動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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みんなのブックマーク

リサイクル「5ブックマーク」
「ダメだよ父ちゃん!そっちはちゃんと持って帰らないと!」

「ああ、ゴメンゴメン」  そう答えながら、父親は絶望した。

どういうことだろう?
13年03月09日 21:05
【ウミガメのスープ】 [yan]

子供は、時として残酷




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年老いた母を姥捨て山に連れて行くことになった亀造。

痩せこけた老婆とはいえ、一人で背負って行けるほど亀造も若くない。
そこで、母親をカゴに乗せ、息子の亀夫と二人で担いでいくことにした。

山奥へ分け入り、頃合のいい場所を見つけると、カゴを降ろす。
「すまねぇ、母ちゃん。これもしきたりだからよう…」

そして、そのまま背を向けて帰ろうとする父親を、息子は叱り付ける。
#b#「ダメだよ父ちゃん!そっちはちゃんと持って帰らないと!」#/b#

そういって亀夫は、カゴを指差す。 
「父ちゃんを捨てる時にまた必要になるから、カゴは持って帰ろうよ!」 

「ああ…ゴメンゴメン」  そう答えながら、亀造は絶望した。
そう、自分もそう遠くないうちに、山に捨てられに来るのだ。

そして、幼い頃からこのしきたりに慣れている息子は、何のためらい無く
自分を捨てることだろう。

しかし現実、働けない老人を養えるような余裕は、うちの集落には無い。
受け入れるしかないのだ。 自らに待ち受ける、過酷な運命を…
※水リード注意「5ブックマーク」
水を引いていたカメオは一輪の花を
カメコに渡せなかったことを思い出した。

なぜ?
16年10月24日 20:34
【ウミガメのスープ】 [滝杉こげお]



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ある日の昼下がり。
カメオは新聞についているクロスワードパズルを解いていた。

「とても親しい間柄、、、竹馬の友、じゃあ短すぎるし、水、水、、、ああ、なんだっけ?」
辞書を取り出してきたカメオは水を引きはじめる。
そしてページを繰り辿り着いた先には一輪の花。それを呼び水に
カメオの記憶がよみがえる。


20年前。
カメオの幼馴染で毎日一緒に遊んでいたカメコ。
カメオはカメコのことが好きだった。
いつか思いを伝えるときに渡そうと用意していたプレゼント。
けれどもカメコの突然の引っ越しで思いを伝えることができなかった。


そして時を経てカメオの前に現れたのは辞書に挟まれていた押し花だった。
カメオはそれを手に取ると当初の目的だった文言を確認する。


『#b#水魚の交わり#/b#
水と魚が切っても切り離せない関係であるように、離れることのできない親密な間柄のこと』

カメオはそれをみて微笑むと大事な思い出をしまうようにそっと押し花を元の
場所に戻すのだった。



#b#要約解説#/b#:
辞書で水の項目を引いていたカメオは昔渡せなかった押し花を見つけたのだ。

長い旅行「5ブックマーク」
プチ旅行を楽しんでいた井上。
本当は1泊のはずだったのに、
急遽2泊せざるを得なくなった。

交通手段も健康状態も問題ない。
できれば早く帰りたい。

なのに何故?
14年08月22日 20:07
【ウミガメのスープ】 [牛削り]



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山形の旅館で、井上はチェックアウトまでちょっとくつろごうとテレビをつけた。
ニュース番組だった。
キャスターがこんなことを言っている。

「台風第87号の影響で、#red#東海道新幹線は全線運休#/red#となっています」

それを見た井上は焦った。
すぐさま、旅館に延泊の申し入れをするとともに、#red#東京の会社#/red#に電話した。
応対の女の子に言って、部長に繋いでもらう。

「井上、お前大丈夫か?」
「ええ、なんとか。ただ、お聞きかもしれませんが……」
「わかってる、新幹線が運休なんだろ。安全なところで待機して、ゆっくり帰って来い」
「ありがとうございます」

#red#井上は大阪出張と偽って、会社支給の回数券を売り払い、そのお金で山形旅行をしていたのである。#/red#

「東海道新幹線が動かないと、東京へは帰れないな……」
東京にいるところを誰かに目撃でもされたら、目も当てられない。


当然、東海道新幹線が動き始める翌日には、北上した台風により山形新幹線が運休となるのだが、それはまた別のお話。
99+99=198「5ブックマーク」
一人は「それ」を「きゅう」と読み、一人は「それ」を「じゅうはち」と読んだ。
では、「それ」に残った読み方は何だろうか?
17年04月09日 20:04
【20の扉】 [松神]



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一人は「旧」をそのまま「きゅう」と読んだ。
一人は「旧」をデジタル風に読み「じゅうはち」と読んだ。
そして最後に残された君は「旧」を「いちにち」と読んだ。
ここはどこだ!?「5ブックマーク」
不意に眼が覚めた。
意識が朦朧とする。
ただ、辺りを見渡して、俺は自分が全く知らない場所にいると気付いて愕然とした。

――ここは……どこだ!?

扉は……開かない。
横開きの扉は厳重なロックが掛かっているのか開く気配すらない。
鍵穴らしきものもないってことは、この扉は外から鍵がかけられてるってことか?
俺はここに閉じ込められているのか?

え?なんで?
もしかして、俺誘拐されたのか?

……駄目だ覚えてない。
昨日の夜、俺は確かに自分の家のベッドで眠りについたはずなのに。

俺はどうしたら良いんだ!?
誰か俺を助けてくれ……

ん?何だか声が聞こえる?脳内に直接響いているような……
もしかして、俺を導こうとしてくれているのか?
だったら何でも良い!俺を助けてくれ!頼むよ!!
14年04月25日 21:40
【亀夫君問題】 [ヤナギ]

SPはアザゼルさんにお願いいたしました。初の亀雄君問題です。




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「俺は毎日記憶を失う病にかかっているのか?」

俺がそう聞いたとき、明らかにスピーカーから聞こえてくる男の声の雰囲気が変わった。

「おめでとう。君は既に同じ一日を364回繰り返しているが、自力でその答えに辿り着けたのは初めてだ。
 君が入院して丁度一年。今日は記念すべき日だ。
 さあ全ての答えを開示しよう。箱の中を覗きたまえ。」

その言葉が発されると同時に何をしても開かなかった箱のカギがガチャリと外れる音がした。
そこにあったのは一冊のノート。
筆跡は・・・俺の字だ。

『2014年4月1日 入院初日
 俺はある病に感染しているといきなり言われた。
 まだ名のない新種の伝染病らしい。
 なんでも感染すると寝る度に感染直後まで記憶が巻き戻される、なんていう症状が出るとの事。
 馬鹿げていると思うがどうやら大真面目のようだ。
 感染性が強いため隔離しなければならない事、そしてその病を研究する為に被験者になってもらいたい事を伝えられた。
 俺のこの部屋での様子から治癒過程を確かめたいとか、そんな内容だった気がする。
 俺は了承した。なに、ちょっとしたドッキリだろう。乗ってやるのも悪くないさ(笑)
 それにしてもおかしいな……今日は4月1日だったか?
 俺の記憶じゃあ今日は3月28日なんだが……』

ノートの1ページ目はそんな内容だった。

『2014年4月2日 入院2日目
 男の言っていたことは本当だった。
 なんだこれ、俺は何も覚えていない。
 こんなことを書いた記憶がない。
 そもそも今日は4月2日だって?
 俺の記憶じゃあ今日は3月28日だってのに……』

『2014年4月3日 入院3日目
 書いた記憶のない事が俺の字で書いてある。
 今日は3月28日じゃないのか?』

『2014年4月4日 入院4日目
 今日の日付が4月4日だなんて信じられない。
 俺は昨日の3月27日の夜、自分の家のベッドで寝たことを確かに覚えているのに……』

そんなことが延々と書かれていた。
ちっとも成長していない、俺じゃない俺の姿がそこにあった。
見る限り、俺は本当に一度たりとも自力で自分の現状に辿り着くことはできなかったみたいだ。

「さあ今日の分の日記をつけてくれ。明日、君の記憶が引き継げているかどうかで、病がどれほど治癒しているか分かるだろうから。」

声に促されるまま、俺は箱の中に入っていたペンを手に取り、2015年3月30日と書かれている部分の次の空白に書き加える。

『2015年3月31日 入院365日目
 俺は到底、自力で答えに辿り着けたなんて思っていない。
 脳内に響く声が俺を導いてくれた。
 もう声は聞こえないけれど、それはきっと確かな事だ。
 何となく、俺が今日寝て起きたとき、今日のことは忘れてしまっているんだろう。
 またきっと同じように目を覚まして、同じように拉致されたと思いこんで、同じように醜態を晒すんだろう。
 その時、また同じように導いてもらえるとは思えない。
 今回限りの奇跡みたいなものだったんだろうきっと。
 だから覚えている今のうちに俺はこれを書かないといけない。

  #big5#ありがとう #/big5# 』