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ウミガメのスープ 本家『ラテシン』 
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書くまで死ねない「2ブックマーク」
カメオは、21歳でデビューしてから、81歳になった今でも、毎年精力的に本を出し続ける小説家だ。
恋愛小説から戦記物まで、児童書から盆栽ミステリーまで幅広くこなす彼に、編集者は言った。
「もう、世の中のすべてのジャンルの小説を書きつくしてしまったのでは?」
すると、カメオはこう答えた。
「いいや、実はまだ、書いたことのない小説が、二種類あるんだ」
「そんなものですか?」
「そうなんだよ」
「ふーん、そんなもんですか。それはそうと、明日締め切りですから、よろしくお願いしますよ」
編集者は驚いたが、原稿の催促も忘れない。
「ああ、任せておきたまえ」
鷹揚に返事をすると、小説家は原稿の執筆に戻った。

そして、その日の晩。
カメオは、自身がいまだ書いたことのなかった二種類の小説を抱いて死んでいた。
なぜ、彼はその二種類の小説を抱いて死ぬことができたのだろう?
なお、彼の筆は別に早くなく、一作品を一日で書き上げることは不可能である、ということを申し添えておこう。
16年03月09日 21:28
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]



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彼がいまだに書いたことがないと言っていた二つの小説とは、
「遺作」と「代表作」だ。
81歳のカメオは、自身の最後の原稿を書き上げ、感慨に耽っている内に、持病の発作で死んだ、と小説誌に追悼記事と共に発表された。
彼の遺作となった作品は、たちまち話題となり、多くの人の手に取られた。
彼の作品独特のふわりと包み込むような優しさはそのままに、鋭い感性は更に鋭さを増して人々の心の奥底まで照らし、手に汗握る冒険活劇も、頭を悩ませる謎も、心臓を高鳴らせるラブロマンスも、青春の悩みも煌めきもある、そんな作品だった。

数十年後
「はい、じゃあ、海原カメオの代表作が分かる人ー」
「はい! 『イシスの祈り』です!」
「正解です。海原カメオは、この作品を書き上げたすぐ後に亡くなったと言われているわ。最期まで、彼は小説を書き続けていたんですね」
先生の言葉を聞きながら、海原カメコは机の上の真っ白い原稿用紙に鉛筆を走らせる。自分とよく似た名前の小説家の伝説は、少女の書くことへの情熱を自然と高めていた。
友達は魔法使い「2ブックマーク」
私は魔法使いだ。
私が唯一使える魔法、それは、友達が増える魔法だ。

私が呪文を唱えると、相手は私と友達になりたくなる。
私は笑みを隠そうともせず、頭を下げて礼を言う。こんな私と友達になってくれてありがとう、と。

そして心の中で詫びた。
こんな呪文を唱えて悪かったと。

そして、私は相手が見えなくなったところでいつも泣くのだ。

何故だと思う?
16年07月02日 16:17
【ウミガメのスープ】 [風木守人]



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私は恋多き男だった。
一度人を好きになると、告白せざるを得なくなるほどに情熱を注ぐ。
いや、わかっているのだ。私はきっと、周囲からは軽い男だと勘違いされているのだろう。
私が好意を持った女性に告白すると、皆このように答えるのだ。

「貴方のこと、友達以上には思えないわ」
「ごめんなさい、友達でいましょう?」
「いやー、驚いたな。嬉しいよ、でもごめんな。俺はお前を友達以上には見れない」
「あなた友達、私も友達。おっけー?」

彼女たちは呪文のようにこう告げた。
お前を友達以上には見れないと。

まるで魔法でも使ったかのように、私の友達は増えていく。
これからも、ずっと。
掛け違えたボタン「2ブックマーク」
ウミコと結婚式を挙げた翌日、道端でばったりカメコと出会った。
カメコは僕の昔の恋人。もうきっぱり別れたはずなのに、彼女は僕のことを今でも思っていたようだ。
別れ際、カメコが僕の第二ボタンを手放さずにいるのに気付いた僕は#red#ウミコのもとを離れる#/red#決心をした。

別にカメコのことなんてちっとも好きじゃないのに、なぜ?
17年10月14日 22:17
【ウミガメのスープ】 [滝杉こげお]



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「ずっと好きだったのに」
家へと続く細い路地で僕の前に立ちふさがったカメコは僕をその切れ長の目でじっと見つめていた。

「キミとはきっぱり別れたはずだよ」
「でも、それでもカメオ君が好きなんだもん」
僕にしがみつくカメコ。僕は彼女を振りほどこうと彼女を突き飛ばす。


――ゴンッ

耳に届いた嫌な音。恐る恐る僕が振り返ると、カメコのその切れ長の目は見開き、虚空を見つめていた。
後頭部から滴る血液に僕はしりもちをつく。

「う、わああああああ」
どうする?
脳裏をかすめるのは結婚したばかりの妻ウミコの姿。
いま彼女を一人にするわけには……僕はとりあえずウミコの声を聴こうと胸元の携帯電話に手を伸ばす。

けれどもそこで僕は気づく。#b#第二ボタン#/b#がとれていることに。
きっとさっきのもみ合いでとれてしまったのだろう。僕は無心でボタンのありかを探す。

「まさか……」
何所を探してもボタンは見当たらない。僕の目が最後に止まったのは#red#固く握られたカメコの手#/red#。

僕のボタンには当然指紋等、僕を特定できる情報が刻まれているだろう。
カメコの拳が死後硬直により開かないことを確認した僕は#red#逃げることをあきらめ、警察に自首をする#/red#決心をしたのだ。


#b#要約解説#/b#:
僕はカメコを殺してしまう。その手に僕のボタンが握られていることに気付いた僕は
逃げることをあきらめ、警察に捕まる覚悟を決めたのだ。
一発アウト「2ブックマーク」
カナヅチのカメオ君は来週プールの25m測定があるので
日に日に顔色が悪くなるほど悩んでいました。

しかし当日、スイスイとプールを泳ぐカメオ君は
日頃顔色が悪かったことを思い出すと

絶望しました。(´;ω;`)

一体なぜ?
16年11月28日 20:26
【ウミガメのスープ】 [天童 魔子]



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悩み過ぎて夜なかなか眠れなかったカメオ君は
#red#目の下に真っ黒なクマ#/red#が出来ていたのです。


つまり今泳いでいるここは
#b#夢の中#/b#だと気付き
水に関する夢=おねしょを25m測定当日の朝にしてしまったのです。
心霊写真「2ブックマーク」
A先生は職員室で校長先生や他の先生達に一枚の写真を見せている。
「見てください!修学旅行で心霊写真が撮れたんですって!」
すると、職員室は笑いに包まれた。

なぜだろう?
16年07月21日 21:40
【ウミガメのスープ】 [SoMR]



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A先生のクラスの大人しいB君はいじめられていた。
無視されたり、いないものとして扱われ、幽霊と呼ばれていた。
修学旅行の集合写真が現像された時、クラスの1人が
「おい!いるはずのないヤツが写ってるぞ!幽霊が写ってる!心霊写真だ!」
と言い出すと、クラス中で
「きゃー怖い!」「お祓いしようぜ!」
など、B君が写ってる写真を心霊写真呼ばわりし、
騒ぎ始めた。
それを知ったA先生は、どう対処すべきか職員室の先生達に相談に行った。
「見てください!修学旅行で心霊写真が撮れたんですって!ええ、これです。
何の変哲も無い集合写真なのでどういう事かと生徒に詳しく聞いてみると、生徒の一人が幽霊扱いされていて、その生徒が写っている写真は心霊写真と呼ばれているんですって!
これは明らかに悪いいじめだと思います!」
しかし、いじめが学校に存在するという事実が騒ぎになると都合が悪い校長先生は一笑。
「ただの子供の遊びじゃないか」と笑い始めた。
それを見た他の先生達も校長先生に合わせねばと笑い始めた。