「ウミガメのスープ Ver.こびー」「2ブックマーク」
ある年老いた男が、海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は急に黙り込み、そして大きな声で笑いながら
「こんな美味しいウミガメのスープは初めて食べたよ、ありがとう!」
と言った。
程なくして男は急に泣き出してしまい、途中からそのスープを食べることが出来なかった。
一体なぜ男は笑い、そして泣いてしまったのだろうか?
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は急に黙り込み、そして大きな声で笑いながら
「こんな美味しいウミガメのスープは初めて食べたよ、ありがとう!」
と言った。
程なくして男は急に泣き出してしまい、途中からそのスープを食べることが出来なかった。
一体なぜ男は笑い、そして泣いてしまったのだろうか?
13年12月09日 20:29
【ウミガメのスープ】 [こびー]
【ウミガメのスープ】 [こびー]

★称号獲得記念。皆様のおかげです!
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男は海軍に就いていた。
男には妻がいた。男の仕事は軍関係だったため、どこにいくか、いつ帰ってくるかも妻に言えない状態で
一人家に残したまま、何日も家を空けることが多かった。
男が家に帰った日、妻は必ずといっていいほど彼女の得意料理だというウミガメのスープを振舞った。
料理の上手な妻だったか、どういうわけかこのウミガメのスープだけはとても不味く、男はこのスープが苦手だった。
妻は男がこのスープを飲んでいる間、嬉しそうに黙ってこちらを見つめているので男はこの料理が不味いなどと言えず
黙って最後まで食べるしかなかった。
時がたって、年老いた男は海軍を抜け、妻は程なくして病気で逝ってしまった。
妻の命日、少し懐かしくなり、ウミガメのスープが飲めるというレストランを探し、男はそこでウミガメのスープを注文した。
一口飲んで、男は驚いた。
妻が振舞ったウミガメのスープとは味も風味も似ても似つかないものだったからだ。
男はシェフを呼び出し、尋ねた。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男はそこで悟った。
あのスープは帰りが不定期で家を空けることが多かった自分に対しての妻の些細なイヤガラセだったのだ。
こんなことに今頃気づくとは・・・。
男はおかしくなり、笑い出してしまった。
そして、そんなことにも気づいてやれなかった自分が情けなくなり、寂しさが襲ってきて、ついに泣き出してしまった。
男は勘定を済ませ、店を出ると妻の墓へと向かった。
「君が振舞ったウミガメのスープ、あれは一体なんだったんだい?」
男は花を墓前に差し出しながら小さくつぶやいた。
「君はとんでもない女だったな。僕がそっちにいったら罵ってやろう」
男には妻がいた。男の仕事は軍関係だったため、どこにいくか、いつ帰ってくるかも妻に言えない状態で
一人家に残したまま、何日も家を空けることが多かった。
男が家に帰った日、妻は必ずといっていいほど彼女の得意料理だというウミガメのスープを振舞った。
料理の上手な妻だったか、どういうわけかこのウミガメのスープだけはとても不味く、男はこのスープが苦手だった。
妻は男がこのスープを飲んでいる間、嬉しそうに黙ってこちらを見つめているので男はこの料理が不味いなどと言えず
黙って最後まで食べるしかなかった。
時がたって、年老いた男は海軍を抜け、妻は程なくして病気で逝ってしまった。
妻の命日、少し懐かしくなり、ウミガメのスープが飲めるというレストランを探し、男はそこでウミガメのスープを注文した。
一口飲んで、男は驚いた。
妻が振舞ったウミガメのスープとは味も風味も似ても似つかないものだったからだ。
男はシェフを呼び出し、尋ねた。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男はそこで悟った。
あのスープは帰りが不定期で家を空けることが多かった自分に対しての妻の些細なイヤガラセだったのだ。
こんなことに今頃気づくとは・・・。
男はおかしくなり、笑い出してしまった。
そして、そんなことにも気づいてやれなかった自分が情けなくなり、寂しさが襲ってきて、ついに泣き出してしまった。
男は勘定を済ませ、店を出ると妻の墓へと向かった。
「君が振舞ったウミガメのスープ、あれは一体なんだったんだい?」
男は花を墓前に差し出しながら小さくつぶやいた。
「君はとんでもない女だったな。僕がそっちにいったら罵ってやろう」
「約束のホームラン」「2ブックマーク」
病気のカメオは手術を受けたがりませんでした。
しかし大好きなプロ野球選手の田中が明日の試合でホームランを打ったら手術を受けると言いました。
しかし試合当日。田中はホームランを打つことなく試合を終えると
カメオは手術を受ける決意をしました。
一体なぜ?
しかし大好きなプロ野球選手の田中が明日の試合でホームランを打ったら手術を受けると言いました。
しかし試合当日。田中はホームランを打つことなく試合を終えると
カメオは手術を受ける決意をしました。
一体なぜ?
15年04月04日 23:56
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]
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田中イチロー。背骨大破。プロ野球生命終了か?!
プロ野球選手の田中は試合でデットボールを受け
そのまま病院に運ばれホームランが打てませんでした。
田中はひどく損傷し出血していたのですがカメオと同じ特別な血液型だったために
輸血のストックがありませんでした。
このままドナーが見つからなければ田中は一生野球が出来なくなってしまうかもしれません。
カメオは田中を救うために移植手術を受ける決意を決めました。
(´;ω;`)死なないでお父ちゃん・・・
プロ野球選手の田中は試合でデットボールを受け
そのまま病院に運ばれホームランが打てませんでした。
田中はひどく損傷し出血していたのですがカメオと同じ特別な血液型だったために
輸血のストックがありませんでした。
このままドナーが見つからなければ田中は一生野球が出来なくなってしまうかもしれません。
カメオは田中を救うために移植手術を受ける決意を決めました。
(´;ω;`)死なないでお父ちゃん・・・
「9割が嘘つき」「2ブックマーク」
殺人事件が起こった。
刑事は容疑者の3人に事情聴取した。
事情聴取は以下の順番で行われた。
Aは「私がCを殺しました」と言った
Bは「Cを殺したのは俺だ」と言った
Eは「私は何も知らない」と言った
彼らの証言で確信を得た刑事は犯人を逮捕した。
なお、Aはアンナ、Bはベンジャミン、Cはクリストファー、Eはエマであり、文を簡潔にするためにそれぞれのイニシャルを用いただけである
以上を踏まえ、事件の真相を推理してください。
最低FA条件
刑事が犯人を特定できた理由を当てる。
さて、立山は「とても難しい問題ができた! これは流石のラテシンユーザーでも苦戦するに違いない!」とニヤニヤしています。
どうぞ、ラテシンにて鍛えられた皆様の頭脳で立山の鼻っ柱を叩き折ってくださいませ。
刑事は容疑者の3人に事情聴取した。
事情聴取は以下の順番で行われた。
Aは「私がCを殺しました」と言った
Bは「Cを殺したのは俺だ」と言った
Eは「私は何も知らない」と言った
彼らの証言で確信を得た刑事は犯人を逮捕した。
なお、Aはアンナ、Bはベンジャミン、Cはクリストファー、Eはエマであり、文を簡潔にするためにそれぞれのイニシャルを用いただけである
以上を踏まえ、事件の真相を推理してください。
最低FA条件
刑事が犯人を特定できた理由を当てる。
さて、立山は「とても難しい問題ができた! これは流石のラテシンユーザーでも苦戦するに違いない!」とニヤニヤしています。
どうぞ、ラテシンにて鍛えられた皆様の頭脳で立山の鼻っ柱を叩き折ってくださいませ。
15年04月04日 22:08
【ウミガメのスープ】 [立山アスカ]
【ウミガメのスープ】 [立山アスカ]
解説を見る
アンナとベンジャミンは夫婦で、お互い不倫している。
エマとクリストファーも夫婦で、お互い不倫している。
アンナの不倫相手はクリストファーとダミアン、ベンジャミンの不倫相手はエマ。
エマとダミアンに面識はない。
この事件の本当の被害者はダミアン。
ダミアンの周囲の人間関係を洗った結果、容疑者として浮かび上がったのはABCの3人。
不倫相手のアンナ、アンナの夫のベンジャミン、ダミアンと同じ間男のクリストファー。
全員アリバイがない。
ダミアンと直接的な接点がないので最初から容疑がかかっていなかったエマには、普通に関係者として「ダミアン殺害」について何か知らないか事情聴取した。
エマは当然本当に何も知らない。
刑事は、アンナとベンジャミンに「クリストファーが殺された」と伝えた。
自分が原因でダミアンがクリストファーを殺したと思ったアンナはダミアンを庇って「自分がやった」と嘘をついた。
自分との不倫がバレたことで追い詰められたエマが夫のクリストファーを殺してしまったと思ったベンジャミンはエマを庇って嘘をついた。
しかし繰り返すが本当に死んだのはダミアンである。それを知らず、クリストファー殺害という架空の容疑を被ろうとするアンナとベンジャミンは犯人ではないと刑事は判断した。
残るのはクリストファーだけである。
ちなみに動機は金の貸し借りで、クリストファーとダミアンはお互いがアンナと付き合っていることは最期まで知らなかった。
エマとクリストファーも夫婦で、お互い不倫している。
アンナの不倫相手はクリストファーとダミアン、ベンジャミンの不倫相手はエマ。
エマとダミアンに面識はない。
この事件の本当の被害者はダミアン。
ダミアンの周囲の人間関係を洗った結果、容疑者として浮かび上がったのはABCの3人。
不倫相手のアンナ、アンナの夫のベンジャミン、ダミアンと同じ間男のクリストファー。
全員アリバイがない。
ダミアンと直接的な接点がないので最初から容疑がかかっていなかったエマには、普通に関係者として「ダミアン殺害」について何か知らないか事情聴取した。
エマは当然本当に何も知らない。
刑事は、アンナとベンジャミンに「クリストファーが殺された」と伝えた。
自分が原因でダミアンがクリストファーを殺したと思ったアンナはダミアンを庇って「自分がやった」と嘘をついた。
自分との不倫がバレたことで追い詰められたエマが夫のクリストファーを殺してしまったと思ったベンジャミンはエマを庇って嘘をついた。
しかし繰り返すが本当に死んだのはダミアンである。それを知らず、クリストファー殺害という架空の容疑を被ろうとするアンナとベンジャミンは犯人ではないと刑事は判断した。
残るのはクリストファーだけである。
ちなみに動機は金の貸し借りで、クリストファーとダミアンはお互いがアンナと付き合っていることは最期まで知らなかった。
「罠にかかったラテ・ヘイヘ」「2ブックマーク」
最
強と呼ばれた女さしゃこは元気に挨拶するとひどく落ち込んだ
何故?
【参加ルール・開始後10分間は《ラテ・ヘイヘ》の称号を保有しているユーザーしか質問出来ません】
強と呼ばれた女さしゃこは元気に挨拶するとひどく落ち込んだ
何故?
【参加ルール・開始後10分間は《ラテ・ヘイヘ》の称号を保有しているユーザーしか質問出来ません】
15年04月03日 00:00
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]

SPはディダムズさんです
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彼
女のプロフによると『特技:20の扉等、制限のある問題に限って
質問欄に参加表明をしてしまう』と書いてあります
ちょっぴりドジっ子キャラのようですねw質問者としては神がかり的に恐ろしい方ですがw
アザゼル『何てことだ・・・ラテ・ヘイヘの力を封印したのに問題を解かれてしまった・・・』
ディダムズ『な?こんな姑息な手を使っても無駄なんだって。彼等彼女等は全員未来の質問の極み候補なんだから』
アザゼル『ああ・・・ボクが間違っていたよ」・・・これからは皆が参加できて全員を楽しませる問題を作るよ・・・』
ディダムズ『君ならできるさ』
女のプロフによると『特技:20の扉等、制限のある問題に限って
質問欄に参加表明をしてしまう』と書いてあります
ちょっぴりドジっ子キャラのようですねw質問者としては神がかり的に恐ろしい方ですがw
アザゼル『何てことだ・・・ラテ・ヘイヘの力を封印したのに問題を解かれてしまった・・・』
ディダムズ『な?こんな姑息な手を使っても無駄なんだって。彼等彼女等は全員未来の質問の極み候補なんだから』
アザゼル『ああ・・・ボクが間違っていたよ」・・・これからは皆が参加できて全員を楽しませる問題を作るよ・・・』
ディダムズ『君ならできるさ』
「ウミガメのスープ(トマト味)」「2ブックマーク」
海が見えるレストラン「ラテシン」
三か月前にオープンしたばかりのこの店は、看板メニューのウミガメのスープの人気も相まって予約待ちが続いている。
なんとか予約をとれた男は、予約の時間ギリギリに店に飛び込み、なんとか店を困らせずに済んだことにホッとした。
ウミガメのスープをオーダーし、待つ間に男は何気なく新聞を手にしたが、嫌なニュースばかりで早々に新聞を新聞スタンドに戻した。
やがてスープが運ばれてくると、男はいきなりシェフを呼んで訊いた。
「これは、本当にウミガメのスープなんですか?」
「はい、正真正銘、ウミガメのスープです」
その後、男は死んでしまった。
なにがあった?
三か月前にオープンしたばかりのこの店は、看板メニューのウミガメのスープの人気も相まって予約待ちが続いている。
なんとか予約をとれた男は、予約の時間ギリギリに店に飛び込み、なんとか店を困らせずに済んだことにホッとした。
ウミガメのスープをオーダーし、待つ間に男は何気なく新聞を手にしたが、嫌なニュースばかりで早々に新聞を新聞スタンドに戻した。
やがてスープが運ばれてくると、男はいきなりシェフを呼んで訊いた。
「これは、本当にウミガメのスープなんですか?」
「はい、正真正銘、ウミガメのスープです」
その後、男は死んでしまった。
なにがあった?
15年03月30日 20:22
【ウミガメのスープ】 [トマト屋]
【ウミガメのスープ】 [トマト屋]

とうとう本家に手を出してしまった。終わったら感想やご意見ください。
解説を見る
男はレストランに行く前に歯医者に寄った。
付き合い始めたばかりの恋人を迎えにいったのだ。なんでも急に治療が必要になったとかで、予約の時間に遅れそうなのを彼女は何度も謝った。
レストランに着くと女はお手洗いに席を立ち、男は注文を済ませると、新聞を手にした。女が戻ってくるまで手持ち無沙汰だったのだが、三か月前から頻発している児童失踪事件の一面を見てすぐに戻した。折角のデートで、嫌な事件記事を読みたくなどなかった。
やがて戻ってきた女は、席に着くと悪戯っぽく笑って言った。
「ねえ、ウミガメのスープって知ってる?」
「? この店の看板メニューだろう?」
「そうじゃなくて、水平思考の問題のウミガメのスープ」
女は話し始めた。有名な水平思考問題、ウミガメのスープを。
ウミガメのスープだと言われて食べたスープが、実は死んだ息子の肉だった、というアレだ。
女は最後に、やはり悪戯っぽく笑った。
「この店は大丈夫なのかしらね?」
女に悪意はなかった。看板メニューがウミガメのスープだと知って、水平思考の問題を思い出し、ちょっとした悪戯心で話題にしただけだったのだ。しかし、男の表情を見て女は驚いた。
男は顔色を無くし、ダラダラと嫌な汗をかいているではないか。実は男は非常に気が弱く、少しでも怖い話を聞くと、すぐに悪い想像を働かせ、そうだと思い込んでしまう悪いクセがあった。付き合い始めたばかりの女には、そんな男の悪いクセは知りようもなかったのだ。
女が男の気の弱さに気づいて自分の不注意を気にしているところに、ウミガメのスープが運ばれてきた。男はすぐに店員に言ってシェフを呼ばせた。そしてやってきたシェフに訊いた。
「これは、本当にウミガメのスープなんですか?」
「はい、正真正銘、ウミガメのスープです」
別にやましいことはない。
シェフは胸を張って答え、厨房に戻って行った。
しかし、男の顔色は悪いままだ。
「変な話をしてごめんなさい。ほら、ここのスープは大丈夫よ!」
男を安心させようと、女はスープを口にした。が、次の瞬間、異物感を感じて吐き出した。
皿の上で乾いた音をたてたそれは、差し歯だった。当然、女のだ。ディナー直前に抜けてしまったので、緊急でつけ直してもらったのだが、歯医者の腕が悪かったのか、つけ直したばかだからか、それが抜けてしまったのだ。
「うわああああああああっ!」
男はイキナリ悲鳴をあげてレストランから飛び出した。
いくつかの情報が男の頭の中で渦巻いていた。
実は人肉だった、ウミガメのスープの話。
三か月前にオープンしたレストラン。
三か月前から続く児童の失踪事件。
そしてトドメは、女が吐き出した歯だ。
悪い想像で精神が限界にきていた男には、女が吐き出した差し歯が、「スープの材料にされた子供の歯が入っていた」としか思えなかったのだ。
男は走った。とにかく走ってあの人肉スープのレストランから離れたかった。それしか頭になかった男は、車道に飛び出したことにも気づかなかった。
クラクションとブレーキ音、そしてドンッという音と衝撃が、男が最後に感知したものだった。
付き合い始めたばかりの恋人を迎えにいったのだ。なんでも急に治療が必要になったとかで、予約の時間に遅れそうなのを彼女は何度も謝った。
レストランに着くと女はお手洗いに席を立ち、男は注文を済ませると、新聞を手にした。女が戻ってくるまで手持ち無沙汰だったのだが、三か月前から頻発している児童失踪事件の一面を見てすぐに戻した。折角のデートで、嫌な事件記事を読みたくなどなかった。
やがて戻ってきた女は、席に着くと悪戯っぽく笑って言った。
「ねえ、ウミガメのスープって知ってる?」
「? この店の看板メニューだろう?」
「そうじゃなくて、水平思考の問題のウミガメのスープ」
女は話し始めた。有名な水平思考問題、ウミガメのスープを。
ウミガメのスープだと言われて食べたスープが、実は死んだ息子の肉だった、というアレだ。
女は最後に、やはり悪戯っぽく笑った。
「この店は大丈夫なのかしらね?」
女に悪意はなかった。看板メニューがウミガメのスープだと知って、水平思考の問題を思い出し、ちょっとした悪戯心で話題にしただけだったのだ。しかし、男の表情を見て女は驚いた。
男は顔色を無くし、ダラダラと嫌な汗をかいているではないか。実は男は非常に気が弱く、少しでも怖い話を聞くと、すぐに悪い想像を働かせ、そうだと思い込んでしまう悪いクセがあった。付き合い始めたばかりの女には、そんな男の悪いクセは知りようもなかったのだ。
女が男の気の弱さに気づいて自分の不注意を気にしているところに、ウミガメのスープが運ばれてきた。男はすぐに店員に言ってシェフを呼ばせた。そしてやってきたシェフに訊いた。
「これは、本当にウミガメのスープなんですか?」
「はい、正真正銘、ウミガメのスープです」
別にやましいことはない。
シェフは胸を張って答え、厨房に戻って行った。
しかし、男の顔色は悪いままだ。
「変な話をしてごめんなさい。ほら、ここのスープは大丈夫よ!」
男を安心させようと、女はスープを口にした。が、次の瞬間、異物感を感じて吐き出した。
皿の上で乾いた音をたてたそれは、差し歯だった。当然、女のだ。ディナー直前に抜けてしまったので、緊急でつけ直してもらったのだが、歯医者の腕が悪かったのか、つけ直したばかだからか、それが抜けてしまったのだ。
「うわああああああああっ!」
男はイキナリ悲鳴をあげてレストランから飛び出した。
いくつかの情報が男の頭の中で渦巻いていた。
実は人肉だった、ウミガメのスープの話。
三か月前にオープンしたレストラン。
三か月前から続く児童の失踪事件。
そしてトドメは、女が吐き出した歯だ。
悪い想像で精神が限界にきていた男には、女が吐き出した差し歯が、「スープの材料にされた子供の歯が入っていた」としか思えなかったのだ。
男は走った。とにかく走ってあの人肉スープのレストランから離れたかった。それしか頭になかった男は、車道に飛び出したことにも気づかなかった。
クラクションとブレーキ音、そしてドンッという音と衝撃が、男が最後に感知したものだった。