「ズボラな男による訃報」「2ブックマーク」
鶴山鈴之助は、親戚の亀田権三郎から、父親の訃報をメールで受け取った。
おや?と思って調べてみると、権三郎からは、去年のほぼ同じ時期に母親の訃報を受け取っていた。
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母 亀田 ウメ儀、九月二十八日午後九時三十分、永眠いたしました。(八十六歳)
故人の生前にはご厚誼をいただき、深く感謝いたします。
以下記載のとおり、告別式を執り行います。
十月一日午後二時より 於・海亀斎場 喪主・亀田 権次郎
※ 誠に勝手ながら、故人の遺志により香典・供花はご辞退申し上げます。
------------
二年続けてか、と思いながら今回のメールと見比べてみると、
名前と日時以外には一か所しか違いがない。どう見てもメールを使いまわしているようだ。
まあ、そんなに変更すべきところがあるわけでもないし、しょうがないか……
そう思った鈴之助だったが、もう一度メールを読んでやはりまずいと思い直し、
権三郎に会ったら注意してやろうと思った。
どういうことだろう。
おや?と思って調べてみると、権三郎からは、去年のほぼ同じ時期に母親の訃報を受け取っていた。
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母 亀田 ウメ儀、九月二十八日午後九時三十分、永眠いたしました。(八十六歳)
故人の生前にはご厚誼をいただき、深く感謝いたします。
以下記載のとおり、告別式を執り行います。
十月一日午後二時より 於・海亀斎場 喪主・亀田 権次郎
※ 誠に勝手ながら、故人の遺志により香典・供花はご辞退申し上げます。
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二年続けてか、と思いながら今回のメールと見比べてみると、
名前と日時以外には一か所しか違いがない。どう見てもメールを使いまわしているようだ。
まあ、そんなに変更すべきところがあるわけでもないし、しょうがないか……
そう思った鈴之助だったが、もう一度メールを読んでやはりまずいと思い直し、
権三郎に会ったら注意してやろうと思った。
どういうことだろう。
16年10月08日 20:23
【ウミガメのスープ】 [ゴトーレーベル]
【ウミガメのスープ】 [ゴトーレーベル]
解説を見る
鈴之助「このメールなんだけど、7文字目タテに読んでみてよ」
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父 亀田 権次郎儀、十月九日午前六時十五分、永眠いたしました。(八十六歳)
故人の生前にはご厚誼をいただき、深く感謝いたします。
以下記載のとおり、告別式を執り行います。
十月十一日午前十一時より 於・海亀斎場 喪主・亀田 権三郎
※ 誠に勝手ながら、故人の遺志により香典・供花はご辞退申し上げます。
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権三郎「『次はお前な』……すすす、すみません」
鈴之助「使いまわすのはいいとして、注意して読み直すくらいしなよ」
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父 亀田 権次郎儀、十月九日午前六時十五分、永眠いたしました。(八十六歳)
故人の生前にはご厚誼をいただき、深く感謝いたします。
以下記載のとおり、告別式を執り行います。
十月十一日午前十一時より 於・海亀斎場 喪主・亀田 権三郎
※ 誠に勝手ながら、故人の遺志により香典・供花はご辞退申し上げます。
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権三郎「『次はお前な』……すすす、すみません」
鈴之助「使いまわすのはいいとして、注意して読み直すくらいしなよ」
「世界一」「2ブックマーク」
男は、世界一美味しいケーキを作れるようになって迎えにくると約束し、妻をたった一人家に残して旅に出た。
しかし、修行しながら諸国を巡るつもりでいたのに、あっという間にあきらめた。
最初に立ち寄った華やかな都会で、住みこみで数年働いたあと、郊外に小さな店を構えて気ままに暮らしていたのだ。
とある夜明け前、みすぼらしい身なりの少女が、重たそうな水桶を持って店の前を通りかかった。
男はふと少女が気になり、昨日の売れ残りのケーキを1つ与えた。
ガツガツとケーキをほおばる少女に、男は尊大に尋ねた。
「どうだい? 世界で一番美味しいケーキだろう?」
すると少女は言った、
「いいえ、世界で二番目に美味しいケーキだわ。」
男は少し不機嫌になった。
こんな少女が、ケーキのような贅沢品を食べたことがあるとはとても思えなかった。
『生意気な奴だ』と男は思い、再び問いかけた。
「じゃあ、世界で一番美味しいケーキはどんなケーキなんだい?」
少女の答えを聞き、ひどく恥じ入った男は、少女と一緒に働くようになった。
状況を解き明かしてください。
しかし、修行しながら諸国を巡るつもりでいたのに、あっという間にあきらめた。
最初に立ち寄った華やかな都会で、住みこみで数年働いたあと、郊外に小さな店を構えて気ままに暮らしていたのだ。
とある夜明け前、みすぼらしい身なりの少女が、重たそうな水桶を持って店の前を通りかかった。
男はふと少女が気になり、昨日の売れ残りのケーキを1つ与えた。
ガツガツとケーキをほおばる少女に、男は尊大に尋ねた。
「どうだい? 世界で一番美味しいケーキだろう?」
すると少女は言った、
「いいえ、世界で二番目に美味しいケーキだわ。」
男は少し不機嫌になった。
こんな少女が、ケーキのような贅沢品を食べたことがあるとはとても思えなかった。
『生意気な奴だ』と男は思い、再び問いかけた。
「じゃあ、世界で一番美味しいケーキはどんなケーキなんだい?」
少女の答えを聞き、ひどく恥じ入った男は、少女と一緒に働くようになった。
状況を解き明かしてください。
16年09月28日 22:34
【ウミガメのスープ】 [えぜりん]
【ウミガメのスープ】 [えぜりん]
解説を見る
少女は、自分の父の作ったケーキが世界一だと答えた。
父が世界一のケーキを作れるようになって迎えにくるのを待っているので、父以外の人が作ったケーキが世界一だと困ると言う。
男は少女が自分の娘であることに気づいた。
男が家を出たあとに生まれ、亡くなった母に父の話を聞かされて育ったのだ。
約束を忘れ、世界一になることをあきらめたあと、妻に連絡すらせず、娘の存在も知らなかった男は、自らの無責任ぶりを恥じた。
男は、娘と暮らし始め、店で共に働いている。
以下、詳細ですが読まなくても大丈夫です。
「それはね、アタシの父さんの作ったケーキよ。」
少女は答えた。
少女はさらに語った。
少女の父が、自分の生まれる前に家を出たことを。
世界一のケーキを作れるようになって、自分の店を持ったら迎えにくると、母に約束したことを。
「もし、あなたのケーキが世界一だったら、父さんは迎えにこられないでしょう? あなたのケーキはとっても美味しいけど、一番じゃ困るの。アタシは父さんに会いたいんだもの。」
男はハッと胸を突かれた。
夜明けが近づき、白く浮かんできた少女の顔に、妻の面影を見たのだ。
男は妻が身ごもっていたとは思っていなかった。
でも、もしかしたら……
男は震える声で尋ねた。
「キミの母さんは?」
「去年事故で死んだの。私は母さんの親類に引き取られたの。ああ、早く水を運ばないとまた殴られるわ。」
少女は水桶にかがみこんだ。
男は妻の名を呼ぼうとした。
2回呼ぼうとして、2回失敗した。
3回目に、わずかに声が出た。
とても少女にまで届くとは思えないくらい、かすれ切った声が。
だが、母の名を聞いた少女の反応は早かった。
男を見つめる丸い目によぎる様々な感情。
答えはそれだけで充分だった。
男は、約束を忘れていた自分自身を恥じ、娘である少女に心から謝罪した。
その後少女は、男と一緒に暮らし始め、店を手伝うようになった。
少女の顔が笑顔になることは、まだあまり多くない。
『許してもらってはいないのかもしれない』と男は思う。
だけど、精一杯の償いをしようと、男は心に決めている。
父が世界一のケーキを作れるようになって迎えにくるのを待っているので、父以外の人が作ったケーキが世界一だと困ると言う。
男は少女が自分の娘であることに気づいた。
男が家を出たあとに生まれ、亡くなった母に父の話を聞かされて育ったのだ。
約束を忘れ、世界一になることをあきらめたあと、妻に連絡すらせず、娘の存在も知らなかった男は、自らの無責任ぶりを恥じた。
男は、娘と暮らし始め、店で共に働いている。
以下、詳細ですが読まなくても大丈夫です。
「それはね、アタシの父さんの作ったケーキよ。」
少女は答えた。
少女はさらに語った。
少女の父が、自分の生まれる前に家を出たことを。
世界一のケーキを作れるようになって、自分の店を持ったら迎えにくると、母に約束したことを。
「もし、あなたのケーキが世界一だったら、父さんは迎えにこられないでしょう? あなたのケーキはとっても美味しいけど、一番じゃ困るの。アタシは父さんに会いたいんだもの。」
男はハッと胸を突かれた。
夜明けが近づき、白く浮かんできた少女の顔に、妻の面影を見たのだ。
男は妻が身ごもっていたとは思っていなかった。
でも、もしかしたら……
男は震える声で尋ねた。
「キミの母さんは?」
「去年事故で死んだの。私は母さんの親類に引き取られたの。ああ、早く水を運ばないとまた殴られるわ。」
少女は水桶にかがみこんだ。
男は妻の名を呼ぼうとした。
2回呼ぼうとして、2回失敗した。
3回目に、わずかに声が出た。
とても少女にまで届くとは思えないくらい、かすれ切った声が。
だが、母の名を聞いた少女の反応は早かった。
男を見つめる丸い目によぎる様々な感情。
答えはそれだけで充分だった。
男は、約束を忘れていた自分自身を恥じ、娘である少女に心から謝罪した。
その後少女は、男と一緒に暮らし始め、店を手伝うようになった。
少女の顔が笑顔になることは、まだあまり多くない。
『許してもらってはいないのかもしれない』と男は思う。
だけど、精一杯の償いをしようと、男は心に決めている。
「【底】」「2ブックマーク」
ハヤトが注意される様な格好で逆上がりの練習をしていたので、
お菓子を沢山買っていたヨシオは不安になった。
一体なぜ?
お菓子を沢山買っていたヨシオは不安になった。
一体なぜ?
16年01月24日 17:51
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
解説を見る
靴の踵(かかと)を踏んだ状態で逆上がりの練習をしていたハヤト。
足を前に蹴り上げた勢いで片方の靴が脱げ、かなり前方に飛んでしまった。
飛んだ片靴はヨシオがいた近くの地面に【裏返しの状態で落ち】、
【明日の遠足を楽しみにしているヨシオの脳裏に、天気占い『靴飛ばし』の結果である『雨』をよぎらせ、不安を駆り立てた】のである。
足を前に蹴り上げた勢いで片方の靴が脱げ、かなり前方に飛んでしまった。
飛んだ片靴はヨシオがいた近くの地面に【裏返しの状態で落ち】、
【明日の遠足を楽しみにしているヨシオの脳裏に、天気占い『靴飛ばし』の結果である『雨』をよぎらせ、不安を駆り立てた】のである。
「【九】」「2ブックマーク」
当問題の参加者達は目的地に近づきながら口々に、
雑談欄で挙げられたものに似ている、似ていない等と語り合っていた。
その単語はどれも安全性のあるものなのに、危険だと言われた。
一体なぜ?
【参加テーマ】…安全性のある、形あるものとは?
雑談欄で挙げられたものに似ている、似ていない等と語り合っていた。
その単語はどれも安全性のあるものなのに、危険だと言われた。
一体なぜ?
【参加テーマ】…安全性のある、形あるものとは?
16年01月23日 17:16
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
解説を見る
雲を見ながら歩くのは危ないからである。
「ストップメモリー」「2ブックマーク」
どこまでも続く田園風景。かすれた《水平町》の文字。
思い出の場所で、昔と同じようにカメコを待つカメオの姿。
久々に帰郷したカメコにとって、何もかもが懐かしい。
今日は、タイムカプセルを開ける約束の日。
2人の手によって、10年ぶりに日の目を見たタイムカプセルは、
とある町民の悪事を暴いた。
土から出てきたのはそのタイムカプセルのみで、
容器や中身から証拠となる物が発見された訳ではないのに、なぜ?
(CCライブラリーより、しゃれこーべ様の画像をお借りしました)
思い出の場所で、昔と同じようにカメコを待つカメオの姿。
久々に帰郷したカメコにとって、何もかもが懐かしい。
今日は、タイムカプセルを開ける約束の日。
2人の手によって、10年ぶりに日の目を見たタイムカプセルは、
とある町民の悪事を暴いた。
土から出てきたのはそのタイムカプセルのみで、
容器や中身から証拠となる物が発見された訳ではないのに、なぜ?
(CCライブラリーより、しゃれこーべ様の画像をお借りしました)
16年01月16日 15:35
【ウミガメのスープ】 [みん]
【ウミガメのスープ】 [みん]
解説を見る
*
「…あれ?」
「確かにここだったよね?」
10年前、カメコが引っ越した日。
再会を約束して埋めたタイムカプセルが見つからない。
毎朝、2人で待ち合わせしていた思い出の場所。
《水平町》バス停の足元に埋めたはずだったのに。
少し範囲を広げて掘り続け、やっと見覚えのある缶が顔を出した。
埋まっていたのは、バス停から数センチ離れた場所。
「こらっ!人の畑で何してる!?」
怖いと有名な鈴木のおじさんが走って来る。
「すみません、タイムカプセルを掘ってたんです。
もう終わったんですぐ出ます」
「人の敷地に埋めるな!《立ち入り禁止》の看板があるだろが!」
「いえ…確かにバス停より車道側に埋めたはずなんですけど」
畑沿いの道は土のままで、舗装されていない。
しかし、敷地と道の境のバス停を目印にしたのだから、
間違えて人の敷地に埋めるはずがない。
注意書きまである怖いおじさんの敷地ならなおさらの事。
となれば、誰かが掘り返して鈴木さんの敷地に埋めた?
一体誰が何の為に、そんな事をするというのだろう。
「おかしいな…バス停が動くはずないし…」
「馬鹿野郎!バス停が、う、動くなんてあるわけないだろ!」
「……鈴木さん、顔色が悪いですよ?」
「う、うるさい!」
走り去る鈴木のおじさんの様子がおかしかったので、
バス会社に問い合わせてみると、バス停が規定の場所から
ずれている事が判明した。
鈴木のおじさんは、ばれないように少しずつバス停を動かし、
自分の敷地を少し増やしていたのだという。
威力業務妨害罪やらなんやらで、罰金を取られたおじさんは、
それ以来、すっかり大人しくなってしまった。
おじさんに迷惑していた町民は、少しスカッとした。
【要約】
タイムカプセルは、目印のバス停から少し離れた場所で見つかった。
バス会社に確認してバス停がずれている事がわかったので、
それによって利益を得る町民が、バス停を動かした事が発覚した。
「…あれ?」
「確かにここだったよね?」
10年前、カメコが引っ越した日。
再会を約束して埋めたタイムカプセルが見つからない。
毎朝、2人で待ち合わせしていた思い出の場所。
《水平町》バス停の足元に埋めたはずだったのに。
少し範囲を広げて掘り続け、やっと見覚えのある缶が顔を出した。
埋まっていたのは、バス停から数センチ離れた場所。
「こらっ!人の畑で何してる!?」
怖いと有名な鈴木のおじさんが走って来る。
「すみません、タイムカプセルを掘ってたんです。
もう終わったんですぐ出ます」
「人の敷地に埋めるな!《立ち入り禁止》の看板があるだろが!」
「いえ…確かにバス停より車道側に埋めたはずなんですけど」
畑沿いの道は土のままで、舗装されていない。
しかし、敷地と道の境のバス停を目印にしたのだから、
間違えて人の敷地に埋めるはずがない。
注意書きまである怖いおじさんの敷地ならなおさらの事。
となれば、誰かが掘り返して鈴木さんの敷地に埋めた?
一体誰が何の為に、そんな事をするというのだろう。
「おかしいな…バス停が動くはずないし…」
「馬鹿野郎!バス停が、う、動くなんてあるわけないだろ!」
「……鈴木さん、顔色が悪いですよ?」
「う、うるさい!」
走り去る鈴木のおじさんの様子がおかしかったので、
バス会社に問い合わせてみると、バス停が規定の場所から
ずれている事が判明した。
鈴木のおじさんは、ばれないように少しずつバス停を動かし、
自分の敷地を少し増やしていたのだという。
威力業務妨害罪やらなんやらで、罰金を取られたおじさんは、
それ以来、すっかり大人しくなってしまった。
おじさんに迷惑していた町民は、少しスカッとした。
【要約】
タイムカプセルは、目印のバス停から少し離れた場所で見つかった。
バス会社に確認してバス停がずれている事がわかったので、
それによって利益を得る町民が、バス停を動かした事が発覚した。