みんなのブックマーク

舞踏会の日、町はもぬけの殻になりました。
国中の娘は舞踏会に招かれていますし、その国中の娘の婚活を心配して、国中の母親も娘に付き添いましたし、舞踏会にやってくる国中の娘を目当てに、国中の若者も舞踏会に行きましたし、国中の父親も、舞踏会で出てくる豪勢な料理を食べに、娘や息子に付き添いました。国中のお爺さんおばあさんも、親孝行だとばかりに国中の父親に引っ張られて、豪華なお城を見に行きました。
そんな中、町に残された少女は一人、窓を開けて大声で叫びます。
「舞踏会にーー行きたいなああああああ！！　キラキラしたお城でーー、私も踊ってみたかったあああああ！！」
大声を出しても、誰かが飛んで来たり、「うるさい！」と怒鳴られたりすることはありませんでした。何せ、町はもぬけの殻なのですから。
すると、少女は閃きました。――どうせ誰もいないんなら、何してもバレないんじゃない？
そう思うが早いか、少女は家じゅうの宝石をかき集めると、家を飛び出しました。ここら一帯には、そこそこの資産家が集まっているから、忍び込める家から物を盗み出すだけでも、少女が生きてゆくには十分でしょう。
少女の盗みの才能は見事なものでした。その小柄な体で木をよじ登り、不用心にも開けられた窓から忍び込み、ドレッサーの宝石を根こそぎ鞄に詰め込むと、家を出ました。時々出くわす、真面目な召使の巡回も、さっと身を隠して上手い事やり過ごします。
そうして、少女が町を出た頃には、町中のお宝のほとんどは消え失せていました。
もう町には帰れないけれど、あんな場所には、何の未練も無いわ。さあ、どこに行こうかしら。
鞄を宝石で、胸を期待で膨らませると、少女は宵闇の中に姿を消しました。

薄暗い部屋の中、男は女の顔色を窺うようにダミ声で尋ねる。
「お頭あ、玉座なんか買って、どうするって言うんです？」
お頭と呼ばれた女――盗賊団シンデレラの首領――は、怠そうに男を窘めた。
「お黙りサンドリヨン。盗賊団だからって、贅沢をしちゃいけない理由でもあるというの？」
「そりゃ、ねえですけどよお、なんていうかそのお、妙じゃありませんか。俺たちが権力の象徴を持ってたって、何にも意味なんかありゃしねえんですから」
「まあそう言うな。権力の象徴を金で奪われた彼らの屈辱を考えれば、出した金だけの意味はあると思うぞ」
「アッシェンプッテルの言う通りだわ。これは、権力に見放された私たちの復讐なのよ」
高笑いが辺りに響く。かつて光り輝かんばかりに美しくも不幸な少女だった女は、上品な宝石を下品なまでにごてごてと身にまとい、手に入れた玉座の座り心地に酔いしれていた。

簡易解説：皆が皆舞踏会に出かけてしまってもぬけの殻となった町から、貴重品を盗み出して逃げ出したから。

バレンタインデー。
ピュア男子高校生のカメオは、ほのかな期待と諦め(別名：防衛線)を抱きながら、いつも通り、いつも通りだと自分に呼びかけながら教室に入る。

いつも通り鞄を机に欠け、いつも通り席に座って気だるげに隣の席の幼馴染、ウミコに挨拶。

本当にいつも通りだった―それを見つけるまでは。


昨日、いつも通り(かのように)自然に空にした机の中をノールックで探ったカメオの手に、何やら箱らしきものが当たった。

(むっ、むふっ、これは！？？)

周りから見えないように体で隠しながら視線を落とし物体を引き寄せる。これは！！

【dear愛しのカメオ君　　カメコ】

「どおおおああああああｖがｊろｇｐｂｋ：ｔｈｔ！！！」

チョコレート！しかも・・・しかもあのクラスのアイドルカメコちゃんから！！やったああ！！



#big5#「何や、そんな嬉しいんか？」#/big5#

「ウミコ！そらそーやろ、なんたってあのカメコちゃんか・・・ら・・・・あっ・・・。」

「あ、そうなんや。 #red#ほんならもうこんなん要らんな#/red#」

ウミコはおもむろに立ち上がると、手に持っていた小さな箱をゴミ箱に投げ捨ててそのまま教室を出て行ってしまった。

「ウミコ・・・」

ちゃうって、そういうことちゃうって。

ゴミ箱から端の折れたリボンがついた箱を拾い上げるカメオ。

男勝りなウミコには似つかわしくないほどの、上品でかわいらしいラッピング。


ごめんって、俺ほんまはお前が、なあわかってくれやぁ・・・。





　　　　　　　　　　　　　　　＊






『カメオへ
　今年は、例年より頑張ってチョコレート作りました。絶対うまいから食べてや。
　
　なぁカメオ、あたしさ、いっつもアンタに強く当たってるけどさ、ほんまは―――――――。』

優等生で物静かなカメコと




ムードメーカーで活発なカメミは





気の合う大の仲良しの#red#双子でした。#/red#





そんなカメコは塾に通う電車でいつも会うカメオに恋に落ちました。




ある日カメコはカメミが絶対に落とせないテストの補習を受けて欲しいと頼まれ代りに塾へ行くように頼みました。




その日、#b#ついに勇気を出したカメオがカメコとカメミを#/b# #red#勘違い#/red#して告白しました。





双子の好みは似るもので初めて会ったカメオにカメミも恋に落ちてしまいました。




それを知ったカメコは#b#ときどきカメミに成り代わってカメコと会っていました。#/b#



気の利く賢いカメコの気づかいもありカメオのハートを掴んでいきました。

（カメミにばれると厄介なので双方にメールで偽り上手く帳尻を合わせておきました。）




カメコは本当は自分と出会うはずだったのだから #red#二人の恋の間にアイツはいらない。#/red#と考えるようになりました。

（私とカメミは同じ顔の同じ好みの持ち主だもの。あの子は私のスペアでしかないのよ）




カメオから大事な話しがあるっとメールされカメミを尾行したカメコは





#red#カメコはカメミを迫りくる電車に突き飛ばしてそのあとカメミとして振舞ったのです。#/red#




(´；ω；｀)ねえさん・・・助け・・・




















































#big5#でもね、カメコ。#/big5#












#red#双子って共感覚があるのを忘れて言いませんか?#/red#






#b#聞こえた断末魔は二人分でした。#/b#

女は愛する男＝#red#息子#/red#にスープを作って差し出した。

普段【家事は夫に任せていた】女なのだが、急な予定で夫は２、３日家を空けている為、その間の家事は女がすることになった

したことの無い家事に四苦八苦しながらも、なんとか料理を作り息子に差し出す


しかし息子は、スープに関してだけは「不味い」と言って、それ以上飲まずに部屋から出ていってしまった。


翌日

女はまた息子と食事をしていた。

すると息子が「美味しい！」と言ってスープを飲みほしたではないか

不思議に思いながらも女もスープを口にした。

【……不味い……#red#洗剤の味がする#/red#】

【#red#家事に関して全く無知な女#/red#は、洗剤を着けた後に水で洗い流さなければならない事を知らなかった】のだ。

その為【食器に付着していた洗剤がスープに染み込んでいる】


と、ここで女は気付く

【洗剤の味がするスープを息子が美味しいと言った事に】

「ねえ、このスープ本当に美味しい？」

「うん、美味しいよ！#red#いつもパパが作ってくれるスープそっくり！#/red#」

そこで女は確信する#big5#【夫が息子にだけ、わざと洗剤入りのスープを飲ませ続けていたことに】#/big5#

夫の恐ろしい企みに気付いた女は【愛する息子の為に#red#夫との離婚を決意した#/red#】


これからは、私がちゃんとしたスープを作ってあげよう……目一杯に愛情を込めたスープを……


#big5#要約#/big5#

【家事に関して無知だった女が過失で出した洗剤入りのスープを、男＝息子が美味しいと言ったので、息子に常日頃洗剤入りスープを夫が与えていると知った女は、離婚を決意したのだ】

水平思考部は、文化部であるのにもかかわらず週7、毎日夜8時まであるなかなかハードな部活である。
そのため、部員は少ない。


部長、えねこーは今年もあの伝統を引き継ぐべく『あれ』を行った。


それは文化祭の前にある体育祭での余興、『部活対抗リレー』である。

ここでは自由に仮装や、宣伝をしながら走ることができる。

そこで水平思考部はなんとこの寒い時期、観客席に絶品の暖かいウミガメのスープを振る舞い、毎年大好評を得ていた。もちろんこぼれないように、レースなので一応小走りで配る。

その際、部長えねこーは帰宅部たちをしつこく勧誘する。水平思考部の文化祭には人手が必要なのだ。

小春もウミガメのスープと勧誘の誘惑に負け、急きょ入部したのだが…
これがまあハード！なんたって全国からやって来る水平思考ファンのために問題を作るのだから！



そして、へとへとになった新人部員たちは文化祭が終わるとすぐ抜けてしまうのだった…