「おまけのミステリー」「1ブックマーク」
男は推理小説を読んでいた。しかし、半分も読まないうちに、間のページを飛ばして最後の結末を読み始めた。結末を読み終えると、また元のページに戻って読み始めた。
どういうことだろう?
どういうことだろう?
14年10月17日 22:49
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

ミステリースープ3
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男は水平思考が大好きだった。
推理小説も、話の流れが大体わかったら、先に結末を読むのだ。
そして、結末がわかったら、そこに至るまでにどういうことがあったのだろうか、なぜそういう結論に至ったのだろうか、と水平思考で考えるのだ。
そういう推理小説の読み方も……アリ?
推理小説も、話の流れが大体わかったら、先に結末を読むのだ。
そして、結末がわかったら、そこに至るまでにどういうことがあったのだろうか、なぜそういう結論に至ったのだろうか、と水平思考で考えるのだ。
そういう推理小説の読み方も……アリ?
「忘れ去られたミステリー」「1ブックマーク」
男は推理小説を読んでいた。しかし、半分も読まないうちに、間のページを飛ばして最後の結末を読み始めた。そして、最後まで読み終わる前に、男は大変なことをしでかしたことに気付き、絶望した。
どういうことだろう?
どういうことだろう?
14年10月17日 21:30
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

ミステリースープ1
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推理小説を読んでいた男は、登場人物の特徴や、事件の流れに既視感を覚えた。
その小説は、実家の押し入れから見つけたものだった。おそらく親が若い頃に買ったものなのだろう。随分古く、紙も傷んでいたし、聞いたこともない作者だったが、興味を惹かれて読み始めてみたのだが……読めば読むほど、疑惑は深まるばかり。どんなに面白くないと思った小説でも、普段なら絶対そんなことはしないのだが、半分ほど読んだところで男は我慢ができなくなり、ページをめくって結末を読み始めた。事件の犯人や、犯行を可能にしたトリック、犯行動機、そして犯人を追いつめる証拠……それらすべてが、自分の知っている話と瓜二つだった。
これは、俺が書いた新作小説にそっくりだ……いや、違う。この小説そっくりに、俺が書いてしまったんだ……!
小説家の男は、ここ数年、スランプに陥っていた。魅力的なキャラクターも、斬新なトリックも、かつては次から次へと思い浮かんでいたというのに。そもそも小説だけで食べてけるかどうかという程度しか売れていなかった男にとって、作品自体が書けないというのは、生活が危ぶまれる状況であった。書いては消し、消しては書きを繰り返し、必死になればなるほど筆が進まなくなる悪循環に困窮していたある日、一筋の光が差し込んだ。一人の主人公が思い浮かび、そこから湧き出るように他の登場人物や素晴らしいトリックが思い浮かんだのだ。あふれ出るアイディアを取りこぼさぬよう、三日三晩寝ずに書き続けた。久々に書きあげた新作小説……先週発売し、売れ行きは上々である。それなのに。
男は、薄汚れた古い小説を閉じた。その装丁は記憶になかったし、タイトルにも作者にも覚えはなかった。けれど、確かに、これを読んだ。幼い頃、男はこれを読んだのだ。読んだこと自体は忘れ去り、そのストーリーだけが頭の隅に残っていたのだろう。それを、自分のアイディアだと勘違いして、小説を書いてしまったのだ。次々に浮かぶエピソードや洒落た伏線は、男の才能ゆえではなく、他人の模倣に過ぎなかった。
無意識にとは言え、男がやったことは紛れもない盗作である。いくら無名の作品とはいえ、小説として世に出回ったものだ。昔似たような小説があった、と気付く人がいてもおかしくはない。いや、何より、男のプライドが自身を許さなかった。作家としての誇りがあった。たいして売れなくても、その日の食事に困ることがあっても、小説家であるという事実が彼を生かし続けて来たというのに。
小説家として絶対にしてはいけない、大変なことをしでかしてしまったことに気付き、男は絶望した。絶望する他、なかった。
END
#b#男は推理小説家。最近出した新作小説のアイディアが、子どもの頃に読んだ昔の推理小説の内容そのものだったことに気づく。無意識に盗作していたことに気付いた男は、絶望する他なかった。#/b#
その小説は、実家の押し入れから見つけたものだった。おそらく親が若い頃に買ったものなのだろう。随分古く、紙も傷んでいたし、聞いたこともない作者だったが、興味を惹かれて読み始めてみたのだが……読めば読むほど、疑惑は深まるばかり。どんなに面白くないと思った小説でも、普段なら絶対そんなことはしないのだが、半分ほど読んだところで男は我慢ができなくなり、ページをめくって結末を読み始めた。事件の犯人や、犯行を可能にしたトリック、犯行動機、そして犯人を追いつめる証拠……それらすべてが、自分の知っている話と瓜二つだった。
これは、俺が書いた新作小説にそっくりだ……いや、違う。この小説そっくりに、俺が書いてしまったんだ……!
小説家の男は、ここ数年、スランプに陥っていた。魅力的なキャラクターも、斬新なトリックも、かつては次から次へと思い浮かんでいたというのに。そもそも小説だけで食べてけるかどうかという程度しか売れていなかった男にとって、作品自体が書けないというのは、生活が危ぶまれる状況であった。書いては消し、消しては書きを繰り返し、必死になればなるほど筆が進まなくなる悪循環に困窮していたある日、一筋の光が差し込んだ。一人の主人公が思い浮かび、そこから湧き出るように他の登場人物や素晴らしいトリックが思い浮かんだのだ。あふれ出るアイディアを取りこぼさぬよう、三日三晩寝ずに書き続けた。久々に書きあげた新作小説……先週発売し、売れ行きは上々である。それなのに。
男は、薄汚れた古い小説を閉じた。その装丁は記憶になかったし、タイトルにも作者にも覚えはなかった。けれど、確かに、これを読んだ。幼い頃、男はこれを読んだのだ。読んだこと自体は忘れ去り、そのストーリーだけが頭の隅に残っていたのだろう。それを、自分のアイディアだと勘違いして、小説を書いてしまったのだ。次々に浮かぶエピソードや洒落た伏線は、男の才能ゆえではなく、他人の模倣に過ぎなかった。
無意識にとは言え、男がやったことは紛れもない盗作である。いくら無名の作品とはいえ、小説として世に出回ったものだ。昔似たような小説があった、と気付く人がいてもおかしくはない。いや、何より、男のプライドが自身を許さなかった。作家としての誇りがあった。たいして売れなくても、その日の食事に困ることがあっても、小説家であるという事実が彼を生かし続けて来たというのに。
小説家として絶対にしてはいけない、大変なことをしでかしてしまったことに気付き、男は絶望した。絶望する他、なかった。
END
#b#男は推理小説家。最近出した新作小説のアイディアが、子どもの頃に読んだ昔の推理小説の内容そのものだったことに気づく。無意識に盗作していたことに気付いた男は、絶望する他なかった。#/b#
「たまには紅茶も飲みたかった」「1ブックマーク」
喫茶店でコーヒーを頼んだ女。一口飲んで、それがコーヒーではなく紅茶であることに気づく。店員を呼び、そのことを告げると、店員は慌てて代わりのコーヒーを持ってきた。実は女は紅茶が大の苦手だったのだが、なぜか間違えられたことに感謝すらしていた。
どういうことだろう?
どういうことだろう?
14年10月18日 20:04
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

30杯目は紅茶スープ
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女は夫を殺し、犯行時刻を実際よりも遅いと勘違いさせる細工をした。その偽りの犯行時刻について、自分のアリバイをつくるために、店で買い物をしたり、防犯カメラがある場所に出かけたりしていた最中であった。
レシートに印字された日時をもとに、自分が犯行時刻に喫茶店にいたことを証明しようと目論んで入った喫茶店。そこで店員が偶然、オーダーを間違えてくれた。
レシートだけでは本当に自分が喫茶店に行ったのか確実ではないが、店員が自分のことを覚えてくれていれば自分のアリバイがより確実になる。
自分を自然に印象づけられることができるため、オーダーミスした店員に心から感謝したのだった。
レシートに印字された日時をもとに、自分が犯行時刻に喫茶店にいたことを証明しようと目論んで入った喫茶店。そこで店員が偶然、オーダーを間違えてくれた。
レシートだけでは本当に自分が喫茶店に行ったのか確実ではないが、店員が自分のことを覚えてくれていれば自分のアリバイがより確実になる。
自分を自然に印象づけられることができるため、オーダーミスした店員に心から感謝したのだった。
「山の上の小さなおうち」「1ブックマーク」
その家は三階建てなのに、階段がないんですって。
どういうことなの?
どういうことなの?
16年07月08日 14:18
【ウミガメのスープ】 [蒼井門]
【ウミガメのスープ】 [蒼井門]
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鳥の国の家の話。
ハーピー「ちまちま階段のぼるよりそこそこ大きな吹き抜けつくって飛んだ方が早い」
鳥の国の家の話。
ハーピー「ちまちま階段のぼるよりそこそこ大きな吹き抜けつくって飛んだ方が早い」
「愛に勝るものなし?」「1ブックマーク」
男と女が腕をからませ合っていた。
すると亀美がやって来てその腕を引き離した。
翌日、男と女はまた腕をからませ合っていた。
亀美は今度は引き離さなかった。
何故でしょう?
すると亀美がやって来てその腕を引き離した。
翌日、男と女はまた腕をからませ合っていた。
亀美は今度は引き離さなかった。
何故でしょう?
13年04月15日 21:25
【ウミガメのスープ】 [イエ]
【ウミガメのスープ】 [イエ]

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ある風が強い日。
亀美が洗濯物を取り込みに庭へ出ると、自分のブラウスと夫のYシャツの腕がからまっていた。
亀美はそれを引き離し、他の洗濯物も取り込んで家の中へ入った。
翌日。
昨日取り込んだブラウスを着て亀美は夫とデートに出かけた。
夫も一緒に取り込んだYシャツを着ている。
二人は腕をからませ合って街へと歩き出した。
亀美が洗濯物を取り込みに庭へ出ると、自分のブラウスと夫のYシャツの腕がからまっていた。
亀美はそれを引き離し、他の洗濯物も取り込んで家の中へ入った。
翌日。
昨日取り込んだブラウスを着て亀美は夫とデートに出かけた。
夫も一緒に取り込んだYシャツを着ている。
二人は腕をからませ合って街へと歩き出した。