動画内など、他所でラテシンの問題を扱う(転載など)際について
ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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時刻のズレ「3ブックマーク」
まだ時計が発明されてない時代。男が世界ではじめて時計を発明した。
しかしこの時計、正確な時刻からちょうど1分だけ遅れているという。
だが、ほぼ正確なことに変わりはない。男は王に

「時間が少しずれてはいますが、これより正確な時計はこの世には存在しません。ぜひ私の時計を買い取ってくれませんか?」

と申し出た。

しかし、王は時計を買い取るどころか男を嘘つき呼ばわりして捕らえてしまった。

いったいどうしてだろう?
15年11月10日 23:48
【ウミガメのスープ】 [有馬]

瞬殺スープ




解説を見る
正確な時刻から1分遅れていることを知るには"正確な時刻"を知っている必要がある。
王は男が正確な時刻を刻む時計を持っていると検討をつけて家を探させると案の定、ズレなく刻む本物の時計を見つけた。
こうして嘘がばれた男は牢屋に入れられたのだった。
白雪姫を殺した幸福なお妃様「3ブックマーク」
白雪姫を殺したお妃様は、生き返った白雪姫に真っ赤な鉄の靴を履かされ殺されてしまいましたが、幸福でした。

いったいなぜ?
15年10月31日 15:35
【ウミガメのスープ】 [花鳥]



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【白雪姫を殺した幸福なお妃様】
昔々、お妃様がお妃様に成る前の貴族の娘であった頃のお話です。
幼いお妃様はお世辞にも性格の良いとは言えず、周りから嫌われておりました。
なにをしても周りから疎まれ、友達の一人もいない幼いお妃様はますます性格はねじくれていく一方です。
そんな幼いお妃様でしたが、容姿は世界で一番美しいかたでした。
それをお妃様も自覚し、心の拠り所にしていました。
けれど、性格が悪く嫌われ者では、誰もその容姿を褒めてはくれません。
そのことで余計に幼いお妃様の心はねじくれました。

そんな幼いお妃様は一人、屋敷の物置にしまわれていたお妃様の手の中にすっぽりと納まるほど小さな美しい手鏡を見つけました。
その鏡を見つけたお妃様は、その鏡に映る美しい自分の姿を見ながら「わたくしは、きれい?」と自問するようにいいました。
もちろん、そんなことをしても答えなどあるはずないのですが、その時は驚くことに手の中にある鏡から声がしたのです。

「はい。貴女は綺麗です」

お妃様はビックリして、鏡を凝視しました。
そこに映るのは驚愕の顔を浮かべながらも美しい自分の姿だけです。思わず、お妃様はもう一度「わたくしは、きれい?」と問いかけました。
すると再び「はい、貴女は綺麗です」と確かに鏡から返事が返ってきました。
お妃様はただただ茫然と驚くことしかできませんでした。


その鏡は古い古い時代に作られ、いつしか命を持つようになりました。命を持った鏡は自分が物をそのまま映す性質の通り、「真実しか言えない」ことを自然と理解していました。
それと同時に「真実を言うものの末路」も長い年月人間を映す中で知っていました。
様々な人間の手にその鏡は渡りましたが、そのたびに真実を言ってしまったがために権力者に疎まれた者、殺された者を映し出しその者たちと同じ末路を自分が辿ることを理解していました。
そのため、鏡は命を得ても決して話すことはしませんでした。
自分は真実しか言えないのだから。

けれど、泣きそうな顔で「わたくしは、きれい?」と鏡に投げかける美しい少女を映した鏡はとても可哀想だと思い思わず言ってしまったのです。

「はい、貴女は綺麗です」と真実を話してしまいました。

そして、少女は驚愕の顔を映すとほんの少し後悔しました。
気味の悪い手鏡だと割られてしまうのではないかと思ったからです。

けれど、少女はそんなことはしませんでした。
少女は何度も鏡に向かって質問を投げかけました。
それに対して鏡は全て真実を答えました。

少女は町で一番、国で一番美しいのはとだんだんとその質問のレベルが上がり最後には
「かがみよ、かがみ、せかいでいちばん うつくしいのは、だれ?」と問いかけました。

それに対し、鏡は真実を話します。

「それは、貴女です」

その答えに少女は大変喜び、それはそれは美しい笑みを鏡に映したのです。
自分に向けられた初めて見た美しい笑みに鏡は魅せられてしまいました。
そして、少女の笑みを永遠に映していたいと心から思ってしまったのです。


幼いお妃様は鏡が自分を綺麗だとと答えるのを聞いている内に、じわじわととてつもない歓喜が沸き起こりました。
今まで誰も認めてくれなかった自分の唯一最も誇る容姿を認められたことは、長く鬱屈していたお妃様にとっては何よりも欲しかった言葉だったのです。
真実を話すその鏡はお妃様の鬱屈した心にキラキラとした美しい輝きをもたらしたのです
鏡はお妃様にとってかけがえのないものになりました。

それから、毎日お妃様は鏡に色んなことを問いかけ続けました。
鏡は世界で美しいため安心して賞賛できるお妃様が大好きでしたし、お妃様は偽りなく自分を賞賛する鏡が大好きでした。
そうする内に、鏡とお妃様は仲良くなり友達になってゆきました。


世界で一番美しいお妃様は年頃になると王の元に嫁ぎました。
もちろんお妃様の友達である鏡も一緒です。
性格の悪さはまったく改善されていませんでしたが、鏡によって自分の容姿に絶対の自信を持ち堂々とするお妃様は魑魅魍魎の巣食う王宮で生き生きと陰謀と策略を練りながら暮らしていました。
そんなお妃様でしたが、毎日友達の鏡とお話しすること変わりません。鏡の答える言葉にとびきりの笑顔で応えていました。

彼らはそれなりに幸福でした。


白雪姫が世界で一番美しくなるその日が来るまでは。

お妃様はいつものように鏡に問いかけます。

「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは、誰?」

いつもなら「はい、貴女です」と鏡は答えるはずです。
けれど、鏡は何も言いません。
お妃様は首を傾げてまた問いかけますが、何も鏡は答えません。
別の質問を問いかけますが、それでも鏡は言いません。
何度も質問している内にお妃様は気が付いてしまったのです。

自分が世界で一番美しくなくなってしまったことを

鏡は昔言っていました。

「なぜ今まで喋らなかったの?」という質問に
「望まぬ真実を言う鏡など壊される運命ですからね。だから、真実しか言えない私にとって世界で一番美しい貴女は唯一安心して話すことの出来る存在です」

その時、鏡にとって唯一の存在であることがとても嬉しかったことを覚えています。
けれど、その言葉を思い出したお妃様は、自分が世界で一番美しくなくなってしまったために、友達の鏡が何も答えられなくなってしまったのだと理解しました。。
世界で一番美しくなくなってしまったために、お妃様は唯一の友達を無くしたのです。

そして、お妃様は自分よりも美しいかもしれないものを見つけては陰で殺していきました。それは自分の娘の白雪姫であっても例外なく殺しました。

そして、白雪姫を殺した後、鏡に問いかけました。

「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは、誰?」

鏡は答えました。

「・・・・・・それは、貴女です」

鏡の声はとても苦しそうでしたが、お妃様は久しぶりに聞くことの出来た鏡の声に涙を流して喜びました。

そして、お妃様は問いかけるのです。

「鏡よ、鏡。わたくしはお前だけが世界で一番大切よ。お前はわたくしが世界で一番大切ですか?」

何度か問いかけたくて、でも真実を知るのが嫌で問いかけなかった質問を鏡にしました。
鏡が大切であればあるほど、いいえと言われた時お妃様は耐えられないからです。
お妃様は、いいえと答えたら鏡を割ってその欠片を使って自殺してやろうと思いながら答えを待ちます。

そして、鏡は答えました。

「はい。私は貴女が誰よりも大切で愛しています」

その答えに、お妃様は安堵と嬉しさのあまり泣き崩れました。
そして、鏡を抱きしめて言うのです。

「ならば、例え私の望む答えでなかったとしても、真実を答えなさい。お前が沈黙すれば、私はまた孤独の中を歩かなければならなくなるのです」

鏡はその言葉に泣きそうな声で答えます。

「貴女の望まぬ答えを言うことが私には出来なかったのです。「世界で一番美しい」と言えない私は、賞賛の言葉を言えない私は、貴女に捨てられてしまうのではないかと思ってしまった。貴女が娘を殺すときも私は自分のことしか考えていませんでした。こんな弱くずるい私をどうか許さないでください。 でも、どうか信じてください。誰よりも貴女を愛しています」

二人は自分たちが互いに世界で一番大切に思っていることを心から実感することが出来ました。
そして、二人は今まで以上にかけがえのない友達になり、幸せな毎日を取り戻しました。
もう、お妃様は自分が世界で一番美しくなくても気にしません。
なぜなら、「鏡にとって世界で一番大切なのは自分」という一番欲しかった答えをお妃様は得たのだから。

だから、お妃様が生き返った白雪姫に真っ赤な鉄の靴を履かされ殺されたとしても二人は幸福でした。

鏡はお妃様の懐の中で、お妃様が力尽き死ぬと同時に自ら割れました。
二人は同時に死に、そして地獄であっても、一緒に居られたのでとてもとても幸せでした。

本当に欲しいものが手に入れば人はそれだけで幸福なのです。

おしまい
【恋の】しょんぼりされた【悩み】「3ブックマーク」
皆さんに助けてほしいです( ;∀;)
僕には好きな女の子(仮に月子ちゃんとします)が「綺麗な月が見たい」とよくツイッターで呟いていたので沢山調べて綺麗な月が見えると評判のスポットに月子ちゃんを誘ってデートしたのです。

そこは噂にたがわず、月は綺麗でよく見えたのに月子ちゃんは「ありがとう」とは言ってくれたけどしょんぼりして帰ってしまいました。

どうしてですか?誰か助けてください。
15年10月30日 22:38
【亀夫君問題】 [花鳥]



解説を見る
月子「いくら綺麗でも透明なガラス越しで見た月ではやっぱり心は浮き立たないわ」

亀雄たちの住む地球は汚染によってオゾン層が薄くなり、透明な紫外線が猛威をふるっていた。
月子は火星から見る月が大好きだった。
地球に行けばもっと近くで大きな月が見えると思いワクワクしていた。けれど、地球に移住し外に出るときは特殊なスーツを着て、目は紫外線を遮るフィルムのついたメガネをつけないといけない。
そのため、直接月が見れない。
いくら月が綺麗でもしょんぼりしてしまったのだ
「彼女は 猫から 戻れない」「3ブックマーク」
僕の名前は亀雄。普通の高校生です。 
実は今、催眠術にハマってて。自己催眠で練習して、それなりに上手くなったと思うんだ。

それで、そろそろ他人にかけたいなー、と思って、幼馴染の美夜に、催眠術の実験台になってもらったんだ。
彼女は猫好きなので、「ネコになる催眠」 をかけたんだけど…。

「”美夜は人間に戻ります” …3,2,1、パン!」 催眠を解こうと、合図の手を何度も鳴らした。
だけど、彼女は興味なさそうに窓の外を眺めながら、足で頭の後ろをポリポリと掻くばかり。

「美夜、ふざけないでくれ…!」 彼女に触れようと手を伸ばすと 「フギャー!」 と吼えて飛び退る。
そして2mの高さのタンスに、片手で飛び乗った。…人間の動きじゃない…!

まさか…完全にネコになりきってる? だから、人間の言葉が理解できてないのか…!? どうしたら…!
みなさん、彼女を戻すために、知恵を貸してください!!

#big5#※ この問題は【亀夫君問題】です。#/big5#
#b#・出題者が登場人物を演じ、参加者の質問・指示で進めます。 ・物語の登場人物が知らない事は、出題者も回答できません。#/b#
#b#・その代わりに、Yes/Noで答えられない質問も可能です。   ・さらにその人物に指示して情報を集めさせる事もできます。#/b#

それでは、亀雄君に質問・指示をして、事件を解決して下さい!

この問題は、ウミガメのスープ #b#「僕の声は 届かない」#/b# の続きに当たります。
この問題単独でも参加できるように対応しますが、「僕の声は 届かない」を先に読むとわかりやすいかも。
(過去問に出たことでも、わからないことがあったらどんどん質問して確認して下さい!) http://sui-hei.net/mondai/show/4585
12年06月23日 19:42
【亀夫君問題】 [yan]

久々の亀雄君問題です!




解説を見る
事情はわかった。

彼女は、両親が不仲で、早い時間から母親が飲んだくれてる家に帰りたくなかったんだ。
だから、最近ウチに入り浸ってたし、ひょっとしたらウチを出た後も、公園にずっといたのかもしれない。

…ボクが彼女の家庭環境を改善するなんて、無理だ。それも今すぐなんて。
でも、気持ちをわかってあげることは出来る。ちゃんと真剣に向き合えば、僕の気持ちも伝わるはずだ。

「美夜…事情はわかったよ 辛かったんだな…だから、本当に、心からネコになりたかったんだな」
「気持ちはわかる、いや完全にはわかりっこないと思う。だけど…痛みを分かち合うことは出来ると思う」
「ね、いつもの美夜に戻ってよ…そして、色々話を聞かせてくれ。ボクじゃ頼りないかもしれないけど…」

静かに話すと、美夜はタンスから降りて、近づいてきた。僕の顔を、じっと覗き込む。
やっと、目があった。ボクもは彼女の目をじっと見つめながら、解除の言葉を言う。
「美夜は、いつもの美夜に…人間に戻ります。ワン・ツー・スリー (ポン)」

開いていた瞳孔が、元に戻った。 同時に、彼女の目から涙が溢れ出す…
「亀雄…うっ、うわあああああ…」

ボクは、何も言わずに、ただ彼女を抱きしめた…


それから。
市の家庭環境科の指導もあって、美夜の母親の状態は少し筒よくなっているようだ。
父親は、正式に離婚することになるらしい。そのあたりは、口出しできる話じゃないしな…

美夜は、元通り、いつもの明るい美夜に戻った。時々、翳りのある表情も見せるけど…

今回のことで、催眠術は使い方を誤ると怖い、ってことを痛感した。
だけど…逆に、カウンセリングとか、人の心を救うためには使えるんじゃないか、っても思う。

実のところ、あれ以降も時々、美夜にせがまれて催眠術をかけることがある。
最近は、ネコ耳バンドやしっぽ・肉球のアクセサリーまでつけるから、嬉し恥ずかしで…

でも、間違いなくストレス解消にはなっているようだ。
もうちょっと、このままの関係を続けてみようと思う。
飢饉の危機ん「3ブックマーク」
今年が凶作になると分かった女は密かにとある場所の破壊をさせたのだという。
それにより凶作を免れたわけではなかったが、女の思惑は上手くいったようだ。

一体どういうことなのだろう?
15年03月10日 21:57
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]



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↓長いので一番下に一言解説有り

〈actA〉
これは、とある時代の、とある国の、とある王女の話。
「それで? どうにもならないの?」
「そうですねえ……」
目の前の白衣姿の青年は用紙片手にペンの後ろ先で頭をかいた。
「勿論やれることはやりますが、まあ今の技術じゃ無理でしょうね」
「そう」
私は一つ溜め息をついた。
実は新年早々、少し厄介な問題に突き当たっていた。
目の前の彼が言うには近年の天候の状況、これまでの作物の実り具合から見て、今年は百年に一度とも言えるくらいの酷い凶作になるというのだ。
本来はそんな馬鹿なと一笑に附したいところではあるが、彼の言う事だ。軽視することは出来ない。
それに今考えることはそれが起こりうるかどうかではない。彼は今年は土が生まれ変わる年だとか回帰するために必要だとか言っているが、私がそんなことを聞いてその信憑を確かめても仕様がないことだろう。今一番に考えることは、それが起こった際にどう対処するかだ。
一つのミスが命取りになるこの仕事。あらゆる場面を想定しなければいけない。

今年は凶作──。年貢の方は例年通り徴収すれば国の方は恙無く過ごせるであろう。
ただそうなると当然、そのしわ寄せは農民等の下位層にいく。
そして彼らの不満は私たちへ向く。
かといって変に年貢を減免させると国自体が立ち行かなくなる恐れも出てしまう。諸大臣、兵士達の方へしわ寄せが行き、情勢自体は年貢をどう採ろうがさして変わらないのである。
最初のしわ寄せがどこへ行くか。不満を持つのがどの層になるのか位の違いだ。
人は辛いこと、苦しいことがあるとその不満の矛先を誰かへ向ける。誰かを妬み、憎むことで自己を守り、力を得ることが出来るというのを私たちは本能的に知っているのかもしれない。憎しみというものは即席の燃料みたいなものなのだ。ただしその分、不純物も蓄積しやすい。

まあ要は、不満がこちらに来るのが問題な訳だ。

「んー。そのことを農民達にも説明したらなんとか納得してくれないかしら」
「それが難しいこと。あなたが一番お分かりではないでしょうか」
「だよねー。あんたの話よりだったらまだ神話の方が解りやすいわ」
ぶうとむくれる仕草を見せると、彼はあからさまに冷ややかな目線を向けてきた。ちょっとしたジョークじゃない。むぅ。

「──まあ、確かに。学のない彼らは神様を未だ盲信していますし」
「え? あなた、神様を信じていないの?」
「盲信、と言ったじゃないですか。私は違います」
「あらそう」
「それで、どうするおつもりで?」
彼が再び訊いてきた。ただ、今回の訊き方は私と方策を考えるものではなく、すでに私が考えていて、それを尋ねる訊き方であるように感じた。

「今から考えます」
「嘘」
「どうしてそう思うの?」
「だって、イタズラを仕掛ける前の顔、してますよ」
「あら」
思わず、頬に手を当てる。いつもと変わらないと思うのだが。そこまで表情に出ているのだろうか。
ああ、ダメね。もうちょっと隠せるようにならないと。

「それで、何を企んでいるのです?」
「そうねえ」
私は少し考える仕草をしながら、さっき頭に浮かんだ考えを言語化させた。

「神頼み、とかどうかしら?」



〈actB〉

これは、またとある時代の同じ場所での話

「やあ、見てよ。ライナー君。これがシルベリア神殿だよ」
「へえ。さすがに重要文化財なだけあって、厳粛な感じだね」
そうは言ったが、ライナーは少し拍子抜けしていた。確かにどこか厳かな雰囲気はするものの、思ったより……
「小さいね」
「え?」
「そうは思わないかい? ライナー君」
どうやら隣の相棒も同じようなことを思っていたようだ。ライナーはそうだな。と言って帽子ギュッとかぶり直した。

「まあ、ここは元々もっと小さな神殿だったんだろ?」
「うん。そう聞いている。ここは昔からここら一帯の土着神、ハチヤネ様と呼ばれる神様の住まいではあったらしい。だから小さいながらも地元の人たちから大切にされてきたらしいよ」
「ああ、話は聞いてるよ。それで、ここに来た理由も大体察しはついている。『ハチヤネ様の祟り』について調べたかったのだろう」
「へえ、ライナー君。調べてきたの!?」
「毎回振り回されているだけじゃ癪なのでね。ハチヤネ様の祟り。昔、この神殿に財宝があるという噂が広まって、何人かの若者がこの神殿を荒らし、壊してしまった」
「すると、その年の作物は歴史的な飢饉に見舞われた。それで、村人は慌てて修復して、崇め奉ったらしいね」

「それで、君はその財宝でも探そうとしたんだろ? まだ見つかった話は聞かないし」
「まあ──それもあったんだけどね」
相棒はちらりと前を見た。無数の、立ち入り禁止が書かれたテープ。聞くと、ちょっと前になにやら事件があったらしい。
「全く、間が悪いんだから」
はあと一つ溜め息をついた相棒は、くるりと踵を返して、帰ろうと言ってきた。

「なんだい。君にしては随分と素直に帰るじゃないか」
「さすがに国家権力に直接楯ついたりはしないよ。それに、推測の域は出ないのだけれど謎は大体、ね」
「解いているのか!? 財宝の手がかりを」
「まあ……」
「ぜひ聞かせてくれよ。君の考えを」
「推測の段階であまり話すものではないのだけれどね。まあ、どうせもう立証できないだろうし、いいか。与太話だと思って聞いてくれよ」

構わないと言うと、相棒は歩みの速度は変えないまま、語りはじめた。

「そもそもおかしいんだよ、ここの財宝の話は。財宝が眠っていると言う割には誰が、いつ、どこに、それらの情報が曖昧としすぎているんだ」

確かにそうだ。現に、それが今まで見つかっていない要因の一つと言えよう。

「別に、どれかが判然としてないだけならなんらおかしくはない。ただ、ここは全部だ。もともと誰のもの、ということさえよく分からない」
「ただ、話が昔からあるのは確かだよ。祟りの話も、史実だ」
「その前は」
「へ?」
「だから、その前だよ。祟りが起きるずっと前に、果たしてこの財宝伝説はあったのだろうか?」
「それは……どうなんだろうな」
「調べた結果、そんな話があったという証拠はなかった。つまり、あの財宝伝説は祟りが起きる直前に広まった可能性が高い」
「ほう」
すると、どういうことなのだろう。誰かが財宝があると突然言って、祠を壊して祟りが起きた。その言った人。それを仮に犯人とすると犯人はなぜそんなことを。その当時には確かな根拠があったのだろうか。

「いいかい。あの祟り話。誰を主体とするか。どちら起因となったかを変えるだけで、全く違った話になるんだ」
「どちらが起因となったか?」
「そう。つまり、祟りのせいで飢饉が起こったのではなく、その年に飢饉が起こると解っていて、それを祟りのせいにしたと考えるとどうなる?」
「え!? 一体何の為にさ」
「うーん。強いて言うなら矛先を変えるため、かな」
「へ? どういう……」
「まあ、与太話だし。後は君が考えな〜」
そう言って相棒は歩を進めてしまった。ちょっと待て、自分が作った与太話の落ちを他人に考えさせるな。


〈actA〉
「結局、飢饉は起こってしまったわね。それで、首尾はどうなの?」
「つつがなく、です」
「そう」
「彼らは神殿を壊したことによる神の怒りと考えて、怯えて暮らしていますよ」
「そう。それじゃ、神殿の復興に協力しようかしら。そうすれば不況での失業で職を失った人に一時的な職を与えられ経済も循環するし、民の信用も増すでしょう」
「へえ、あなたもそんな考え方。するんですね」
「何事も、利用するにこしたことはないのよ」
「そうですね。あ、そういえば」
「なに?」
「例の私が話を持ちかけて神殿を壊した若者達。村の人々に神様を鎮める為の生け贄にされたらしいです。なんでも、手足を引きちぎられて串刺しにしたとか」


「あら、それはお気の毒ね」


一言解説
密かに裏から手を回し、神殿を壊すことによって避けようもない飢饉による民の国への不満を、神への畏敬に向けさせた。