「幻ノ女」「14ブックマーク」
やあ、はじめまして。俺の名前はロンバートだ。ん?どこかでお会いしたことがありましたっけね?
実は今ちょっとやっかいな事件に巻き込まれていてね。
親友のスコットがある事件の容疑者として連行されてしまった。
事件のあらましはこうだ。
スコットは夜のニューヨークを独りさまよい歩いていた。なんでも妻と喧嘩をしたとかで、彼は夜更けすぎまで家には帰らなかったらしい。
だが、スコットが留守にしている間に彼の妻マーセラが自宅で殺されていてね、まあつまりはスコットが妻殺しの犯人として疑われているというわけだ。
しかも、引っ立てられたスコットの供述が要領を得ないようで、どうやら少し記憶がいかれちまっているらしい。
精神鑑定士が聞き出した話によれば、スコットは"俺はやってない"とか"俺は大きな帽子を目深にかぶった女と一緒に居た"というような発言をしているらしく、この帽子の女の証言があればアリバイが成立するようなんだが、困ったことに刑事さんたちの聞き込みの甲斐なく帽子の女の目撃情報は得られていない。まさに幻の女ってわけだな。
結局スコットの話は信用されず、死刑判決が下されてしまった。
しかしね、バージェスっていう刑事さんがどうもこの事件に納得がいってないようでね、警察としてはこれ以上の捜査は出来ないが、代わりにスコットのために動いてくれる探偵は居ないか、ということで俺に白羽の矢が立ったというわけ。
もちろん俺も親友スコットがマーセラを殺したなんて微塵も思っちゃいないし、全力で捜査してスコットの無実を証明してやりたいと思っている。
バージェス刑事のはからいで、俺はいくらでも現場に入れるし、好きなときにスコットと面会できる。が、いかんせん探偵の経験はないのでね、どのように捜査したら無実を証明できるものか……どうかおまえさん方、俺の捜査を手伝ってくれないか?
実は今ちょっとやっかいな事件に巻き込まれていてね。
親友のスコットがある事件の容疑者として連行されてしまった。
事件のあらましはこうだ。
スコットは夜のニューヨークを独りさまよい歩いていた。なんでも妻と喧嘩をしたとかで、彼は夜更けすぎまで家には帰らなかったらしい。
だが、スコットが留守にしている間に彼の妻マーセラが自宅で殺されていてね、まあつまりはスコットが妻殺しの犯人として疑われているというわけだ。
しかも、引っ立てられたスコットの供述が要領を得ないようで、どうやら少し記憶がいかれちまっているらしい。
精神鑑定士が聞き出した話によれば、スコットは"俺はやってない"とか"俺は大きな帽子を目深にかぶった女と一緒に居た"というような発言をしているらしく、この帽子の女の証言があればアリバイが成立するようなんだが、困ったことに刑事さんたちの聞き込みの甲斐なく帽子の女の目撃情報は得られていない。まさに幻の女ってわけだな。
結局スコットの話は信用されず、死刑判決が下されてしまった。
しかしね、バージェスっていう刑事さんがどうもこの事件に納得がいってないようでね、警察としてはこれ以上の捜査は出来ないが、代わりにスコットのために動いてくれる探偵は居ないか、ということで俺に白羽の矢が立ったというわけ。
もちろん俺も親友スコットがマーセラを殺したなんて微塵も思っちゃいないし、全力で捜査してスコットの無実を証明してやりたいと思っている。
バージェス刑事のはからいで、俺はいくらでも現場に入れるし、好きなときにスコットと面会できる。が、いかんせん探偵の経験はないのでね、どのように捜査したら無実を証明できるものか……どうかおまえさん方、俺の捜査を手伝ってくれないか?
14年10月11日 21:36
【亀夫君問題】 [nattu]
【亀夫君問題】 [nattu]

15,499
解説を見る
俺が戻ってきた1992年のニューヨーク、そこではマーセラの殺害は起こっていなかった!
今日の日付は……ありゃ?10日か。11日から出発したはずだったんだが……
まあ、ここでの俺はニューヨークに呼び出されてすらいないはずだからな。明日からの南米での仕事に間に合うように神様が計らってくれたのかも。なんてな。
まあ、事件を未然に防げたのならなによりだ。皆の協力に感謝する。ありがとう。
…………………………………………………………………
観測者による解説
事の始まりは、押し込み強盗によるマーセラの殺害だった。
外出から帰ってきたスコットは愛する妻の死を受け入れられず、自らが開発したタイムマシンでマーセラを助けに行こうとした。しかし、スコットは気が動転していたためか、目的日時の設定を誤ってしまう。スコットが送られた先は実に20年前のニューヨークであった。
スコットの造ったタイムマシンは、短期間に一往復以上のタイムトラベルを行うことはできない。自らの失敗を呪うスコットだったが、偶然にも幼少のころのマー セラに出会った。ぶかぶかな女性ものの帽子を被る少女こそ、幼き頃のマーセラだったのだ。スコットは驚くべき偶然に感謝し、走り書きの手紙を幼きマーセラ に託した。
「親愛なるマーセラへ
この手紙は1992年の10月1日に読んで欲しい。
今日、君は殺される運命にある。信じられないことだろうが事実だ。今日1日は一歩も家から出ず戸締まりをしっかりして、誰の来客も断ってくれ。これくらいしかしてあげられることがなくて本当にすまない。
君を誰よりも愛している者より」
……しかし、現代に戻ってきたスコットの目の前にあったのは、刺殺されたマーセラの死体だった。
運命を変えることが出来ないと思ったスコットは、激しいショックを受け部分的に記憶喪失になってしまう。
この事件に疑問を持ったロンバートは、捜査の末にスコットがタイムマシンを用いて妻を救いに行ったことに気づき、自らも事の真相を確かめるべく事件の当日にタイムトラベルする。
一方、マーセラは手紙の内容に絶大なショックを受け、精神を病み人間不信に陥ってしまっていた。事件当日のスコットとの喧嘩もこれが原因である。
これらの条件が重なり、不幸な事件の連鎖が紡がれていくこととなる。
過去へタイムトラベルしたロンバートがスコット家の張り込みを行った場合、押し込み強盗の侵入は阻止できるが、死の影に怯え正気を失ったマーセラは夫を殺人者だと勘違いし揉み合いの末に死亡、スコットは自らを責め自殺することとなる。
ロンバートがスコット家を訪れた場合は、ロンバートが殺人者だと疑われマーセラと揉み合いになり、正当防衛でマーセラを殺害してしまう。
ロンバートがスコット家に張り込み、スコットの帰宅さえ妨害した場合も、マーセラは死の恐怖に耐えきれず自殺してしまう。
張り込みを行わなかった場合は、押し込み強盗の侵入を許し、マーセラは殺される。
……事件が不幸な終わりを迎えるたびに、ロンバートは幾度も幾度もタイムトラベルを行いやり直そうとした。タイムマシンの誤作動により11日から出発し、10日に存在している自身に統一される形で戻ってくることを繰り返し続けていたのだ。
激しいショックにより記憶を失いながらも、この運命の輪をループし続けたロンバートの精神力は本当に大したものだ。
しかし、15,499回目のループの際に運命は思わぬ展開へと至る。
ロンバートが事件当日ではなく20年前にタイムトラベルしたのだ。幼少の頃のマーセラから手紙を奪うことで、不幸の元凶を断ち切ったのだった。
……ん?それはおかしい?その場合、全ての始まりのときと同じように押し込み強盗による殺害が起きるはずだって?
そうなんだよ、私もそう思っていたんだがね……
どうやらロンバートが小銭を恵んであげたことで、奴の人生は好転し、強盗にはならずに済んだようだ。
こんなことは観測者になって以来初めてだ。
なんとも御都合主義な展開ではあるが、運命とはそういったものなのかもしれないね。
Fin.
作者注:今回、自分の知識と設定、回答力の至らなさゆえに参加して下さっていた皆様に多大な迷惑をおかけしてしまったと、本当に反省しております。
結構な裏設定があったのですが、もう本当に表に出すのも恥ずかしいのでお蔵にさせて下さい。ごめんなさい。
何か疑問や腑に落ちない点などあると思いますが、直接メッセージをいただければ、出来る限りの回答をしたいと思います。すみませんでした。
今日の日付は……ありゃ?10日か。11日から出発したはずだったんだが……
まあ、ここでの俺はニューヨークに呼び出されてすらいないはずだからな。明日からの南米での仕事に間に合うように神様が計らってくれたのかも。なんてな。
まあ、事件を未然に防げたのならなによりだ。皆の協力に感謝する。ありがとう。
…………………………………………………………………
観測者による解説
事の始まりは、押し込み強盗によるマーセラの殺害だった。
外出から帰ってきたスコットは愛する妻の死を受け入れられず、自らが開発したタイムマシンでマーセラを助けに行こうとした。しかし、スコットは気が動転していたためか、目的日時の設定を誤ってしまう。スコットが送られた先は実に20年前のニューヨークであった。
スコットの造ったタイムマシンは、短期間に一往復以上のタイムトラベルを行うことはできない。自らの失敗を呪うスコットだったが、偶然にも幼少のころのマー セラに出会った。ぶかぶかな女性ものの帽子を被る少女こそ、幼き頃のマーセラだったのだ。スコットは驚くべき偶然に感謝し、走り書きの手紙を幼きマーセラ に託した。
「親愛なるマーセラへ
この手紙は1992年の10月1日に読んで欲しい。
今日、君は殺される運命にある。信じられないことだろうが事実だ。今日1日は一歩も家から出ず戸締まりをしっかりして、誰の来客も断ってくれ。これくらいしかしてあげられることがなくて本当にすまない。
君を誰よりも愛している者より」
……しかし、現代に戻ってきたスコットの目の前にあったのは、刺殺されたマーセラの死体だった。
運命を変えることが出来ないと思ったスコットは、激しいショックを受け部分的に記憶喪失になってしまう。
この事件に疑問を持ったロンバートは、捜査の末にスコットがタイムマシンを用いて妻を救いに行ったことに気づき、自らも事の真相を確かめるべく事件の当日にタイムトラベルする。
一方、マーセラは手紙の内容に絶大なショックを受け、精神を病み人間不信に陥ってしまっていた。事件当日のスコットとの喧嘩もこれが原因である。
これらの条件が重なり、不幸な事件の連鎖が紡がれていくこととなる。
過去へタイムトラベルしたロンバートがスコット家の張り込みを行った場合、押し込み強盗の侵入は阻止できるが、死の影に怯え正気を失ったマーセラは夫を殺人者だと勘違いし揉み合いの末に死亡、スコットは自らを責め自殺することとなる。
ロンバートがスコット家を訪れた場合は、ロンバートが殺人者だと疑われマーセラと揉み合いになり、正当防衛でマーセラを殺害してしまう。
ロンバートがスコット家に張り込み、スコットの帰宅さえ妨害した場合も、マーセラは死の恐怖に耐えきれず自殺してしまう。
張り込みを行わなかった場合は、押し込み強盗の侵入を許し、マーセラは殺される。
……事件が不幸な終わりを迎えるたびに、ロンバートは幾度も幾度もタイムトラベルを行いやり直そうとした。タイムマシンの誤作動により11日から出発し、10日に存在している自身に統一される形で戻ってくることを繰り返し続けていたのだ。
激しいショックにより記憶を失いながらも、この運命の輪をループし続けたロンバートの精神力は本当に大したものだ。
しかし、15,499回目のループの際に運命は思わぬ展開へと至る。
ロンバートが事件当日ではなく20年前にタイムトラベルしたのだ。幼少の頃のマーセラから手紙を奪うことで、不幸の元凶を断ち切ったのだった。
……ん?それはおかしい?その場合、全ての始まりのときと同じように押し込み強盗による殺害が起きるはずだって?
そうなんだよ、私もそう思っていたんだがね……
どうやらロンバートが小銭を恵んであげたことで、奴の人生は好転し、強盗にはならずに済んだようだ。
こんなことは観測者になって以来初めてだ。
なんとも御都合主義な展開ではあるが、運命とはそういったものなのかもしれないね。
Fin.
作者注:今回、自分の知識と設定、回答力の至らなさゆえに参加して下さっていた皆様に多大な迷惑をおかけしてしまったと、本当に反省しております。
結構な裏設定があったのですが、もう本当に表に出すのも恥ずかしいのでお蔵にさせて下さい。ごめんなさい。
何か疑問や腑に落ちない点などあると思いますが、直接メッセージをいただければ、出来る限りの回答をしたいと思います。すみませんでした。
「市松模様」「14ブックマーク」
←これは何でしょうか?
※嘘は無し、リスト聞きはOKのルールです。
※嘘は無し、リスト聞きはOKのルールです。
14年10月03日 19:23
【20の扉】 [低空飛行便]
【20の扉】 [低空飛行便]

本問題は挿絵問題です。扉問題2枚目。
解説を見る
今回の問題は絵や文字の内容をある言葉に置き換える、
#red#判じ絵#/red#もしくは#red#判じ物#/red#と呼ばれるなぞなぞの一種である。
今回の挿絵にある『市松模様』と『勝者』をどう読みかえるかが、
この問題のポイント。
まず、『市松模様』の正体は#red#点字#/red#を並べ敷き詰めたもの。
■□
□■
■□ は 「#red#た#/red#」であり、
□■
■□
□■ は 「#red#こ#/red#」である。
(■を点のある場所、□を点のない場所と読みかえる)
すると市松模様は
#red#たたた#/red#
#red#こここ#/red#
となる。
一方、『勝者』は#red#winner#/red#と読みかえる。
すると挿絵は
#red#たたた#/red#
#red#こここ winner#/red#
となる。さらに読みかえると、
#red#たこ3 winner#/red#
となる。さらに読みかえれば、
#red#たこさんウインナー#/red#
となる。
答えは#big5#「たこさんウインナー」#/big5#。
#red#判じ絵#/red#もしくは#red#判じ物#/red#と呼ばれるなぞなぞの一種である。
今回の挿絵にある『市松模様』と『勝者』をどう読みかえるかが、
この問題のポイント。
まず、『市松模様』の正体は#red#点字#/red#を並べ敷き詰めたもの。
■□
□■
■□ は 「#red#た#/red#」であり、
□■
■□
□■ は 「#red#こ#/red#」である。
(■を点のある場所、□を点のない場所と読みかえる)
すると市松模様は
#red#たたた#/red#
#red#こここ#/red#
となる。
一方、『勝者』は#red#winner#/red#と読みかえる。
すると挿絵は
#red#たたた#/red#
#red#こここ winner#/red#
となる。さらに読みかえると、
#red#たこ3 winner#/red#
となる。さらに読みかえれば、
#red#たこさんウインナー#/red#
となる。
答えは#big5#「たこさんウインナー」#/big5#。
「お肉大好き佐藤さん!」「14ブックマーク」
小太りで陽気な郵便配達員の佐藤さん。
彼は食べることがとっても大好き。特に肉料理が大好き!!
しかしあるきっかけで彼は菜食主義者、ベジタリアンになってしまいます。
一体彼に何が起きたと言うのでしょう!?
彼は食べることがとっても大好き。特に肉料理が大好き!!
しかしあるきっかけで彼は菜食主義者、ベジタリアンになってしまいます。
一体彼に何が起きたと言うのでしょう!?
10年09月27日 19:50
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]
解説を見る
ある肌寒い日、古いアパートの一室。
ご老人はお風呂に入っていた。
ガス式の追い炊き機を使ってお湯を温めながら湯船に浸かっていたのだが、ご老人はそのまま突然死してしまう。
一週間後配達で通りかかった佐藤は、そのご老人の部屋の前で立ち止まる。
「ん?なにやらいい匂いがするな!このお宅の晩飯はシチューだ!!そうだろう!!!」
佐藤は悪いと思いながらもその匂いが気になり、勝手にお邪魔することにした。
そこで煮え立った湯に肩だけ出した状態で浸かっている老人の死体を発見する。
「た、大変だ!!早く助けないと!!」
老人を助け出そうと彼の肩を掴み、力一杯に湯から引きずり出す。
すると、老人の肩から下の肉は全て湯の中に崩れ落ち、背骨だけが体からずるずると引き抜かれてしまった。
一週間煮込まれていたため、老人の体は完全に煮崩れていたのだ。
そして風呂場からいい匂いが消え、排泄物の嫌な匂いでいっぱいになった……
というわけで、私のトラウマ「人間シチュー」の改変でした。
ご老人はお風呂に入っていた。
ガス式の追い炊き機を使ってお湯を温めながら湯船に浸かっていたのだが、ご老人はそのまま突然死してしまう。
一週間後配達で通りかかった佐藤は、そのご老人の部屋の前で立ち止まる。
「ん?なにやらいい匂いがするな!このお宅の晩飯はシチューだ!!そうだろう!!!」
佐藤は悪いと思いながらもその匂いが気になり、勝手にお邪魔することにした。
そこで煮え立った湯に肩だけ出した状態で浸かっている老人の死体を発見する。
「た、大変だ!!早く助けないと!!」
老人を助け出そうと彼の肩を掴み、力一杯に湯から引きずり出す。
すると、老人の肩から下の肉は全て湯の中に崩れ落ち、背骨だけが体からずるずると引き抜かれてしまった。
一週間煮込まれていたため、老人の体は完全に煮崩れていたのだ。
そして風呂場からいい匂いが消え、排泄物の嫌な匂いでいっぱいになった……
というわけで、私のトラウマ「人間シチュー」の改変でした。
「最後の名作」「14ブックマーク」
とある貧しい画家はいつまで経っても完成しない絵に頭を悩ませていた。
ある日、その画家が家に帰ってくると、真っ直ぐに自分の絵に向き合い、最後の仕上げを行った。
そして、絵が完成すると画家は自ら命を絶った。
一体何があったのだろうか?
ある日、その画家が家に帰ってくると、真っ直ぐに自分の絵に向き合い、最後の仕上げを行った。
そして、絵が完成すると画家は自ら命を絶った。
一体何があったのだろうか?
13年09月12日 07:40
【ウミガメのスープ】 [こびー]
【ウミガメのスープ】 [こびー]

皆様ありがとうございました!!
解説を見る
とある村に、とても美しい女性がいた。
彼女はいつも自分の目を包帯で覆い、杖を突いて歩いていた。
彼女はメデューサの末裔だった。
「あの女と目を合わせると石になってしまう」
そんな噂が流れみんなから忌み嫌われた少女は孤独にも、自ら目を塞ぐことで村で暮らしていた。
「美しいお嬢さん、あなたをモデルに一枚絵を描いてもいいかな?」
そんな彼女に一人の貧しい画家が声をかけた。
久しぶりに人から声をかけられ、少女は戸惑ったが、優しい画家の言葉に安心し、頷いた。
それから、少女が画家の前を通りかかるたびに、画家は声をかけ、彼女の絵を少しずつ描いていった。
たわいのないことを話しながら二人は惹かれあい、恋におちていった。
二人はやがて結婚し、村のはずれの画家の小さな家で静かに暮らした。
「うーん、どうしてもここが描けないな・・・」
「まだ悩んでるの?どういう絵なのかしら?」
「ん~、まだ君には見せられないんだ。でもこれは自信作だから、完成したら見せるよ!」
画家の絵は売れず、二人は貧しかったが幸せだった。
そんなある日、画家が市場で買い物をしていると、張り紙を目にした。
男は驚き、家に急いだ。
政府が魔女狩りを行うことを発表したのだ。
男の帰宅は少しだけ遅かった。
そこには無残にも槍で貫かれた彼女の姿があった。
「どうして・・・こんなことに・・・」
男が彼女を抱き起こすとわずかだが息があった。
彼女は今にも途絶えそうな声で言った。
「ごめんなさい、あなたの絵、夜中にこっそりと見てしまったの。とっても素敵だったわ。ありがとう、私のために。・・・これでやっと完成するのね。」
目を覆っていた包帯がするすると解け、彼女はゆっくりと目を開けた。
男は石になることはなかった。目を開けた彼女はもう息絶えていたのだ。
とても綺麗な瑠璃色の瞳が男を優しく見つめていた。
男は彼女の墓を庭に立てた。
そしてすぐに未完成の絵に向き合い、瑠璃色の瞳をその絵に描き足した。
そして完成すると、男は自ら命を絶った。
=================
とある画家が残した最後の名作。
それは美しい女性の絵だった。
特に瞳の瑠璃色はあまりに美しく、その女性の絵を見たものはまるで石になったように、その場に立ち尽くし魅了されるのだった。
彼女はいつも自分の目を包帯で覆い、杖を突いて歩いていた。
彼女はメデューサの末裔だった。
「あの女と目を合わせると石になってしまう」
そんな噂が流れみんなから忌み嫌われた少女は孤独にも、自ら目を塞ぐことで村で暮らしていた。
「美しいお嬢さん、あなたをモデルに一枚絵を描いてもいいかな?」
そんな彼女に一人の貧しい画家が声をかけた。
久しぶりに人から声をかけられ、少女は戸惑ったが、優しい画家の言葉に安心し、頷いた。
それから、少女が画家の前を通りかかるたびに、画家は声をかけ、彼女の絵を少しずつ描いていった。
たわいのないことを話しながら二人は惹かれあい、恋におちていった。
二人はやがて結婚し、村のはずれの画家の小さな家で静かに暮らした。
「うーん、どうしてもここが描けないな・・・」
「まだ悩んでるの?どういう絵なのかしら?」
「ん~、まだ君には見せられないんだ。でもこれは自信作だから、完成したら見せるよ!」
画家の絵は売れず、二人は貧しかったが幸せだった。
そんなある日、画家が市場で買い物をしていると、張り紙を目にした。
男は驚き、家に急いだ。
政府が魔女狩りを行うことを発表したのだ。
男の帰宅は少しだけ遅かった。
そこには無残にも槍で貫かれた彼女の姿があった。
「どうして・・・こんなことに・・・」
男が彼女を抱き起こすとわずかだが息があった。
彼女は今にも途絶えそうな声で言った。
「ごめんなさい、あなたの絵、夜中にこっそりと見てしまったの。とっても素敵だったわ。ありがとう、私のために。・・・これでやっと完成するのね。」
目を覆っていた包帯がするすると解け、彼女はゆっくりと目を開けた。
男は石になることはなかった。目を開けた彼女はもう息絶えていたのだ。
とても綺麗な瑠璃色の瞳が男を優しく見つめていた。
男は彼女の墓を庭に立てた。
そしてすぐに未完成の絵に向き合い、瑠璃色の瞳をその絵に描き足した。
そして完成すると、男は自ら命を絶った。
=================
とある画家が残した最後の名作。
それは美しい女性の絵だった。
特に瞳の瑠璃色はあまりに美しく、その女性の絵を見たものはまるで石になったように、その場に立ち尽くし魅了されるのだった。
「この料理を作ったのは誰だ!?」「14ブックマーク」
久しぶりに家に帰ってきた私は
妻の手料理を食べてその味が自分の好きな味であったことに驚いた。
妻の料理の腕が上がったわけでも、味が変わったわけでもないのに一体何故?
妻の手料理を食べてその味が自分の好きな味であったことに驚いた。
妻の料理の腕が上がったわけでも、味が変わったわけでもないのに一体何故?
16年08月17日 22:34
【ウミガメのスープ】 [松神]
【ウミガメのスープ】 [松神]

ちょっと挑戦作。いつかはこういうのをスルッとキメたいです。
解説を見る
私はつい先日まで入院していた。理由は重度の高血圧。
普段からあまりにも偏った食生活をしすぎたとのことだ。
私自身はさほど自覚していなかったが妻の手料理が悪いらしい。
まあそれを本当の意味で理解したのは今妻の手料理を食べてからなのだが。
この異様なほどしょっぱい料理の数々を。
入院中に病院食ばかりを食べていたおかげで舌が正常になったようで
今まで好んでいた食べ物の異常さがきちんと認識出来るようになったらしい。
まったく、今までこんなしょっぱいものを美味い美味いといって食っていたのだから笑える。
私は妻に入院中に言われたことをすべて話して、これからはちゃんとした料理を二人で作ろうと提案した。
取り敢えずあの塩分の塊は処理しておこう。
ああ、それと。
妻も病院に連れていって検査してもらった方が良さそうだ。
普段からあまりにも偏った食生活をしすぎたとのことだ。
私自身はさほど自覚していなかったが妻の手料理が悪いらしい。
まあそれを本当の意味で理解したのは今妻の手料理を食べてからなのだが。
この異様なほどしょっぱい料理の数々を。
入院中に病院食ばかりを食べていたおかげで舌が正常になったようで
今まで好んでいた食べ物の異常さがきちんと認識出来るようになったらしい。
まったく、今までこんなしょっぱいものを美味い美味いといって食っていたのだから笑える。
私は妻に入院中に言われたことをすべて話して、これからはちゃんとした料理を二人で作ろうと提案した。
取り敢えずあの塩分の塊は処理しておこう。
ああ、それと。
妻も病院に連れていって検査してもらった方が良さそうだ。












