「グラタン日和」「9ブックマーク」
山村カナエが窓の外に目をやると、
満月の見える穏やかな夜だったので、
今日の夕飯はグラタンかなと思った。
カナエの推理過程を辿れ。
満月の見える穏やかな夜だったので、
今日の夕飯はグラタンかなと思った。
カナエの推理過程を辿れ。
15年12月02日 20:37
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
【ウミガメのスープ】 [牛削り]
解説を見る
バイトから帰宅した山村カナエは、自室で寝そべって、ヘッドフォンから流れてくるお気に入りのポップスを聴いていた。
いつも、アルバムを一枚聴き終わる頃には夕飯の準備ができている。
これだから、実家暮らしはやめられない。
突然、#red#部屋の明かりが消えた#/red#。
──停電?
ヘッドフォンで聞こえなかったが、雷でも落ちたのかと思い、カナエはカーテンに手を伸ばした。
満月の見える、穏やかな夜だった。
#red#──雷でも、強風でもなさそうね。#/red#
カナエの家は特に貧しいわけでもなく、電気代を滞納しているというようなことはない。
だとすれば、#red#ブレーカーが落ちた#/red#可能性が高い。
今の時間帯、消費電力の増大の主な原因は、#red#夕飯の準備#/red#である。
そして調理家電のうちで#red#特に消費電力が大きいのは、オーブンレンジ#/red#
だ。
#red#──オーブンを使ったお母さんの料理といえば、グラタン!#/red#
そのクリーミィな味を想像し、唾液が止まらなくなったカナエ。
電気が回復すると(おそらく母親のチエがブレーカーを上げたのだ)、ちょっと思い立ち、部屋を出た。
「お母さん、大丈夫?」
キッチンに行くと、ちょうどチエが玄関の方から戻ってきたところであった。
「ああ、ごめん。びっくりした? オーブンと炊飯器を一緒に使っちゃって」
「ドンマイ。それよりさ」
「何?」
「グラタン、作り方教えてくれる?」
チエは少し驚いた顔をした後、ニヤリと笑った。
「好きだといいわね」
「え、な、何のこと?」
慌てて取り繕うカナエなのであった。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#山村カナエが自室で音楽を聴いている時、明かりが消えた。#/b#
#b#外は満月が綺麗に見えたので、天候が原因ではなさそうである。#/b#
#b#だとすれば、ブレーカーが落ちた可能性が高い。#/b#
#b#ブレーカー落ちの原因と考えられるオーブンレンジを使った料理のうち、山村家でよく出てくるのはグラタンである。#/b#
いつも、アルバムを一枚聴き終わる頃には夕飯の準備ができている。
これだから、実家暮らしはやめられない。
突然、#red#部屋の明かりが消えた#/red#。
──停電?
ヘッドフォンで聞こえなかったが、雷でも落ちたのかと思い、カナエはカーテンに手を伸ばした。
満月の見える、穏やかな夜だった。
#red#──雷でも、強風でもなさそうね。#/red#
カナエの家は特に貧しいわけでもなく、電気代を滞納しているというようなことはない。
だとすれば、#red#ブレーカーが落ちた#/red#可能性が高い。
今の時間帯、消費電力の増大の主な原因は、#red#夕飯の準備#/red#である。
そして調理家電のうちで#red#特に消費電力が大きいのは、オーブンレンジ#/red#
だ。
#red#──オーブンを使ったお母さんの料理といえば、グラタン!#/red#
そのクリーミィな味を想像し、唾液が止まらなくなったカナエ。
電気が回復すると(おそらく母親のチエがブレーカーを上げたのだ)、ちょっと思い立ち、部屋を出た。
「お母さん、大丈夫?」
キッチンに行くと、ちょうどチエが玄関の方から戻ってきたところであった。
「ああ、ごめん。びっくりした? オーブンと炊飯器を一緒に使っちゃって」
「ドンマイ。それよりさ」
「何?」
「グラタン、作り方教えてくれる?」
チエは少し驚いた顔をした後、ニヤリと笑った。
「好きだといいわね」
「え、な、何のこと?」
慌てて取り繕うカナエなのであった。
#big5#【要約解説】#/big5#
#b#山村カナエが自室で音楽を聴いている時、明かりが消えた。#/b#
#b#外は満月が綺麗に見えたので、天候が原因ではなさそうである。#/b#
#b#だとすれば、ブレーカーが落ちた可能性が高い。#/b#
#b#ブレーカー落ちの原因と考えられるオーブンレンジを使った料理のうち、山村家でよく出てくるのはグラタンである。#/b#
「【以前は『いい国(1192)つくろう鎌倉幕府』だったんです】」「9ブックマーク」
A『今日の歴史のテスト、鎌倉幕府の成立は1185年とか簡単な問題ばっかりだったよな。』
B『マジかよ!!!!!』
成績優秀なAはそれ以上何も言わなかったが、
Aの言いたい事が解ったBは、鎌倉は1192だと絶対に覚えていなければいけないと思った。
一体なぜ?
B『マジかよ!!!!!』
成績優秀なAはそれ以上何も言わなかったが、
Aの言いたい事が解ったBは、鎌倉は1192だと絶対に覚えていなければいけないと思った。
一体なぜ?
15年06月01日 19:45
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
解説を見る
下校中、Aが何か喋っていたが、
Bの耳には全く入っていなかった。
何故なら、前方からこちらに向かって来る車の様子がおかしい事に気付き、
目が釘付けになっていたからだ。
……………変に蛇行している。
ドライバー……………大丈夫か!?
い、居眠りでもしてるんじゃ……………
本当に危ない!!!!!
このままじゃ歩行者であるこちらに突っ込んで来そうだ!!!!!
B『マジかよ!!!!!』
Bは顔を歪めて車側にいたAを引っ張ろうとしたが、
遅かった。
車はAに接触し、すぐ脇の塀にぶつかった。
うずくまり、声にならない声で助けて欲しそうな悲痛な表情を浮かべるA。
B『し、しっかりしろ!!! 大丈夫だ、すぐ救急車呼ぶからな!!!
だ、誰か!!! 誰か早く来てください!!!!!』
人通りの少ない路地で助けを求め叫ぶBは、
そこで信じられない光景を目の当たりにした。
塀に車体の一部を擦る様にして止まっていた車が、
急に発進したかと思うと、そのまま走り去ったのだ。
完全なる“轢き逃げ”である。
なんて奴だ……………信じられない……………!!!!!
【 鎌倉 】
【 は 1192 】
犯した罪は必ず償わなければならない。
大切な親友への助けを求め続けながら、
Bはその目でしっかりと、
【今覚えておくべきナンバーを脳裏に刻んだ。】
Bの耳には全く入っていなかった。
何故なら、前方からこちらに向かって来る車の様子がおかしい事に気付き、
目が釘付けになっていたからだ。
……………変に蛇行している。
ドライバー……………大丈夫か!?
い、居眠りでもしてるんじゃ……………
本当に危ない!!!!!
このままじゃ歩行者であるこちらに突っ込んで来そうだ!!!!!
B『マジかよ!!!!!』
Bは顔を歪めて車側にいたAを引っ張ろうとしたが、
遅かった。
車はAに接触し、すぐ脇の塀にぶつかった。
うずくまり、声にならない声で助けて欲しそうな悲痛な表情を浮かべるA。
B『し、しっかりしろ!!! 大丈夫だ、すぐ救急車呼ぶからな!!!
だ、誰か!!! 誰か早く来てください!!!!!』
人通りの少ない路地で助けを求め叫ぶBは、
そこで信じられない光景を目の当たりにした。
塀に車体の一部を擦る様にして止まっていた車が、
急に発進したかと思うと、そのまま走り去ったのだ。
完全なる“轢き逃げ”である。
なんて奴だ……………信じられない……………!!!!!
【 鎌倉 】
【 は 1192 】
犯した罪は必ず償わなければならない。
大切な親友への助けを求め続けながら、
Bはその目でしっかりと、
【今覚えておくべきナンバーを脳裏に刻んだ。】
「狂えばよろし」「9ブックマーク」
い
じめられていた少年は、
教師からも、両親からも、救われることはなかった。
絶望した少年は死ぬことにしたが、
そのせいでさらに絶望することとなった。
なぜ?
じめられていた少年は、
教師からも、両親からも、救われることはなかった。
絶望した少年は死ぬことにしたが、
そのせいでさらに絶望することとなった。
なぜ?
15年11月23日 20:52
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
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今
日も、またいじめがあった。
誰も救いの手を差し伸べてくれず、ただただこの状況を受け入れるしかなかった。
…もう、死んでしまいたい。
そう思い、僕は包丁を手首に当て、
…引いた。
なんだ、これ…?
コードと、オイル?
不意に、足音が近づいてくる。
「…はあ、またストレスでの自傷か」
「仕方ありません。彼には人間と思ってもらわなければならないのですから。
そうでもなければいじめ代替用ロボットとして機能しないでしょう?」
「記憶チップを書き換え、修理、か…。手間がかかるな」
「これも、子供たちをいじめから守るためですよ」
絶対に救われないのだと、そう気づいてしまった僕のスイッチは、
両親だと思っていた学者によって、何の躊躇いもなく、切られた。
日も、またいじめがあった。
誰も救いの手を差し伸べてくれず、ただただこの状況を受け入れるしかなかった。
…もう、死んでしまいたい。
そう思い、僕は包丁を手首に当て、
…引いた。
なんだ、これ…?
コードと、オイル?
不意に、足音が近づいてくる。
「…はあ、またストレスでの自傷か」
「仕方ありません。彼には人間と思ってもらわなければならないのですから。
そうでもなければいじめ代替用ロボットとして機能しないでしょう?」
「記憶チップを書き換え、修理、か…。手間がかかるな」
「これも、子供たちをいじめから守るためですよ」
絶対に救われないのだと、そう気づいてしまった僕のスイッチは、
両親だと思っていた学者によって、何の躊躇いもなく、切られた。
「オープン・パスワード」「9ブックマーク」
ウミガメ・コーポレーションでは、社内で共有しているどんなデータにも必ずパスワードをかけている。
しかしそのパスワードは、社員の名前だったり、営業部の電話番号だったりと、誰でも簡単に調べることができるようなものばかり。しかもデータのファイル名にパスワードのヒントが書いてある始末だ。
そして、なぜかパスワード変更だけはきちんとまめに行っている。
一体何が目的なのだろう?
しかしそのパスワードは、社員の名前だったり、営業部の電話番号だったりと、誰でも簡単に調べることができるようなものばかり。しかもデータのファイル名にパスワードのヒントが書いてある始末だ。
そして、なぜかパスワード変更だけはきちんとまめに行っている。
一体何が目的なのだろう?
15年06月09日 23:10
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]

セキュリティスープ
解説を見る
今日もウミガメ・コーポレーションでは、あちらこちらから社員達の呟きが聞こえてくる。
「ええと、このファイルは営業部の電話番号か……」
「秘書の名前は……サメジマアオさん、と。これは簡単だな」
「毎日開いてたら、いつの間にかこのファイルのパスワード、覚えてたよ」
社内で働く他の社員の名前や、その人の担当部署、部署ごとの電話番号、新商品の商品名など、覚えたほうが良いけれどもなかなか覚えられないもの……ウミガメ・コーポレーションでは、そういった類のものを、様々なデータのパスワードにするのだ。
そのデータファイルを見るためにパスワードを入力しなくてはいけないから、必然的にそのパスワードになった言葉を調べることになるし、その言葉を目にする機会が増える。そしてそのうち、毎回調べるのが面倒だからとパスワードを覚えるようになるのだ。
社員達が覚えてきたら、また別の覚えてもらいたい言葉をパスワードにする。
セキュリティが目的ではなく、パスワードを利用して社員に暗記を促しているのだった。
「良いアイディアだろう? まあ面倒ではあるが、社員が自然に覚えてくれると良いと思ってね」
「面白い試みですね、社長。一応確認ですが、まさか社長の誕生日をパスワードにして誕生日を覚えさせたかった……のが真の目的ではないですよね?」
「さ、サメジマ君。何を言うのかな。それはまあちょっとした遊びというかなんというか別に祝ってもらいたいとかそういうわけでは……」
END
#b#社員に覚えさせたい人名や電話番号などをパスワードにすることで、「データを開くたびに調べるのが面倒だから、覚えよう」という気にさせるため。#/b#
「ええと、このファイルは営業部の電話番号か……」
「秘書の名前は……サメジマアオさん、と。これは簡単だな」
「毎日開いてたら、いつの間にかこのファイルのパスワード、覚えてたよ」
社内で働く他の社員の名前や、その人の担当部署、部署ごとの電話番号、新商品の商品名など、覚えたほうが良いけれどもなかなか覚えられないもの……ウミガメ・コーポレーションでは、そういった類のものを、様々なデータのパスワードにするのだ。
そのデータファイルを見るためにパスワードを入力しなくてはいけないから、必然的にそのパスワードになった言葉を調べることになるし、その言葉を目にする機会が増える。そしてそのうち、毎回調べるのが面倒だからとパスワードを覚えるようになるのだ。
社員達が覚えてきたら、また別の覚えてもらいたい言葉をパスワードにする。
セキュリティが目的ではなく、パスワードを利用して社員に暗記を促しているのだった。
「良いアイディアだろう? まあ面倒ではあるが、社員が自然に覚えてくれると良いと思ってね」
「面白い試みですね、社長。一応確認ですが、まさか社長の誕生日をパスワードにして誕生日を覚えさせたかった……のが真の目的ではないですよね?」
「さ、サメジマ君。何を言うのかな。それはまあちょっとした遊びというかなんというか別に祝ってもらいたいとかそういうわけでは……」
END
#b#社員に覚えさせたい人名や電話番号などをパスワードにすることで、「データを開くたびに調べるのが面倒だから、覚えよう」という気にさせるため。#/b#
「【蛍の都】」「9ブックマーク」
蛍を見た事がないから見てみたいと言う女の為に、
男は女を蛍のいない都会に連れて行った。
一体なぜ?
男は女を蛍のいない都会に連れて行った。
一体なぜ?
15年03月24日 00:47
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
解説を見る
蛍が沢山生息する、清らかで自然豊かな田舎の村で仲睦まじく暮らしていた夫婦。
ある日突然、不慮の事故で記憶の大部分を失ってしまった妻。
自身の事も、夫と築き上げてきた様々な想い出のシーンも、
本当に色んな事を、妻は忘れてしまった………
夫『なぁ………覚えてるかな………
俺達が初めてデートした夜、 君と川辺を歩いた、あの夜。
沢山の、とても綺麗な蛍に、俺達ふたり 包まれていたよな。』
…………… 愛する妻の 返事は無い。
それどころか……………
妻『………あの、わ、私……………
あなた様と………あの………デート…?
デートなんて………していたの………ですか?
ほ…たる……… って…あ、あの……………
あの………ひ、光…る………キレイな…虫…ですよね?
確か、小さい…頃…? ず、図鑑か何かで…見た気がします…。
実際には………見た事がないので……… いつか………
いつか……… 見てみたいです………。』
妻が言い終わらないうちに、
夫は妻を、抱き締めていた。
強く、ただ強く。
夫は、愛する妻を、しっかりと抱き締めていた。
夫『俺が絶対にまた、君に綺麗な蛍を見せてやる。
また一緒に見るんだ。
また一緒に、綺麗な蛍を見よう。』
妻の柔らかで淡い髪の香りを感じながら、
夫は止めどなく零れ落ちる涙を噛み締め、決意した。
この田舎には、小さな診療所しかない。
都会へ行こう。 妻の記憶を必ず取り戻すんだ。
都会に蛍はいないと聞くが、
妻の頭の中の何処かに、俺達が見た蛍はきっといるんだ。
都会には、記憶障害の専門医もいる筈だ。
妻を、愛する妻を都会へ連れて行こう。
きっと治る。 絶対に治る。
『また一緒に、綺麗な蛍を見ような。』
ある日突然、不慮の事故で記憶の大部分を失ってしまった妻。
自身の事も、夫と築き上げてきた様々な想い出のシーンも、
本当に色んな事を、妻は忘れてしまった………
夫『なぁ………覚えてるかな………
俺達が初めてデートした夜、 君と川辺を歩いた、あの夜。
沢山の、とても綺麗な蛍に、俺達ふたり 包まれていたよな。』
…………… 愛する妻の 返事は無い。
それどころか……………
妻『………あの、わ、私……………
あなた様と………あの………デート…?
デートなんて………していたの………ですか?
ほ…たる……… って…あ、あの……………
あの………ひ、光…る………キレイな…虫…ですよね?
確か、小さい…頃…? ず、図鑑か何かで…見た気がします…。
実際には………見た事がないので……… いつか………
いつか……… 見てみたいです………。』
妻が言い終わらないうちに、
夫は妻を、抱き締めていた。
強く、ただ強く。
夫は、愛する妻を、しっかりと抱き締めていた。
夫『俺が絶対にまた、君に綺麗な蛍を見せてやる。
また一緒に見るんだ。
また一緒に、綺麗な蛍を見よう。』
妻の柔らかで淡い髪の香りを感じながら、
夫は止めどなく零れ落ちる涙を噛み締め、決意した。
この田舎には、小さな診療所しかない。
都会へ行こう。 妻の記憶を必ず取り戻すんだ。
都会に蛍はいないと聞くが、
妻の頭の中の何処かに、俺達が見た蛍はきっといるんだ。
都会には、記憶障害の専門医もいる筈だ。
妻を、愛する妻を都会へ連れて行こう。
きっと治る。 絶対に治る。
『また一緒に、綺麗な蛍を見ような。』