「恐怖する女と安堵する男」「24ブックマーク」
ある夜、女がその空間に足を踏み入れると、そこには何人かの人が既にいた。
女はしばしその空間で目を閉じ、眠りについた。
しばらくして目を覚ますと、女は自分に起きた幸運を喜んだ。
しかしその空間から出た直後、女は非常に驚き、軽い恐怖を覚えた。
同じ頃、男は安堵の息をもらした。
状況を補完してください。
女はしばしその空間で目を閉じ、眠りについた。
しばらくして目を覚ますと、女は自分に起きた幸運を喜んだ。
しかしその空間から出た直後、女は非常に驚き、軽い恐怖を覚えた。
同じ頃、男は安堵の息をもらした。
状況を補完してください。
13年03月10日 20:36
【ウミガメのスープ】 [兎]
【ウミガメのスープ】 [兎]
解説を見る
女は仕事を終え、疲れた表情でバスに乗り込んだ。運転手と乗客が数人いた。
その日女は疲れていたせいか、少しうとうとしてしまった。
「亀ケ丘一丁目、停車します。」
運転手のアナウンスに、ハッと目が覚めた。
誰かが降車ボタンを押してくれたらしく、寝過ごさずに済んでラッキー、と女はニヤリと笑ってバスを降りた。
しかし、女を降ろしてバスは扉を閉めて行ってしまった。
あれ?じゃあ誰がボタンを押してくれたの?ひょっとして幽霊?怖ー。女は身震いしながら家路についた。
同じ頃、バスに乗っていた一人の男は安堵の息をついていた。
「あぶねー。寝ぼけてて亀沼一丁目と聞き間違えて亀ケ丘一丁目でブザーを押してたよ。あそこで降りる人がいて本当に良かった。」
その日女は疲れていたせいか、少しうとうとしてしまった。
「亀ケ丘一丁目、停車します。」
運転手のアナウンスに、ハッと目が覚めた。
誰かが降車ボタンを押してくれたらしく、寝過ごさずに済んでラッキー、と女はニヤリと笑ってバスを降りた。
しかし、女を降ろしてバスは扉を閉めて行ってしまった。
あれ?じゃあ誰がボタンを押してくれたの?ひょっとして幽霊?怖ー。女は身震いしながら家路についた。
同じ頃、バスに乗っていた一人の男は安堵の息をついていた。
「あぶねー。寝ぼけてて亀沼一丁目と聞き間違えて亀ケ丘一丁目でブザーを押してたよ。あそこで降りる人がいて本当に良かった。」
「或る悪魔の憂鬱」「24ブックマーク」
とある国に、恐ろしい悪魔が住んでいた。
いくつもの恐ろしい魔術や、人並みはずれた力で人間をたびたび襲っていた。
そんな悪魔にも弱点はあったのだが、悪魔はそれを克服しようとはしなかった。
それは人間にも何かしらの対抗手段が無ければ面白くないから、弱い人間のために残してやろうという考えからだった。
しかし、結局人間のためにその弱点を克服することになった。
一体どうして?
三周年を記念して作りました。
自分でバースデーケーキ用意して祝うのっていいよねw
〜協力者〜
出題:ぼく
原案:私
問題文:I
解説文:我
最終チェック:わし
    
 
いくつもの恐ろしい魔術や、人並みはずれた力で人間をたびたび襲っていた。
そんな悪魔にも弱点はあったのだが、悪魔はそれを克服しようとはしなかった。
それは人間にも何かしらの対抗手段が無ければ面白くないから、弱い人間のために残してやろうという考えからだった。
しかし、結局人間のためにその弱点を克服することになった。
一体どうして?
三周年を記念して作りました。
自分でバースデーケーキ用意して祝うのっていいよねw
〜協力者〜
出題:ぼく
原案:私
問題文:I
解説文:我
最終チェック:わし
15年07月12日 23:19
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]

三周年記念。時間通り出そうと思ったけど二分ズレるこの残念さw
解説を見る
これはとある時代の、とある国でのお話です。
或るところに、それはそれは恐ろしい悪魔が住んでおりました。
悪魔はたびたび近くの里や、通りがかった人間を襲っていました。
悪魔は数々の魔術や、人並みはずれた力を持っており、とても人間が太刀打ち出来るものではありませんでした。
それでも、悪魔には一つだけ弱点がありました。
それが、十字架でございます。
悪魔は十字架を長い間見続ける事は出来ず、十字架が視界に入っているうちは力が弱くなってしまうのです。
ですがそれは、その悪魔にとっては克服しようと思えばある程度克服出来るものでもありました。
しかし、悪魔はその弱点を克服しようともせず、むしろ必要なものだと思っておりました。
自分はこれほどまでに強大で、恐ろしい力を持っているのだから人間にもこれくらいのチャンスがなければフェアではないし、なにより面白くない。
悪魔はそう思っていたのです。
悪魔には自信がありました。
そのような弱点があろうと。私が人に遅れをとるはずが無い。むしろ、程よいスリルを味わうための良いスパイスになるだろうと。
そしてそれはその通りでありました。
そんなある時、悪魔は寂れたボロボロの街道の端で、ひっそりと倒れている少女を見つけました。
その少女は端から見ても薄汚れており、その街道のようにボロボロの身なりで、死んでいるかのように横になっておりました。
「はー、……はー……」
彼女の、弱々しい息づかいが聞こえてきます。それは今にもぷっつりと途切れてしまいそうでした。
それを見て、悪魔はその少女を殺そうとも、見殺しにしようともせず、なぜか自分の住処に連れ帰って、少女を助けました。
暖かいスープとパンを、少女は涙ながらにほおばります。
なぜそんな行動をとったのか。それは悪魔本人にも分かりませんでした。
ですが、すぐにそんな事はどうでもよくなり、ある事を思いつきます。
「人間を一匹飼ってみるのも一興ではなかろうか」
その日から、悪魔は少女を育てる事にしました。
まあ厳密に言いますと、少女に館の清掃、食事の調理など身の回りの事をさせ、少女には物品の支給や寝床の提供など、雇う
ような形でしたが。
最初は飽きたら直ぐに追い出すなり殺すなりしようと考えていましたが、どうもそんな気にはならずに、そのままずるずると月日が流れてゆきました。
いつしか、少女は立派な淑女となっておりました。彼女は自身から喜んでその悪魔の面倒を見て、時には文句も言っていたりしました。
「いい加減、弱点も克服してくださいな。いつ討たれても私、知りませんからね」
「おお、討てるものなら討ってみるが良い」
そんなある時のことです。
それは突然のことでした。
拾ってきた、彼女が倒れたのです。
ベットで横になる彼女。
思えば、すくすくと伸びていた身長は拾って来たときと同じくらいの伸長になっており、キメの細かい肌は、いつしかしわが多くよっていました。
しかし、その原因が悪魔には分かりません。
悪魔は聞きました。
彼女は答えます。
「これは、老いです」
悪魔はまた聞きます。
「どうして、老いるのか」
「それは、私が人間だからでございます」
「老いた後、どうなる?」
「おそらく、あと幾ばくかもしないうちに死んでしまうでしょう」
それを聞いた悪魔はショックを受けます。悪魔は自身が長命の存在ですし、人間はこれまですぐに襲っていたので「老い」というのをよく知らなかったのです。
悪魔は慌てて聞きます。
「どうすれば、死を避けられる」
それに対し、彼女は微笑んで首を横に振り、ゆっくりと答えました。
「それは、出来ませんわ。人間は死を避けることは出来ないのです。だからこそ、人間なのです」
悪魔はそれを聞き、ふざけるなと怒って思わずその部屋から飛び出してしまいました。
落ち着いて、そして悪魔は気付きます。
彼女と暮らした日々が充実していたこと。そして、自身の中であの彼女の存在がこれほどまでに大きくなっていることに。
そして、初めて死が怖く、恐ろしいものであることにも気付きました。
悪魔は恐る恐ると少女の部屋に戻り、さっきのことを詫びました。
「何を謝ることがあるのですか」
少女はそう言うだけでした。
それから、今までよりも多くのときを悪魔は彼女と過ごしました。何気ない雑談ばかりでしたが、それまでの日々をさらに凝縮したように、充実しておりました。
そしてそれから幾ばくもしないうち。
彼女は眠るように息を引き取りました。
そして、それからさらに三年の月日が流れました。
「──十字架なんて、死ぬほどキライだけど、お前は人間だから、この方がいいのだろうな」
こぽり、と。
悪魔は目の前の十字架の墓地に水を注いでいました。
彼女をきちんと弔うため、そして命日などに会う為に、悪魔は十字架の弱点を克服していました。
7月12日。この日だけは悪魔は大嫌いな十字架を前に彼女に、そしてこれまた大嫌いなはずの神に祈りを捧げるのです。
その墓地は、今もその国の見晴らしがよい岬にひっそりと建っているそうです。
〈要約〉
十字架が弱点だったが、人間の彼女を弔い、そしてお参りする為に十字架の弱点を克服した。
或るところに、それはそれは恐ろしい悪魔が住んでおりました。
悪魔はたびたび近くの里や、通りがかった人間を襲っていました。
悪魔は数々の魔術や、人並みはずれた力を持っており、とても人間が太刀打ち出来るものではありませんでした。
それでも、悪魔には一つだけ弱点がありました。
それが、十字架でございます。
悪魔は十字架を長い間見続ける事は出来ず、十字架が視界に入っているうちは力が弱くなってしまうのです。
ですがそれは、その悪魔にとっては克服しようと思えばある程度克服出来るものでもありました。
しかし、悪魔はその弱点を克服しようともせず、むしろ必要なものだと思っておりました。
自分はこれほどまでに強大で、恐ろしい力を持っているのだから人間にもこれくらいのチャンスがなければフェアではないし、なにより面白くない。
悪魔はそう思っていたのです。
悪魔には自信がありました。
そのような弱点があろうと。私が人に遅れをとるはずが無い。むしろ、程よいスリルを味わうための良いスパイスになるだろうと。
そしてそれはその通りでありました。
そんなある時、悪魔は寂れたボロボロの街道の端で、ひっそりと倒れている少女を見つけました。
その少女は端から見ても薄汚れており、その街道のようにボロボロの身なりで、死んでいるかのように横になっておりました。
「はー、……はー……」
彼女の、弱々しい息づかいが聞こえてきます。それは今にもぷっつりと途切れてしまいそうでした。
それを見て、悪魔はその少女を殺そうとも、見殺しにしようともせず、なぜか自分の住処に連れ帰って、少女を助けました。
暖かいスープとパンを、少女は涙ながらにほおばります。
なぜそんな行動をとったのか。それは悪魔本人にも分かりませんでした。
ですが、すぐにそんな事はどうでもよくなり、ある事を思いつきます。
「人間を一匹飼ってみるのも一興ではなかろうか」
その日から、悪魔は少女を育てる事にしました。
まあ厳密に言いますと、少女に館の清掃、食事の調理など身の回りの事をさせ、少女には物品の支給や寝床の提供など、雇う
ような形でしたが。
最初は飽きたら直ぐに追い出すなり殺すなりしようと考えていましたが、どうもそんな気にはならずに、そのままずるずると月日が流れてゆきました。
いつしか、少女は立派な淑女となっておりました。彼女は自身から喜んでその悪魔の面倒を見て、時には文句も言っていたりしました。
「いい加減、弱点も克服してくださいな。いつ討たれても私、知りませんからね」
「おお、討てるものなら討ってみるが良い」
そんなある時のことです。
それは突然のことでした。
拾ってきた、彼女が倒れたのです。
ベットで横になる彼女。
思えば、すくすくと伸びていた身長は拾って来たときと同じくらいの伸長になっており、キメの細かい肌は、いつしかしわが多くよっていました。
しかし、その原因が悪魔には分かりません。
悪魔は聞きました。
彼女は答えます。
「これは、老いです」
悪魔はまた聞きます。
「どうして、老いるのか」
「それは、私が人間だからでございます」
「老いた後、どうなる?」
「おそらく、あと幾ばくかもしないうちに死んでしまうでしょう」
それを聞いた悪魔はショックを受けます。悪魔は自身が長命の存在ですし、人間はこれまですぐに襲っていたので「老い」というのをよく知らなかったのです。
悪魔は慌てて聞きます。
「どうすれば、死を避けられる」
それに対し、彼女は微笑んで首を横に振り、ゆっくりと答えました。
「それは、出来ませんわ。人間は死を避けることは出来ないのです。だからこそ、人間なのです」
悪魔はそれを聞き、ふざけるなと怒って思わずその部屋から飛び出してしまいました。
落ち着いて、そして悪魔は気付きます。
彼女と暮らした日々が充実していたこと。そして、自身の中であの彼女の存在がこれほどまでに大きくなっていることに。
そして、初めて死が怖く、恐ろしいものであることにも気付きました。
悪魔は恐る恐ると少女の部屋に戻り、さっきのことを詫びました。
「何を謝ることがあるのですか」
少女はそう言うだけでした。
それから、今までよりも多くのときを悪魔は彼女と過ごしました。何気ない雑談ばかりでしたが、それまでの日々をさらに凝縮したように、充実しておりました。
そしてそれから幾ばくもしないうち。
彼女は眠るように息を引き取りました。
そして、それからさらに三年の月日が流れました。
「──十字架なんて、死ぬほどキライだけど、お前は人間だから、この方がいいのだろうな」
こぽり、と。
悪魔は目の前の十字架の墓地に水を注いでいました。
彼女をきちんと弔うため、そして命日などに会う為に、悪魔は十字架の弱点を克服していました。
7月12日。この日だけは悪魔は大嫌いな十字架を前に彼女に、そしてこれまた大嫌いなはずの神に祈りを捧げるのです。
その墓地は、今もその国の見晴らしがよい岬にひっそりと建っているそうです。
〈要約〉
十字架が弱点だったが、人間の彼女を弔い、そしてお参りする為に十字架の弱点を克服した。
「ヴェルタースオリジナル」「24ブックマーク」
男が買った目覚まし時計は安物だったせいですぐに壊れてしまったが
時計を捨ててしまった今でも、その時計の部品の一つを大切に保管している。
使う予定があるわけでも愛着があるわけでもないが、一体何故だろうか?
    
時計を捨ててしまった今でも、その時計の部品の一つを大切に保管している。
使う予定があるわけでも愛着があるわけでもないが、一体何故だろうか?
16年01月24日 01:16
【ウミガメのスープ】 [なさ]
【ウミガメのスープ】 [なさ]
解説を見る
ふと床を見ると何かの部品が落ちていた。
これは先日壊れて捨ててしまった目覚まし時計の内部部品の一つなのだが
男は、これが一体何の部品なのか皆目見当もついていない。
捨てようにも、もし何かの機械の重要な部品だったらどうしようという不安が拭いきれないため
使う予定も愛着もないが大切に保管しているのだ。
これは先日壊れて捨ててしまった目覚まし時計の内部部品の一つなのだが
男は、これが一体何の部品なのか皆目見当もついていない。
捨てようにも、もし何かの機械の重要な部品だったらどうしようという不安が拭いきれないため
使う予定も愛着もないが大切に保管しているのだ。
「あの素晴らしい詐欺をもう一度」「23ブックマーク」
 昨日の夜、4000円しか払う必要が無かったのに6000円払わされた男。
#b#騙されたことを知り、次も6000円払おうと思った。#/b#
騙したことを咎めるつもりはない。#b#だって損をしていないのだから。#/b#
どういうことだろう。
#b#騙されたことを知り、次も6000円払おうと思った。#/b#
騙したことを咎めるつもりはない。#b#だって損をしていないのだから。#/b#
どういうことだろう。
16年01月15日 22:52
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]
【ウミガメのスープ】 [ひゅー]
解説を見る
 #b#~合コンにて~#/b#
カメオ「#b#じゃあ今日はお開きで。女性は3000円、男性は6000円ね。#/b#」
男(あれ…なんか高くないか?)
女性陣「ワリカンじゃなくていいの?ありがとー!」
--------------------------------
カメオ「昨日はお疲れさま。#b#2000円返すよ。#/b#」
男「え、どうして?」
カメオ「#b#ホントは4000円しか払う必要がなかったんだ。#/b#
#b#でも女3000円と男4000円じゃほとんどワリカンだろ?#/b#
#red#ちょっと見栄を張れるようにわざと6000円払わせたんだよ。#/red#」
男「お前ちょっとずるいわ…
でもそれいいな。次もよろしく頼むよ。」
#b#FA条件#/b#
#b#① 合コンにおいて、女性の前で高く払っているようにみせかける#/b#
#b#② 差額の2000円は返ってくる#/b#
カメオ「#b#じゃあ今日はお開きで。女性は3000円、男性は6000円ね。#/b#」
男(あれ…なんか高くないか?)
女性陣「ワリカンじゃなくていいの?ありがとー!」
--------------------------------
カメオ「昨日はお疲れさま。#b#2000円返すよ。#/b#」
男「え、どうして?」
カメオ「#b#ホントは4000円しか払う必要がなかったんだ。#/b#
#b#でも女3000円と男4000円じゃほとんどワリカンだろ?#/b#
#red#ちょっと見栄を張れるようにわざと6000円払わせたんだよ。#/red#」
男「お前ちょっとずるいわ…
でもそれいいな。次もよろしく頼むよ。」
#b#FA条件#/b#
#b#① 合コンにおいて、女性の前で高く払っているようにみせかける#/b#
#b#② 差額の2000円は返ってくる#/b#
「海辺の少女」「23ブックマーク」
少女の母親が死んだとき、少女は深く悲しんだ。
次に、少女の父親が死んだときは、それほどまでには悲しまなかった。
しかし、父親が死んだ次の朝、海辺に打ち上げられたボトルの中身を見たとき彼女はその場で泣き崩れた。
    
次に、少女の父親が死んだときは、それほどまでには悲しまなかった。
しかし、父親が死んだ次の朝、海辺に打ち上げられたボトルの中身を見たとき彼女はその場で泣き崩れた。
15年09月11日 18:23
【ウミガメのスープ】 [karnel]
【ウミガメのスープ】 [karnel]
解説を見る
母親が死んだあと、少女は毎朝、天国の母親あての手紙をビンに入れ海へと流していた。驚いたことに、そうすると次の日の朝には返事が流れついてるのである。
父親が死んだ日は、それほど悲しくなかった。
「お父さんと会えなくなってしまったとしても、あの海に手紙を流せばお話できるんだ。」
次の日の朝、新しい手紙を持って海辺に行くと、ボトルが流れついていた。中身は母親からの返事ではなく、自分が流した手紙である。
実は、朝にビンを流すと、潮流の関係で夜には再び元の海辺へと戻ってくるのだ。今まで母親からの返事だと思っていたものは、夜中にボトルを回収した父親が書いていたものであった。
そのことに気づいたとき、少女はいっぺんに両親を亡くしたように感じ、その場に泣き崩れた。
父親が死んだ日は、それほど悲しくなかった。
「お父さんと会えなくなってしまったとしても、あの海に手紙を流せばお話できるんだ。」
次の日の朝、新しい手紙を持って海辺に行くと、ボトルが流れついていた。中身は母親からの返事ではなく、自分が流した手紙である。
実は、朝にビンを流すと、潮流の関係で夜には再び元の海辺へと戻ってくるのだ。今まで母親からの返事だと思っていたものは、夜中にボトルを回収した父親が書いていたものであった。
そのことに気づいたとき、少女はいっぺんに両親を亡くしたように感じ、その場に泣き崩れた。












