下室に移動する#/red#ようになっていた。
儀式の間の真実を知る者は全て葬り去ってある。
そして、特殊な生体認証システムにより、カメオが入った時だけ動作するようになっている。
これで誰が、『彼女』が地下室に閉じ込められていると気づけようか?
今日も誰も知らない地下室の中で、『彼女』と二人きり。
カメオは最愛の『彼女』の名を口にする。
-さぁ。今日も君の美しい旋律を聞かせておくれ。親愛なる#b#カニバリーチェ#/b#。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これが、「儀式の間の悪魔」の正体です。
長話になってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
・・・ところで。
私の物語の最後の最後を台無しにしてくれましたね。「喰人の魔女」カニバリーチェ。
(゚д゚)「Σoh!なぜバレたのですか」
バレるに決まっています。今回、貴女にはかなり助けて頂きました。その点に関しては素直に感謝しています。
ただ、私の書き上げた物語を勝手に弄らないで頂きたいのですが?
(゚д゚)「まぁ良いではないですか ほんの遊び心なのです」
・・・はぁ。本当にしょうのない魔女ですね、貴女は。
さて、皆様、少々締まりのない幕切れになってしまいましたが、お楽しみ頂けましたか?
もし次があれば、またお会い致しましょう。
それでは、さようなら。
(゚д゚)「(゚д゚)ノシ さよならなのです」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
-さぁ。今日も君の美しい旋律を聞かせておくれ。親愛なるカニバリーチェ。
(゚д゚)「良いのですよ」
(゚д゚)「#red#今日は、私の体の中で、私の音色を直に聴かせてあげるのです#/red#」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
儀式の間に出入りするための扉はたった一つ。ですが、扉を出た先が一つとは限りません。
#red#儀式の間は移動した#/red#-これこそが、悪魔の心臓を貫く銀の弾丸だったのです。
語りましょう。
嘘偽りのない、真実の物語を。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カメオはとある名家の嫡男として生を受けた。
幼き頃より、厳格な両親から、一切の甘えを許さぬ英才教育を受け続けた。
両親による抑圧を受け続けたことにより、カメオは人間そのものを嫌うようになっていった。
何一つとして自由に選択する権利を与えられなかったのだから、当然といえば当然かもしれない。
食べるものも。学びの場所も。趣味も。友人も。結婚相手でさえも。
タト子との結婚は、完全なる政略結婚であった。
両家の立場もあり、表面上は当たり障りのない結婚生活を続けていた。
だが、長年タト子と連れ添うにつれ、徐々に夫婦間での諍いが絶えなくなっていった。
跡取りを決めるためだけに産まされた、何の愛着もない子供たちとその家族も、
誰が跡取りになるだとか、誰が遺産を継ぐだとか、そんな下らぬ衝突を繰り返してばかり。
カメオは孤独だった。
やがて名家の当主となり、莫大な財産を手にしてなお、心は空虚なままだった。
『彼女』と出会うまでは。
いつものように私室に籠っていると、ふと、ピアノの奏でる音色がカメオの耳に届いた。
幼いころの英才教育の一環でピアノを弾かされ、弾き間違えてはピアノの教師に手をはたかれていたのを思い出した。
手を叩かれないよう必死に、楽譜通りの音を機械的に再現していた。
その作業が嫌だった。だからピアノは嫌いだった。
嫌いのはずだった。
響いてくるピアノの音色をどれほど意識の外へ追いやろうとしても、耳から離れることはない。
それどころか、徐々にその旋律に心惹かれていった-あるいは、憧れていたのかもしれない。
かつて自分が奏でていた、無機質で事務的なものとは明確な違いを感じていた。
音の一つ一つが自由に遊び回るように、しかしそれぞれの音が調和して、
それだけで、一つの大きな世界を形作っているかのような。そんな錯覚を覚えた。
音を辿ると、娯楽室へと行きついた。
娯楽とは言いながらも、かつての自分が両親から強引に押し付けられた趣味の部屋だ。
ピアノもその中の一つだった。
ピアノの音の主を見る。
それはそれは美しい女性が、心の底から楽しむかのような表情で鍵盤に向かっていた。
それが、『彼女』との初めての出会いだった。
『彼女』は、長男夫妻が孫のピアノの講師として招いたピアニストだった。
『彼女』が訪れる週に二、三度だけ、あれだけ人を嫌っていたカメオが部屋から出て、
娯楽室の中の様子を窺うようになっていた。
気づけばカメオは、『彼女』に恋心を抱いていることに気が付いた。
空虚で無味乾燥なカメオの心に、初めて色を与えてくれた『彼女』に。
それはカメオにとって、本当の初恋であり、初めて他人に心を開いた瞬間でもあった。
ある時、カメオは『彼女』に声をかけ、私室へと招いた。
最近は妻のタト子ですら近づけないようにしていたあの私室に、初めて招き入れた客人だ。
『彼女』との談笑の中で、カメオはますます『彼女』に心を奪われていった。
だが、これまで人間との付き合いが希薄であったカメオの慕情は、徐々にあらぬ方向へと向かっていった。
執着のあまり、『彼女』を私室に軟禁するようになった。
それはまるで鳥籠に入れられた鳥のよう。
その事実を隠蔽することも徐々に難しくなっていった。
人を寄せつけないようにしているとはいえ、強引に家族に私室に入られたら見つかってしまうかもしれない。
このままでは『彼女』を私室に閉じ込めているのが明らかになるのも時間の問題。
そこでカメオは考え付いた。
『彼女』を、誰にも見つからない場所に閉じ込めてしまえば良いと。
カメオは黒魔術に傾倒した-”フリ”をした。
そして、黒魔術の儀式を行うための部屋だと言って作らせたのが、あの『#b#儀式の間#/b#』だった。
あの部屋を作らせる口実は何でも良かったのだろうが、黒魔術で使うなどと言っておけば、
気味悪がって誰も近寄りはしないだろう。そう思った。
その日もいつものように儀式の間に入る。
すると、地面から浮き上がるかのような錯覚を覚えた。
だがそれもいつもの事。
しばらくして儀式の間の扉を開けると-その向こうには『彼女』とピアノが存在していた。
#red#儀式の間はエレベーターだった#/red#。
#red#地下に作った地下室へと続く唯一の入り口#/red#。#red#それこそが、儀式の間の正体#/red#。
#red#儀式の間に存在する出入り口はただ一つ#/red#だが、#red#カメオが入った後に儀式の間は地下室に移動する#/red#ようになっていた。
儀式の間の真実を知る者は全て葬り去ってある。
そして、特殊な生体認証システムにより、カメオが入った時だけ動作するようになっている。
これで誰が、『彼女』が地下室に閉じ込められていると気づけようか?
今日も誰も知らない地下室の中で、『彼女』と二人きり。
カメオは最愛の『彼女』の名を口にする。
-さぁ。今日も君の美しい旋律を聞かせておくれ。親愛なる#b#カニバリーチェ#/b#。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これが、「儀式の間の悪魔」の正体です。
長話になってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
・・・ところで。
私の物語の最後の最後を台無しにしてくれましたね。「喰人の魔女」カニバリーチェ。
(゚д゚)「Σoh!なぜバレたのですか」
バレるに決まっています。今回、貴女にはかなり助けて頂きました。その点に関しては素直に感謝しています。
ただ、私の書き上げた物語を勝手に弄らないで頂きたいのですが?
(゚д゚)「まぁ良いではないですか ほんの遊び心なのです」
・・・はぁ。本当にしょうのない魔女ですね、貴女は。
さて、皆様、少々締まりのない幕切れになってしまいましたが、お楽しみ頂けましたか?
もし次があれば、またお会い致しましょう。
それでは、さようなら。
(゚д゚)「(゚д゚)ノシ さよならなのです」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
-さぁ。今日も君の美しい旋律を聞かせておくれ。親愛なるカニバリーチェ。
(゚д゚)「良いのですよ」
(゚д゚)「#red#今日は、私の体の中で、私の音色を直に聴かせてあげるのです#/red#」
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「真剣勝負」「12ブックマーク」
赤信号を見る度に自動車のアクセルを踏み込む男。なぜ?
14年05月12日 18:40
【ウミガメのスープ】 [ムク]
【ウミガメのスープ】 [ムク]
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運転しっぱなしで停車中しかラテシン出来ないので、信号待ち時間を稼ぎました。