「遊んではならない運命」「5ブックマーク」
カメオがラテラルライダーの玩具で遊んだために、次の日お父さんが会社に遅刻してしまった。
一体何故だろう?
一体何故だろう?
14年08月24日 09:42
【ウミガメのスープ】 [甘木]
【ウミガメのスープ】 [甘木]
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カメオは新しく買ってもらったラテラルライダーの玩具で遊ぼうとした。
しかし、この玩具には乾電池を入れなければ遊べない。
お母さんに乾電池がほしいといったが、あいにくきらしているという。
カメオが乾電池を探していると、お父さんが愛用している目覚まし時計が目に入った。
遊びたい欲求に勝てないカメオは目覚まし時計の乾電池を抜き、ラテラルライダーの玩具に入れて遊びだしたのだ。
当然、次の日の朝に目覚まし時計は#red#ならない#/red#。当然お父さんは会社に遅刻してしまったのだった。
しかし、この玩具には乾電池を入れなければ遊べない。
お母さんに乾電池がほしいといったが、あいにくきらしているという。
カメオが乾電池を探していると、お父さんが愛用している目覚まし時計が目に入った。
遊びたい欲求に勝てないカメオは目覚まし時計の乾電池を抜き、ラテラルライダーの玩具に入れて遊びだしたのだ。
当然、次の日の朝に目覚まし時計は#red#ならない#/red#。当然お父さんは会社に遅刻してしまったのだった。
「美味しく食べてね?」「5ブックマーク」
海
に出かけたツォンさんが海のモンスター。リヴァイアサンテンドウに食べられた
ありがとうリヴァイアサンテンドウ。ツォンさんを食べてくれて………
何故?
【参加テーマ・○○テンドウ←○に入る単語を考えて下さい(採用するかもです)】
に出かけたツォンさんが海のモンスター。リヴァイアサンテンドウに食べられた
ありがとうリヴァイアサンテンドウ。ツォンさんを食べてくれて………
何故?
【参加テーマ・○○テンドウ←○に入る単語を考えて下さい(採用するかもです)】
15年03月16日 20:05
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
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海
難事故にあい多くの遺体が行方不明になった・・・
せめて遺骨だけでもお墓に入れてあげたい・・・
そんな時 海のモンスター リヴァイアサンテンドウの中から大量の人骨が発見されたとの情報が入った
捕まえた海域はまさに彼等が事故にあった場所!即座にDNA鑑定をしてもらうと白骨の一体がツォンの物だと解った
本来なら冷たい海底に沈んでいるはずのものが骨だけでも帰って来た・・・
こうして遺族たちはリヴァイアサンテンドウに感謝するのだった
難事故にあい多くの遺体が行方不明になった・・・
せめて遺骨だけでもお墓に入れてあげたい・・・
そんな時 海のモンスター リヴァイアサンテンドウの中から大量の人骨が発見されたとの情報が入った
捕まえた海域はまさに彼等が事故にあった場所!即座にDNA鑑定をしてもらうと白骨の一体がツォンの物だと解った
本来なら冷たい海底に沈んでいるはずのものが骨だけでも帰って来た・・・
こうして遺族たちはリヴァイアサンテンドウに感謝するのだった
「ちょ、まてよ!」「5ブックマーク」
自
らの意思でその場から立ち去ろうとしたさしゃを、アザゼルは引き止めた。
あまつさえ、その理由をその場にいる人に暴露して、だ。
しかし、結果としてさしゃは喜び、その場にいる全員がアザゼルへの賞賛を惜しまなかった。
一体何があったのだろう。
らの意思でその場から立ち去ろうとしたさしゃを、アザゼルは引き止めた。
あまつさえ、その理由をその場にいる人に暴露して、だ。
しかし、結果としてさしゃは喜び、その場にいる全員がアザゼルへの賞賛を惜しまなかった。
一体何があったのだろう。
14年11月05日 13:32
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
何名かユーザーさんの名前を拝借いたしました^^
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あ
る朝の通勤ラッシュ時、アザゼルが運転手を務める#red#バス#/red#に乗ったさしゃ。
その背中には赤ん坊のマコを背負っています。
終点の電車の駅まで停留所数箇所に迫ったころ、マコがぐずりだしました。
「(lll゚д゚)オギャーオギャー!(暑苦しいのです!人が一杯で怖いのです!!)」
どれだけあやしても泣き止む気配はありません。
周りの人も心配そうな、うるさそうな表情でチラチラ。
その視線にも耐え切れず、停車ボタンを押しました。
「すみません!降ります!」
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(不愉快なのです!むずがゆいのです!腹減ったのです!)」
満員のバスの人を押し分け、泣き続けるマコをあやしながら何とか運賃箱までたどり着いたさしゃ。
電子マネーのカードをポケットから出そうとした瞬間、運転手のアザゼルが声を掛けました。
「お客さん、本当はどこまで行くの?」
「え、エエと、○○駅です。主人と合流して帰省する予定だったんですが泣き止まないし、たぶんおなかすいてるんだと思うんですが…。皆さんに迷惑になっちゃうので…。」
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(いい加減泣きつかれてきたのです!でも腹減ったのです!)」
「そうか…。でもここで降りてもコンビニとかないし、ミルクなんて用意できるところなんてないよ?それにご主人が心配するよ。ちょっと待ってね。」
それまで切っていた車内放送のマイクのスイッチをいれ、話し出すアザゼル。
「ご乗車の皆さん!ここに赤ちゃんをつれたお母さんがいます。赤ちゃんが泣き止まないので皆さんに迷惑をかけるからと、2つ前の停留所で降りると言っております。どうか、○○駅までこのお母さんと、赤ちゃんにお付き合い下さい。」
一瞬、マコの泣き声だけが車内に響きます。
次第に、自然と拍手が巻き起こり、早く駅に行こうと口々に言う乗客たちと運転手アザゼルに、さしゃは瞳を潤ませながら何度も礼を告げました。
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(何で私泣いてるのですか!もう覚えてないのです!)」
*まとめ:泣いてる赤ん坊が迷惑だからと降りようとしたが、運転手の機転で目的地までバスを降りなくてすんだという話。
る朝の通勤ラッシュ時、アザゼルが運転手を務める#red#バス#/red#に乗ったさしゃ。
その背中には赤ん坊のマコを背負っています。
終点の電車の駅まで停留所数箇所に迫ったころ、マコがぐずりだしました。
「(lll゚д゚)オギャーオギャー!(暑苦しいのです!人が一杯で怖いのです!!)」
どれだけあやしても泣き止む気配はありません。
周りの人も心配そうな、うるさそうな表情でチラチラ。
その視線にも耐え切れず、停車ボタンを押しました。
「すみません!降ります!」
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(不愉快なのです!むずがゆいのです!腹減ったのです!)」
満員のバスの人を押し分け、泣き続けるマコをあやしながら何とか運賃箱までたどり着いたさしゃ。
電子マネーのカードをポケットから出そうとした瞬間、運転手のアザゼルが声を掛けました。
「お客さん、本当はどこまで行くの?」
「え、エエと、○○駅です。主人と合流して帰省する予定だったんですが泣き止まないし、たぶんおなかすいてるんだと思うんですが…。皆さんに迷惑になっちゃうので…。」
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(いい加減泣きつかれてきたのです!でも腹減ったのです!)」
「そうか…。でもここで降りてもコンビニとかないし、ミルクなんて用意できるところなんてないよ?それにご主人が心配するよ。ちょっと待ってね。」
それまで切っていた車内放送のマイクのスイッチをいれ、話し出すアザゼル。
「ご乗車の皆さん!ここに赤ちゃんをつれたお母さんがいます。赤ちゃんが泣き止まないので皆さんに迷惑をかけるからと、2つ前の停留所で降りると言っております。どうか、○○駅までこのお母さんと、赤ちゃんにお付き合い下さい。」
一瞬、マコの泣き声だけが車内に響きます。
次第に、自然と拍手が巻き起こり、早く駅に行こうと口々に言う乗客たちと運転手アザゼルに、さしゃは瞳を潤ませながら何度も礼を告げました。
「(lll゚д゚)オギャー!オギャー!(何で私泣いてるのですか!もう覚えてないのです!)」
*まとめ:泣いてる赤ん坊が迷惑だからと降りようとしたが、運転手の機転で目的地までバスを降りなくてすんだという話。
「紅の美麗【リベンジ】」「5ブックマーク」
ある者はそれを人間の一部だといい、
またある者は流血しているといい、
ある者はそれを布を広げているといい、
またある者は炎上しているという。
しかし、彼らは皆【それ】を美しいと言っている。
さて【それ】とはなんだろうか?
※嘘はなし、リスト聞きありです。
初20の扉なので、至らないところがあれば教えていただけると有難いです。
よろしくおねがいします!
またある者は流血しているといい、
ある者はそれを布を広げているといい、
またある者は炎上しているという。
しかし、彼らは皆【それ】を美しいと言っている。
さて【それ】とはなんだろうか?
※嘘はなし、リスト聞きありです。
初20の扉なので、至らないところがあれば教えていただけると有難いです。
よろしくおねがいします!
14年10月10日 20:14
【20の扉】 [桜小春]
【20の扉】 [桜小春]
いいね!貰いました(>ω<)
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ある者は#red#赤子の手のよう#/red#と表現し
またある者は#red#血が滴るよう#/red#と表現し
ある者は#red#友禅染の布を広げたよう#/red#と表現し
またある者は#red#燃えるよう#/red#と表現する
そして、彼ら全員が#red#色鮮やかな紅#/red#を美しいと言っている。
【それ】とは、#red#赤くなった紅葉#/red#のことでした!
またある者は#red#血が滴るよう#/red#と表現し
ある者は#red#友禅染の布を広げたよう#/red#と表現し
またある者は#red#燃えるよう#/red#と表現する
そして、彼ら全員が#red#色鮮やかな紅#/red#を美しいと言っている。
【それ】とは、#red#赤くなった紅葉#/red#のことでした!
「不在者の祝福」「5ブックマーク」
彼女の結婚式には、私だけ呼ばれなかった。
連絡すら来なかった。
当時親しかった人達は、皆呼ばれているのに。
一緒にいる間、彼女は他の誰よりも私に頼っていたのに。
それでも、私は彼女の結婚を心から祝福できた。
どういうことだろう?
連絡すら来なかった。
当時親しかった人達は、皆呼ばれているのに。
一緒にいる間、彼女は他の誰よりも私に頼っていたのに。
それでも、私は彼女の結婚を心から祝福できた。
どういうことだろう?
14年09月27日 14:16
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
スープ入刀
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もう、死にたい。
絞り出すような呟きが、私が初めて聞いた彼女の声だった。
あら、そう。
無関心な相槌が、彼女が初めて聞いた私の声だった。
私は多分、良い人ではない。誰かを救いたいとか、力になりたいとか、そんな動機はなかった。
ただ、興味があったのだ。自分が全く感じたことのない気持ちを持った人間に。死にたいなど考えたこともない自分は、世の中ではむしろ異端なように感じられて。
だから、私は心理カウンセラーになった。
私の主な仕事は、いくつかの高校に出向き、定期的に高校生のカウンセリングを行うことだった。いわゆる、スクールカウンセラーだ。
彼らは実に多くの悩みを抱えている。死にたいと溢して何度もカウンセリングに来る人もいたし、一度話しただけですっきりして、二度と私の元へ訪れなかった人もいる。
友人、家族、恋愛、勉強、進路に部活……彼らの世界は大変狭かったけれど、その狭さゆえに闇も深かった。
こちらからすれば、何のことはない、そんなもの気にしなくていい、と思えることを、身体に不調が出るほど悩み込む人も少なくない。
それは私には理解できない感覚で、だからこそ興味深かった。
彼女もそんな一人だった。
自分の見た目が醜いと悩み、友達に嫌われていると悩み、家族からも邪険にされると悩み、何もできない無能な自分に悩んでいた。
そんなの気のせいだ、と周りからいくら言われても、そう言っておきながら、陰で自分を笑っているのだと、そんな自分自身の妄想に苦しめられていた。
彼女は半ば無理やり、私の元へ連れてこられた。担任の先生や両親が、カウンセリングに行くのがあなたのためだと説得したらしかった。
初めて来たときは、挨拶もせずに相談室に入ってきて、黙りこくったまま椅子に座り、私と目を合わさぬようじっと床を見つめていた。
だから私も何も言わず、机を挟んだ向かい側に座り、そのとき読んでいた本の続きをのんびり読み進めていた。
しばらくしてから、居たたまれなくなったのか、彼女の方から声を発した。
「もう、死にたい……」
消え入りそうな小さな声だったけれど、明るく染めた髪や塗りたくった化粧とは裏腹に、幼さの残る声色で、これが本来の彼女なのかと、私にはそれだけが強く印象に残った。
「あら、そう」
視線は本に注いだまま、相槌を打つ。
途端に、彼女が顔をあげたことを、目の端で捉えた。
呆けた顔をした彼女は、しばらくそのまま私を眺めて、そして。
「止めたり、理由を聞いたり、しないの?」
困惑しながら、質問をした。
よく聞かれる類の質問だから、いつものように簡潔に答える。
「止められたいなら、止める。理由を話したいなら、聞く。何も言いたくないなら、言わなくていい。ここはそういう場所だから」
彼女はすぐに常連客になった。
何も話さないときもあれば、1時間ほど喋り通していく日もある。
彼女の悩み一つ一つは、私の元へ来る他の高校生と大差なかった。けれど、そういう絵にかいたような典型的な悩みをたくさん抱える彼女は、私とは対極にいる存在で、尚更興味が持てた。
結局彼女の悩みは何一つ解決しなかった。
何一つ解決しないまま、騙し騙しなんとか高校には通い続け、出席日数ギリギリで卒業していった。
卒業した後も時々連絡があった。
相変わらずありがちな悩みを抱え、それを私に吐き出していた。
それでも少しずつ私に連絡をしてくることは減っていった。
彼女が卒業してから5年経ち、当時の教員達も半分ほど異動したその高校で、私はまだ仕事をしている。
彼女が結婚することを知ったのは、まだ高校に残っていた、当時彼女の担任だった教員からだ。
結婚相手は、優秀で家柄も良く、きちんとした人物なのだそうだ。
私も当然結婚式に呼ばれていると思っていたらしく、呼ばれてないどころか初耳であることを告げると、バツが悪そうな表情で曖昧に話題を濁して去って行った。
彼女が結婚か。
きっと彼女は、前に進めたのだろう。
私に声をかけないことが、何よりの証拠だ。
なぜなら私は……彼女の過去の、象徴なのだから。
彼女が死にたいと思うほどの悩みを抱えなければ、私と出会うことはなかった。だからこそ、私という存在自体が、彼女の中では、過去の自分を表してしまう。
そして残念ながら、人によっては、カウンセリングを受けること自体に抵抗があって、カウンセリングを受けなくてはいけなかった彼女に偏見を持つ。彼女はそういった過去のことを、結婚相手に伝えていない可能性も高い。結婚相手自身はそういったこともひっくるめて理解してくれるかもしれないが、家柄が良いのであれば結婚相手の親族は嫌がるだろう。
もし呼ばれたとしても、私は彼女の結婚式に出るつもりなど毛頭ない。私は行かない方がいいのだ。
これが、私の仕事だ。
あなたの闇は私が持って行ってあげるから、私とともに忘れなさい。
そして、普通の幸せを手に入れなさい。
END
#b#私は心理カウンセラー。彼女は高校生のとき、私のカウンセリングを受けていた。私の存在自体が過去の嫌な記憶を思い出させること、カウンセリングを受けていた事実は偏見を持たれかねないことから、結婚式には呼べなかった。私はそのことを理解しているので、「呼ばれない=過去との決別」と読み取り、遠くから祝福をするのだった。#/b#
絞り出すような呟きが、私が初めて聞いた彼女の声だった。
あら、そう。
無関心な相槌が、彼女が初めて聞いた私の声だった。
私は多分、良い人ではない。誰かを救いたいとか、力になりたいとか、そんな動機はなかった。
ただ、興味があったのだ。自分が全く感じたことのない気持ちを持った人間に。死にたいなど考えたこともない自分は、世の中ではむしろ異端なように感じられて。
だから、私は心理カウンセラーになった。
私の主な仕事は、いくつかの高校に出向き、定期的に高校生のカウンセリングを行うことだった。いわゆる、スクールカウンセラーだ。
彼らは実に多くの悩みを抱えている。死にたいと溢して何度もカウンセリングに来る人もいたし、一度話しただけですっきりして、二度と私の元へ訪れなかった人もいる。
友人、家族、恋愛、勉強、進路に部活……彼らの世界は大変狭かったけれど、その狭さゆえに闇も深かった。
こちらからすれば、何のことはない、そんなもの気にしなくていい、と思えることを、身体に不調が出るほど悩み込む人も少なくない。
それは私には理解できない感覚で、だからこそ興味深かった。
彼女もそんな一人だった。
自分の見た目が醜いと悩み、友達に嫌われていると悩み、家族からも邪険にされると悩み、何もできない無能な自分に悩んでいた。
そんなの気のせいだ、と周りからいくら言われても、そう言っておきながら、陰で自分を笑っているのだと、そんな自分自身の妄想に苦しめられていた。
彼女は半ば無理やり、私の元へ連れてこられた。担任の先生や両親が、カウンセリングに行くのがあなたのためだと説得したらしかった。
初めて来たときは、挨拶もせずに相談室に入ってきて、黙りこくったまま椅子に座り、私と目を合わさぬようじっと床を見つめていた。
だから私も何も言わず、机を挟んだ向かい側に座り、そのとき読んでいた本の続きをのんびり読み進めていた。
しばらくしてから、居たたまれなくなったのか、彼女の方から声を発した。
「もう、死にたい……」
消え入りそうな小さな声だったけれど、明るく染めた髪や塗りたくった化粧とは裏腹に、幼さの残る声色で、これが本来の彼女なのかと、私にはそれだけが強く印象に残った。
「あら、そう」
視線は本に注いだまま、相槌を打つ。
途端に、彼女が顔をあげたことを、目の端で捉えた。
呆けた顔をした彼女は、しばらくそのまま私を眺めて、そして。
「止めたり、理由を聞いたり、しないの?」
困惑しながら、質問をした。
よく聞かれる類の質問だから、いつものように簡潔に答える。
「止められたいなら、止める。理由を話したいなら、聞く。何も言いたくないなら、言わなくていい。ここはそういう場所だから」
彼女はすぐに常連客になった。
何も話さないときもあれば、1時間ほど喋り通していく日もある。
彼女の悩み一つ一つは、私の元へ来る他の高校生と大差なかった。けれど、そういう絵にかいたような典型的な悩みをたくさん抱える彼女は、私とは対極にいる存在で、尚更興味が持てた。
結局彼女の悩みは何一つ解決しなかった。
何一つ解決しないまま、騙し騙しなんとか高校には通い続け、出席日数ギリギリで卒業していった。
卒業した後も時々連絡があった。
相変わらずありがちな悩みを抱え、それを私に吐き出していた。
それでも少しずつ私に連絡をしてくることは減っていった。
彼女が卒業してから5年経ち、当時の教員達も半分ほど異動したその高校で、私はまだ仕事をしている。
彼女が結婚することを知ったのは、まだ高校に残っていた、当時彼女の担任だった教員からだ。
結婚相手は、優秀で家柄も良く、きちんとした人物なのだそうだ。
私も当然結婚式に呼ばれていると思っていたらしく、呼ばれてないどころか初耳であることを告げると、バツが悪そうな表情で曖昧に話題を濁して去って行った。
彼女が結婚か。
きっと彼女は、前に進めたのだろう。
私に声をかけないことが、何よりの証拠だ。
なぜなら私は……彼女の過去の、象徴なのだから。
彼女が死にたいと思うほどの悩みを抱えなければ、私と出会うことはなかった。だからこそ、私という存在自体が、彼女の中では、過去の自分を表してしまう。
そして残念ながら、人によっては、カウンセリングを受けること自体に抵抗があって、カウンセリングを受けなくてはいけなかった彼女に偏見を持つ。彼女はそういった過去のことを、結婚相手に伝えていない可能性も高い。結婚相手自身はそういったこともひっくるめて理解してくれるかもしれないが、家柄が良いのであれば結婚相手の親族は嫌がるだろう。
もし呼ばれたとしても、私は彼女の結婚式に出るつもりなど毛頭ない。私は行かない方がいいのだ。
これが、私の仕事だ。
あなたの闇は私が持って行ってあげるから、私とともに忘れなさい。
そして、普通の幸せを手に入れなさい。
END
#b#私は心理カウンセラー。彼女は高校生のとき、私のカウンセリングを受けていた。私の存在自体が過去の嫌な記憶を思い出させること、カウンセリングを受けていた事実は偏見を持たれかねないことから、結婚式には呼べなかった。私はそのことを理解しているので、「呼ばれない=過去との決別」と読み取り、遠くから祝福をするのだった。#/b#