動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
いらっしゃいませ。ゲスト様 ログイン 新規登録

みんなのブックマーク

Mr. UNCHAIN「5ブックマーク」
ここはアルカメトラズ刑務所。
年はとりたくないものだ。かつては大泥棒と呼ばれた俺が、
盗みに失敗してた挙句、こんなところに来なきゃならんハメになるとは・・

「よう。久しぶりじゃねーか。足を洗ったって聞いてたんだがな。ま、いっぱいやれや」
そう言って一人の男が酒の入ったグラスを差し出した。

彼はカメオ。裏世界のボスと言われる男だ。刑務所の中にありながら外の配下たちを支配し
刑務所を自分の城のようにして生活している。
そう聞いていたが・・どうやらそれは本当のようだ。
刑務所の中だというのに何処から持ち込んだのか、彼の前のテーブルには高そうな料理と高級酒が並んでいる。

俺が下戸だということも知っているだろうに、オレをからかうがごとく酒を薦めてくる。
性格の悪いやつだ。

だが、おれはありがたく頂戴することにした。

なぜ?
13年12月03日 23:32
【ウミガメのスープ】 [Ratter]



解説を見る
40年前。天才ロックスミスにして大泥棒としてオレは活躍していた。
オレにかかればどんな厳重な金庫であろうと、指先の感覚と耳さえあれば鍵なんてかかっていないも同然だった。

だが、ある日足を洗うことにした。
まあ、老後楽しく暮らすには十分すぎるほどの金を得たし
あまりに簡単に盗みが成功するのであきた。そんな理由だった。

ところが、1年ほど前。遊ぶ金がつきた。
どうやら使いすぎたのもあるが、アホほどインフレで物価が上昇したのがその理由だ。

金が必要になったがおれは、久しぶりに盗みを計画し
そのターゲットとしてカメオの金庫から金を盗むことにした。

奴は、刑務所の中に住んでいて、外界の情報はすべて部下経由で得ているという。
組織を運営するのに問題ない金額を残してさえやれば
わざわざ自分たちの失敗をボスに伝えるような部下はいない。
ボスに伝えていない以上、犯人を本気で探しだそうとするような行動もできないだろう。
そんな考えだった。

こうしてカメオがその資金を貯めこんでいると言われる金庫の前に立ったオレは愕然とした。
指紋認証・・・だと・・?

そうなのだ・・40年ちかくも年月が流れたせいで・・金庫の仕組み自体が当時と全ッ然違ってしまっていたのだ。
ダイヤルから伝わる感触と音。それを頼りにしていたオレの技でこんなものが開くはずもない。
あーやだやだ・年は取りたくないもんだ・・orz
おれはすごすごとその場を後にした。

が・・・この瞬間からかつて天才と呼ばれたオレの金庫破りとしてのプライドに火がついた。
その日から、コンピューターシステムについて猛勉強をし
1ヶ月ほどまえ。あとはカメオの指紋さえ手に入ればあの金庫は破れる!
そういう自身を得るに至った。

そして、オレはせこい盗みでわざと捕まり、懲役3ヶ月程度の罰をくらって刑務所に潜り込むことにした。
まったく、この歳になってわざわざ刑務所くんだりまで行かなきゃならんとは思いもしなかったぜ・・

刑務所に入り込んだオレは必死でカメオを探したが・・そんな努力は必要なかった。
刑務所の食堂。他の囚人たちが看守にみはられ、無言のうちに黙々と食事を済ませている中
奴は、フルコースを楽しんでいた。
奴が話しかけた場合は、囚人たちが返事を返そうと、看守たちは私語を咎めることもしない。

噂通り、刑務所の王様として過ごしているようだ。

こうして冒頭のセリフにつながる。


「よう。久しぶりじゃねーか。足を洗ったって聞いてたんだがな。ま、いっぱいやれや」
そういって、酒の入ったグラスを差し出すカメオ
40年前はペーペーでオレにこき使われていたことの意趣返しなのだろう
オレが下戸なのを知った上でしつこく酒を薦めてくる。
「天才金庫破りといわれたあんたが、まさか賽銭ドロで刑務所に入ってくるとはなぁwどうしたんだい?w」
「金が必要だったんだよ」
そう答える。まあ・・嘘ではない

「まあ、こうして再開できたのもなんかの縁だ。まさか・・オレの酒が飲めないとはいわねーよなぁ」

オレはグラスを受け取り、酒を煽る。頭がくらくらする・・まったく・・こんな手先の感覚を鈍らせるものの何がいいのか?
まあ、それはそれとしてカメオに話しかける。
「そうだ・・こうして会えた記念として、このグラス、もらってもいいかい?」
こちらが下手に出たのを、【ボスとなった自分におそれをなした】とでも都合よく解釈したのだろう
やつは気前よく了承してくれた。

オレはそれを大事そうに「そして指紋が落ちてしまわないように」丁寧に布に包み懐にしまい込む。

ふん!指紋さえ手に入っちまえばこっちのもんだ。後で吠え面かきやがれ!!

3ヶ月後。気が変わって奴の金庫内の大部分を盗み出したオレは海外へ高飛びした。
【ラテクエ34】桂三枝って天才?「5ブックマーク」
財産を売り払い、稀代の天才画伯ラテシノフの作品「月光」を手に入れた男。
その完成度に魅了され、誰にも渡すまいと厳重なセキュリティーをかけ保管していた。
しかし、名も知らぬ女に出会った男は土下座をし、無償で「月光」を女に譲り渡した。

一体何故だろうか?
13年09月28日 20:51
【ウミガメのスープ】 [Ratter]



解説を見る
ある日、骨董商の前を通りかかった男。
そこにあったのは古ぼけたリブレット※、タイトルには「月光」とある。

※注記
リブレット:長時間にわたる音楽作品で使われるテキスト、つまり台本のこと。
「Libretto」はイタリア語で、libro(本)に指小辞を付けた派生語である。
リブレットにはすべての歌詞とト書きが含まれる。さらにこの言葉は、ミサ、レクイエム、教会カンタータといった典礼作品の歌詞を指すこともある。
※注記終わり(Wikipediaより)

だがよく見ると、作者にラテシノフのある。
ラテシノフといえば、画伯としてもその天才さが讃えられているが、その他にも
彫刻、建築、科学、数学、工学、発明、解剖学、地学、地誌学、植物学等などと言った
様々な分野に業績を残した、レオナルド・ダ・ビンチのようないわゆる【万能人】と言われる人だが・・
音楽や台本作成も行っていたとは知らなかった。

元オペラ歌手であり、珍品の収集家であった男は、その珍しさに惹かれ、今までの収集品を売り払って資金を作り
「月光」を買い求めた。

手に入れた月光を演奏、上演しようとありとあらゆる歌手に話を持ちかけてみたが
この作品が完璧なものであるということがわかっただけであった。
彼女らの答えは
・要求される歌唱テクニックが高すぎる・音域が広すぎる・超人的な肺活量、声量が必要になる
どれをとっても完璧が求められる。とてもではないが私には無理
というものばかりであった。
「月光」はその完成度故に、誰にも歌いあげることが出来ない そんな逸品であった。

男は、この「月光」の誰にも歌うことの出来ないという神秘性にも魅せられた。
作品を聴くことが出来ないのは残念ではあったが、それでもいつか・・という可能性にかけ
誰にも渡すまいと厳重なセキュリティーをかけリブレットを保管していた。

ある日、教会の前を通りかかった男、1人のみすぼらしい姿をした少女が聖歌を歌っているのを見かけた
彼女以外は誰も居ない教会。澄み渡った歌声だけがひびき、野鳥や野良猫達だけが歌声に聞き入っているのが見える。
それを目に、いや耳にしたした男には天の声が聞こえた・・そんな気がした。

気がついた時には彼女の前で土下座して懇願していた。

「エ・・?ワタシ?ドウシテ・・?」
別に有名な歌手であるわけでもない彼女は困惑したが、男は
「君しかいない。あの【月光】はキミだけのものだ!是非お願いしたい」
そう懇願し続ける。少女は根負けして
「ハイ・・ドリョクダケハシテミマス」
そう了承することになった。

こうして、「月光」は彼女に譲り渡された。いや、託された。

・・・

5年後、天才・ラテシノフの残した、幻の楽曲「月光」と
それを完璧に歌いあげる若き歌姫、
そしてそのプロモーターである男の名が世界に轟く事となった。
水晶される未来「5ブックマーク」
今を時めく凄腕占い師『マダム・ネムレス』。
彼女の水晶玉占いは90%以上という驚異の的中率を誇り、そのベールに覆われた素顔から醸される神秘的な雰囲気も相まって
今やテレビで彼女の姿を見ない日は無いほどの大人気だ。


そんな彼女ではあるが、思いを寄せる師カメオの前では違った。
彼女の占いの技術が上がれば上がるほど彼の前では全く当たらなくなるのだという。


いったいなぜだろう?
17年05月23日 06:39
【ウミガメのスープ】 [滝杉こげお]

朝スープ。




解説を見る
「今日のマダム・ネムレスの占い。私、超ラッキーだって~」
「いいな~。私なんて超最悪本厄底辺大凶だって~。初めて聞いたわよ。私死ぬのかしら?」
「ハハッ、ウケル~」

ここは私立ラテラル高校。
何気ない会話に花を咲かせる彼女らをしり目にカメコはため息をついた。

(は~。何が『マダム・ネムレス』よ。こちとら占いの仕事のせいで寝不足よ。
目のくまのせいで目元はベールで隠さなきゃいけないし、占いのせいで勉強時間もとれやしない)
そう、何を隠そうカメコこそ、今を時めく美少女JK占い師『マダム・ネムレス』、その人であった。

高校教師カメオが入室してくる。その脇にはテストの山が抱えられていた。
(あ~。今日はテスト返却の日か~。テスト中も占いが使えればいいのに~)
カメコは暗記が大の苦手。事前にテスト内容を占っておくことで赤点はなんとか回避しているが
彼女に勉強の才能はなかったのだ。
水晶玉をテストに持ち込むわけにもいかず彼女の成績はいつも振るわなかった。

#b#要約解説#/b#
『マダム・ネムレス』は美少女JK占い師。水晶玉はカンニングに当たるためテストに持ち込むことはできない。
彼女の占いが当たり、仕事が増えるほど学業に割ける時間が減り、教師カメオの前ではテストの成績がどんどん落ちてしまうのだ。





「おい、カメコ~。もうすこしなんとかならないのか?」
「えへへ~。ごめんなさい」

思いを寄せるカメオに怒られ少し笑顔のカメコであった。
ドメスティック・バイオレンス「5ブックマーク」
とある男が居る。
その男は大勢の犬を見た日は子供を殴らない、
だが犬を見なかった日は子供を殴る。

なんでだろう?


【友達のraincoleさんとのコラボ(?)問題です。】

【問題、解説:raincoleさん。挿絵、翻訳:阿瓜】

【事前に台湾の友人であるraincoleさんから出題する許可を貰いました、ありがとうございます】
13年02月05日 20:30
【ウミガメのスープ】 [阿瓜]

ありがとうございました。意見、批評があれば一言お願いします。




解説を見る
ここは人類文明が廃れ、犬が支配するようになった世界である。

男と彼の子供は、この世界の支配者である犬達が経営する「動物園」の中にある“人類館”の観覧用動物である。

この動物園では人気のない動物たちは、殺されて食料として販売される。

彼は彼らを見に来る犬(お客)が少なくなってくると自分と息子を殴る、そして事故に装う。
それは痣をつけるためである。

男は他の動物を観察して気づいたのだ。
痣をつけると血塊のせいで上手く血が抜けなくなる。
犬たちは痣のない動物を優先的に殺す。

男は自分と息子を殴ることによって自分達を延命していたのだ。

※意見、批評お願いします。
デストロイヤル「5ブックマーク」
亀雄は等手町町長の息子。

父親の優しさと気品、祖父の勇気と行動力、曾祖父の正義感と不屈の精神を受け継いだ
未来の名君である。

先々代町長であるカメオの曾祖父もまた名君であった。
町には曾祖父の石像が建てられており、足元にはその偉業が刻まれた石碑がある。
ある日、亀雄はその石碑を粉々に打ち砕いた。

何故?
17年09月06日 18:33
【ウミガメのスープ】 [生姜蜂蜜漬け]

うすーく元ネタがあります。




解説を見る
40年前。等手町はとても貧しかった。
町民のほとんどが、とある工場で働き生計を立てていた。

他に目ぼしい産業がないことに付け込み、工場長は、命の危険を伴う作業、時間外労働、最低賃金を下回る給料と、
非道な状況で町民を酷使していた。

虐げられていた町民のために立ち上がったのが、亀雄の曾祖父である。
調査団を立ち上げ、裁判を起こした。工場側の嫌がらせにも屈せず、長い長い戦いの末、不正を暴き勝訴したのだ。
記念に町には曾祖父の石像が建てられ、足元の石碑には、非道に耐え勝利を掴み取るまでの経緯が刻まれた。

曾祖父が亡くなった後も、町の人々は互いに助け合いながら平和に暮らしていた。

ただし、ある一族を除いて。

工場長の親族が、等手町にまだ残っていたのだ。いや、残らざるを得なかったという方が正しい。
工場長が払った莫大な損害賠償は、40年経った今も親族の暮らしを圧迫し、
何より、町民の怒りは未だ強く、彼らが平穏に暮らすことを許さなかった。

海子は、工場長の曾孫で、そんな暮らしに不満も言わず、家族を支え健気に生きてきた。
「それだけ悪いことをしてきたんだから」「私だけ逃げるわけにはいかないよ」そう口癖のように話す海子。
海子の人柄をよく知っていた亀雄は、彼女が町民に苛められていることが我慢できなかった。

そして彼は立ち上がる。かつての曾祖父さながらに。

石碑を――刻まれた曾祖父の偉業と工場長の悪行を、彼は粉々に打ち砕いた。

「曾爺さんはとても立派な人だった。僕は今でも尊敬している。それはずっと変わりない。
 でも、彼をたたえるために海子があんな目に会うなら、もうこんなものはいらない!!
 海子をいじめる奴は僕が許さない! 誰だろうと相手になってやる!!」

それ以来、海子の一族への苛めはなくなった。
最初は亀雄の後ろ盾があってこそだったが、海子自身と接していくうちに、町民も少しずつその人柄に目を向けるようになっていく。
やがて町は、親族とも和解し、本当の意味での平和を手に入れた。

海子は今、亀雄と共に学校に通っている。
並んで帰り路を歩く二人を、曾祖父の像はどこか誇らしげに見守っていた。