「人生最小の危機」「17ブックマーク」
買い物の最中、カメオは誤って小銭を落としてしまった。
鳴り響く音を聞きながら、
「これは大変なことになった」
とカメオは思った。
別に小銭くらい落としたところで大したことはないのに、
カメオはどうかしたのだろうか?
鳴り響く音を聞きながら、
「これは大変なことになった」
とカメオは思った。
別に小銭くらい落としたところで大したことはないのに、
カメオはどうかしたのだろうか?
14年09月09日 00:16
【ウミガメのスープ】 [低空飛行便]
【ウミガメのスープ】 [低空飛行便]
21杯目も食べてくれるかな?
解説を見る
カメオは#red#オークション#/red#会場にいた。
出品された#red#珍品、エラーコインの50円玉#/red#に
カメオは冗談半分に100万円で入札したのだ。
「どうせ誰かが競り落とすだろう」
そう思っていたカメオだったが、
その後それ以上の価格を提示する参加者はおらず、
結局カメオが100万円で競り#red#落とす#/red#ことに。
#red#鳴り響くハンマーの音。#/red#
「これは大変なことになった。#red#そんな金持ってない#/red#よ」
オークションにおいて、競り落とした商品の金額を支払わないのは
重大なルール違反だ。
カメオがこの後どうやって危機を乗り越えるのか? それはまた別の話。
出品された#red#珍品、エラーコインの50円玉#/red#に
カメオは冗談半分に100万円で入札したのだ。
「どうせ誰かが競り落とすだろう」
そう思っていたカメオだったが、
その後それ以上の価格を提示する参加者はおらず、
結局カメオが100万円で競り#red#落とす#/red#ことに。
#red#鳴り響くハンマーの音。#/red#
「これは大変なことになった。#red#そんな金持ってない#/red#よ」
オークションにおいて、競り落とした商品の金額を支払わないのは
重大なルール違反だ。
カメオがこの後どうやって危機を乗り越えるのか? それはまた別の話。
「「コーヒー」 1000円」「17ブックマーク」
小さなカフェ経営している男は景気を恨んだ。
世の中、不景気。
物価が上がっていき、民衆は日々不満を募らせていった。
新聞の僅かな値上げで掴み合いの喧嘩になる事もしばしば。
このままだとカフェの経営も危うい。
ある日、男は珈琲の価格をあげた。
すると、人々は笑顔で珈琲を飲むようになった。
結果。
売り上げは上がるどころか落ちてしまったのだが、男は無事カフェを止める事なく不景気を乗り切る事ができた。
一体何故?
世の中、不景気。
物価が上がっていき、民衆は日々不満を募らせていった。
新聞の僅かな値上げで掴み合いの喧嘩になる事もしばしば。
このままだとカフェの経営も危うい。
ある日、男は珈琲の価格をあげた。
すると、人々は笑顔で珈琲を飲むようになった。
結果。
売り上げは上がるどころか落ちてしまったのだが、男は無事カフェを止める事なく不景気を乗り切る事ができた。
一体何故?
13年12月21日 13:15
【ウミガメのスープ】 [とーふ]
【ウミガメのスープ】 [とーふ]
c〼~ コーヒーをお出しします
解説を見る
とある会社の社長職を引退した男は老後の遊びとして以前からやりたかったカフェを経営する事にした。
カフェは、安くて上手い珈琲が人気でそこそこ繁盛した。
人生を3回遊んで暮らせるだけの金はあるので、損得勘定は全く頭になかった。
基本的に善良な男であったのだが、一つ大きな欠点があった。
歳のせいで我慢が効かず、非常に短気で喧嘩っ早いなのだ。
不機嫌でブスリとした顔で「珈琲」と乱暴な注文する輩が多くて、短気な男が喧嘩を売ってしまうのだ。
(゚Д゚)「不景気のヤロウ。俺のお客様から笑顔を奪うとは許せねえな」
( `Д´)「おい。珈琲」
(#゚Д゚)「はいよ!」
フゥー ( `Д´)y-~~「ちっ」
(#゚Д゚)「俺の淹れた珈琲飲んで、そんな不満げ顔をするとはふてえ野郎だ!許せねえ!ぶっ殺してやる!」
( ꒪ д꒪ ⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
(´∀`⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
( ‘д‘ ⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
U・ω・Uわん! (;゚Д゚)ぐへえ
(;゚Д゚)「きょ、今日はこのぐらいで勘弁してやらあ!」
男は恐ろしく喧嘩が弱かった。
ある日カフェで売ってる新聞の値上げしたら、客がネチネチネチネチ文句を言ってきました。
つい反論してしまい、掴み合いの喧嘩に発展。
男は全治一週間のケガを負ってしまった。
客は無傷である。
客は男のあまりの喧嘩の弱さに驚き、直ぐに謝罪した。
だが、ケガ人が出た事で、警察から次に大きな喧嘩をしたら、逮捕して営業停止処分にするぞと脅された。
男は一晩悩んだ挙句、珈琲の価格を変える事にした。
(゚Д゚)ノノ□|壁|「あらよっと」
(´∀`)「あれ?」
(OwO)「ん?値上げ?」
(゚Д゚)「おうよ!」
#b#☆☆☆#/b#
#b#「珈琲」1000円#/b#
#b#「珈琲ください」600円#/b#
#b#「こんにちは、珈琲ください」200円#/b#
#b#※笑顔で注文したら、更に100円引き#/b#
#b#(通貨単位は意訳されています。)#/b#
#b#☆☆☆#/b#
(´∀`)「面白いwwこんにちは、珈琲ください」
(OwO)「こんにちは、珈琲ください。」
(゚Д゚)⊃c口~「はいよ!へい!お待ち!」
客たちは笑顔で珈琲頼み、言葉使いも柔らかくなったので、
男は以後喧嘩せずに穏やかな午後を過ごせる事になりました。
それでは、良い週末を。
カフェは、安くて上手い珈琲が人気でそこそこ繁盛した。
人生を3回遊んで暮らせるだけの金はあるので、損得勘定は全く頭になかった。
基本的に善良な男であったのだが、一つ大きな欠点があった。
歳のせいで我慢が効かず、非常に短気で喧嘩っ早いなのだ。
不機嫌でブスリとした顔で「珈琲」と乱暴な注文する輩が多くて、短気な男が喧嘩を売ってしまうのだ。
(゚Д゚)「不景気のヤロウ。俺のお客様から笑顔を奪うとは許せねえな」
( `Д´)「おい。珈琲」
(#゚Д゚)「はいよ!」
フゥー ( `Д´)y-~~「ちっ」
(#゚Д゚)「俺の淹れた珈琲飲んで、そんな不満げ顔をするとはふてえ野郎だ!許せねえ!ぶっ殺してやる!」
( ꒪ д꒪ ⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
(´∀`⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
( ‘д‘ ⊂彡☆))Д゚)ぐへえ
U・ω・Uわん! (;゚Д゚)ぐへえ
(;゚Д゚)「きょ、今日はこのぐらいで勘弁してやらあ!」
男は恐ろしく喧嘩が弱かった。
ある日カフェで売ってる新聞の値上げしたら、客がネチネチネチネチ文句を言ってきました。
つい反論してしまい、掴み合いの喧嘩に発展。
男は全治一週間のケガを負ってしまった。
客は無傷である。
客は男のあまりの喧嘩の弱さに驚き、直ぐに謝罪した。
だが、ケガ人が出た事で、警察から次に大きな喧嘩をしたら、逮捕して営業停止処分にするぞと脅された。
男は一晩悩んだ挙句、珈琲の価格を変える事にした。
(゚Д゚)ノノ□|壁|「あらよっと」
(´∀`)「あれ?」
(OwO)「ん?値上げ?」
(゚Д゚)「おうよ!」
#b#☆☆☆#/b#
#b#「珈琲」1000円#/b#
#b#「珈琲ください」600円#/b#
#b#「こんにちは、珈琲ください」200円#/b#
#b#※笑顔で注文したら、更に100円引き#/b#
#b#(通貨単位は意訳されています。)#/b#
#b#☆☆☆#/b#
(´∀`)「面白いwwこんにちは、珈琲ください」
(OwO)「こんにちは、珈琲ください。」
(゚Д゚)⊃c口~「はいよ!へい!お待ち!」
客たちは笑顔で珈琲頼み、言葉使いも柔らかくなったので、
男は以後喧嘩せずに穏やかな午後を過ごせる事になりました。
それでは、良い週末を。
「ツムギ」「17ブックマーク」
#b#香坂 美智子 様#/b#
急にいなくなってしまう私をお許しください。
美智子と出会うまでは、こんなに仲良くなるとは思っていなかったので、お別れがとても辛いです。
ちょっと助けただけなのに、身元不明の私を家に招き入れてくれたこと、すごく感謝してます。
それからの日々は楽しかったなぁ…
(中略…楽しかった思い出の回想)
本当はすぐ帰らなくちゃいけなかったんだけど、美智子の優しさに甘えちゃった。
だけどもう行きます。
しばらくの間お別れだね。
5年後の2月21日にまた会いましょう!
#b#矢代 コズエ 様#/b#
あなたと会えなくなってしまった私をお許しください。
あなたの残した手紙の意味がようやくわかりました。
そして冒頭の謝罪はあなたの目的が分かったから。あなたの努力を無駄にしてしまって本当にごめんなさい。
でもコズエと過ごした2週間はかけがえのないものだった。
だから自分の行為が無駄だったなんて思わないでね?私はとってもとっても感謝しているんだから。
コズエ、本当にありがとう。
私は今とても幸せです。
この二つの手紙の内容から、二人が再会できない理由を推理してください。
13年02月26日 22:26
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
問題文が長いのはご了承ください。解説が長いのもご了承ください。
解説を見る
過去ー現在ー#red#未来#/red#
#b#2033年4月16日#/b# #b#AM10:23#/b#
「矢代研究所」と書かれたトタン製の看板と共に、研究所 (と言っても見た目はプレハブ小屋だが) が大きく揺れた。
「ぶぶぶぶ、無事戻れた…」
矢代コズエはその研究室のドアの隙間にねじ込まれている無数の新聞の日付を確認し、安堵の声を出した。
「本題はここからだよね…」
彼女はそうひとりごちると、隅にある神棚に手を合わせてから研究所を飛び出した!・・・瞬間に呼び止められた。
「あんた、矢代コズエさん?」
50代半ばの見知らぬおっさんだ。
「は、はい、私です。矢代は私ですけど…なにか?」
おっさんは破顔し、
「よかったー! ようやく見つかった! ホイこれっ」
っと黄ばんだ便箋を手渡した。
「いやー、みっちゃんに20年後の今頃に、ここら辺で紫色のブレスレットをつけたショートカットの女の子が通るはずだから、この便箋を渡せっていう無理難題を申し付けられたんだよ。いくら俺が優秀な郵便配達員っつったて無理難題過ぎねえかってつっぱってたんだけど、本当に来るんだもんなあ!別に俺、みっちゃんの話をうたがっ……」
優秀な郵便配達員の話を上の空に、彼女はいま手元にある黄ばんだ便箋を眺めている。流麗な字で矢代コズエ様と書かれていた。
話している途中の優秀なおっさんに「ありがとうございました!」と大声で伝え、また研究所の中に戻って行った。
「美智子…お母さん…」
彼女は震える手で自分の名前の書かれた封筒を、開いた。
#red#過去#/red#ー現在ー未来
#b#2008年04月02日#/b# #b#PM16:58#/b#
#big5#プオオオオォォォォォォーーーー‼#/big5#
けたたましいクラクションを鳴らし、スピードを落とすことなく車は去って行った。
矢代コズエは自分が突き飛ばしたことで呆けた顔でしゃがみこんでいる香坂美智子の手を引っ張りあげた。
「大丈夫…ですか?」
コズエは美智子に怪我がないか確かめるため、体をしげしげと観察している。
「あの、あ、ありがとうございました!」
「み!耳は!? 耳は、聞こえますか?」
「耳、ですか?…はい、問題なく聞こえます」
「よ、良かった〜」
安堵のため息をついて、今度はコズエの方が地面にへたり込んでしまった。
「あ、あなたは!あなたはお怪我なかったんですか?」
「え?あ、あたし? あー全然ダイジョブだよ!…ぃーょっこらっしょっと!」
勢いよく立ち上がったコズエを今度は美智子がじろじろと眺めている。
「なんだかあなた…他人の気がしない… そうだ! 良かったらご飯ご馳走させてくれないかしら? 助けていただいたお礼に!」
「え!? え〜と、う〜ん、まぁいっか。じゃあ甘えちゃおうかな?(いろいろ話もしたかったしね)」
そこからすっかり意気投合した二人の同棲生活が始まった。
当初の計画にはなかったことだが、コズエには嬉しい誤算だった。
コズエはこの時代の人間ではない。
彼女は父との共同開発で作り上げたタイムマシンによってこの時代にやってきた。
(ちなみに父親はタイムマシンが出来上がる一年前に肺ガンの為、他界している)
美智子は彼女の母親である。
美智子は今コズエが未然に防いだこの事故によって聴覚を失う#red#はずだった。#/red#そしてコズエが3歳の頃にこのことが原因で再度交通事故に会い他界している。
コズエの目標は達成された。あとはなるべくこの時代の人たちと関わりを持たず、コズエの時代に帰るだけだったのだが…
#b#2008年04月16日#/b# #b#AM7:32#/b#
「それじゃあコズエ。会社行ってくるね。夕飯の支度任せたから!」
「はーい、行ってらっしゃい!(あれから二週間も経っちゃった…)」
コズエは美智子を見送ると、一つため息をついた。
「もう潮時だよね」
コズエは美智子から貰った誕生石のブレスレットを優しく撫でた。
そして手紙を書き始めた。
過去ー#red#現在#/red#ー未来
#b#2013年02月21日#/b# #b#PM15:40#/b#
産声が雨音を切り裂いた。
矢代美智子は無事女の子を出産したのだ。
夫の矢代武彦は涙で顔面がぐしゃぐしゃである。
「美智子。お疲れ様。そして…そして本当にありがとう!」
「うん、頑張ったよ。タケさんが横にいてくれたから頑張れたよ」
「名前は実は考えてあるんだ。…カタカナでコズエっていうのはどうかな?」
「コズエ? 矢代…コズエ…」
「ん?気にいらなかったかな? ならもうちょ…」
「矢代コズエ‼ そういえば今日21日だよね!? タケさん、ちょっとお願いあるんだけど!」
「な、なに?」
「私のポーチ!家から持ってきて!」
美智子は赤ん坊を抱きながら夫が持ってきたポーチから手紙を取り出した。
#b#矢代コズエ#/b#からの手紙だ。
美智子は赤ん坊と手紙の内容を見比べて、夫に尋ねた。
「タケさんの研究って今どんな感じなの?」
#b#2015年2月21日#/b# #b#AM11:33#/b#
美智子は二回目の誕生日を迎えたコズエの頭を撫でながら、昨日医者に言われたことを反芻した。
#red#心疾患… 余命は一年…#/red#
美智子は腕の中で眠っているコズエを起こさないように、何度も読み返した二十歳のコズエからの手紙を取り出した。
あの時、コズエが私を助けたのは私の延命の為? でも私があの事故で死んでいたらコズエは生まれないし…
そうか、あの事故が原因で#red#コズエが生まれた後に死んで#/red#しまうのか… それを回避する為に… でも結局は私の寿命はここまでみたい… それでも。それでも!
あの子に、二十歳のコズエに会えて良かった!
コズエをベッドに寝かし、美智子はペンを取り手紙を書き始めた。
過去ー現在ー#red#未来#/red#
#b#2033年4月17日#/b# #b#AM5:08#/b#
雨が屋根を打つ音でコズエは目を覚ました。
実家に戻っても一人のままだった。
美智子からの手紙通りだ。彼女は心疾患で私が三歳の時に命を落としている。
奇しくも過去に行って彼女の未来を変える前、交通事故で他界した日と一緒な日だった。
コズエはベッドから降りると、母からの手紙とブレスレットを見つめた。
「私が運命を作り変えてまで手にいれたのは、この二つ…」
(うぅん…それだけじゃない)
コズエはペンを取った。
・・・
雨がしとしと降っている。
コズエは手紙を持ったまま、美智子の墓前で手を合わせた。
そして手紙をお墓の上に置いた。
あっという間に雨に打たれ、インクが滲んでくる。
「これが最後の手紙。きっと読んでくれるよね」
お母さんへ
手紙ありがとう。確かに受け取りました。ちょっとびっくりしたけどね。
実はお父さんも去年死んじゃったんだ。ホント〜にタバコの吸いすぎ!そっちでお母さんに嫌な顔されるんじゃないかと心配してます。
私は一人ぼっちになってしまいました。
でもなぜだろう。お母さんと…美智子と過ごした2週間で私は変わったのかな。
そんなに悲しくないんだ。
強がってるわけでもないよ?…でもこのブレスレットの存在は大きいかも。
お母さんと…美智子と同じ年で同じ時間を過ごせた…
私の網膜にあの時の景色が強烈に焼き付いてしまった。ブレスレットに触れるたび、昨日のことのように思い出せる…
貰った手紙の通りだとお母さんは今笑っているよね?
その笑顔を思い浮かべると私も自然に笑顔になっちゃう。
私は今、とても幸せです。
#b#2033年4月16日#/b# #b#AM10:23#/b#
「矢代研究所」と書かれたトタン製の看板と共に、研究所 (と言っても見た目はプレハブ小屋だが) が大きく揺れた。
「ぶぶぶぶ、無事戻れた…」
矢代コズエはその研究室のドアの隙間にねじ込まれている無数の新聞の日付を確認し、安堵の声を出した。
「本題はここからだよね…」
彼女はそうひとりごちると、隅にある神棚に手を合わせてから研究所を飛び出した!・・・瞬間に呼び止められた。
「あんた、矢代コズエさん?」
50代半ばの見知らぬおっさんだ。
「は、はい、私です。矢代は私ですけど…なにか?」
おっさんは破顔し、
「よかったー! ようやく見つかった! ホイこれっ」
っと黄ばんだ便箋を手渡した。
「いやー、みっちゃんに20年後の今頃に、ここら辺で紫色のブレスレットをつけたショートカットの女の子が通るはずだから、この便箋を渡せっていう無理難題を申し付けられたんだよ。いくら俺が優秀な郵便配達員っつったて無理難題過ぎねえかってつっぱってたんだけど、本当に来るんだもんなあ!別に俺、みっちゃんの話をうたがっ……」
優秀な郵便配達員の話を上の空に、彼女はいま手元にある黄ばんだ便箋を眺めている。流麗な字で矢代コズエ様と書かれていた。
話している途中の優秀なおっさんに「ありがとうございました!」と大声で伝え、また研究所の中に戻って行った。
「美智子…お母さん…」
彼女は震える手で自分の名前の書かれた封筒を、開いた。
#red#過去#/red#ー現在ー未来
#b#2008年04月02日#/b# #b#PM16:58#/b#
#big5#プオオオオォォォォォォーーーー‼#/big5#
けたたましいクラクションを鳴らし、スピードを落とすことなく車は去って行った。
矢代コズエは自分が突き飛ばしたことで呆けた顔でしゃがみこんでいる香坂美智子の手を引っ張りあげた。
「大丈夫…ですか?」
コズエは美智子に怪我がないか確かめるため、体をしげしげと観察している。
「あの、あ、ありがとうございました!」
「み!耳は!? 耳は、聞こえますか?」
「耳、ですか?…はい、問題なく聞こえます」
「よ、良かった〜」
安堵のため息をついて、今度はコズエの方が地面にへたり込んでしまった。
「あ、あなたは!あなたはお怪我なかったんですか?」
「え?あ、あたし? あー全然ダイジョブだよ!…ぃーょっこらっしょっと!」
勢いよく立ち上がったコズエを今度は美智子がじろじろと眺めている。
「なんだかあなた…他人の気がしない… そうだ! 良かったらご飯ご馳走させてくれないかしら? 助けていただいたお礼に!」
「え!? え〜と、う〜ん、まぁいっか。じゃあ甘えちゃおうかな?(いろいろ話もしたかったしね)」
そこからすっかり意気投合した二人の同棲生活が始まった。
当初の計画にはなかったことだが、コズエには嬉しい誤算だった。
コズエはこの時代の人間ではない。
彼女は父との共同開発で作り上げたタイムマシンによってこの時代にやってきた。
(ちなみに父親はタイムマシンが出来上がる一年前に肺ガンの為、他界している)
美智子は彼女の母親である。
美智子は今コズエが未然に防いだこの事故によって聴覚を失う#red#はずだった。#/red#そしてコズエが3歳の頃にこのことが原因で再度交通事故に会い他界している。
コズエの目標は達成された。あとはなるべくこの時代の人たちと関わりを持たず、コズエの時代に帰るだけだったのだが…
#b#2008年04月16日#/b# #b#AM7:32#/b#
「それじゃあコズエ。会社行ってくるね。夕飯の支度任せたから!」
「はーい、行ってらっしゃい!(あれから二週間も経っちゃった…)」
コズエは美智子を見送ると、一つため息をついた。
「もう潮時だよね」
コズエは美智子から貰った誕生石のブレスレットを優しく撫でた。
そして手紙を書き始めた。
過去ー#red#現在#/red#ー未来
#b#2013年02月21日#/b# #b#PM15:40#/b#
産声が雨音を切り裂いた。
矢代美智子は無事女の子を出産したのだ。
夫の矢代武彦は涙で顔面がぐしゃぐしゃである。
「美智子。お疲れ様。そして…そして本当にありがとう!」
「うん、頑張ったよ。タケさんが横にいてくれたから頑張れたよ」
「名前は実は考えてあるんだ。…カタカナでコズエっていうのはどうかな?」
「コズエ? 矢代…コズエ…」
「ん?気にいらなかったかな? ならもうちょ…」
「矢代コズエ‼ そういえば今日21日だよね!? タケさん、ちょっとお願いあるんだけど!」
「な、なに?」
「私のポーチ!家から持ってきて!」
美智子は赤ん坊を抱きながら夫が持ってきたポーチから手紙を取り出した。
#b#矢代コズエ#/b#からの手紙だ。
美智子は赤ん坊と手紙の内容を見比べて、夫に尋ねた。
「タケさんの研究って今どんな感じなの?」
#b#2015年2月21日#/b# #b#AM11:33#/b#
美智子は二回目の誕生日を迎えたコズエの頭を撫でながら、昨日医者に言われたことを反芻した。
#red#心疾患… 余命は一年…#/red#
美智子は腕の中で眠っているコズエを起こさないように、何度も読み返した二十歳のコズエからの手紙を取り出した。
あの時、コズエが私を助けたのは私の延命の為? でも私があの事故で死んでいたらコズエは生まれないし…
そうか、あの事故が原因で#red#コズエが生まれた後に死んで#/red#しまうのか… それを回避する為に… でも結局は私の寿命はここまでみたい… それでも。それでも!
あの子に、二十歳のコズエに会えて良かった!
コズエをベッドに寝かし、美智子はペンを取り手紙を書き始めた。
過去ー現在ー#red#未来#/red#
#b#2033年4月17日#/b# #b#AM5:08#/b#
雨が屋根を打つ音でコズエは目を覚ました。
実家に戻っても一人のままだった。
美智子からの手紙通りだ。彼女は心疾患で私が三歳の時に命を落としている。
奇しくも過去に行って彼女の未来を変える前、交通事故で他界した日と一緒な日だった。
コズエはベッドから降りると、母からの手紙とブレスレットを見つめた。
「私が運命を作り変えてまで手にいれたのは、この二つ…」
(うぅん…それだけじゃない)
コズエはペンを取った。
・・・
雨がしとしと降っている。
コズエは手紙を持ったまま、美智子の墓前で手を合わせた。
そして手紙をお墓の上に置いた。
あっという間に雨に打たれ、インクが滲んでくる。
「これが最後の手紙。きっと読んでくれるよね」
お母さんへ
手紙ありがとう。確かに受け取りました。ちょっとびっくりしたけどね。
実はお父さんも去年死んじゃったんだ。ホント〜にタバコの吸いすぎ!そっちでお母さんに嫌な顔されるんじゃないかと心配してます。
私は一人ぼっちになってしまいました。
でもなぜだろう。お母さんと…美智子と過ごした2週間で私は変わったのかな。
そんなに悲しくないんだ。
強がってるわけでもないよ?…でもこのブレスレットの存在は大きいかも。
お母さんと…美智子と同じ年で同じ時間を過ごせた…
私の網膜にあの時の景色が強烈に焼き付いてしまった。ブレスレットに触れるたび、昨日のことのように思い出せる…
貰った手紙の通りだとお母さんは今笑っているよね?
その笑顔を思い浮かべると私も自然に笑顔になっちゃう。
私は今、とても幸せです。
「ウミガメカフェにて」「17ブックマーク」
ウミガメカフェの掲示板に、一つのメモがあった。
「本日に限り、24時間営業を行います」
ただ、その店に入っても、ほとんどのメニューが売り切れている。
どうしてだろう?
「本日に限り、24時間営業を行います」
ただ、その店に入っても、ほとんどのメニューが売り切れている。
どうしてだろう?
16年11月02日 00:25
【ウミガメのスープ】 [シーグル]
【ウミガメのスープ】 [シーグル]
初出題です。たくさんのブクマやmvsありがとうございます……!
解説を見る
「かかかか、亀雄くん!!!!」
「どうしました、店長」
「み、店の鍵、どっかにいったああああああああ!!!!」
「なにやってんですかああああああああ!!!!!」
店の鍵が突如消失したウミガメカフェ。このまま帰ってしまえばレジの金が盗まれることは明らか。
「亀雄くんが持って帰るとお金がなくなりそうだな……」
「店長が言える台詞じゃないじゃないですか!!!」
「いや、しかし、このまま帰るわけにもいかんしな」
「……帰らなきゃいいんですよ、帰らなきゃ」
「…………」
「今日だけ、朝まで営業です」
「…………だれがみせばn「店長に決まってるじゃないですか」…………」
「お願いしますね」
「あ、亀雄く「明日合鍵屋に新しい鍵を注文しますので」…………」
「うう……」
結果、この日だけ店を閉めることはなかったのだった。
「どうしました、店長」
「み、店の鍵、どっかにいったああああああああ!!!!」
「なにやってんですかああああああああ!!!!!」
店の鍵が突如消失したウミガメカフェ。このまま帰ってしまえばレジの金が盗まれることは明らか。
「亀雄くんが持って帰るとお金がなくなりそうだな……」
「店長が言える台詞じゃないじゃないですか!!!」
「いや、しかし、このまま帰るわけにもいかんしな」
「……帰らなきゃいいんですよ、帰らなきゃ」
「…………」
「今日だけ、朝まで営業です」
「…………だれがみせばn「店長に決まってるじゃないですか」…………」
「お願いしますね」
「あ、亀雄く「明日合鍵屋に新しい鍵を注文しますので」…………」
「うう……」
結果、この日だけ店を閉めることはなかったのだった。
「自転車」「17ブックマーク」
自転車がなく、歩いて行けばすぐにたどり着けただろう。
彼は自転車のせいで倍以上の時間がかかって目的地に着いた。
一体何故?
彼は自転車のせいで倍以上の時間がかかって目的地に着いた。
一体何故?
16年01月05日 23:46
【ウミガメのスープ】 [華]
【ウミガメのスープ】 [華]
解説を見る
彼は盲目で点字ブロックが頼り。
その点字ブロックの上にたくさんの自転車が
駐輪されていた為、目的地に着くまでに
かなりの時間がかかってしまった。
その点字ブロックの上にたくさんの自転車が
駐輪されていた為、目的地に着くまでに
かなりの時間がかかってしまった。