「コンフォームド・ハビット」「1ブックマーク」
男の仕事はいつも決まって同じ流れで始まる。
オフィスに着き、挨拶を済ますと
PCのスイッチを入れ、上着をかけ、
鞄の中身を机に並べてパスワードを入力、
PCが起動を終えるまでにトイレに立ち、
お茶を飲みつつ最初にメールチェックをする。
しかしある日、男は飲もうとしたお茶を
盛大にPC画面に吹き出した。
何が起きたのだろう?
オフィスに着き、挨拶を済ますと
PCのスイッチを入れ、上着をかけ、
鞄の中身を机に並べてパスワードを入力、
PCが起動を終えるまでにトイレに立ち、
お茶を飲みつつ最初にメールチェックをする。
しかしある日、男は飲もうとしたお茶を
盛大にPC画面に吹き出した。
何が起きたのだろう?
13年04月27日 12:08
【ウミガメのスープ】 [Vodka]
【ウミガメのスープ】 [Vodka]

軽めのはずだった
解説を見る
「おはようございます」
オフィスに入った男はいつもの習慣にのっとり
仕事開始までの流れをてきぱきと済ませていく。
全て、いつもと全く同じ流れ。
そしてパソコンを起動し、メールボックスを確認しながら
鞄から取り出したペットボトルのお茶を飲む-…
次の瞬間、男はお茶を思い切り吹き出した。
とてつもなく変な味がする。思わず吐きそうになる。
そのお茶は紛れもなく悪くなっていた。
実はこの男、もう一つの習癖があり、
午後の休憩時間にお茶を買っては飲み切れなかった分を
鞄に入れておき、次の業務日の午前中に飲み切るという
サイクルを繰り返していたのだ。
そしてその日は男の長期出張帰り本社勤務初日。
持っていたのは出張中に使っていた鞄とは別の鞄。
気付かずに飲んだ鞄のお茶は、最後の本社業務日に
飲みかけにしてあったお茶だったのである…
オフィスに入った男はいつもの習慣にのっとり
仕事開始までの流れをてきぱきと済ませていく。
全て、いつもと全く同じ流れ。
そしてパソコンを起動し、メールボックスを確認しながら
鞄から取り出したペットボトルのお茶を飲む-…
次の瞬間、男はお茶を思い切り吹き出した。
とてつもなく変な味がする。思わず吐きそうになる。
そのお茶は紛れもなく悪くなっていた。
実はこの男、もう一つの習癖があり、
午後の休憩時間にお茶を買っては飲み切れなかった分を
鞄に入れておき、次の業務日の午前中に飲み切るという
サイクルを繰り返していたのだ。
そしてその日は男の長期出張帰り本社勤務初日。
持っていたのは出張中に使っていた鞄とは別の鞄。
気付かずに飲んだ鞄のお茶は、最後の本社業務日に
飲みかけにしてあったお茶だったのである…
「死神」「1ブックマーク」
男は自身にやがて降りかかる死の気配を感じ取った。
男はそれを回避するためあることを行った。
その結果、男自身が死なずに済んだだけでなく、他にも何人もの人が救われた。
一体何をしたのだろう?
男はそれを回避するためあることを行った。
その結果、男自身が死なずに済んだだけでなく、他にも何人もの人が救われた。
一体何をしたのだろう?
13年04月17日 00:31
【ウミガメのスープ】 [音羽山]
【ウミガメのスープ】 [音羽山]
解説を見る
男は連続殺人鬼。
各地で無差別に人を殺し、その手口も非常に多種多彩。
そのためなかなか捕まることがなかった。
しかし、ひょんなことから男は逮捕され、男には次々と決定的な証拠が突き付けられた。
このままでは間違いなく死刑だ――男はそう思った。
そこで男は司法取引を行ったのだ。
男は死刑回避と引き換えに彼が行った犯罪を洗いざらいしゃべったのだ。
その結果、何人もの人々が彼の代わりに冤罪で捕まえられていたことがわかったのだ。
冤罪だった彼らは皆釈放され、男には死刑ではなく終身刑が言い渡された。
各地で無差別に人を殺し、その手口も非常に多種多彩。
そのためなかなか捕まることがなかった。
しかし、ひょんなことから男は逮捕され、男には次々と決定的な証拠が突き付けられた。
このままでは間違いなく死刑だ――男はそう思った。
そこで男は司法取引を行ったのだ。
男は死刑回避と引き換えに彼が行った犯罪を洗いざらいしゃべったのだ。
その結果、何人もの人々が彼の代わりに冤罪で捕まえられていたことがわかったのだ。
冤罪だった彼らは皆釈放され、男には死刑ではなく終身刑が言い渡された。
「レッドドラゴン」「1ブックマーク」
これはまだ世界に魔法が存在し、魔王が全てを支配していた頃のお話です。
一人の勇者が両親の仇である魔王を倒すため、相棒である魔犬ケルベロスと一緒に旅に出ていました。
この世界では人間とモンスターが「契り」を交わすことができます。「契り」を交わせば相手の力を手に入れ、お互いに強くなることができます。勇者とケルベロスも「契り」を交わしていました。「契り」を交わした勇者とケルベロスはまさに運命共同体で一心同体。お互いが協力し合い数々の強敵を打ち倒してきました。
そして今日もまた強敵が勇者とケルベロスの前に立ちふさがりました。ドラゴンです。
ドラゴンの力は今まで戦ってきたどんな敵よりも強大で圧倒的でした。ですが少しも怯むことなく果敢に戦い続けました。
長き戦いの末、ついにドラゴンを打ち倒すことができました。しかし、ドラゴンを倒したというのに勇者はちっとも喜びませんでした。それどころか何故か大粒の涙を流していたのです。戦いが終わるまではドラゴンに対して敵意むき出しで情に流されるような素振りは一切なかったのに・・・。
一体何故でしょうか?
一人の勇者が両親の仇である魔王を倒すため、相棒である魔犬ケルベロスと一緒に旅に出ていました。
この世界では人間とモンスターが「契り」を交わすことができます。「契り」を交わせば相手の力を手に入れ、お互いに強くなることができます。勇者とケルベロスも「契り」を交わしていました。「契り」を交わした勇者とケルベロスはまさに運命共同体で一心同体。お互いが協力し合い数々の強敵を打ち倒してきました。
そして今日もまた強敵が勇者とケルベロスの前に立ちふさがりました。ドラゴンです。
ドラゴンの力は今まで戦ってきたどんな敵よりも強大で圧倒的でした。ですが少しも怯むことなく果敢に戦い続けました。
長き戦いの末、ついにドラゴンを打ち倒すことができました。しかし、ドラゴンを倒したというのに勇者はちっとも喜びませんでした。それどころか何故か大粒の涙を流していたのです。戦いが終わるまではドラゴンに対して敵意むき出しで情に流されるような素振りは一切なかったのに・・・。
一体何故でしょうか?
12年12月07日 22:13
【ウミガメのスープ】 [ゲッシュ]
【ウミガメのスープ】 [ゲッシュ]

10問目終了。解説もっと長文ですいません。
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ドラゴンはかつて勇者の相棒でした。勇者の両親が魔王によって殺されてからは、勇者が故郷を旅立つ前から互いを知る唯一の仲であり、旅の中で一緒に強敵を倒してきました。互いを信用しあい、「契り」も交わしていました。勇者にとってドラゴンは親友であり、肉親のような存在でした。
勇者とドラゴンは宿敵魔王のいる城へ突入し、ついに魔王と戦う時がきました。しかし、魔王の力はあまりにも凶悪で全く歯がたちませんでした。勇者とドラゴンは命からがら魔王の城を脱出しました。
その頃からだったでしょうか?相棒であるドラゴンが何故か勇者に対して冷たく接するようになったのです。勇者とドラゴンは次第に仲を違えるようになりました。
そして別れの時が訪れました。
ドラゴン「もう我はお主と肩を並べて戦うことは出来ぬ。我はここにお主と交わした契りを破棄する。」
勇者「・・・勝手にしろ。俺もお前とはもう無理だと思っていたんだ。最後に教えてくれ。・・・契りを破棄する理由と、これからお前はどうするつもりなのかを。」
ドラゴン「魔王との戦いのとき、我はお主に失望したのだ。お主は我の期待を裏切りあまりにも弱く情けなかった。我は弱き者を嫌う。そして我はこれから魔王の元へ行く。」
勇者「何!?」
ドラゴン「奴は我が出会った中で最も強い人間だ。奴に興味が出てきたのだ。」
勇者「魔王の仲間になるっていうのか!」
ドラゴン「お主と一緒にいるよりもはるかにましであろう。」
勇者「・・・そうか。もういい、勝手にしろ。次に会った時、俺とお前は敵同士だ。」
ドラゴン「敵同士・・・。お主に我の相手がつとまるかな?」
ドラゴンは去っていきました。でも追う気にもなりませんでした。それほどにまで彼らの関係は冷え切っていたのです。その上両親の仇である魔王の仲間になるというのです。勇者は次にドラゴンと会ったときは躊躇なく殺すつもりでした。
そして新しい相棒、ケルベロスと「契り」を交わし、今度は魔王に勝てるよう修業を兼ねて旅を続けました。
修業を終え、自分に自信をつけた勇者は再度魔王の城へと向かいました。そしてその道中でかつての相棒、ドラゴンと遭遇したのです。
ドラゴン「久しぶりだな。残念だがここは通せぬ。どうしてもというのなら我を倒してからにしろ。最も、弱きお主に勝機は無いであろうが。」
勇者「俺はこんなところで立ち止まっているわけにはいかないんだよ。あの頃の俺とは違う。お前を殺してここを通してもらうぞ!!」
かつての相棒同士の戦いが始まりました。やはりドラゴンは強大でした。今まで戦った誰よりも、あの魔王よりも強く感じました。しかし・・・。
(おかしい・・・)
ドラゴンとの戦闘中、勇者はある違和感を感じました。確かにドラゴンは今までの敵よりもはるかに強大でした。でもどういう訳か手応えが無いのです。まるで手加減をされているかのような・・・。
戦いは長きにわたり、ついに勇者の剣がドラゴンの体を貫きました。ドラゴンの返り血を浴び、真っ赤に染まる勇者。勇者はかつての相棒であるドラゴンを打ち倒したのです。
(これなら魔王に勝てるかもしれない。だが・・・あの違和感は何だったんだ?)
そう思った矢先でした。ドラゴンの口から全く予期していなかった事が言い渡されました。
ドラゴン「お主・・・強くなったな・・・。お主のはたらきにより、世界は救われた・・・。仇を取ることができて良かったな・・・。」
勇者「・・・何を言っているんだ?魔王はまだ生きている。俺の両親の仇はあいつだ。あの魔王を倒さない限り世界は救われない。」
ドラゴン「だから、言っただろう?世界は救われたんだ・・・。」
どうにも話が見えません。勇者は困惑しました。何を言っているかがさっぱりわからないのです。そしてその時、またしても予期せぬ出来事が起こりました。とてつもない轟音が聞こえてきたのです。勇者は思わず音のありかを探りました。
(あの方向は・・・魔王の城があるところだ。)
ドラゴン「気付いたか?あの城は魔王の魔力によって維持されていた。魔王がいなくなった今、あの城もじきに崩れ去るであろう。」
勇者「一体どういうことだ?」
ドラゴン「簡単なことだ。我は魔王と契りを交わしていた。契りの片方の命が尽きようとしている今、もう片方の命が先に尽きたのだ。」
勇者「お前、魔王と契りを交わしていたのか!?どうりで魔王よりも強く感じたはずだ。お前は魔王の力も手に入れていたということか。」
その時、勇者はふとあの違和感の正体がわかった気がしました。あの手応えの無さは・・・。
勇者「まさか・・・。お前わざと俺に・・・?」
ドラゴン「・・・。」
勇者「何でだ。一体どうして・・・。」
ドラゴン「魔王の力は我が怯えるほどに凶悪なものであった。あまりにも奴は強すぎた。だから、これが魔王を倒す最も確実な方法であろう?」
勇者「そんな馬鹿な・・・。じゃああの時俺の元を去ったときからずっと・・・?」
ドラゴン「ああ。我がお主に殺されることで魔王を倒してくれることを望んでいた。厳密にはあのとき命からがら魔王から逃げ帰ったときからだがな。」
勇者「そんな馬鹿な・・・。俺はそんな事に全然気付かずに・・・。」
ドラゴン「気付かぬように我が仕向けたのだ。気付いたらお主は我を止めたであろう?お主は妙に優しいところがあるからな。我はお主と小さいころからずっと一緒にいた。お主の方は知らないが、我にとってお主は唯一の友であり、実の子のような存在であった。だからどうしてもお主の両親の仇である魔王を倒して欲しかったのだ。ほら泣くな。世界を救った勇者の顔が台無しではないか。」
勇者はもう声が出せなった。ただ泣くことしかできなかった。
ドラゴン「心配するな。これは我が望んだことだ。お主と一緒にいて楽しかった。幸せであった。最後に殺される相手がお主でよかった・・・。」
死にゆくドラゴンの目は本当に穏やかでした。そして静かに息を引き取りました。
世界を救った勇者は相棒の亡骸に抱きつき、ずっと、ずっと涙を流していました・・・。
勇者とドラゴンは宿敵魔王のいる城へ突入し、ついに魔王と戦う時がきました。しかし、魔王の力はあまりにも凶悪で全く歯がたちませんでした。勇者とドラゴンは命からがら魔王の城を脱出しました。
その頃からだったでしょうか?相棒であるドラゴンが何故か勇者に対して冷たく接するようになったのです。勇者とドラゴンは次第に仲を違えるようになりました。
そして別れの時が訪れました。
ドラゴン「もう我はお主と肩を並べて戦うことは出来ぬ。我はここにお主と交わした契りを破棄する。」
勇者「・・・勝手にしろ。俺もお前とはもう無理だと思っていたんだ。最後に教えてくれ。・・・契りを破棄する理由と、これからお前はどうするつもりなのかを。」
ドラゴン「魔王との戦いのとき、我はお主に失望したのだ。お主は我の期待を裏切りあまりにも弱く情けなかった。我は弱き者を嫌う。そして我はこれから魔王の元へ行く。」
勇者「何!?」
ドラゴン「奴は我が出会った中で最も強い人間だ。奴に興味が出てきたのだ。」
勇者「魔王の仲間になるっていうのか!」
ドラゴン「お主と一緒にいるよりもはるかにましであろう。」
勇者「・・・そうか。もういい、勝手にしろ。次に会った時、俺とお前は敵同士だ。」
ドラゴン「敵同士・・・。お主に我の相手がつとまるかな?」
ドラゴンは去っていきました。でも追う気にもなりませんでした。それほどにまで彼らの関係は冷え切っていたのです。その上両親の仇である魔王の仲間になるというのです。勇者は次にドラゴンと会ったときは躊躇なく殺すつもりでした。
そして新しい相棒、ケルベロスと「契り」を交わし、今度は魔王に勝てるよう修業を兼ねて旅を続けました。
修業を終え、自分に自信をつけた勇者は再度魔王の城へと向かいました。そしてその道中でかつての相棒、ドラゴンと遭遇したのです。
ドラゴン「久しぶりだな。残念だがここは通せぬ。どうしてもというのなら我を倒してからにしろ。最も、弱きお主に勝機は無いであろうが。」
勇者「俺はこんなところで立ち止まっているわけにはいかないんだよ。あの頃の俺とは違う。お前を殺してここを通してもらうぞ!!」
かつての相棒同士の戦いが始まりました。やはりドラゴンは強大でした。今まで戦った誰よりも、あの魔王よりも強く感じました。しかし・・・。
(おかしい・・・)
ドラゴンとの戦闘中、勇者はある違和感を感じました。確かにドラゴンは今までの敵よりもはるかに強大でした。でもどういう訳か手応えが無いのです。まるで手加減をされているかのような・・・。
戦いは長きにわたり、ついに勇者の剣がドラゴンの体を貫きました。ドラゴンの返り血を浴び、真っ赤に染まる勇者。勇者はかつての相棒であるドラゴンを打ち倒したのです。
(これなら魔王に勝てるかもしれない。だが・・・あの違和感は何だったんだ?)
そう思った矢先でした。ドラゴンの口から全く予期していなかった事が言い渡されました。
ドラゴン「お主・・・強くなったな・・・。お主のはたらきにより、世界は救われた・・・。仇を取ることができて良かったな・・・。」
勇者「・・・何を言っているんだ?魔王はまだ生きている。俺の両親の仇はあいつだ。あの魔王を倒さない限り世界は救われない。」
ドラゴン「だから、言っただろう?世界は救われたんだ・・・。」
どうにも話が見えません。勇者は困惑しました。何を言っているかがさっぱりわからないのです。そしてその時、またしても予期せぬ出来事が起こりました。とてつもない轟音が聞こえてきたのです。勇者は思わず音のありかを探りました。
(あの方向は・・・魔王の城があるところだ。)
ドラゴン「気付いたか?あの城は魔王の魔力によって維持されていた。魔王がいなくなった今、あの城もじきに崩れ去るであろう。」
勇者「一体どういうことだ?」
ドラゴン「簡単なことだ。我は魔王と契りを交わしていた。契りの片方の命が尽きようとしている今、もう片方の命が先に尽きたのだ。」
勇者「お前、魔王と契りを交わしていたのか!?どうりで魔王よりも強く感じたはずだ。お前は魔王の力も手に入れていたということか。」
その時、勇者はふとあの違和感の正体がわかった気がしました。あの手応えの無さは・・・。
勇者「まさか・・・。お前わざと俺に・・・?」
ドラゴン「・・・。」
勇者「何でだ。一体どうして・・・。」
ドラゴン「魔王の力は我が怯えるほどに凶悪なものであった。あまりにも奴は強すぎた。だから、これが魔王を倒す最も確実な方法であろう?」
勇者「そんな馬鹿な・・・。じゃああの時俺の元を去ったときからずっと・・・?」
ドラゴン「ああ。我がお主に殺されることで魔王を倒してくれることを望んでいた。厳密にはあのとき命からがら魔王から逃げ帰ったときからだがな。」
勇者「そんな馬鹿な・・・。俺はそんな事に全然気付かずに・・・。」
ドラゴン「気付かぬように我が仕向けたのだ。気付いたらお主は我を止めたであろう?お主は妙に優しいところがあるからな。我はお主と小さいころからずっと一緒にいた。お主の方は知らないが、我にとってお主は唯一の友であり、実の子のような存在であった。だからどうしてもお主の両親の仇である魔王を倒して欲しかったのだ。ほら泣くな。世界を救った勇者の顔が台無しではないか。」
勇者はもう声が出せなった。ただ泣くことしかできなかった。
ドラゴン「心配するな。これは我が望んだことだ。お主と一緒にいて楽しかった。幸せであった。最後に殺される相手がお主でよかった・・・。」
死にゆくドラゴンの目は本当に穏やかでした。そして静かに息を引き取りました。
世界を救った勇者は相棒の亡骸に抱きつき、ずっと、ずっと涙を流していました・・・。
「困らせたくて」「1ブックマーク」
私
は彼を困らせるため、自分の右腕を刺した。
彼は頭を抱え絶望した。そして絶望のあまりビルの屋上から身を投げた。
私はそれを知ると舌打ちをし、彼を呪いながら残りの人生を過ごした。
状況を補完し、私と彼の行動の理由について推理してください。
は彼を困らせるため、自分の右腕を刺した。
彼は頭を抱え絶望した。そして絶望のあまりビルの屋上から身を投げた。
私はそれを知ると舌打ちをし、彼を呪いながら残りの人生を過ごした。
状況を補完し、私と彼の行動の理由について推理してください。
13年04月13日 07:59
【ウミガメのスープ】 [兎]
【ウミガメのスープ】 [兎]
解説を見る
私は小さい頃、父の勧めで少年野球のチームに入った。
技術としては、そこそこ。絶望するほど下手でも、プロを意識するほどうまくもない、と思っていた。
しかし、試合が終わると、監督、コーチ、チームメイト、ときには相手の選手からも大きな称賛を浴びた。
「おまえ、すげえピッチングだったな。」「あんな変化球みたことねえ」「もう130km近く出るのか」
ただ、自分には全く覚えのないことだった。しかし皆から褒められるのはうれしい。
私は、多分試合に夢中で無意識にできたことなのだろう、と深く考えず受け入れていた。
時は経ち、私は海亀高校に進んだ。いわゆる名門校ではないが、甲子園も狙える程度に強いところであった。
このころ、私は「ムラのある好投手」という評価を受けていた。
高校生離れした快投を見せたかと思えば、中学レベルの平凡な投球で打ちこまれることもあったためだ。
そして、私には後者の記憶しかなかった。
この頃になると薄々気づいてきた。
私には名野球選手の人格「彼」がおり、「彼」が表へ出たときのみ私の体はプロ並みの活躍ができるのだと。
またやっかいなことに、「彼」が表れるのは全くの不定期で、「彼」が出ていないときは、「私」が試合に出なければならない。そんな時は決まって打ち込まれた。
周囲からは「あの快投をいつもしてくれよ」「ちゃんとやれ」「手抜いてるのか」と言われ、私には苦痛でしかなかった。
退部届を出したのも一度や二度ではないが、「彼」が出ている時間に撤回されるようで、顧問も最近では取り合ってくれない。
一種の錯乱状態に陥った私は、野球ができなければこの苦痛から脱せる、そして私を苦しめる「彼」を困らせたい、その一心で右腕にナイフを突き立てた。命や日常生活に支障はないが、目論見通り野球はもうできない体になった。
ぐるぐるに巻かれた包帯を見て、「彼」は大いに絶望した。もう大好きな野球ができない。だったらもう生きていても仕方がない。「彼」は自殺を決意し、学校の屋上から身を投げた。
落下しているさなか、再び「私」の人格になった。「どういうことだ・・・。ああ、あいつ飛び降りやがったんだ。ちくしょうそこまで思いつめるとは予想外だったぜ。」私は舌打ちした。
地面に激突するまでの数秒間、私は彼の存在を心から呪った。
技術としては、そこそこ。絶望するほど下手でも、プロを意識するほどうまくもない、と思っていた。
しかし、試合が終わると、監督、コーチ、チームメイト、ときには相手の選手からも大きな称賛を浴びた。
「おまえ、すげえピッチングだったな。」「あんな変化球みたことねえ」「もう130km近く出るのか」
ただ、自分には全く覚えのないことだった。しかし皆から褒められるのはうれしい。
私は、多分試合に夢中で無意識にできたことなのだろう、と深く考えず受け入れていた。
時は経ち、私は海亀高校に進んだ。いわゆる名門校ではないが、甲子園も狙える程度に強いところであった。
このころ、私は「ムラのある好投手」という評価を受けていた。
高校生離れした快投を見せたかと思えば、中学レベルの平凡な投球で打ちこまれることもあったためだ。
そして、私には後者の記憶しかなかった。
この頃になると薄々気づいてきた。
私には名野球選手の人格「彼」がおり、「彼」が表へ出たときのみ私の体はプロ並みの活躍ができるのだと。
またやっかいなことに、「彼」が表れるのは全くの不定期で、「彼」が出ていないときは、「私」が試合に出なければならない。そんな時は決まって打ち込まれた。
周囲からは「あの快投をいつもしてくれよ」「ちゃんとやれ」「手抜いてるのか」と言われ、私には苦痛でしかなかった。
退部届を出したのも一度や二度ではないが、「彼」が出ている時間に撤回されるようで、顧問も最近では取り合ってくれない。
一種の錯乱状態に陥った私は、野球ができなければこの苦痛から脱せる、そして私を苦しめる「彼」を困らせたい、その一心で右腕にナイフを突き立てた。命や日常生活に支障はないが、目論見通り野球はもうできない体になった。
ぐるぐるに巻かれた包帯を見て、「彼」は大いに絶望した。もう大好きな野球ができない。だったらもう生きていても仕方がない。「彼」は自殺を決意し、学校の屋上から身を投げた。
落下しているさなか、再び「私」の人格になった。「どういうことだ・・・。ああ、あいつ飛び降りやがったんだ。ちくしょうそこまで思いつめるとは予想外だったぜ。」私は舌打ちした。
地面に激突するまでの数秒間、私は彼の存在を心から呪った。
「とある読書家の奇行」「1ブックマーク」
少年は読書好き、いわゆる本の虫だった。
委員会は当然図書委員。
放課後は用事があるのでのこれないが、昼休みはドッジボールやバスケ、怪談なんかの雑談にさえもあまり参加せず、毎日欠かさず学校の図書室に行っていた。
それだけでなく、時間があると文庫本を広げて一行でもいいから読む。
それが少年の日課だった。
だがある日、少年は古書店で読んだことのないライトノベル、それも第四巻の一冊だけ買って店を出た。
少年の行動の真意を推理せよ。
委員会は当然図書委員。
放課後は用事があるのでのこれないが、昼休みはドッジボールやバスケ、怪談なんかの雑談にさえもあまり参加せず、毎日欠かさず学校の図書室に行っていた。
それだけでなく、時間があると文庫本を広げて一行でもいいから読む。
それが少年の日課だった。
だがある日、少年は古書店で読んだことのないライトノベル、それも第四巻の一冊だけ買って店を出た。
少年の行動の真意を推理せよ。
13年04月10日 23:34
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

少し意地が悪かったかも・・・
解説を見る
この学校の図書室は少し狭いが蔵書量は多く、簡単なライトノベルから難しい文学全集まで何でも置いてあった。
そしてある日の昼休みの時間。
図書委員の少年はいつものように図書室に立ち寄った。
そしてその図書室内を見回っていると、その隅に難しそうな全九巻の長編小説があった。
少年は試しに一巻を手にとって読んでみたが、やはり難しい。
読めない漢字や意味が分からない単語も多く、「もう読むの止めようかな・・・」と思っていたときだった。
花柄の一枚のしおりが本に挟まっていた。
真新しく、最近はさんだもののようだった。
そして、そのしおりを見てみると、
【これ、難しい・・・】
そう、小さく綺麗な文字で書かれていた自体から見て女子なのだろうということは分かった。
少年は思わずメモ用紙と取って、
【そうですよね、この「玲瓏」ってなんて読むんでしょうか?】
と書き込んで、栞のあったところに挟んだ。
少年は放課後は忙しく、図書室には昼にしかこれず、放課後は担当を違う人に代わってもらっていた。。
だが翌日の昼、図書室に行ってみると、そこには少年の書いたものとは違う紙が挟まっていた。
【それは「れいろう」と読むんですよ。透き通るように美しい、という意味らしいです。でも、この「蓬莱」と言う字はなんて読むんでしたっけ・・・?】
それから、少年とその相手との、少し変わった文通が始まった。
内容は意味の教えあいやここまでの話の感想がほとんどだったが、たまに好きな食べ物についてなどの雑談も交えていった。
それによると、やはり相手は女子らしかった。
そして少しずつ相手の少女と一緒に読み進めていった。
少女は少年とは逆で、昼は忙しく、放課後しかこれないらしい。
そしていつの間にか、少年と少女はお互いに直接会わない、という暗黙のルールが出来ていった。
いつしか少年はその秘密の文通が何よりの楽しみになった。
だがある日、学校でこんな怪談が広まった。
『図書室にはライトノベルの「空の架け橋」がなぜか四巻だけ置いていない。なぜならそれにはこの学校の裏の事情が全て書いてあって、図書室のどこかにその手がかりが隠されている』
というものだった。
そして少年はある時、クラスの怪談好きな人たちが今度図書室に行って大捜索をするという話を聞いたのだ。
実はその本と例の文学全集は意外に近い位置にあった。
このままでは何かのはずみであの手紙のやり取りが見つかってしまうかもしれない・・・
そうなればあの文通もそこで終わってしまうかもしれない・・・
紙を抜き取るか?
いやいや! それこそ文通が終わってしまう!
少年はそう考えた。
いつもは誰も取らないような本だったから安心だったのに・・・
少年はそのライトノベルを読んだことがなかったが、あの本がないのは確か去年の卒業生がなくしたからだということは。毎日通っていたので知っていた。
だがそのまま話して、果たして噂が静まるだろうか・・・
それに運悪く図書担当の先生は出張中だ。
もしかしたら信じてくれないかもしれない。
いや、信じたとしても調査を止めさせることはできないかもしれない・・・
少年は考えた末、ある行動にでた。
古書店でそのライトノベル、「空の架け橋」四巻を買ってそれを図書の本として置いておく、というものだった。
誰も読まないような本からバーコードをはがして買ったそのライトノベルに貼り付ける。
図書委員の少年にとっては簡単な作業であった。
作戦は大成功。
『あの噂、ガセだったよ・・・』
という声がクラスから聞こえて、少年は小さく微笑んだ。
そしてまた図書室へと向かう準備を始めたのだった。
そしてある日の昼休みの時間。
図書委員の少年はいつものように図書室に立ち寄った。
そしてその図書室内を見回っていると、その隅に難しそうな全九巻の長編小説があった。
少年は試しに一巻を手にとって読んでみたが、やはり難しい。
読めない漢字や意味が分からない単語も多く、「もう読むの止めようかな・・・」と思っていたときだった。
花柄の一枚のしおりが本に挟まっていた。
真新しく、最近はさんだもののようだった。
そして、そのしおりを見てみると、
【これ、難しい・・・】
そう、小さく綺麗な文字で書かれていた自体から見て女子なのだろうということは分かった。
少年は思わずメモ用紙と取って、
【そうですよね、この「玲瓏」ってなんて読むんでしょうか?】
と書き込んで、栞のあったところに挟んだ。
少年は放課後は忙しく、図書室には昼にしかこれず、放課後は担当を違う人に代わってもらっていた。。
だが翌日の昼、図書室に行ってみると、そこには少年の書いたものとは違う紙が挟まっていた。
【それは「れいろう」と読むんですよ。透き通るように美しい、という意味らしいです。でも、この「蓬莱」と言う字はなんて読むんでしたっけ・・・?】
それから、少年とその相手との、少し変わった文通が始まった。
内容は意味の教えあいやここまでの話の感想がほとんどだったが、たまに好きな食べ物についてなどの雑談も交えていった。
それによると、やはり相手は女子らしかった。
そして少しずつ相手の少女と一緒に読み進めていった。
少女は少年とは逆で、昼は忙しく、放課後しかこれないらしい。
そしていつの間にか、少年と少女はお互いに直接会わない、という暗黙のルールが出来ていった。
いつしか少年はその秘密の文通が何よりの楽しみになった。
だがある日、学校でこんな怪談が広まった。
『図書室にはライトノベルの「空の架け橋」がなぜか四巻だけ置いていない。なぜならそれにはこの学校の裏の事情が全て書いてあって、図書室のどこかにその手がかりが隠されている』
というものだった。
そして少年はある時、クラスの怪談好きな人たちが今度図書室に行って大捜索をするという話を聞いたのだ。
実はその本と例の文学全集は意外に近い位置にあった。
このままでは何かのはずみであの手紙のやり取りが見つかってしまうかもしれない・・・
そうなればあの文通もそこで終わってしまうかもしれない・・・
紙を抜き取るか?
いやいや! それこそ文通が終わってしまう!
少年はそう考えた。
いつもは誰も取らないような本だったから安心だったのに・・・
少年はそのライトノベルを読んだことがなかったが、あの本がないのは確か去年の卒業生がなくしたからだということは。毎日通っていたので知っていた。
だがそのまま話して、果たして噂が静まるだろうか・・・
それに運悪く図書担当の先生は出張中だ。
もしかしたら信じてくれないかもしれない。
いや、信じたとしても調査を止めさせることはできないかもしれない・・・
少年は考えた末、ある行動にでた。
古書店でそのライトノベル、「空の架け橋」四巻を買ってそれを図書の本として置いておく、というものだった。
誰も読まないような本からバーコードをはがして買ったそのライトノベルに貼り付ける。
図書委員の少年にとっては簡単な作業であった。
作戦は大成功。
『あの噂、ガセだったよ・・・』
という声がクラスから聞こえて、少年は小さく微笑んだ。
そしてまた図書室へと向かう準備を始めたのだった。












