みんなのブックマーク

凍てつく寒さで目が覚めた男。
いやな予感がしてちらりと窓の外を見ると雪がしんしんと降っていた。
今までの経験上、朝になる頃には玄関の扉が開かなくなるどころか外にすら出られなくなる。

男はしょうがないとシャベル片手に家を飛び出し今のうちに玄関の前のとこだけ雪かきした。

最低限の部分だけ丸く掘った男。
こうすれば朝になってもとりあえず外には出られるだろう。
夜も遅いし、あまりこれ以上降らないようにと祈りながら男は二度寝をすることにした。

彼女は、気晴らしにと公園で地面に落書きをしていた。

苔色「おいそこのお前！何をしている！犯罪か！犯罪だなッ！犯罪に決まっているッ！」
Navajo「待て！これは長年我々が探し求めていた幻のけんけんぱではないか…生きて帰って母国に報告せねば…わたしは…生きねばならぬぞ…」
野生のキャベツ「ひゃっほう！こいつァ久々にイキのいいけんけんぱじゃねーか！タップリ可愛がってやるぜぇ！」
つのめなせいうち「げんばああああああ！もっどおおおおお！もっど描いでええええ！」

１人で地縛霊ごっこをしていたくるりん、ブランコでギネス記録に挑戦していたゆきも、滑り台を逆から上って怒られていた浅古リナと怒っていたアメミヤもやってきて列をつくり始めた。
wakuは華麗にバク転をしながら、立派なうさぎはXジャンプをしながら、苔色は3の倍数と3がつく数字の時だけアホになりながら。

公園にいた子どもたちは集まり、みんなで楽しんで跳んだのだった。

【水玉模様の絵で有名な草間彌生さんからヒントを得てつくりました。問題文の彼女も水玉模様を描いていたようです】
※１人足りなかったため苔色様に2回活躍していただきました。

授業を見学に来た親は驚いた。確かに講師が何を言っているか全く分からない。方言がかなりきつく、現地に引っ越してきたばかりのその家族には通じなかったのだ。英語の発音は流暢だが、やはり若干訛っている。こうして、親はその英会話教室を諦め、他の教室を探すことにしたのだ。

わーありがとー！ 次に会う時ぜったい塗ってくるね。

聖なる夜。
恋人のゆりりにシャレオツなマニキュアをプレゼントした水上。
ヒルナンドスの三色ショッピングで人気カラーだと言っていたダスティピンクだ。
そんなこんなで恋人達のクリスマスの夜は更けていった・・・


それから3日後。
ゆりりは水上を自宅に誘った。
早速マニキュアを塗ろうと思ったのだが、ただ塗るだけでは面白くない。
ゆりりはペディキュアとしてマニキュアを足の爪に塗り、
そして塗ったことがバレないように靴下を履いた。
もちろん手の爪にはマニキュアは塗らない。
マニキュアが塗られてないことにガッカリした水上をサプライズで驚かしてやるのだ。
ゆりりはニヤニヤしながらペディキュアを塗り終えた後、
水上に振る舞う夕飯作りに取り掛かった。

ポンピーン。
ごはんが炊き上がったタイミングで水上がゆりりのマンションに到着。

「お邪魔しまーす。 ん？ ゆりり、靴下が右だけずり落ちてるよ」
玄関に迎えに来たゆりりにそう指摘した水上。

「ホントだー・・・よいしょっと」
指摘を受けたゆりりは形を整える為に靴下を引っ張った。
その靴下を引っ張り上げる指を見て、マニキュアが塗られてないことに気付いた水上は
(マニキュア使うって言ってたのに・・・)
と悲しい気持ちになった。

マニキュアを塗ってないことを知り、
悲しげな表情を浮かべている水上に気付いたゆりりは早速ネタばらし。

「ペディキュアはごはん食べて、お風呂入った後に
ゆっくり見せて、ア・ゲ・ル」

そう、水上はゆりりに素足でタイキックされるのが大好きなのであった。

世界は平和だね。

映画のＤＶＤを観ていた男。

犬小屋の中にいた犬が飼い主に呼ばれて顔を出し、
喜んで散歩に出掛けたシーン。

しかし、突然飼い主と犬は前方を向いたまま猛スピードで後方へと逆走を始めた。
そしてみるみるうちにバックで家へ戻り、
飼い主は家の中へ、犬はお尻から犬小屋に突っ込んだ。

その画面を観ていた男が近くにあるリモコンに目をやると、
案の定、飼い猫がリモコンの上に座り込んでいた。
どうやら巻き戻しボタンに体が触れ続けているらしい。

向こうへ行く様に猫に呼び掛けるも、無視される男。

男は猫の目の前で猫じゃらしをチラつかせてから、それを向こうへ放り投げた。