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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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みんなのブックマーク

愛情のある風景「5ブックマーク」
そのときのことは、すべてが霧のなかのようで――



その男は、今まさに殺されようとしていた。

女の記憶から、そのときのことは、一部始終が欠落している。
ただ、男が女にとって大切な人間であること。
それをそのときの女がわかっていたこと。
――それは疑う余地のない事実。


大勢の人間が男を取り囲む。
男がこれまでにやったことをひとつひとつ数え上げる。
時に混じる低い笑い声が空気を振るわせる。


その中を。

女は感情のない顔で男の周りの人垣を割り……周囲のすべてを無視して……男にゆっくり近づく。
そして、男の体の上に……そう、男をかばうように身を投げ出し……そして意識を失った。


そのあと何が起こったのか……

間違いないことは、二つ。
一つは、男が死んだこと。
二つは、……まるでそのことが夢だったかのように。
まるでそこでは何もなかったかのように……傷ひとつない体で……女が今日も生きていること。



女の記憶がなかったときに起きたことを説明してください。
15年07月04日 20:30
【ウミガメのスープ】 [ゴトーレーベル]

出題2問目です。よろしくお願いします。 (´ω`)




解説を見る
「あんた、おじいちゃんが死んだときのこと憶えてないでしょ」
母親からそう言われ、私はうなずいて遺影を見やる。

11年前、私が2歳の時に死んだおじいちゃんのことは、ほとんど憶えていない。
ガンで長く苦しみ、最期は安楽死させたのだと聞いている。

じいじ、じいじ、ってなついてたんだけどねえ、と言って、母親は話を続ける。

「おじいちゃん、最期のときはにぎやかにやってくれって、親戚や友達を集めてね。
みんな明るく振舞って、思い出話で笑い合って。

じゃあそろそろ……って、お医者さんにお願いしようとしたとき、ね。
……あんたが来たのよ」

そう話しながら、遺影に目を向けていた母親が私を振り向く。

「寝かしつけたはずだったのにトコトコやってきて。
おじいちゃんのベッドに入っていって。
で、『じいじー』って言って抱きついて。
みんなが驚いて見てたら、そのまますぐ寝ちゃったのよ」

もちろん私はそんなことは憶えていない。
なんとなく、だっこされたような記憶はあるんだけど……
それはもちろんそのときじゃないだろうと思う。たぶん。

「おじいちゃんねえ、寝てるあんたの頭をなでて、本当に嬉しそうにしてたわねえ。
……最期のときも、幸せそうに笑ってた」

私はそのときの情景を想像してみる。
……自分のことなのだけど、いいことをしたという気がするな。
まだ中学生だから、人の幸せについてよくわかっているわけじゃないけど……
それでも少しはわかることだってあるのだ。



--------
このアイディアが固まりつつあったとき、ツォンさんの「BAR LATEthink」シリーズ、
『肯定の否定』 http://sui-hei.net/mondai/show/13288
を見つけました。
この解説内にある、「孫を抱きつつ安楽死する老人」のイメージに感動して、
その部分の使用許可をいただいたうえで再構成し、上記の形になったものです。
ツォンさん、ありがとうございます。そして、700問出題おめでとうございます!
バードストライク「5ブックマーク」
男は死んでしまった。
どうも鳥が鳴いたのを聞いたことが原因らしい。
一体どういうことだろうか?
14年11月21日 23:20
【ウミガメのスープ】 [シチテンバットー]

参加ありがとうございました。「バードストライク」は飛行機や風車に起こります。




解説を見る
男は視覚障害者。
外に出掛ける際は、主に杖の感触、そして#b#音#/b#を頼りにしていた。
男が散歩するルートには信号がある。その信号が青になると、#b#鳥の鳴き声が流れるようになっていた#/b#。

ある日。いつものように男が散歩をしていると、例の信号に差し掛かった。
音は出ていない、つまり信号の色は赤。
すると、本物の鳥が鳴き始めた。その声はいつも聞いているあの信号からの音に酷似していた。
男は歩き始めた。まだ信号が#red#赤のまま#/red#なのに・・・
千万円 もらえることに なったので 心配になった どうしてたろう?



☆参加ルール☆
質問は全て短歌(五・七・五・七・七)で行って下さいませ~
15年03月11日 22:02
【ウミガメのスープ】 [えねこー☆]

たまにはね ハートフルなの 出したいの それはさておき 短歌ムズいねww




解説を見る
最近は 詐欺が多くて 物騒だ うちの母親 大丈夫かな?

~カメオくん 母親の家に 電話して 詐欺士のフリを やってみました~

(´・ω・`)「俺だ俺 会社でちょっと やらかして 金がいるんだ 母さん助けて」

(母´・ω・`)「あらカメオ 声が少し 変わったの? それは大変 いくらいるのよ?」

(´・ω・`)「風邪なんだ。 千万円を 用意して 俺の口座に 振り込んでほしい」

(母´・ω・`)「大丈夫 明日までには 振り込むわ 口座の番号 教えて頂戴」



(´・ω・`)ああやっぱ 騙されちゃうんだ もしこれが 本物だったら 大変だなぁ


(´・ω・`)「お母さん これは嘘だよ 最近は オレオレ詐欺が たくさんあるんだ。
しっかりと 本当に僕か 確かめて 騙されないよう 気をつけようね!」



【要約解説】
オレオレと 母を相手に 詐欺のフリ 騙されるなんて 心配だなぁ
ものぐさな紳士淑女に捧ぐ「5ブックマーク」
ある場所では、夏休みの宿題を計画的に進めるタイプの学生よりも

最後まで溜めておくタイプの学生のほうが礼儀が正しい者の割合が多い傾向にある。

その場所とは?
17年06月05日 22:25
【20の扉】 [アーク]



解説を見る
原稿用紙の上。

宿題を最後まで溜めておくタイプの学生ほど、
作文の字数を稼ぐために#red#である調#/red#ではなく#red#ですます調#/red#を用いる割合が増える。
デメキン「5ブックマーク」
デメキンのヘソはハート型で、触ると好きな人と両想いになれる──。
その噂の真偽に気付いた瞬間、トウマは誰かに命を狙われていることを確信した。
いったいどういうことだろう?
17年07月20日 23:47
【ウミガメのスープ】 [牛削り]



解説を見る
R大学の谷山ゼミが合宿で訪れていた山荘が、記録的な嵐の影響で外界から孤立した。
対岸からの唯一の通路である吊橋は断絶、ゼミ生たちのスマホは一つ残らず充電が切れ、充電器を持ってきている者もいなかった。

そんな中、教授の谷山が首を吊って死亡した。遺書はなかったが、自殺だと誰かが言うと、皆がそれに賛同した。
運動部の男子数人で遺体を降ろし、教授の部屋に安置した。

共用スペースであるリビングに集まったゼミ生たちの空気は陰鬱だ。
皆、谷山教授の死について話すのを避けようとするが、目下それ以上に語るべきこともなく、いつしか全員がうつむいて沈黙した。

ゼミ生の一人、ミステリマニアの有岡冬磨は思った。この状況は知っている、と。
クローズドサークル。複数の男女が一つの建物に閉じ込められ、次々に殺されていく。古典的なミステリでは御馴染みの展開だった。

冬磨は谷山教授の死を自殺だとは思っていなかった。教授は利き腕を骨折していたはずだ。その状態で、ロープで輪を作り自分の体を天井から吊り下げるなんて、できるものか。

「紅茶でも飲む?」
沈黙を切り裂くように、水沢愛子が声をあげた。
「じゃあ私も手伝う」「俺も」
何人かがキッチンに向かう。

冬磨は座り込んだまま考えていた。
あれが殺人だとしたら、明らかにゼミ生の誰かの仕業である。
いったい動機は? アリバイのないのは誰だろう?

「冬磨君、どうぞ」
「あ、悪い」

各自に紅茶が配られる。
口をつけようとして、冬磨は手を止めた。

まだ、事件が終わっていないとしたら?
吊橋の断絶が犯人によるものだとしたら、事件はまだ続いている可能性が高い。
紅茶を淹れに行ったのは三人。配膳を手伝ったのがそのほかに一人。ティーカップにはそれぞれ、各自の名前が書いてある。

「ごめん、俺、部屋で飲むよ」
冬磨はさっと立ち上がり、部屋に向かった。
その途中、廊下にあった#red#金魚の水槽に、紅茶を垂らしてみた#/red#。

しばらくして覗いてみると、泳いでいたデメキンは引っくり返り、#red#腹を上にして浮き上がっていた#/red#。

その白い腹を見て、冬磨は思った。

#big5#──ヘソがない。#/big5#

そう、あの噂──デメキンのヘソはハート型で、触ると好きな人と両想いになれる──は、デマカセだったのだ!
彼女いない歴二十年の冬磨は、がっくりと肩を落とした。



ついでに、誰かが自分の命を狙っていることを確信した。



#big5#【要約解説】#/big5#
#b#他人に淹れてもらった紅茶をデメキンのいる水槽に垂らしたところ、デメキンが死んだ。#/b#
#b#魚は死んでしばらくすると腹を上にして浮き上がってくることがあるため、ヘソがないことも同時に確認できる。#/b#
#b#冬磨は噂の真偽と自分に向けられた殺意の存在とを同時に知ったのである。#/b#