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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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冷たさを含む潤い「1ブックマーク」
冷たさを含む潤い

彼はバス車内から外を見ていた。
急に座席を倒した。
ふて寝した。

どうしたのだろう。
10年12月21日 19:29
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]



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外は雨。
バスの窓ガラス。
歩む人がみなモザイク。

雨は窓ガラスをスーっと伝う。

窓ガラス、私の顔を映す。

私の目尻から顎をスーッと伝う。
違和感が無い。

外は人で溢れているのに。
エンジン音。それしか聞こえない。

外の世界は潤いに満ちている。
冷たさを含んだ潤い。
現実。

私の世界は渇ききっている。
ぬるい暖房機の渇き。
私だけの世界。

向こうにいる私は写し鏡の自分。
涙を流し続けている。
嫌になった。

座席をたおす。
横を向いても外は見えない。
いいんだこれで。
目的地についたのなら、どうせ降りなきゃいけないのだから。
今はこれでいいんだ。
【ラテクエ煮】自由と暖かさ「1ブックマーク」
クリスマスを意外な人と過ごすことになった。
…翌日以降、その日の話を持ち出すことはなかった。
状況を推理せよ。
10年12月18日 23:13
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]



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女ははクリスマスに意外な男に呼び出された。
父を殺した男だ。

少年は15歳のその当時不良だった。
何かに対して不満を持っていた訳では無いのだが、とにかく"自由"が欲しかった。

やれることは何でもやった。
酒にタバコに、盗みもやった。
彼にとって悪事は自分が生きている証であり、存在そのものだと思っていた。


その日彼は人を殺した。
盗んだ軽トラックで、出来もしない運転で。
その日は雪の日であり、ブレーキが効かなかった。



少女はその時10歳であり、大好きな父親との遊園地の帰りであった。
雪の降る夜、お父さんの"暖かい"指先を擦りながら、沢山話して歩いていた。

「お化け屋敷怖かったよね〜、お父さん。」
「お父さん、あの船がぶらーんってなるやつ凄かったよね!!」
「お父さん、また一緒に行こうね」
少女にとって夢のような楽しい時だった。


そして父は死んだ。
青信号の横断歩道で、軽トラックに轢き殺された。

少年は立ち尽くした。少女も立ち尽くした。
一人は"自由"を失った。一人は"暖かさ"を失った。

少年は償った。
少年院を出て、真面目に働いた。
そして働いた金を少女に手渡し続けた。
浪費は一切せず、生きる分以外のお金を全額。
「お金なんていらない」
そう少女が言うと、今度はその時少女が必要な物を与え続けた。

少女が今持っている高額のクラリネットや、宝石、鞄は全て少年が買い与えたものだ。
初めはそれらを突き返していたのだが、あまりのしつこさにどうでもよくなってしまった。

少年は少女にたくさん話しかけた。
迷惑そうにする少女を気にせず、笑わせようとしたり、相談にのろうとしたり。
別に少年が無神経な訳では無い。
少年はもう決めてしまっていたのだ。

彼女に生涯を尽くす。

そんなことをしても少女の"暖かさ"が戻ってくる訳でも無い。
そんなことをしたら少年の"自由"が戻ってくる訳が無い。

それでも彼は決めてしまっていた。
恋愛感情では無く、同情でも無い。
彼の強さであり、それは弱さだ。
自らの全てを委ねようとしていた。


少女はというと、実は少年に惹かれ始めていた。
その時彼女は18歳。お年頃だった。
自分の事を常に気にかけ、お姫様のように扱ってくれる彼を好きにならない訳が無い。
例え父を殺した相手でも。

勿論そんな馬鹿な感情は表には出せない。
何よりも彼女は気づいていた。
彼の背負っているその重い決意を。
自分の事を愛する対象として見ず、彼自身が自由になれずにいることを。

二人はそのまま大人になった。

男が25歳のクリスマス。女が20歳のクリスマス。
その日男は女を呼び出した。

「千代ちゃん、急に呼び出してゴメンね。」
「いいですよ。でもこんな日に呼び出すなんて……。下心がおあり?」
「……うん、あるよ。」
男の真剣な目に、女も真剣になった。
「君と一緒に暮らして生きたい。君が大人になるまで待ってた。ずっとそうしたいと思っていた。」
「…………………………」
「僕は……君を愛している。」嘘だ。
「僕には君しかいない。」本当だ。
「僕と結婚してくれないか?」

女は思った。この人はずるい。
この男と暮らせるなら、きっと幸せになれるだろう。
暖かさもきっと貰える。
だけど……自由は………。
女は男を愛していた。
だからこの言葉を男に返すのだ。
「せっかくですが、お断りします。」

「そんな嘘の告白で私が落ちるとでも思ったか!!」
「とっくの昔に気づいてるんだよ!!あなたが私に一生を捧げようとしているのを!!」
「もういいよ、私のことなんて!自由になんなよ!自由になってよぉ。」

「……それでも僕は君しかいない。僕は君に許されるために告白した訳じゃない。」
「僕の意思で、本心で、結婚したいんだ。」

「……私も貴方が好きだよ。でも今の貴方とは結婚出来ない。」
「今日の事は忘れよう。貴方が父を殺した事は変わらないけれど、私への償いはこれで終わり。」
「あと五年間、じっくり付き合って下さい。その時は貴方が私のことを好きになってくれるよう頑張るから。二人が絶対幸せになれるように頑張るから。」


男はそれを受け入れた。

彼らは二度とその日の話を持ち出すことはなかった。

二人は今付き合っている。
しかしその心の隙間にある壁を取り払う事は出来ない。

女は父のことを、男はそれを殺したことを、ふと思い出すのだ。
その時は二人抱きしめあう。
二人が"自由"と"暖かさ"を再び手に入れたことを、必死で確かめ合うかのように。
押し売り商売「1ブックマーク」
商売とは単純な物だ。
需要があって、供給する。
金銭を得る。それだけだ。

だが欲しくない人に対して積極的に売ろうとする例外がある。
それは何か?
10年12月13日 18:41
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]



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答えは生命保険。

保険会社にとって良い客とは、健康で長生きしてくれる客を指す。
なるべく保障を払わずに、保険料を長く払ってくれる客がいい訳だ。

しかし社会には"情報の非対称性"というものがある。
客は保険会社の保障内容を把握することができ、自由に選択することができる。
だが保険会社はその客が健康かどうか、判断する情報を持ち合わせていない。
それは本人しか分からないことである。
つまり保険会社はよいお客様かどうかが判断出来ないまま、契約しなければならないのだ。

そこで保険会社は考える。

「大々的に宣伝したのち、個別的に勧誘を行った際、要らないと答えた客が優良な客である。」

もしその客が健康に不安を抱えているのならば、少しはその保険について考える素振りを見せるだろう。
逆に少しも興味なさそうに突っぱねるのならば、健康に不安の無い、まさに獲物なのだ。

貴方に対し、しつこく勧誘してくる保険のおばちゃんがいるかもしれない。
若い貴方は特に、おばちゃんが舌を舐めずりまわして、貴方の大切な物を狙ってくるだろう。(性的な意味はなく)
その時は突っぱねるのでは無く、こう言うのが正しい断り方かもしれない。

「どうしよう……。でも○○(他会社)の方が手厚かったし~。
共済は安すぎるし。ガン保障ついてないかな?
掛け捨ての方が手厚いですよね??
どうしよう……、どうしよう……。
これ持って帰って、考えさせてください(・_・;(真剣な目で)」

二度と現れなくなるに違いない。
アリバイトリックを暴け「1ブックマーク」
※さて、先ほどの問題からオリジナルになります
なお、どこかで同じようなトリックが使われているかもしれませんがご容赦ください


2010年12月9日(木)14時 東京駅トイレにて殺人事件が発生
被害者は湯川望大学生
ナイフで刺されて死亡 目撃者はいません
捜査の結果 次の3人が容疑者として浮上 ただし各自アリバイがある

北条誠一 大学生同じ被害者と同じサークルで最近ふられた
アリバイ 同日12時~17時まで友人3名と現場付近のカラオケを利用していた

横山二郎 被害者の父の運転で娘が事故に遭い死亡
アリバイ 同日大阪駅のデジタル大時計の前の写真を提示された 時間は15時30分

渡辺敬三 被害者の大家 最近家賃の支払いが滞っている トラブルも多かった
アリバイ 同日は一日前から二泊三日で旅行にいっており、高速道路や宿泊先の領収書を提示された

アリバイを破って犯人を突き止めてください
なお、アリバイ崩しなしでの犯人はOOですか?の質問にはお答えしませんのでご容赦ください
10年12月10日 14:16
【ウミガメのスープ】 [にゃにゃ]



解説を見る
犯人は横山二郎。
トリックはデジタル大時計にあった
15時30分の5の部分が本当は19時30分だったが
故障(意図的に故障されていた)で9の部分を欠けさせられていた
  _
 │ │←この部分
  -- 

 -- 

もとろん写真をとった後に元に戻しておいた
何をするわけでもない。不幸だ。「1ブックマーク」
何をするわけでも無い。
ただ公園のベンチに座っている。
それが不幸だ。

この解説の冒頭から導き出せるストーリーを推理してみて下さい。
10年12月08日 14:21
【ウミガメのスープ】 [ふわっふぁするよ]



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何をするわけでも無い。
ただ公園のベンチに座っている。
それが不幸だ。

寒い。
厳しい風が木の葉を揺らす。
あの樹に残るは二枚の枯葉。
ただ風に飛ばされまいと、寄せ合いながら必死でしがみつく。

そして一枚飛ばされる。
そして一枚残される。

周りはただ風の鳴き声。
それはただの自然現象。
それはただ自然に受け入れられる。


何をするわけでも無い。
ただ二人でベンチに座っている。
それが幸せだ。

暖かい。
厳しい世間が二人を揺らす。
この家に残るは二人の夫婦。
ただ世間に取り残されまいと、手を取り合いながら必死でしがみつく。

そして一人死ぬ。
そして一人残される。

周りはただ他人の泣き声。
それはただの自然現象。
それはただ自然に受け入れられる。


受け入れられないのは残されたモノのみ。
右手のカイロはどこやった。
この寒さをどう癒してくれる。

世間の風を素のまま浴びて、ただただ痩せ細り、死ぬのみ。