「わたしはだれでしょう?」「2ブックマーク」
タイトルは忘れてください。
当てていただきたいのは【ある物】の名前です。
* * * * * * * * * *
亀夫君問題風の20の扉です。
#red#「はい」「いいえ」で答えられる質問をしてください。#/red#
回答はすべて【ある人】が「はい、いいえ、わかりません」のいずれかで答えます。(ミスリード、良質問判定は出題者えぜりんが行います。)
どちらともいえない場合、回答は「わかりません」になります。
設定上答えられない質問に対しても「わかりません」と答えますのでご注意ください。
【ある人】の設定も答えのヒントになり得ます。
設定に関する質問も受け付けますので、「あなたは~~?」という形で質問してください。
質問に主語がない場合は【ある物】についての質問であると判断されします。
【ある人】は「20の扉の出題者」という自覚はありますが、ラテシン(当サイト)のことは知りません。
えぜりんに対する、ルール等に関する質問・メタ質問は、相談・雑談コメントでお願いします。
【ある人】の設定の特定は不要です。
【ある物】の名前が出た時点で「正解」となり、解説に移ります。
嘘ナシ・リスト聞きナシでお願いします。
質問数制限はありませんので、お気軽にご参加ください。
当てていただきたいのは【ある物】の名前です。
* * * * * * * * * *
亀夫君問題風の20の扉です。
#red#「はい」「いいえ」で答えられる質問をしてください。#/red#
回答はすべて【ある人】が「はい、いいえ、わかりません」のいずれかで答えます。(ミスリード、良質問判定は出題者えぜりんが行います。)
どちらともいえない場合、回答は「わかりません」になります。
設定上答えられない質問に対しても「わかりません」と答えますのでご注意ください。
【ある人】の設定も答えのヒントになり得ます。
設定に関する質問も受け付けますので、「あなたは~~?」という形で質問してください。
質問に主語がない場合は【ある物】についての質問であると判断されします。
【ある人】は「20の扉の出題者」という自覚はありますが、ラテシン(当サイト)のことは知りません。
えぜりんに対する、ルール等に関する質問・メタ質問は、相談・雑談コメントでお願いします。
【ある人】の設定の特定は不要です。
【ある物】の名前が出た時点で「正解」となり、解説に移ります。
嘘ナシ・リスト聞きナシでお願いします。
質問数制限はありませんので、お気軽にご参加ください。
16年01月01日 20:00
【20の扉】 [えぜりん]
【20の扉】 [えぜりん]

反省材料の塊になってしまいました。重ねておわび申しあげます。
解説を見る
.
【ある物】とは #red#カレンダー#/red# でした。
時期的に当たりやすいだろうと思って出題しました。
【ある人】の設定は 小学1年生の女の子で、今、自分の教室にいます。
1年生で習う漢字と、ひらがな、カタカナ以外は読めません。
「よめない じが あったら、わからないといってね」と指示してあるので、「?わかりません」と答えます。
「物」という漢字も読めないので、「それは○○ですか?」という聞き方か、「あるもの」とひらがなで書かなければなりません。
また、難しい言葉は意味がよくわかりません。
その場合も「?わかりません」と答えます。
なお、低学年ですので、黒板に日付を書くのは先生です。
従って、カレンダーを使うのは先生の方が多いという認識で回答しています。
今回、こんな問題を出したのには、非常に個人的な理由があります。
あまりに個人的なので、詳細はここには書きません。(自重しています)
ラテシンに登録した理由のひとつが「カレンダーが答えになる20の扉問題を出したい」だったことだけ明記しておきます。
20問出題(扉解禁)の道のりは長かったです。
これで思い残すことはありません。
いつでもラテシンを辞められる…ような……気が………す………す………するだろうか???
(いや、しないだろう。)
【ある物】とは #red#カレンダー#/red# でした。
時期的に当たりやすいだろうと思って出題しました。
【ある人】の設定は 小学1年生の女の子で、今、自分の教室にいます。
1年生で習う漢字と、ひらがな、カタカナ以外は読めません。
「よめない じが あったら、わからないといってね」と指示してあるので、「?わかりません」と答えます。
「物」という漢字も読めないので、「それは○○ですか?」という聞き方か、「あるもの」とひらがなで書かなければなりません。
また、難しい言葉は意味がよくわかりません。
その場合も「?わかりません」と答えます。
なお、低学年ですので、黒板に日付を書くのは先生です。
従って、カレンダーを使うのは先生の方が多いという認識で回答しています。
今回、こんな問題を出したのには、非常に個人的な理由があります。
あまりに個人的なので、詳細はここには書きません。(自重しています)
ラテシンに登録した理由のひとつが「カレンダーが答えになる20の扉問題を出したい」だったことだけ明記しておきます。
20問出題(扉解禁)の道のりは長かったです。
これで思い残すことはありません。
いつでもラテシンを辞められる…ような……気が………す………す………するだろうか???
(いや、しないだろう。)
「【ラテクエ58リサイクル】お前はもう」「2ブックマーク」
あ
る病気により入院を余儀なくされたカメオは窓の外にある木を見て、「この木が枯れるときは私が死ぬだろう」と思いこんでしまいました。
しかし、その妻であるカメコは「枯れる前に彼は死ぬだろう」と思っています。
一体なぜ?
【ラテクエ58選考会、jikuuさんの作品】
る病気により入院を余儀なくされたカメオは窓の外にある木を見て、「この木が枯れるときは私が死ぬだろう」と思いこんでしまいました。
しかし、その妻であるカメコは「枯れる前に彼は死ぬだろう」と思っています。
一体なぜ?
【ラテクエ58選考会、jikuuさんの作品】
15年11月28日 14:44
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
【ウミガメのスープ】 [ツォン]
解説を見る
*カメオ自身には告知されていなかった自分の余命が半年だと不意に知ってしまったカメオ。
しかしその余命は、カメオが知る3ヶ月も前に妻カメコが聞いていたもの。
カメオが余命を知った時点では実は残り3ヶ月も無い。
------
ある日カメオは出しっぱなしだったカメコの日記を何の気なしに読み、自分がもうすぐ死ぬのだと気付いた。
-------
#red#カメオの余命半年だなんて、信じられない。嘘に決まってる。#/red#
-------
5月、新緑がめばえるころ。
カメオはすぐに入院を決めた。
青々とした木が目の前に見える個室をあてがわれたカメオは言った。
「なあ、俺、あの木が枯れて丸裸になる頃死ぬんだよな。
「ええ?なんでそうなるのよ?」
「…余命半年なんだろ。最近食後の薬の量が多いと思ってたんだ。」
「だから、何で急にそんなこと言うのよ。入院とかも級だったし。どうしちゃったの?」
「見たんだ、俺。お前の日記を。1週間前、余命半年だって書いてたやつをさ」
「!?」
「言い出せないよな、余命宣告なんて。<あなたは半年後に死にます>なんて言いたくないよな。ごめんな、気ぃ使わせて。」
「…もっと、もっと長く生きて欲しいけど。」
「…痛み、ひどいんだよ。飲み薬じゃもう、効かないんだよ。こうやってしゃべってるのも、やっとだ。お前遺してくのは嫌だけど、たぶん無理だよ。」
カメコは一言も返せずにいた。
もちろん、夫が自分の死を覚悟していることもショックだった。
しかし、それ以上に。
#red#余命宣告を受けたのは今年の2月#/red#だということが、カメコの声帯を締め付けていた。
同時に、明らかにつらそうだが、勤めて明るく振舞うカメオを見て、この勘違いを好都合とも捉えていた。
曰く
絶望に絶望を重ねてはいけない。
勘違いが、この人を一日でも長く生かすことになるかもしれないから、と。
しかしその余命は、カメオが知る3ヶ月も前に妻カメコが聞いていたもの。
カメオが余命を知った時点では実は残り3ヶ月も無い。
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ある日カメオは出しっぱなしだったカメコの日記を何の気なしに読み、自分がもうすぐ死ぬのだと気付いた。
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#red#カメオの余命半年だなんて、信じられない。嘘に決まってる。#/red#
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5月、新緑がめばえるころ。
カメオはすぐに入院を決めた。
青々とした木が目の前に見える個室をあてがわれたカメオは言った。
「なあ、俺、あの木が枯れて丸裸になる頃死ぬんだよな。
「ええ?なんでそうなるのよ?」
「…余命半年なんだろ。最近食後の薬の量が多いと思ってたんだ。」
「だから、何で急にそんなこと言うのよ。入院とかも級だったし。どうしちゃったの?」
「見たんだ、俺。お前の日記を。1週間前、余命半年だって書いてたやつをさ」
「!?」
「言い出せないよな、余命宣告なんて。<あなたは半年後に死にます>なんて言いたくないよな。ごめんな、気ぃ使わせて。」
「…もっと、もっと長く生きて欲しいけど。」
「…痛み、ひどいんだよ。飲み薬じゃもう、効かないんだよ。こうやってしゃべってるのも、やっとだ。お前遺してくのは嫌だけど、たぶん無理だよ。」
カメコは一言も返せずにいた。
もちろん、夫が自分の死を覚悟していることもショックだった。
しかし、それ以上に。
#red#余命宣告を受けたのは今年の2月#/red#だということが、カメコの声帯を締め付けていた。
同時に、明らかにつらそうだが、勤めて明るく振舞うカメオを見て、この勘違いを好都合とも捉えていた。
曰く
絶望に絶望を重ねてはいけない。
勘違いが、この人を一日でも長く生かすことになるかもしれないから、と。
「【1on1】松神のリベンジ1on1 vs.tosh」「2ブックマーク」
カメオは学校で愛しのカメコが悲しんだので、母に手を抜くように頼んだ。一体何故?
今回ツォンさんにspをしていただきました!
ツォンさんありがとうございました!
※この問題はtoshさんに初出題の問題をスナイプされた松神の恨m...じゃなくて感謝を込めた1on1です(º言º )
参加、質問はtoshさん限定でお願いします。
観戦などはご自由にどうぞ
問題に関する相談はコチラでお願いします↓
「問題を観戦する部屋」…ルームキー:観戦
http://sui-hei.net/secret/show/%E8%A6%B3%E6%88%A6
今回ツォンさんにspをしていただきました!
ツォンさんありがとうございました!
※この問題はtoshさんに初出題の問題をスナイプされた松神の恨m...じゃなくて感謝を込めた1on1です(º言º )
参加、質問はtoshさん限定でお願いします。
観戦などはご自由にどうぞ
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「問題を観戦する部屋」…ルームキー:観戦
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15年11月27日 21:01
【ウミガメのスープ】 [松神]
【ウミガメのスープ】 [松神]
解説を見る
カメコとカメオは幼馴染み、大の仲良しで
その上両想い...だが両方1歩踏み出せないせいで
未だに幼馴染み止まり...という2人である
そんな2人にある日悲劇が起こった
カメオが昼食を食べていた時のことである。
カメコが勇気を振り絞って一緒に食べようと話しかけてきたのだ。
カメオは勿論了承したかった...だがその日のお弁当は
母が愛情をたっぷり込めたハートマーク入り弁当だったのだ
カメオは当然抵抗しカメコを弁当から遠ざけようとする...
これがいけなかった。
カメコの視線も当然カメオの隠そうとする弁当箱へ向かい...
カメコ「カメオ君...そのお弁当...何?」( º言º)
カメオ「い、いや...これは...違うんだ!!」
おそらくカメコはカメオが食べている弁当を
カメオの彼女が作った物だとでも勘違いしたのだろう。
カメコ「カメオ君のバカ!!もう知らない!!」
その日からカメオは母の作った弁当に
ハートマークが入っていないかどうか
毎朝欠かさずチェックするようになった
母「折角愛情込めてるのに〜」
カメオ「だから手を抜けって言ってるんだよ!!」
その上両想い...だが両方1歩踏み出せないせいで
未だに幼馴染み止まり...という2人である
そんな2人にある日悲劇が起こった
カメオが昼食を食べていた時のことである。
カメコが勇気を振り絞って一緒に食べようと話しかけてきたのだ。
カメオは勿論了承したかった...だがその日のお弁当は
母が愛情をたっぷり込めたハートマーク入り弁当だったのだ
カメオは当然抵抗しカメコを弁当から遠ざけようとする...
これがいけなかった。
カメコの視線も当然カメオの隠そうとする弁当箱へ向かい...
カメコ「カメオ君...そのお弁当...何?」( º言º)
カメオ「い、いや...これは...違うんだ!!」
おそらくカメコはカメオが食べている弁当を
カメオの彼女が作った物だとでも勘違いしたのだろう。
カメコ「カメオ君のバカ!!もう知らない!!」
その日からカメオは母の作った弁当に
ハートマークが入っていないかどうか
毎朝欠かさずチェックするようになった
母「折角愛情込めてるのに〜」
カメオ「だから手を抜けって言ってるんだよ!!」
「妙な男に会って」「2ブックマーク」
妙な男だった。
俺が電車で小説を読んでいると、
譲ってくれと言って1万円を渡してくる。
悪いので食事でもどうだと聞くと、
逆に、奢るので飲みに行こうと言われてしまった。
三軒目のバーで正体を失いかけた男は、
饒舌になり自分の話をし始めた。
好きな女が居るが、
電話に出てくれないと言って泣いていた。
指をさして笑ってやると、
真剣に怒るので余計に笑えた。
「また会おう」
釣りが出るほどの飲み代と、
くしゃくしゃのメモを俺に渡すと
男は先に席を立った。
メモには電話番号と
『愛している マコトより と伝えてくれ』
というメッセージが書かれていた。
ストーカーかとも思ったが、
話した感じでは悪い奴ではなさそうだった。
手伝ってやろうと思い電話するが、
電源が入っていなかった。
数日後、留守電を確認して折り返しの電話があった。
女は男の恋人だと言う。
男の居場所を知らないか、という連絡だった。
数年前の話だ。
未だに男は見つかっていない。
男は、どんな状況にあったのか。
俺が電車で小説を読んでいると、
譲ってくれと言って1万円を渡してくる。
悪いので食事でもどうだと聞くと、
逆に、奢るので飲みに行こうと言われてしまった。
三軒目のバーで正体を失いかけた男は、
饒舌になり自分の話をし始めた。
好きな女が居るが、
電話に出てくれないと言って泣いていた。
指をさして笑ってやると、
真剣に怒るので余計に笑えた。
「また会おう」
釣りが出るほどの飲み代と、
くしゃくしゃのメモを俺に渡すと
男は先に席を立った。
メモには電話番号と
『愛している マコトより と伝えてくれ』
というメッセージが書かれていた。
ストーカーかとも思ったが、
話した感じでは悪い奴ではなさそうだった。
手伝ってやろうと思い電話するが、
電源が入っていなかった。
数日後、留守電を確認して折り返しの電話があった。
女は男の恋人だと言う。
男の居場所を知らないか、という連絡だった。
数年前の話だ。
未だに男は見つかっていない。
男は、どんな状況にあったのか。
15年11月03日 16:06
【ウミガメのスープ】 [瓜頭]
【ウミガメのスープ】 [瓜頭]
解説を見る
これは、何回目の「今日」だろうか。
俺は同じ1日を繰り返している。
24時になると、自分の家で目をさます時間へ巻き戻る。
一度ぼんやりして車に轢かれたが
どんな目に遭っても意識を失った瞬間、
いつも通り自分の家で間抜けに目をさます。
死ぬ事もできないのかもしれない。
せめて彼女の声が聞きたい。
こんな時に海外旅行とは運が悪い。
もっとちゃんと、行き先や行程を聞いておくんだった。
とにかく、人と話すのが正気を保つコツだと悟った。
適当な理由で良い。
不審な理由でも、金を渡せば大概付き合ってくれる。
どうせ「次の日」には財布も元に戻る。
いつか明日が来る。
絶対に諦めない。
彼女の声をまた聞くまでは。
俺は同じ1日を繰り返している。
24時になると、自分の家で目をさます時間へ巻き戻る。
一度ぼんやりして車に轢かれたが
どんな目に遭っても意識を失った瞬間、
いつも通り自分の家で間抜けに目をさます。
死ぬ事もできないのかもしれない。
せめて彼女の声が聞きたい。
こんな時に海外旅行とは運が悪い。
もっとちゃんと、行き先や行程を聞いておくんだった。
とにかく、人と話すのが正気を保つコツだと悟った。
適当な理由で良い。
不審な理由でも、金を渡せば大概付き合ってくれる。
どうせ「次の日」には財布も元に戻る。
いつか明日が来る。
絶対に諦めない。
彼女の声をまた聞くまでは。
「ウミガメのスープをどうぞ。」「2ブックマーク」
男はレストランでウミガメのスープを頼んだ。
そのスープを一口飲むと、男は店の人間を呼んで「これはウミガメのスープか?」と尋ねた。
気まずそうに「はい」といったその店員を、男は涙を流しながら思い切り引っぱたいた。
何故?
そのスープを一口飲むと、男は店の人間を呼んで「これはウミガメのスープか?」と尋ねた。
気まずそうに「はい」といったその店員を、男は涙を流しながら思い切り引っぱたいた。
何故?
15年10月31日 17:55
【ウミガメのスープ】 [竹雅]
【ウミガメのスープ】 [竹雅]
解説を見る
男はあるレストランの元料理長。
癌の末期患者だった男は抗がん剤治療を拒否、薬を用いた積極的安楽死を選んだ。
医師はそれを容認したが、こう尋ねた。
「君は何かやり残したことは無いのか?死ぬ前にやれることはやっておいた方がいい」
子も独立し妻も看取った男は特にやり残したことなど無いと思ったが、一つ思いついた。
それは自分の跡を継いだ現在の料理長の作るスープ。
覚えが悪く要領も悪いがただひたすらに真面目でひたむきだったあいつ。
何度も皿をひっくり返して説教してやったあいつはちゃんとやれているのか。
そして看護師に付き添われレストランに訪れた男はスープを頼んだ。
そして一口飲んで驚愕した。
今の料理長の作るスープはかつての男が作っていた頃より数段美味しいものだった。
しかも、ただ美味いだけでなく男の作ったスープを元に更に美味しくなるように作りこまれている。
そして、男はその料理長を呼んで「これはウミガメのスープか?」と尋ねた。
料理長はかつてのスパルタを思い出し、至らない点があったのかと恐怖しながら「はい」と答えるしかなかった。
しかし、それも杞憂に終わる。男は涙を流し笑いながら料理長の肩をばしばしと叩いた。
「俺の目に狂いは無かった!お前に料理長を任せて正解だったよ!」
料理長は一瞬ぽかんとしたが、すぐに目から涙を流しながら感謝の言葉を述べた。
男はそのスープをゆっくり味わい、料理長とひとしきり思い出話をすると、満足して店を後にしたのだった。
癌の末期患者だった男は抗がん剤治療を拒否、薬を用いた積極的安楽死を選んだ。
医師はそれを容認したが、こう尋ねた。
「君は何かやり残したことは無いのか?死ぬ前にやれることはやっておいた方がいい」
子も独立し妻も看取った男は特にやり残したことなど無いと思ったが、一つ思いついた。
それは自分の跡を継いだ現在の料理長の作るスープ。
覚えが悪く要領も悪いがただひたすらに真面目でひたむきだったあいつ。
何度も皿をひっくり返して説教してやったあいつはちゃんとやれているのか。
そして看護師に付き添われレストランに訪れた男はスープを頼んだ。
そして一口飲んで驚愕した。
今の料理長の作るスープはかつての男が作っていた頃より数段美味しいものだった。
しかも、ただ美味いだけでなく男の作ったスープを元に更に美味しくなるように作りこまれている。
そして、男はその料理長を呼んで「これはウミガメのスープか?」と尋ねた。
料理長はかつてのスパルタを思い出し、至らない点があったのかと恐怖しながら「はい」と答えるしかなかった。
しかし、それも杞憂に終わる。男は涙を流し笑いながら料理長の肩をばしばしと叩いた。
「俺の目に狂いは無かった!お前に料理長を任せて正解だったよ!」
料理長は一瞬ぽかんとしたが、すぐに目から涙を流しながら感謝の言葉を述べた。
男はそのスープをゆっくり味わい、料理長とひとしきり思い出話をすると、満足して店を後にしたのだった。