「狂えばよろし」「9ブックマーク」
い
じめられていた少年は、
教師からも、両親からも、救われることはなかった。
絶望した少年は死ぬことにしたが、
そのせいでさらに絶望することとなった。
なぜ?
じめられていた少年は、
教師からも、両親からも、救われることはなかった。
絶望した少年は死ぬことにしたが、
そのせいでさらに絶望することとなった。
なぜ?
15年11月23日 20:52
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
【ウミガメのスープ】 [ハニワ]
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今
日も、またいじめがあった。
誰も救いの手を差し伸べてくれず、ただただこの状況を受け入れるしかなかった。
…もう、死んでしまいたい。
そう思い、僕は包丁を手首に当て、
…引いた。
なんだ、これ…?
コードと、オイル?
不意に、足音が近づいてくる。
「…はあ、またストレスでの自傷か」
「仕方ありません。彼には人間と思ってもらわなければならないのですから。
そうでもなければいじめ代替用ロボットとして機能しないでしょう?」
「記憶チップを書き換え、修理、か…。手間がかかるな」
「これも、子供たちをいじめから守るためですよ」
絶対に救われないのだと、そう気づいてしまった僕のスイッチは、
両親だと思っていた学者によって、何の躊躇いもなく、切られた。
日も、またいじめがあった。
誰も救いの手を差し伸べてくれず、ただただこの状況を受け入れるしかなかった。
…もう、死んでしまいたい。
そう思い、僕は包丁を手首に当て、
…引いた。
なんだ、これ…?
コードと、オイル?
不意に、足音が近づいてくる。
「…はあ、またストレスでの自傷か」
「仕方ありません。彼には人間と思ってもらわなければならないのですから。
そうでもなければいじめ代替用ロボットとして機能しないでしょう?」
「記憶チップを書き換え、修理、か…。手間がかかるな」
「これも、子供たちをいじめから守るためですよ」
絶対に救われないのだと、そう気づいてしまった僕のスイッチは、
両親だと思っていた学者によって、何の躊躇いもなく、切られた。
「オープン・パスワード」「9ブックマーク」
ウミガメ・コーポレーションでは、社内で共有しているどんなデータにも必ずパスワードをかけている。
しかしそのパスワードは、社員の名前だったり、営業部の電話番号だったりと、誰でも簡単に調べることができるようなものばかり。しかもデータのファイル名にパスワードのヒントが書いてある始末だ。
そして、なぜかパスワード変更だけはきちんとまめに行っている。
一体何が目的なのだろう?
しかしそのパスワードは、社員の名前だったり、営業部の電話番号だったりと、誰でも簡単に調べることができるようなものばかり。しかもデータのファイル名にパスワードのヒントが書いてある始末だ。
そして、なぜかパスワード変更だけはきちんとまめに行っている。
一体何が目的なのだろう?
15年06月09日 23:10
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
【ウミガメのスープ】 [とかげ]
セキュリティスープ
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今日もウミガメ・コーポレーションでは、あちらこちらから社員達の呟きが聞こえてくる。
「ええと、このファイルは営業部の電話番号か……」
「秘書の名前は……サメジマアオさん、と。これは簡単だな」
「毎日開いてたら、いつの間にかこのファイルのパスワード、覚えてたよ」
社内で働く他の社員の名前や、その人の担当部署、部署ごとの電話番号、新商品の商品名など、覚えたほうが良いけれどもなかなか覚えられないもの……ウミガメ・コーポレーションでは、そういった類のものを、様々なデータのパスワードにするのだ。
そのデータファイルを見るためにパスワードを入力しなくてはいけないから、必然的にそのパスワードになった言葉を調べることになるし、その言葉を目にする機会が増える。そしてそのうち、毎回調べるのが面倒だからとパスワードを覚えるようになるのだ。
社員達が覚えてきたら、また別の覚えてもらいたい言葉をパスワードにする。
セキュリティが目的ではなく、パスワードを利用して社員に暗記を促しているのだった。
「良いアイディアだろう? まあ面倒ではあるが、社員が自然に覚えてくれると良いと思ってね」
「面白い試みですね、社長。一応確認ですが、まさか社長の誕生日をパスワードにして誕生日を覚えさせたかった……のが真の目的ではないですよね?」
「さ、サメジマ君。何を言うのかな。それはまあちょっとした遊びというかなんというか別に祝ってもらいたいとかそういうわけでは……」
END
#b#社員に覚えさせたい人名や電話番号などをパスワードにすることで、「データを開くたびに調べるのが面倒だから、覚えよう」という気にさせるため。#/b#
「ええと、このファイルは営業部の電話番号か……」
「秘書の名前は……サメジマアオさん、と。これは簡単だな」
「毎日開いてたら、いつの間にかこのファイルのパスワード、覚えてたよ」
社内で働く他の社員の名前や、その人の担当部署、部署ごとの電話番号、新商品の商品名など、覚えたほうが良いけれどもなかなか覚えられないもの……ウミガメ・コーポレーションでは、そういった類のものを、様々なデータのパスワードにするのだ。
そのデータファイルを見るためにパスワードを入力しなくてはいけないから、必然的にそのパスワードになった言葉を調べることになるし、その言葉を目にする機会が増える。そしてそのうち、毎回調べるのが面倒だからとパスワードを覚えるようになるのだ。
社員達が覚えてきたら、また別の覚えてもらいたい言葉をパスワードにする。
セキュリティが目的ではなく、パスワードを利用して社員に暗記を促しているのだった。
「良いアイディアだろう? まあ面倒ではあるが、社員が自然に覚えてくれると良いと思ってね」
「面白い試みですね、社長。一応確認ですが、まさか社長の誕生日をパスワードにして誕生日を覚えさせたかった……のが真の目的ではないですよね?」
「さ、サメジマ君。何を言うのかな。それはまあちょっとした遊びというかなんというか別に祝ってもらいたいとかそういうわけでは……」
END
#b#社員に覚えさせたい人名や電話番号などをパスワードにすることで、「データを開くたびに調べるのが面倒だから、覚えよう」という気にさせるため。#/b#
「【蛍の都】」「9ブックマーク」
蛍を見た事がないから見てみたいと言う女の為に、
男は女を蛍のいない都会に連れて行った。
一体なぜ?
男は女を蛍のいない都会に連れて行った。
一体なぜ?
15年03月24日 00:47
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
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蛍が沢山生息する、清らかで自然豊かな田舎の村で仲睦まじく暮らしていた夫婦。
ある日突然、不慮の事故で記憶の大部分を失ってしまった妻。
自身の事も、夫と築き上げてきた様々な想い出のシーンも、
本当に色んな事を、妻は忘れてしまった………
夫『なぁ………覚えてるかな………
俺達が初めてデートした夜、 君と川辺を歩いた、あの夜。
沢山の、とても綺麗な蛍に、俺達ふたり 包まれていたよな。』
…………… 愛する妻の 返事は無い。
それどころか……………
妻『………あの、わ、私……………
あなた様と………あの………デート…?
デートなんて………していたの………ですか?
ほ…たる……… って…あ、あの……………
あの………ひ、光…る………キレイな…虫…ですよね?
確か、小さい…頃…? ず、図鑑か何かで…見た気がします…。
実際には………見た事がないので……… いつか………
いつか……… 見てみたいです………。』
妻が言い終わらないうちに、
夫は妻を、抱き締めていた。
強く、ただ強く。
夫は、愛する妻を、しっかりと抱き締めていた。
夫『俺が絶対にまた、君に綺麗な蛍を見せてやる。
また一緒に見るんだ。
また一緒に、綺麗な蛍を見よう。』
妻の柔らかで淡い髪の香りを感じながら、
夫は止めどなく零れ落ちる涙を噛み締め、決意した。
この田舎には、小さな診療所しかない。
都会へ行こう。 妻の記憶を必ず取り戻すんだ。
都会に蛍はいないと聞くが、
妻の頭の中の何処かに、俺達が見た蛍はきっといるんだ。
都会には、記憶障害の専門医もいる筈だ。
妻を、愛する妻を都会へ連れて行こう。
きっと治る。 絶対に治る。
『また一緒に、綺麗な蛍を見ような。』
ある日突然、不慮の事故で記憶の大部分を失ってしまった妻。
自身の事も、夫と築き上げてきた様々な想い出のシーンも、
本当に色んな事を、妻は忘れてしまった………
夫『なぁ………覚えてるかな………
俺達が初めてデートした夜、 君と川辺を歩いた、あの夜。
沢山の、とても綺麗な蛍に、俺達ふたり 包まれていたよな。』
…………… 愛する妻の 返事は無い。
それどころか……………
妻『………あの、わ、私……………
あなた様と………あの………デート…?
デートなんて………していたの………ですか?
ほ…たる……… って…あ、あの……………
あの………ひ、光…る………キレイな…虫…ですよね?
確か、小さい…頃…? ず、図鑑か何かで…見た気がします…。
実際には………見た事がないので……… いつか………
いつか……… 見てみたいです………。』
妻が言い終わらないうちに、
夫は妻を、抱き締めていた。
強く、ただ強く。
夫は、愛する妻を、しっかりと抱き締めていた。
夫『俺が絶対にまた、君に綺麗な蛍を見せてやる。
また一緒に見るんだ。
また一緒に、綺麗な蛍を見よう。』
妻の柔らかで淡い髪の香りを感じながら、
夫は止めどなく零れ落ちる涙を噛み締め、決意した。
この田舎には、小さな診療所しかない。
都会へ行こう。 妻の記憶を必ず取り戻すんだ。
都会に蛍はいないと聞くが、
妻の頭の中の何処かに、俺達が見た蛍はきっといるんだ。
都会には、記憶障害の専門医もいる筈だ。
妻を、愛する妻を都会へ連れて行こう。
きっと治る。 絶対に治る。
『また一緒に、綺麗な蛍を見ような。』
「【ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー】」「9ブックマーク」
夜中に家族の前で
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー』
と言う男。
発音を伸ばす事に一体何の意味があるのだろう?
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー』
と言う男。
発音を伸ばす事に一体何の意味があるのだろう?
14年08月19日 23:41
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
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家族の前でダイエット宣言をしておきながら、
夜中にカロリーの高いおやつをモグモグしていた男。
『あんた、ダイエットするんじゃなかったの?』
家族に見つかり突っ込まれ、
“ダイエットは明日から”
というありきたりな台詞を吐こうとした男がふと時計を見ると、
23時59分だった。
………(´・ω・`)………
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー
(日付が変わる)
ーーーはーーーあーーーしーーーたーーーかーーーらーーー』
家族『………あんた、そうまでしてダイエットしたくないんだね………』
男『まだ今日になったばっかだから、
とりあえず後24時間ぐらいは好きなもの食べるね。』
(´・ω・`)
夜中にカロリーの高いおやつをモグモグしていた男。
『あんた、ダイエットするんじゃなかったの?』
家族に見つかり突っ込まれ、
“ダイエットは明日から”
というありきたりな台詞を吐こうとした男がふと時計を見ると、
23時59分だった。
………(´・ω・`)………
『ダーーーイーーーエーーーッーーートーーー
(日付が変わる)
ーーーはーーーあーーーしーーーたーーーかーーーらーーー』
家族『………あんた、そうまでしてダイエットしたくないんだね………』
男『まだ今日になったばっかだから、
とりあえず後24時間ぐらいは好きなもの食べるね。』
(´・ω・`)
「ただのオセロ好きには負けられない。」「9ブックマーク」
オセロで接戦している田中とたか君。
なかなか決着が付かない。
しかし母親の「おやつは戸棚にありまーす」というメモを見て
田中は勝利を確信した。
いったい何故?
なかなか決着が付かない。
しかし母親の「おやつは戸棚にありまーす」というメモを見て
田中は勝利を確信した。
いったい何故?
15年10月09日 21:07
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
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あと一手。
接戦だった両者の試合もあと一手で決まる。
その最後の一手は白田中の番。ここに白を置けば一個差で白田中の勝利が決まる。
しかし無いのだ。最後の隙間を埋めるオセロの駒が一個無くなっている。
「駒がないんじゃ勝負は決められないな。賭けもノーカンだ」
「馬鹿いうな! 駒が無くたって数えればわかるじゃないか!」
賭けが賭けだけに素直に負けを認めない黒たか君。
賭けが賭けだけになんとか勝利を収めたい白田中。
そんな時、田中は冷蔵庫に張ってあるメモを見つけた。
「おやつは戸棚にありまーす」
そのメモを落ちないように支えているのがマグネット。
いま白田中が探していたオセロの駒だった。
白田中と黒たか君が興じているオセロゲームはマグネット式。
母親はそこらへんに落っこちていたマグネットタイプのオセロの駒を
メモを押さえる為に使用したのだった。
こうして兄弟である白田中と黒たか君の勝敗にようやく白黒が付いた。
しかし賭けの対象であったおやつは今日に限ってたまごボーロだった。口ん中パッサパサ。
接戦だった両者の試合もあと一手で決まる。
その最後の一手は白田中の番。ここに白を置けば一個差で白田中の勝利が決まる。
しかし無いのだ。最後の隙間を埋めるオセロの駒が一個無くなっている。
「駒がないんじゃ勝負は決められないな。賭けもノーカンだ」
「馬鹿いうな! 駒が無くたって数えればわかるじゃないか!」
賭けが賭けだけに素直に負けを認めない黒たか君。
賭けが賭けだけになんとか勝利を収めたい白田中。
そんな時、田中は冷蔵庫に張ってあるメモを見つけた。
「おやつは戸棚にありまーす」
そのメモを落ちないように支えているのがマグネット。
いま白田中が探していたオセロの駒だった。
白田中と黒たか君が興じているオセロゲームはマグネット式。
母親はそこらへんに落っこちていたマグネットタイプのオセロの駒を
メモを押さえる為に使用したのだった。
こうして兄弟である白田中と黒たか君の勝敗にようやく白黒が付いた。
しかし賭けの対象であったおやつは今日に限ってたまごボーロだった。口ん中パッサパサ。