みんなのブックマーク

――判決を決めるのは、いつも苦痛だ。
できることなら、私は人の生死を決める仕事はしたくなかった。


裁判官になって何年が立つだろう。今まで死刑判決を下したのは、ほんの数回だ。
ただし、それをまるで昨日のことのように、覚えている私がいる。
どんな人にも心はあるのだ。『死』を恐れない人間なんていない。それは一番分かってる。

そして、『死刑判決の有無』とは、『生きるべきか死ぬべきか』を見極めるということだ。

男は連続殺人者。証拠も揃っていて、死刑判決を望む人が多い。

――私は深く深呼吸し。
――自分の仕事を理解して。事件を整理して。


――『死刑』判決を出したのだった･･･。



私は裁判官。
明日は『殺す命令』をしないのを祈りながら、帰り道を歩くのだった。

ふと時計を見ると、秒針が一秒以上止まっているかのような、時そのものが止まっているかのような錯覚に一瞬陥った。
もちろんそれはあくまで錯覚であり、一秒も経たないうちに秒針はまた動き、時が動き出したような気になるのであった。

答：賞金稼ぎのクイズ番組に出演していた娘が、問題を間違えそうになった。それを阻止しようとした父カメオは、「まだだ、まだ終わらんよ！！」と叫び、勝手に正解をフリップで表示した。当然NG行為なのでその問題は終了となり、カメオは外に連れ出された。

解説：
小学生向けのクイズ番組ラテオネアに出場していたカメコ。

「パパ、絶対一億円を取ってお金を返すからね…」

見つめる視線の先には、娘の勝利を祈る父カメオの姿があった。
ギャンブル狂いで借金を抱えたカメオを救うため、賢いカメコはクイズ番組を勝ち上がってきた。その様子をニンマリとみつめる司会者。ろくでなしの父と健気な娘、こうした対比が同情と話題を呼び、久々の高視聴率が期待できそうだ。

「さあ！それでは最後の問題！正解すれば一億円！失敗すれば賞金はなし！」

　　　　　　　　　　　　デデン！

ラテシン国で営業しているパチンコ店のうち、年商1000万円以上を売り上げているのは次のうちどれ？

A:ラテハン　B:撃ってラテって!　C:ラテ都　D：ラテの玉

とたんにカメコは息を飲む。父は好きだったが、ギャンブルそのものは嫌悪していたカメコは、その手のものを敢えて勉強しないようにしていた。客席からもブーイングがあがる。小学生がそんなことを知っているわけがない。この問題は明らかに、一億円を取らせない制作側の作戦であった。

「………D、です」

迷ったカメコは、一かバチかDを選択する。外してしまう恐怖でカメコは顔を上げることができない。失敗したら、またお父さんに怒られてしまう。ニヤリと笑った司会者。ファイナルアンサーか？と問いかけようとしたとき、客席から「カメコー！！」と叫ぶ声が。

「まだだ、まだ終わらんよ！！」

そう叫んだ父カメオが掲げたフリップには、大きくBと書かれてあった。姑息にも万が一のために答えを教えようと企んでいた父は、密かにフリップを隠し持っていたのだった。確かに答えはBであったが、堂々たるカンニング行為にスタジオは騒然。当然問題は終了となり、彼は警備員につまみ出された。

その後、高難度な水平思考問題を10問連続で正解させ、見事賞金を手にしたカメコ。番組をみていた心優しい大人の援助と支援を受けて父との縁を断ち切り、現在は幸せな結婚生活を営んでいるという。

見に行かなかったのは、｢実写化(舞台化)｣。

顔が変わる。美形キャラのカメオはそこまで格好いい人ではなかった。
声も変わる。アニメと違うなんて…嫌だ。

大ファンのカメミには、耐えられない問題であった。

カメタがやってきたのは、かつてお化け屋敷で有名になった遊園地の廃墟。
廃墟探索を趣味としているカメタは、有名だったお化け屋敷の中にも入る。
カメタ「うわー、本当に天井にお札がびっしり…誰だっ」
そこには誰もいないはずだが、たしかに人が…いたような気がした。
カメタ「長髪…？女性…うわ、こわぁ…マジで出るんだ」
廃墟は慣れているが、お化け染みたものは初めて見たカメタは、急いで帰路に着くのであった。
彼はまだ後ろを見ていない。

カメミ「…」