「【ラテクエ61R改】いつからか別れの挨拶は「またね」になった」「2ブックマーク」
カメオが恋した女性は必ず、なぜか死んでしまう。
当然、カメオもその事実に気づいていた。
しかし、カメオはそれでも、何度も女性に恋をし続けた。
何故?
【ラテクエ61 ごがつあめ涼花さんの作品を一部変更して出題しております】
当然、カメオもその事実に気づいていた。
しかし、カメオはそれでも、何度も女性に恋をし続けた。
何故?
【ラテクエ61 ごがつあめ涼花さんの作品を一部変更して出題しております】
16年02月18日 23:43
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]
解説を見る
最初にカメコが死んだのは交通事故だっけ。
葬式で泣きはらした後、家に "親切な魔法使い" が来たんだ。
魔法使いは時間を巻き戻せる…
僕は彼女にお願いした。
#b#「時間を巻き戻してください。カメコに会う前まで。」#/b#
でもね、カメコは死んじゃうんだ。
2回目は海で溺死。
3回目は山で遭難。
4回目はフグの毒。
5回目はストーカーにメッタ刺し。
「またね、カメコ。」
………
……
…
100回目は心臓発作。
僕が抱きしめていると、突然苦しんで死んでしまった。
100回目の別れ。
そうか、そうなんだ…
「さようなら、カメコ。」
------------------------------
(゚д゚)「親切な魔法使いなのです。…あれ?」
⊂⌒っ´xωx)っ
モグモグ( °Д°⌒´xωx`)っ
葬式で泣きはらした後、家に "親切な魔法使い" が来たんだ。
魔法使いは時間を巻き戻せる…
僕は彼女にお願いした。
#b#「時間を巻き戻してください。カメコに会う前まで。」#/b#
でもね、カメコは死んじゃうんだ。
2回目は海で溺死。
3回目は山で遭難。
4回目はフグの毒。
5回目はストーカーにメッタ刺し。
「またね、カメコ。」
………
……
…
100回目は心臓発作。
僕が抱きしめていると、突然苦しんで死んでしまった。
100回目の別れ。
そうか、そうなんだ…
「さようなら、カメコ。」
------------------------------
(゚д゚)「親切な魔法使いなのです。…あれ?」
⊂⌒っ´xωx)っ
モグモグ( °Д°⌒´xωx`)っ
「永遠の命」「2ブックマーク」
天才科学者カメオはあるものを発明した。
彼は早速それを使った。すると彼は不老不死になった。
だがこれは彼が望んでいた結果ではなかった。
どういうことだろうか。
彼は早速それを使った。すると彼は不老不死になった。
だがこれは彼が望んでいた結果ではなかった。
どういうことだろうか。
16年02月07日 22:45
【ウミガメのスープ】 [ぜんまい]
【ウミガメのスープ】 [ぜんまい]
解説を見る
カメオが発明したものは時間停止装置だった。
彼は、#red#スイッチを押した人間以外の全て#/red#の時間を停止させる装置のつもりで発明した。
だが彼は一つ大きなミスを犯した。
この装置は、#red#世の中にある全て#/red#の時間を停止させる能力を持っていたのだ。
カメオがスイッチを押した瞬間、彼を含む森羅万象の時が止まった。
彼は老いることも死ぬこともなくなった。
スイッチを押した姿のまま、永遠に存在することを義務付けられたのだった。
彼は、#red#スイッチを押した人間以外の全て#/red#の時間を停止させる装置のつもりで発明した。
だが彼は一つ大きなミスを犯した。
この装置は、#red#世の中にある全て#/red#の時間を停止させる能力を持っていたのだ。
カメオがスイッチを押した瞬間、彼を含む森羅万象の時が止まった。
彼は老いることも死ぬこともなくなった。
スイッチを押した姿のまま、永遠に存在することを義務付けられたのだった。
「【ヤミガメのスープ】低温やけど」「2ブックマーク」
問
スープが温かかったので、カメコは「冷たい!」と言った。
どういうことだろう?
☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆
#b#【ヤミガメのスープ】第2弾です。#/b#
第1弾の方の問題と解説はチャットルーム「【ヤミガメのスープ】よーいドン! 解説」でどうぞ。
ルームキーは「鳴り物花火」です。
どうしても出題ページが見たい方はコチラですが。→ http://sui-hei.net/mondai/show/27683
#red#質問数が膨大なので、閲覧注意です。#/red#
この問題は【ウミガメのスープ】です。
YesNoで答えられる質問をして正解を導き出してください。
回答は「Yes」「No」「YesNo」のいずれか(少々の文章がつく場合アリ)になります。
【闇スープ】ですので、自分以外の質問と回答は#red#終了するまで見えません#/red#。
出題終了後には、全質問と全回答が見えるようになります。
そして、第2弾の今回も特別ルール「つまみ食い」は健在です。
#b#特別ルール「つまみ食い」について#/b#
「つまみ食い」により、他の参加者の#red#[良い質問]#/red#を見ることができます。
ヒントが欲しい時などに御活用下さい。
「つまみ食い」手順
①出題者が、#red#[良い質問]#/red#のついた、ヒントになりうる【質問番号リスト】を、まとメモにて発表します。(まとメモは適宜更新します)
②質問者は、【質問番号リスト】の中からお好きな番号を選んで質問欄に記入することができます。
記入例 5番をつまみ食いします。
③出題者は回答欄において、質問番号、質問者、「質問文」「回答文」の順でお答えします。
回答例 5 えぜりん 「男は人間ですか?」「No 人間ではありません!」
※ 「つまみ食い」の回数制限はありません。
※ 条件付きの欄に書かれた番号を指定した場合、参加者の進行状況によっては「つまみ食い」ができない場合があります。
出題期間は4月17日(月)23:59までの予定です。(あくまでも「予定」です。)
正解者の人数制限はありません。
期間内でしたら、いつからいつまで参加してもOKです。
マイペースでどうぞ。
回答もマイペースになると思いますので、ご了承ください。
回答ミス防止のため、質問欄の編集はしないでください。
特に5分以上経過した質問の編集は「絶対禁止」です。よろしくお願いします。
スープが温かかったので、カメコは「冷たい!」と言った。
どういうことだろう?
☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆
#b#【ヤミガメのスープ】第2弾です。#/b#
第1弾の方の問題と解説はチャットルーム「【ヤミガメのスープ】よーいドン! 解説」でどうぞ。
ルームキーは「鳴り物花火」です。
どうしても出題ページが見たい方はコチラですが。→ http://sui-hei.net/mondai/show/27683
#red#質問数が膨大なので、閲覧注意です。#/red#
この問題は【ウミガメのスープ】です。
YesNoで答えられる質問をして正解を導き出してください。
回答は「Yes」「No」「YesNo」のいずれか(少々の文章がつく場合アリ)になります。
【闇スープ】ですので、自分以外の質問と回答は#red#終了するまで見えません#/red#。
出題終了後には、全質問と全回答が見えるようになります。
そして、第2弾の今回も特別ルール「つまみ食い」は健在です。
#b#特別ルール「つまみ食い」について#/b#
「つまみ食い」により、他の参加者の#red#[良い質問]#/red#を見ることができます。
ヒントが欲しい時などに御活用下さい。
「つまみ食い」手順
①出題者が、#red#[良い質問]#/red#のついた、ヒントになりうる【質問番号リスト】を、まとメモにて発表します。(まとメモは適宜更新します)
②質問者は、【質問番号リスト】の中からお好きな番号を選んで質問欄に記入することができます。
記入例 5番をつまみ食いします。
③出題者は回答欄において、質問番号、質問者、「質問文」「回答文」の順でお答えします。
回答例 5 えぜりん 「男は人間ですか?」「No 人間ではありません!」
※ 「つまみ食い」の回数制限はありません。
※ 条件付きの欄に書かれた番号を指定した場合、参加者の進行状況によっては「つまみ食い」ができない場合があります。
出題期間は4月17日(月)23:59までの予定です。(あくまでも「予定」です。)
正解者の人数制限はありません。
期間内でしたら、いつからいつまで参加してもOKです。
マイペースでどうぞ。
回答もマイペースになると思いますので、ご了承ください。
回答ミス防止のため、質問欄の編集はしないでください。
特に5分以上経過した質問の編集は「絶対禁止」です。よろしくお願いします。
17年04月07日 14:11
【ウミガメのスープ】 [えぜりん]
【ウミガメのスープ】 [えぜりん]

解説等はチャットルームで読めます(ルームキー:火傷とちゃうで)
解説を見る
解
カメコが、買ってきた冷たいスープを置き忘れ、すっかり温まってしまった。
気付いたハズの家族がフォローしてくれなかったので、「冷たい!」と言った。
以下ちょっと詳しい解説
バッグに入った鍵を探すのに、手に下げていた買物袋が邪魔でひょいっと玄関脇に置いたまま、すっかり忘れて家に入ってしまったカメコ。
真夏の炎天下で、直射日光の当たった袋の中の温度はどんどん上昇した。
気づいた時には、中に入っていた冷蔵品のスープもすっかり温まってしまっていて、自分のミスをおおいに反省したカメコだった。
しかし、カメコよりあとに帰宅した家族は放置してあった袋に気づいたハズなのに、全くフォローしてくれなかった。
カメコは「ひとこと教えてくれたっていいじゃない! 冷たい!」と嘆いたのであった。
息子「トイレに行った後で取りに行こうと思ってたけど、スッキリしたら忘れた。」
娘「教えようと思ってたのに、スマホが鳴ったから忘れてたわ。」
実はみんな忘れっぽいだけであった。
家族とは、かくも似るものなのか。
※「キーワード・バー」の中身は以下の通りでした。(あくまでもヒントなので、FA条件として必須とは限りません。)
G:玄関 H:放置 K:買物 M:真夏 R:冷蔵
正解者は以下の皆様です。おめでとうございます。
Hugo さん
いちに さん
みん さん
QQS さん
ホルス さん
かしわぎ さん
shinshin さん
あらい さん
迦 さん
圭人 さん
カメコが、買ってきた冷たいスープを置き忘れ、すっかり温まってしまった。
気付いたハズの家族がフォローしてくれなかったので、「冷たい!」と言った。
以下ちょっと詳しい解説
バッグに入った鍵を探すのに、手に下げていた買物袋が邪魔でひょいっと玄関脇に置いたまま、すっかり忘れて家に入ってしまったカメコ。
真夏の炎天下で、直射日光の当たった袋の中の温度はどんどん上昇した。
気づいた時には、中に入っていた冷蔵品のスープもすっかり温まってしまっていて、自分のミスをおおいに反省したカメコだった。
しかし、カメコよりあとに帰宅した家族は放置してあった袋に気づいたハズなのに、全くフォローしてくれなかった。
カメコは「ひとこと教えてくれたっていいじゃない! 冷たい!」と嘆いたのであった。
息子「トイレに行った後で取りに行こうと思ってたけど、スッキリしたら忘れた。」
娘「教えようと思ってたのに、スマホが鳴ったから忘れてたわ。」
実はみんな忘れっぽいだけであった。
家族とは、かくも似るものなのか。
※「キーワード・バー」の中身は以下の通りでした。(あくまでもヒントなので、FA条件として必須とは限りません。)
G:玄関 H:放置 K:買物 M:真夏 R:冷蔵
正解者は以下の皆様です。おめでとうございます。
Hugo さん
いちに さん
みん さん
QQS さん
ホルス さん
かしわぎ さん
shinshin さん
あらい さん
迦 さん
圭人 さん
「こうかは ばつぐんだ!」「2ブックマーク」
各界の著名な招待客に、豪華絢爛な料理に装飾。シャンデリアは貧相であったが、それは立派なパーティーだった。
会場に主役の男が登場すると、会場は拍手に包まれ、主催者は成功を確信して、笑みを浮かべていた。
ところが、男が壇上で挨拶を始める頃には、主催者は狼狽してすっかり恐怖してしまい、挨拶は耳に届かなかった。
主催者に一体何があったのだろう?
会場に主役の男が登場すると、会場は拍手に包まれ、主催者は成功を確信して、笑みを浮かべていた。
ところが、男が壇上で挨拶を始める頃には、主催者は狼狽してすっかり恐怖してしまい、挨拶は耳に届かなかった。
主催者に一体何があったのだろう?
16年06月25日 15:28
【ウミガメのスープ】 [モニコ]
【ウミガメのスープ】 [モニコ]

やや要知識?
解説を見る
「パウリの排他原理」で知られ、ノーベル物理学賞受賞者でもあるヴォルフガング・パウリは、理論は素晴らしいが手先は不器用で、実験中によく装置を破壊していた。それだけでなく、パウリが近くにいるだけで装置が壊れる、というジンクスもあり「パウリ効果」と呼ばれ、こちらもよく知られていた。
とある祝賀パーティーで、主催者が招待客にパウリ効果を実践してやろうと一計を案じた。それは、「パウリが入室するとシャンデリアが落ちる装置」であり、ニヤニヤしながらパウリを待ち構えた。
さて、いざパウリが入室しても、ただ拍手喝采が起こるのみで、シャンデリアは落ちなかった。
なんと、「シャンデリアが落ちる装置」が壊れてしまっていたのだ。主催者はパウリ効果を目の当たりにして、恐怖を覚えたのである。
とある祝賀パーティーで、主催者が招待客にパウリ効果を実践してやろうと一計を案じた。それは、「パウリが入室するとシャンデリアが落ちる装置」であり、ニヤニヤしながらパウリを待ち構えた。
さて、いざパウリが入室しても、ただ拍手喝采が起こるのみで、シャンデリアは落ちなかった。
なんと、「シャンデリアが落ちる装置」が壊れてしまっていたのだ。主催者はパウリ効果を目の当たりにして、恐怖を覚えたのである。
「儚い光」「2ブックマーク」
カケルは手に持った線香花火に火をつけると、その手を激しく左右に振った。
何故そんなことをしたのだろう?
何故そんなことをしたのだろう?
16年06月24日 21:31
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
解説を見る
津久井カケルが大学のミステリ愛好会に入ったのは、ミステリ好きだからではない。
彼が好んでいたのは純文学で、エンタメ性の強い推理小説などはむしろ軽蔑の対象だった。
森鴎外や志賀直哉を心の友としていた彼には、当然友達は少なかった。
そんな彼に話しかけてきたのは、語学の授業で隣に座ったクラスメイトの女子だった。
「津久井君、これ訳せる?」
クラスといっても、高校のクラスのような交流があるわけではない。カケルはその女子の名前を知らなかった。
「この時制は仮定の意味。訳すと、"私が一輪のバラだとしても、あなたは振り向かないだろう"」
「あ、そう訳すのか。津久井君、頭いいね。ありがとう」
彼女がまっすぐ自分の方を見てきたので、カケルは咄嗟に目を逸らした。
彼女の名前を知ったのは、それから一週間以上も後だった。教師が彼女を当てたのを聞いて、カケルはすぐに、ノートの端にメモを取った。
「笠井さん」
下の名前はわからなかったが、彼はそれから心の中で何度もこの名前を呟くことになる。
「ねえ、カーとか、好き?」
ある日の授業終わり、笠井さんがそう話しかけてきた。
カケルは読んでいた文庫本を置いて、顔を上げた。
カー。車。カラス。
笠井さんのキラキラした目をまともに見てしまい、また本に目を落としながら、彼は考えた。
違う、車でもカラスでもない。この状況なら、ジョン・ディクスン・カー。アメリカの技巧派ミステリ作家だ。
読書家を自負するカケル、興味のないジャンルであっても、それくらいは知っていた。
「……『皇帝のかぎ煙草入れ』とか」
「おおー」
笠井さんの両手がカケルの肩を掴んだ。
「津久井君も、ミステリ好きだったんだ。いつも本読んでるから、好きなんじゃないかと思ってたんだよね。ねえ、一緒にミステリ愛好会、入らない?」
というわけである。
津久井カケルのキャンパスライフはその日から、バイブルと呼ばれるミステリの古典を読み漁ることだけに費やされた。もともと活字を読むのは得意なカケル、数ヶ月で、他の部員に引けを取らないミステリの知識を獲得していた。
親譲りの人見知りで、自分から人に話しかけることができないカケル。笠井さんとも、おしゃべりできるのは彼女の方から話しかけてくれた時だけだった。今では笠井さんをも凌ぐくらいの知識量を持っているが、そんなわずかな時間では、話したいことの十分の一も話せなかった。
そのまま、4年生になった。
サークル活動の最後を飾る、夏合宿。
合宿とはいっても、みんなで避暑地に宿泊してひたすら飲んだり読んだりするだけのお気軽な小旅行だ。
カケルは本を読みながら、笠井さんと話した時間のすべてを思い出していた。きっと合計しても2時間に満たないほどの思い出は、彼の中で何度も何度も、クリアな映像で再生された。
この合宿が終わったら、みんな、バラバラになる。笠井さんとはきっと二度と話すこともないだろう。
線香花火みたいだと、彼は思った。
「花火やろう」
誰かが言った。合宿最終日の夜だった。
みんなで海辺に集まって、持ち寄った手持ち花火に火をつけた。
カケルはちらりと横を見た。花火を持って目を輝かせている笠井さんがいた。#red#彼女は視線に気づいたのか、カケルに向かって微笑んだ。カケルはすぐ目を逸らした。#/red#
たくさんあった花火も残り少なくなった。最後に#red#みんなで線香花火#/red#をすることになった。
「最後まで落とさなかったやつが優勝な」
輪になって、一斉に火をつけた。
細かく震える火の玉を見て、カケルはさっきの連想を思い出した。
咄嗟に、線香花火を持った右手を素早く左右に振った。
#red#落ちていく火の玉#/red#を見届けると、彼は顔を上げて、見回した。
#red#その目はすぐに、笠井さんの姿を見つけた。#/red#
彼女は一心不乱に線香花火の先を見つめていた。
仄かに照らされる彼女の顔は、美しかった。
手元の火は弱々しく震え、今にも落ちてしまいそうである。
彼はいつになく強く願った。
その儚い光よ、どうかもう少しだけ。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#カケルはみんなで線香花火をしていた。#/b#
#b#視線に気付かれず片想いの女性の顔を見つめるために、#/b#
#b#彼女の花火が終わらないうちに自分のを振って終わらせた。#/b#
彼が好んでいたのは純文学で、エンタメ性の強い推理小説などはむしろ軽蔑の対象だった。
森鴎外や志賀直哉を心の友としていた彼には、当然友達は少なかった。
そんな彼に話しかけてきたのは、語学の授業で隣に座ったクラスメイトの女子だった。
「津久井君、これ訳せる?」
クラスといっても、高校のクラスのような交流があるわけではない。カケルはその女子の名前を知らなかった。
「この時制は仮定の意味。訳すと、"私が一輪のバラだとしても、あなたは振り向かないだろう"」
「あ、そう訳すのか。津久井君、頭いいね。ありがとう」
彼女がまっすぐ自分の方を見てきたので、カケルは咄嗟に目を逸らした。
彼女の名前を知ったのは、それから一週間以上も後だった。教師が彼女を当てたのを聞いて、カケルはすぐに、ノートの端にメモを取った。
「笠井さん」
下の名前はわからなかったが、彼はそれから心の中で何度もこの名前を呟くことになる。
「ねえ、カーとか、好き?」
ある日の授業終わり、笠井さんがそう話しかけてきた。
カケルは読んでいた文庫本を置いて、顔を上げた。
カー。車。カラス。
笠井さんのキラキラした目をまともに見てしまい、また本に目を落としながら、彼は考えた。
違う、車でもカラスでもない。この状況なら、ジョン・ディクスン・カー。アメリカの技巧派ミステリ作家だ。
読書家を自負するカケル、興味のないジャンルであっても、それくらいは知っていた。
「……『皇帝のかぎ煙草入れ』とか」
「おおー」
笠井さんの両手がカケルの肩を掴んだ。
「津久井君も、ミステリ好きだったんだ。いつも本読んでるから、好きなんじゃないかと思ってたんだよね。ねえ、一緒にミステリ愛好会、入らない?」
というわけである。
津久井カケルのキャンパスライフはその日から、バイブルと呼ばれるミステリの古典を読み漁ることだけに費やされた。もともと活字を読むのは得意なカケル、数ヶ月で、他の部員に引けを取らないミステリの知識を獲得していた。
親譲りの人見知りで、自分から人に話しかけることができないカケル。笠井さんとも、おしゃべりできるのは彼女の方から話しかけてくれた時だけだった。今では笠井さんをも凌ぐくらいの知識量を持っているが、そんなわずかな時間では、話したいことの十分の一も話せなかった。
そのまま、4年生になった。
サークル活動の最後を飾る、夏合宿。
合宿とはいっても、みんなで避暑地に宿泊してひたすら飲んだり読んだりするだけのお気軽な小旅行だ。
カケルは本を読みながら、笠井さんと話した時間のすべてを思い出していた。きっと合計しても2時間に満たないほどの思い出は、彼の中で何度も何度も、クリアな映像で再生された。
この合宿が終わったら、みんな、バラバラになる。笠井さんとはきっと二度と話すこともないだろう。
線香花火みたいだと、彼は思った。
「花火やろう」
誰かが言った。合宿最終日の夜だった。
みんなで海辺に集まって、持ち寄った手持ち花火に火をつけた。
カケルはちらりと横を見た。花火を持って目を輝かせている笠井さんがいた。#red#彼女は視線に気づいたのか、カケルに向かって微笑んだ。カケルはすぐ目を逸らした。#/red#
たくさんあった花火も残り少なくなった。最後に#red#みんなで線香花火#/red#をすることになった。
「最後まで落とさなかったやつが優勝な」
輪になって、一斉に火をつけた。
細かく震える火の玉を見て、カケルはさっきの連想を思い出した。
咄嗟に、線香花火を持った右手を素早く左右に振った。
#red#落ちていく火の玉#/red#を見届けると、彼は顔を上げて、見回した。
#red#その目はすぐに、笠井さんの姿を見つけた。#/red#
彼女は一心不乱に線香花火の先を見つめていた。
仄かに照らされる彼女の顔は、美しかった。
手元の火は弱々しく震え、今にも落ちてしまいそうである。
彼はいつになく強く願った。
その儚い光よ、どうかもう少しだけ。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#カケルはみんなで線香花火をしていた。#/b#
#b#視線に気付かれず片想いの女性の顔を見つめるために、#/b#
#b#彼女の花火が終わらないうちに自分のを振って終わらせた。#/b#