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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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私は願っていた。
舞踏会に行って、王子様と踊りたい。
私には舞踏会に参加するような資格はないけれど、それでも――

様々な手助けを借りてようやく着いた舞踏会。
きらめくシャンデリア、絢爛豪華な装飾品に、きれいに着飾った沢山の女の人たち……。
幼い頃憧れていたのとそのまま同じ光景が、そこには広がっていた。
宮廷音楽士の音楽が途切れると、王子様が手を差し伸べてこう言った。
「美しいお方……私と踊ってくださいませんか?」

荘厳な音で12時の鐘が鳴り響いた。私はホールの外、お城の外へと駆け出した。

お城の大階段に落ちてしまった靴に気づくと、私は急いで拾って帰った。
置きざりにしておけば、王子様が持ち主を探しだすかもしれないと思っていたのに、一体なぜ?
15年05月24日 20:36
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]



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私と王子は、幼い頃から決められていた許婚だった。一応政略結婚ではあるけれど、長年の友好国の、年の近い王子が相手なのだから、私は幸せな方だろう。いや、“方”ではなく、最も幸せな部類の女の子の一人である、と言う方が正確かも知れない。何故なら、幼い頃から度々彼とは顔を合わせることができたし、彼は完璧だったのだから。
さらさらの金髪にくりっとした碧い目、目鼻立ちも整っていたし、背も高く力も強い。勉強だって得意で、趣味のヴァイオリンはそんじょそこらの楽士よりも上手い。婚約者という意識の薄い昔、色々なことで彼と張り合おうとしていたけれど、私は彼に全然勝てなかった。彼の致命的な弱点を発見したいと、色々な事を試してみたけれど、結局私が彼に勝てる事は一度もなかった。
でも、その後、意外な所で彼の致命的な弱点は見つかった。
彼は、私と結婚したくないとごねたのだ。自身が本当に愛する女性とでなければ結婚できない、と。
そう、彼は、あてがわれた相手と幸せになる、ということができなかったのだ。
そんなことを言われたら私の立場はどうなると思っているの。そう訴えても梨の礫。王子は瞬く間に両親を説き伏せ、自身の花嫁を選ぶ舞踏会の開催を決めてしまった。
当然、振られたも同然の私に参加資格はないし、行ってもみじめな思いをするだけだと友人や両親に言われた。でも――
私は、侍女と従者に手引きしてもらい、舞踏会の開かれているお城へ行った。
お城のホールに辿り着くと、ちょうど音楽が途切れた所だった。
「美しいお方……私と踊ってくださいませんか?」
という聞き慣れた声に振りむけば、王子は一際美しい女性に声を掛けていた。
私になんか目もくれず、二人は優雅に舞い踊る。女性には見覚えがなかったけれど、彼女に向ける王子の目で、その気持ちが完全に彼女にあるのだけは分かった。……私にはそんな目、今までに一度だってしなかったのにね。
やがて十二時の鐘が鳴り響くと、女性は何か大事なことを思いだしたかのように、お城の外へ一目散に駆け出した。皆ぽかんとしていたけれど、私は急いで彼女を追い掛けた。こんなに急に駆け出すなんて、何か後ろ暗いことがあるに違いないから。そんな女が王子と結婚なんて、有り得ないことだから。彼女を追い掛けると、階段でつまづいた彼女が何かを落として行った。近づいてよくよく見ると、それはガラスでできた靴だった。もし王子がこれを拾ったら、きっとどんな手を使ってでもこの靴の持ち主を探しだしてしまうだろう。
私は、ガラスの靴を拾うと、そのまま自分の国に帰った。靴という手がかりがあればまだしも、手がかり無しなら、彼女を特定する手段は王子による首実検しかない。国中の女を集めた舞踏会を開くだけでも大変な事なのだから、いくらなんでもそれは認められないだろう。つまり、この靴さえ無ければ、王子は彼女を探しだせないはずだ。そして、あの舞踏会の日、王子はずっと、私がいることにさえ気づかないほどに彼女の方ばかり見ていたから、彼女以外の花嫁候補はいないだろう。そうなったら、許婚の私が王子様と結婚してめでたしめでたしという、予定通りの展開が戻ってくる。
笑いがこみ上げてきて、もう表情は誤魔化し様がないほどにやけているに違いなかった。そう、これはチャンスなのだ。
私は、拾った靴をドレスに隠し、ひっそりとお城を後にした。

一行解説:舞踏会開催に当たって婚約破棄された王子の元婚約者が、シンデレラの身元特定を妨害するため。
寡黙なさちこ「2ブックマーク」
さちこは雨の日も風の日も
いつも外に出されている。
しかしさちこは文句も言わない。

一体なぜだろうか?
15年07月16日 17:17
【ウミガメのスープ】 [灰音]



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さちこは私のリュックに付けているクマのマスコットだ。私は毎日そのリュックを背負って学校に行く。
雨の日も風の日も。
さちこをリュックの中に入れることはないし、マスコットなので文句も言わない。
右往左往「2ブックマーク」
YESのとき左右は何になる?
16年12月07日 18:47
【20の扉】 [ホルス]



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正解:エロ

*前置き
解説を出したので出題者名は「ホルス」となっているが、出題時点では出題者名は「名無しますか?」となっていた。

*解説
「名無しますか?」を「ナなしますか?」と変換。
これに対する解答が「YES」のとき「左右」から「ナ」の部分を消すと「エロ」となる。
イッツ ア ラッキーデー!「2ブックマーク」
僕の幼馴染の彼女は普段は現実主義者。

だが、今日教室に行くと彼女は、自分の今日の占い結果について皆にしきりに話していた。


一体どうして?
13年07月05日 22:39
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

今日のうちに終わらせられて良かったw




解説を見る
私は今日、7月5日が誕生日。

皆に祝って欲しいけど……自分から「今日誕生日なんだよ」って言うのもちょっとアレだし…………

皆がアレ、そういえば誕生日だったよね、おめでとう! と言ってくれるのが理想的なんだよね。

なんとか、今日が誕生日だって気付かせたいな……

そうだ!


~翌日~

「おはよー」

「おはよー」

「ねえ、今日の星座占い。#red#かに座#/red#が一位だったんだよ!」


「へー、良いことありそうじゃん」


「いやー、しし座と#red#かに座#/red#が最後に残ったときは、どうなるかと思ったけど……」

「う、うん」

「今日は嬉しいことが起こるんだって。今日ほど#red#かに座#/red#でよかったって思うことはないねー!」


「へ、へー。そうなんだ」



「───あ」

彼女とそのクラスメイトとの会話を聞いて、ようやく僕は今日が何の日か思い出した。


~~~


「なあ、それはさすがにちょっと無理があると……」

「なによ、気付いてくれたじゃない!」

「はいはい、おめでとう」

「えへへ、ありがと」

「よかったな、クラスメイトにも気付いてもらえて」

「うん。でも、自然な感じで気付かせられたでしょ?」


「いいや、メッチャ不自然だった」

~~~


ということで、今日7月5日はノックスRの誕生日、でした^^;。

皆、プレゼントチョウダイー♪(´ε` )


  
彼に会うために「2ブックマーク」
とあるきっかけで、決まった時間になると部屋に一人閉じこもりがちになってしまった女。
なぜ閉じこもってしまうのかと尋ねた所、彼に会うためだという。

一体どういうことだろうか?
16年05月01日 00:48
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

ふと偶然、過去の作品が出てきたのでこれを機に晒します




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とある記者の記録 —抜粋—
(手記・録音音声を基に作成)

ー友人Yの証言ー
「いや、まさかあんなことになっちゃうとはね」
『まさか、とは。やはり××さんの死は予想外だったと?』
「そりゃそうですよ。××は俺たちの中でも明るくて──自殺をするとはとても思えませんでした」
『なるほど。では、心当りとかは?』
「思い当たりませんね。あー、でも。○○さんなら知ってるかも」
『○○さんというと』
「××とは同じマンションに住んでいて、小さいころから一緒に遊んでたらしいです」
『幼馴染、というやつですね』
「そうですね。そいつに聞いた方が早いと思います。俺、××のことよく知らないし」


『──なるほど。それでは今回はお忙しい所ありがとうございました』
「いえ、こちらこそ」


~~~~~


「彼とは、小さい頃からよく遊んでいました」

ー幼馴染、○○の証言ー

『どういう風にですか?』
「どういう風にって……」
(○○、少し微笑んでこちらを向く。その目の隈からして満足に寝てない?)
「別に、普通ですよ? 小さい頃は鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり」
『なるほど』

「それで、今日はどのような用件で?」
『あ、それはですね……』
(私、ペンで頭を二、三度掻く)

『実は。とある方から、あなたなら××さんの自殺の理由を知っているのではないかという話を伺いまして』
「ああ」
(○○、再びこちらから目をそらし、一方向を見つめる)
「やっぱり」

『なにか、ご存知なんですか?』
「いいえ」

『いじめなどがあったということは?』
「──多分、違うと思います」

「私も、なぜ彼が死んだかなんて知りません」
『そうですか……』

「大体、それを知ってたら──止めてます」
『なるほど』
(私、メモ帳にペンを走らせる)

「それで? もう結構ですか?」
『ああ、待ってください。あと一つだけ』
「……なんでしょう」
『あなたのことについて、最後に一つだけよろしいでしょうか?』

「私のことについて、ですか?」
『あくまで噂として伺ったのですが──』
(一つ、記者が咳払い)

『ええ。その──失礼を承知で伺いますが。なんでも、××さんが亡くなってから、○○さん──あなたがある決まった時間帯になるといつもこの部屋に引きこもってしまうと言うお話を伺ったのですが。一日中引きこもっているわけではない。それなのに、その僅かな時間、引きこもるために学校までお休みになられているとか』

「ああ」
(○○、チラリと時計を見る。早く帰って欲しいというアピール?)

『本当なんですか?』
「ええ、そうですね。なりましたね」

『それはまた、一体どうして?』
「さあ」
『は?』

「冗談ですよ。まだ時間もあることですし……少しゲームをしましょうか」
『ゲ、ゲーム?』
「あなたがYes、Noで答えられる質問をしてくれたら、正しく答えてあげます。それで、真相を当てられたらあなたの勝ち」
『それ以外の質問は?』
「答えません」

(私、再びペンで頭を掻き、一回ため息)

『……あなたが引きこもったのは、××さんが亡くなったのと関係ありますか?』
「はい、ありますね」
『自殺の動機とは?』
「No、関係ないです」


『では、あなたと××さん以外に関係する人物はいますか?』
「No、いないです」
『××さんのための行為ですか?』
「これは……違うでしょうね。自分の為です」
『なるほど』
(私、メモ帳にペンを走らせて情報をまとめていく)



『あー……あなたは、××さんに、その。恋愛感情を持っていましたか?』
「……そう、ですね。Yesです。持っていました。そして、今でも」
『今回の行為にその恋愛感情は関係しますか?』
「はい、しますね」


(しばしの静寂。私、考えがまとまらず。やがて、あることに気づく)




『あなたが先ほどからずっとある一方向──ベランダを眺めているのは重要ですか?』
「Yes。そうですね。重要ですよ」
『あなたは引きこもってる間、ずっとそのベランダを眺め続けているのですか?』
「Yes」

(私、ペンを走らせる手が不意に止まる)

(つかの間の静寂)


『××さんの……自殺方法は重要ですか?』
「Yes」
『つまり、飛び降り自殺ということが重要であると?』
「Yes」
『引きこもるのがいつも決まった時間帯だということは?』
「Yes。重要です」

『ということは、つまり──』
ボーン、ボーン
(その時、四時を知らせる時報が鳴る。彼が飛び降りた時間。その時、私は確かにベランダから落ちていく××さんを見た。その顔はとても恐怖で引きつっていて──)

『──っ』
「わあ」

(私、声を失うとともに○○のぱあっとした明るい笑顔を見る)



「今日も、また会えたね」