みんなのブックマーク

十数年前、とある重大事件の犯人とされ、逮捕されたカメオ。
カメオは無罪を主張していたが、裁判の結果有罪。死刑判決が出てしまった。

息子の主張を信じ、カメオの父は警察は当てにならないと、自分で冤罪の証拠を探しはじめた。

そして遂に、その証拠となる時計を手に入れることが出来たのだ。
十数年前は新品同然の状態だったかもしれないが、それは売っても1000円ほどの値しかつかないような古びた時計。

それを手に入れられたのは全くの奇跡と言っていいだろう。

しかし、見つけた時には、父にはもう時間が残されていなかった。
「他の資金は全て捜査に使ってしまった、残っているのはこの時計だけ。でも、こと時計さえあれば……」

そういって、父は病院で息を引き取った。

それから数日後、そのことがメディアで話題になり、裁判所や警察も無視出来ないものになっていった。

その時計を調べると、証拠能力は十分。カメオは冤罪だということはもはや確定的だった。

すぐさま警察は誤認捜査を認め、裁判でも即刻再審受理、逆転無罪となった。
さらに、捜査時の警察の対応も問題となり、男には億を超す賠償金が支払われた。

巨万の富を得たカメオ。

しかしもう、カメオにはなにもない。

もう、なにも───。

※愛する妻が出ていき、長生きをする理由も妻の優しい料理を食べることもなくなったから。


俺は、君とずっと、ずっと一緒にいたいんだ。

結婚当初にそう言った吉田のために

妻は老いることを怖がらないようにと、健康的な料理や縁起のいい料理をたくさん作ってくれた。


「ただいま。おぉ！今日はエビチリか」

「そうよ。エビはね、腰が曲がるまで長生きするっていう意味があるのよ」
「へぇー！」


「あぁー疲れた…ん？ロースカツ？」
「うん。それは…」
「こんな時間に食えるわけねーだろ！何考えてんだよ！」

「…ごめんなさい、あなた」


「…鰹のたたきか」

「…えぇ、戻り鰹よ」
「…」「…」


月日が立つにつれ、吉田は妻に冷たくなっていった。
妻との会話も減った。
それでも、妻がいなくなるなんて思ったこともなかった。


そんななんでもない日常から
突然妻が姿を消した。

荷物も、通帳も、すべて消えた。
あったのは、判の押された離婚届。

なぜか、探す気力が出なかった。
無機質な紙1枚で、俺は必要ないと突きつけられたのだ。

仕事から帰っても、家の灯はついてない。

【おかえりなさい貴方！今日もごちそうよ？】

最後に妻の笑顔を見たのはいつだったか。
もう随分前なのに、今になってはっきり思い出す。

コンビニで買ってきた弁当を開ける。もう年だ。こんな食生活ではすぐに体を壊すだろう。
作ろうと思えば、作れるのかもしれない。

しかしもういいのだ。
#b#共に生きていきたい人は、もういない。#/b#

妻の優しい料理を懐かしく思いながら、吉田は弁当を流し込んだ。

【要約】

ツォンさんは一方的に彼女に振られた。
そのこともあり、街にやけ酒に出かけたため、酔いのせいでふらふらしていた。
怪盗ＴＴＲが盗んだ傘は、ツォンさんの誕生日に彼女が相合傘をした思い出の品でした。
傘を盗んだ怪盗ＴＴＲからの手紙で、彼女がツォンさんに何も言わずに旅へ出る事を知り、
駅まで駆けだしたのでした。



～以下短くないほうです、ツォンさんはすべて読むことが義務なんです！～



ツォンさんが家に帰ってきました。

その顔は疲れ切っていました。

ツォン「なぜだ。何がいけなかったんだ……」

その日、ツォンさんは恋人から別れを告げられました。

理由を問いただしても、何も答えてくれません。

ただ一方的に「別れましょう。」の繰り返し。

一人残されたツォンさんは、１時間ほど放心していましたが、重い足取りで帰ってきました。


茫然としたままテーブルと見ると、一通の封筒。

『今宵　傘を　奪いに行きます。　怪盗ＴＴＲ』

その内容を読んだツォンさんは、

「どうでもいい、盗みたければ盗めばいい！」と予告状を乱暴にゴミ箱に捨てました。


その夜、ツォンさんは友人を集め、憂さ晴らしとばかりに街に飲みに行きました。


夜も明けようと言う頃、ツォンさんは家に帰ってきました。

酔いが回り、ふらふらになりながらテーブルを見ると、一通の封筒。

ツォンさんは（どうせ盗みましたって内容だろ？）と思いながら、好きな曲を流しながら封筒を開きました。

『傘、たしかに頂戴しました。

　今回は、ある方からのご依頼でございました。

　この傘は思い出の品で、持って旅立ちたいと言うことです。

　ご伝言がございます。

　１年前の誕生日を思い出してほしいと言うことです。

　ほら、流れている曲でもそろそろ聞こえてくるでしょう。

　おせっかいながら急いだほうがいいかもしれませんよ？』

ツォン「１年前の１１月９日……」

その時、スピーカーから流れている歌詞が聞こえました。

「駅に着いてしまう…」

ツォンさんは酔いも忘れ、急いで駅に駆けだしました。

あの日の彼女の照れ臭そうにうつむいている顔を思い出しながら……


１年前の誕生日にあったことを思い出す。
（生チョコタイプのチョコが出回る時期　http://sui-hei.net/mondai/show/12762



ツォンさん８００問出題おめでとうございます。
真面目な怪盗ＴＴＲになっちゃいました。

そのカクテルの名は#red#レッド・アイ#/red#。名前くらい、聞いたことはあるわよね？
え、何故「レッド・アイ」が探し物をしている人にピッタリかって？
必死に探している、つまり#red#血眼になって探している#/red#からよ。

もともと「レッド・アイ」というのは、二日酔いで目が真っ赤になった人が好んで飲んでいた、という説があるの。トマトジュースを使うから、お酒の色自体も赤いのよ。

さて、レッド・アイの作り方ね。

【材料】
・ビール
・トマトジュース
・セロリ
・好みでコショウ、レモン、タバスコなど

１．トマトジュースをグラスに注ぐ
２．同量のビールを加えステア（撹拌）する
３．マドラー代わりにセロリを添える
４．お好みで、スパイスなどを加える

他にも、生卵を落として朝食や向かい酒代わりに飲む人もいるらしいわ。トマトジュースも卵も、栄養満点だから、ぴったりね。ただし、そのまま車に乗ったりしないようにね。

二人は#red#回文#/red#で遊んでいたからなのです。