「高めが良いよね」「4ブックマーク」
浅利は、自宅の扇風機が壊れた為、新たな扇風機を購入した。
もう壊れないようにと、値段も高めのものを選んだのだが、
スイッチをいれると、浅利は後悔した。
何故?
もう壊れないようにと、値段も高めのものを選んだのだが、
スイッチをいれると、浅利は後悔した。
何故?
15年08月20日 20:37
【ウミガメのスープ】 [SNC]
【ウミガメのスープ】 [SNC]
実はタイトルもちょっとだけヒントだったりする。
解説を見る
実は前の扇風機は、リモコンが壊れていた。
だが、背の低い浅利は、壁の高いところに据え付けられている扇風機には手が届かない。
故に確かめられない。
なのでてっきり扇風機本体が壊れたものと思っていた。
だが、高めの扇風機には、リモコンが付属していた。
スイッチを押すと周波数が同じだったため#red#前の扇風機も起動#/red#した。
壊れていない扇風機。
買う意味のない扇風機。
それらに囲まれた浅利は、後悔し、牛乳をがぶ飲みしようと思った。
*要約*
浅利はリモコンの壊れた扇風機を、本体が壊れたものと思い込み、新たな扇風機を購入。
だが高価な扇風機に付属していたリモコンを使うと元のものも起動、壊れていなかったと気付き、後悔した。
だが、背の低い浅利は、壁の高いところに据え付けられている扇風機には手が届かない。
故に確かめられない。
なのでてっきり扇風機本体が壊れたものと思っていた。
だが、高めの扇風機には、リモコンが付属していた。
スイッチを押すと周波数が同じだったため#red#前の扇風機も起動#/red#した。
壊れていない扇風機。
買う意味のない扇風機。
それらに囲まれた浅利は、後悔し、牛乳をがぶ飲みしようと思った。
*要約*
浅利はリモコンの壊れた扇風機を、本体が壊れたものと思い込み、新たな扇風機を購入。
だが高価な扇風機に付属していたリモコンを使うと元のものも起動、壊れていなかったと気付き、後悔した。
「動けないデブ」「4ブックマーク」
肥満体型の男がいた。
その男はある運動が大嫌いで、許せないほど憎いらしい。
その運動とは何か。
その男はある運動が大嫌いで、許せないほど憎いらしい。
その運動とは何か。
16年06月17日 05:13
【ウミガメのスープ】 [めかぶ昆布]
【ウミガメのスープ】 [めかぶ昆布]
運動嫌い集合!!
解説を見る
視界の端で規則的にガタガタと揺れる脚。
肥「おい、 #b#貧乏揺すり#/b# やめてくれよ。気が散るだろ」
友「あ、悪い悪い。つい癖でなぁ…」
貧乏揺すりでした…。
肥「おい、 #b#貧乏揺すり#/b# やめてくれよ。気が散るだろ」
友「あ、悪い悪い。つい癖でなぁ…」
貧乏揺すりでした…。
「【何故?】」「4ブックマーク」
な#big5#ぜ#/big5#
#big5#なのだろうか?#/big5#
#big5#なのだろうか?#/big5#
16年03月29日 13:52
【新・形式】 [かもめの水平さん]
【新・形式】 [かもめの水平さん]
解説を見る
な#big5#ぜ 【かもめの水平さん】#/big5#
#big5#なのだろうか?#/big5#
と#red#1行目から続けて名前まで読み2行目に続けると問題文が浮かび上がる#/red#
そして、何故かというと、旧100の質問や、出題時プロフには載せていますが
【童謡『かもめの水兵さん』を文字ったものだからである】
#big5#なのだろうか?#/big5#
と#red#1行目から続けて名前まで読み2行目に続けると問題文が浮かび上がる#/red#
そして、何故かというと、旧100の質問や、出題時プロフには載せていますが
【童謡『かもめの水兵さん』を文字ったものだからである】
「Live voice」「4ブックマーク」
レコーダーから聞こえてきた音は、女の笑い声であった。
その声が幽霊のものではないと分かったのに、男は背筋が凍る思いをした。
状況を説明してください。
その声が幽霊のものではないと分かったのに、男は背筋が凍る思いをした。
状況を説明してください。
16年03月16日 00:26
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
【ウミガメのスープ】 [ノックスR]
ライナー&シンディの冒険その2
解説を見る
暦の上ではもう春も間近だという時期であるのに、どうもそんな気がしない。未だにこんなに薄ら寒く感じるのは、この深夜二時──俗にいう丑三つ時の時間帯であるせいか、はたまたこの場所のせいか……。
私、ライナーは無意識に左腕をさすりながら手に持つ懐中電灯で辺りを照らし出した。
両脇は鬱蒼とした木々が立ち並んでいる。昼間だったら、もしかしたら自然の雄大さの一つでも感じることが出来るのかもしれない。しかし、光が足りないとこれだ。まるで酸素の代わりに何か嫌な気でも出しているように思われる。
緩慢とした動作で、再び懐中電灯を足下から先へ戻す。
足下の地面はコンクリートで舗装されている。しかしその無機質な道は、少し先を行ったところで暗闇に飲み込まれてしまっていた。
──それは、古いトンネルであった。外観で、かなり昔に古い技法で作られたものだということは容易に想像できる。
私は懐中電灯の角度を少し変え、トンネルを重点的に照らし出したが、やはり奥の方までは見えなかった。
私は息を一つついて呟くように『相棒』へ話しかけた。
「……なあ、シンディ。ここが、君が言っていた、ええと、その──」
「旧海亀トンネル」
隣で、同じように懐中電灯を持ちながら、楽しそうにしていたシンディは鼻歌を止めてそう答えた。
逆向きに被った緑のハンチング帽に黒のサスペンダー。半分まくった冴えないシャツまで普段通りであった。
「寒くないのかい?」
「子供は風の子っていうじゃない」
「君、歳いくつだっけ?」
「気持ちはまだ忘れてないよ」
へえ、と思わず苦笑するがシンディはそんなことは意に介さず話題を戻した。
「それはそうと。君、ちゃんとここがどういう場所か、なんで私達がここにいるのかは理解しているかな?」
「そうだな」
私は再び、大きく息をついた。
「休暇中でくつろいでたところに、毎度のごとく突如として押し掛けて来て、『ここへいくよ』と半ば無理矢理引っ張りだされ、慣れない道を車で運転していた時に隣で早口でまくしたてられて得たくらいの知識ならあるかな」
「おや、じゃあ十分だね」
「ああ、完璧だ。だがいくつか質問もいいかい?」
シンディはくすりと笑い、「なんだい?」とこたえた。
「ええと……ここでは心霊現象を暴くんだよな?」
「そう!」
シンディは高らかと声を上げた。目は心なしかきらりと輝いている。
「ここは最近なぜか急浮上してきたオカルトスポットでね。夜になると誰もいないトンネルの中から幽霊の声が聞こえるというんだよ」
「それでその謎を暴こうと」
「もちろん!」
「よし、謎は解けた。ここのトンネルに会話機能がついたんだよ」
「ないだいそりゃ」
「車も自動で走ろうかという時代だ。トンネルが自動で喋ったとしてもなんら不思議はないだろ」
「まさに『自動車』だね──って違う! もう、なんでそんな投げやりなのさ!」
シンディは頬をぷくりと膨らませたが、ふとはっとしたリアクションを見せると、とたんにニヤニヤと小馬鹿にしたような笑顔になった。
「あーそっかー。ライナー君、怖いんだー。そっか、それじゃあ無理に行かせるのは可哀想だねー」
人の精神をこれほどまでに逆なでさせるようなトーンがあることをライナーは初めて知った。とはいえ……ここで腹を立てて反論すれば、それこそシンディの思うつぼである。巧く切り返せれば早く帰れるかもしれない。ここ最近で、こいつの扱い方もようやっと心得てきた。
「そうだな。今まで隠していたけど、実は俺、怖いの嫌いなんだよ。だから今日のところはかえ──」
「ほら、早く行くよ」
「聞いてたか、俺の話を!?」
「お化けが恐いのは、まだ一度もあったことがないからだよ。実際に会ってみたら可愛くて、一目惚れしてファンになっちゃうかもよ?」
「取り憑かれたの間違いだろ、それ」
結局は逃げることは出来そうにないな──。そう観念して大きく息をつき、シンディの後をついていこうとしたその時だった。
不意に、シンディがその歩みを止めた。
いや、シンディだけでなく、俺もその足を止めていた。最初に言っておくと、止めたくて止めたわけではない。
予定外のことが起こると、人というものは案外簡単に思考停止を起こし、一瞬にしろ何も行動することが出来なくなるということをこれまでの経験から十分知っている。今回も『これ』であった。
ふぃう、と一段と冷たい風が私達のところからトンネルへと向かって吹き抜けていく。
ざあ、と周囲の木々が不気味な歌を奏でていく。
そんな雑音に逆行するように、『それ』は確かにトンネル内から聞こえてきた。
『…………ケテ……タス……ケ…………タスケテ……』
「な、なあ、これ……」
「しっ」
シンディが素早く人差し指を唇へと当て、その先を制す。その時であった。
『ウ……ウオオオオオオオオオオォォォォぉ!!!!』
「っ!」
「キャッ……!」
一段と大きい声と、風。
それらは十秒と経たずに途切れ、全てを闇が飲み込んだかのように再びしんとした静寂が辺りを包んだ。
思わず、二人は顔を見合わせる。
シンディは最初、引きつった表情を浮かべていたが、私の顔を見て、やがてきゅっと唇を引き結んだ。
「……行くよ、ライナー君」
これでは、いくら帰ろうと言っても聞かないだろう。それに私自身、先程の声が気になっていた。そう、声だった。人以外の動物の声や、何かの無機物が発した音でもない。明らかに、人が発した、男の声であった。
私は息をつくと、一回ゆっくりと頷いた。
トンネルは思ったより小さいものであった。確かに暗いが、少しの時間をかければ細かく調べることも可能であろう。
とりあえず、人はいなかった。
「先に入った誰かが助けを求めているわけではなかったか……」
ふむ、と辺りを見回す。ぼろぼろのトンネルの外壁はいたるとことでひび割れを起こしている。もしかしたら近々崩壊するのではないかとも思えて、正直、私としてはそちらの方が怖かった。
しかし、どうも相方の方はそこまで目が回っていないようだ。
ちらりとシンディの方を見ると、シンディはその目にうっすらと涙を浮かべて、私のスーツの端を空いている方の右手でしっかりと握っていた。
「まさかとは思うが、シンディ。君、恐がりだろ」
するとシンディはビクッと一回肩をふるわせた後、大仰に首を横へと振った。「は、はは……何を馬鹿なことを言っているんだい、ライナー君! そ、そんな、臆病な生娘でもあるまいし……」
「ならシワになるからスーツ離しなさい」
「こっ、これはライナー君が怖がらないようにだね……」
ここで日頃の恨みを晴らすのもいいが、そうなると後が怖いな。
そう思ったのと、胸からわき上がる良心の呵責というものが私をネタばらしさせようという気になった。
実際に助けを要請している生きた人間がいなかったとしたら、次に可能性が高いのはこれだ。
「見てくれ。シンディ」
「……なぁに?」
端からチラリと盗み見るようにしていたシンディだったが、それを認めた瞬間、私を押しのけてそこへと近寄った。まったく、現金なものだ。
「これって……」
そこには、スピーカーとレコーダーがひびの隙間に挟み込まれていた。しかもご丁寧に、このトンネルの肌と近い色のテープでカモフラージュしている。恐らくタイマーかなんかの仕掛けを使って定時に再生されるようになっているのだろう。
実際の生きた人間でない以上、次に可能性が高いのは当然、そういうことだ。
誰かの手による、イタズラ──。
シンディもすぐにそのことに気づき、「くーっ」と悔しそうな声を上げるとそのレコーダーを取り出して一気に立ち上がった。
全く、はた迷惑なものである。そんな奴らのせいで今回、私の睡眠時間が削られたのだといっても過言ではなかろう。
まあ、シンディの場合、悔しく感じる原因はそれだけではないだろうが……。
そう内心苦笑しているとシンディは「もう、帰るよ!」とレコーダーをポケットに入れて私の手を引き始めた。心なしか、顔はほんの少々赤くなっている。
まあ、この表情が見れただけでもここに来たかいはあったな。
私は心の中で一人そう満足するのであった。
「あー、もう! イタズラだったか!」
帰りの車中の中、シンディは車に乗り込むと同時にそう声を上げた。
「本物がよかったのかい?」
「当然!」
その威勢を先程のトンネル内でも見せて欲しかったが。
「……なにさ」
「いや、お化け怖いと言いながら、ホラー映画を見る人のことについてちょっと考え事を」
「どれ、どーいう意味さ」
シンディがそう恨めしげににらむが、どうにも負の感情は湧いてこない。
まあいいか。そう思って、車のエンジンをかけた。
それと同時に、シンディは悔しそうにレコーダーを見つめながら再生ボタンを押した。
「……え?」
そのレコーダーから聞こえてきた音。それは『女の笑い声』だった。
「あ、あはは……全く、こんなパターンもあったんだ」
震える声でシンディはそう言ったが、そのレコーダーにはそれしか録音されていなかった。
「ほ、他にレコーダーが仕組まれてたのかもね……」
シンディはそう続けたが、詳しく調べた私にはその答えが分かっていた。
答えはNOだ。
そもそもカモフラージュしていたとはいえ、少し冷静に見ればレコーダーの存在はすぐに分かる。暗いとはいえ念入りに調べた。
しかし、『それ一個』しかイタズラの痕跡は見つからなかったのだ。
そのことを、シンディもどうやら私の表情から察したようだった。
「……え?」
もちろん、先程聞いた「声」は笑い声でもなければまして女性のものでもなかった。確かに、低い男性の声であった。
じゃあ、アレはどうやって……?
その時、再びトンネルから『声』が聞こえてきた──。
よい子の簡易解説
心霊現象の声を聞いた二人。するとライナー君が詳しく調べて、一個だけレコーダーを見つけて、イタズラだと結論したよ!
でも、レコーダーに入っていたのは全く別の声だったんだ!
さっきの声は何だったんだろーねー? 不思議だねー?
(一応、男=ライナーです。恐がりめー)
私、ライナーは無意識に左腕をさすりながら手に持つ懐中電灯で辺りを照らし出した。
両脇は鬱蒼とした木々が立ち並んでいる。昼間だったら、もしかしたら自然の雄大さの一つでも感じることが出来るのかもしれない。しかし、光が足りないとこれだ。まるで酸素の代わりに何か嫌な気でも出しているように思われる。
緩慢とした動作で、再び懐中電灯を足下から先へ戻す。
足下の地面はコンクリートで舗装されている。しかしその無機質な道は、少し先を行ったところで暗闇に飲み込まれてしまっていた。
──それは、古いトンネルであった。外観で、かなり昔に古い技法で作られたものだということは容易に想像できる。
私は懐中電灯の角度を少し変え、トンネルを重点的に照らし出したが、やはり奥の方までは見えなかった。
私は息を一つついて呟くように『相棒』へ話しかけた。
「……なあ、シンディ。ここが、君が言っていた、ええと、その──」
「旧海亀トンネル」
隣で、同じように懐中電灯を持ちながら、楽しそうにしていたシンディは鼻歌を止めてそう答えた。
逆向きに被った緑のハンチング帽に黒のサスペンダー。半分まくった冴えないシャツまで普段通りであった。
「寒くないのかい?」
「子供は風の子っていうじゃない」
「君、歳いくつだっけ?」
「気持ちはまだ忘れてないよ」
へえ、と思わず苦笑するがシンディはそんなことは意に介さず話題を戻した。
「それはそうと。君、ちゃんとここがどういう場所か、なんで私達がここにいるのかは理解しているかな?」
「そうだな」
私は再び、大きく息をついた。
「休暇中でくつろいでたところに、毎度のごとく突如として押し掛けて来て、『ここへいくよ』と半ば無理矢理引っ張りだされ、慣れない道を車で運転していた時に隣で早口でまくしたてられて得たくらいの知識ならあるかな」
「おや、じゃあ十分だね」
「ああ、完璧だ。だがいくつか質問もいいかい?」
シンディはくすりと笑い、「なんだい?」とこたえた。
「ええと……ここでは心霊現象を暴くんだよな?」
「そう!」
シンディは高らかと声を上げた。目は心なしかきらりと輝いている。
「ここは最近なぜか急浮上してきたオカルトスポットでね。夜になると誰もいないトンネルの中から幽霊の声が聞こえるというんだよ」
「それでその謎を暴こうと」
「もちろん!」
「よし、謎は解けた。ここのトンネルに会話機能がついたんだよ」
「ないだいそりゃ」
「車も自動で走ろうかという時代だ。トンネルが自動で喋ったとしてもなんら不思議はないだろ」
「まさに『自動車』だね──って違う! もう、なんでそんな投げやりなのさ!」
シンディは頬をぷくりと膨らませたが、ふとはっとしたリアクションを見せると、とたんにニヤニヤと小馬鹿にしたような笑顔になった。
「あーそっかー。ライナー君、怖いんだー。そっか、それじゃあ無理に行かせるのは可哀想だねー」
人の精神をこれほどまでに逆なでさせるようなトーンがあることをライナーは初めて知った。とはいえ……ここで腹を立てて反論すれば、それこそシンディの思うつぼである。巧く切り返せれば早く帰れるかもしれない。ここ最近で、こいつの扱い方もようやっと心得てきた。
「そうだな。今まで隠していたけど、実は俺、怖いの嫌いなんだよ。だから今日のところはかえ──」
「ほら、早く行くよ」
「聞いてたか、俺の話を!?」
「お化けが恐いのは、まだ一度もあったことがないからだよ。実際に会ってみたら可愛くて、一目惚れしてファンになっちゃうかもよ?」
「取り憑かれたの間違いだろ、それ」
結局は逃げることは出来そうにないな──。そう観念して大きく息をつき、シンディの後をついていこうとしたその時だった。
不意に、シンディがその歩みを止めた。
いや、シンディだけでなく、俺もその足を止めていた。最初に言っておくと、止めたくて止めたわけではない。
予定外のことが起こると、人というものは案外簡単に思考停止を起こし、一瞬にしろ何も行動することが出来なくなるということをこれまでの経験から十分知っている。今回も『これ』であった。
ふぃう、と一段と冷たい風が私達のところからトンネルへと向かって吹き抜けていく。
ざあ、と周囲の木々が不気味な歌を奏でていく。
そんな雑音に逆行するように、『それ』は確かにトンネル内から聞こえてきた。
『…………ケテ……タス……ケ…………タスケテ……』
「な、なあ、これ……」
「しっ」
シンディが素早く人差し指を唇へと当て、その先を制す。その時であった。
『ウ……ウオオオオオオオオオオォォォォぉ!!!!』
「っ!」
「キャッ……!」
一段と大きい声と、風。
それらは十秒と経たずに途切れ、全てを闇が飲み込んだかのように再びしんとした静寂が辺りを包んだ。
思わず、二人は顔を見合わせる。
シンディは最初、引きつった表情を浮かべていたが、私の顔を見て、やがてきゅっと唇を引き結んだ。
「……行くよ、ライナー君」
これでは、いくら帰ろうと言っても聞かないだろう。それに私自身、先程の声が気になっていた。そう、声だった。人以外の動物の声や、何かの無機物が発した音でもない。明らかに、人が発した、男の声であった。
私は息をつくと、一回ゆっくりと頷いた。
トンネルは思ったより小さいものであった。確かに暗いが、少しの時間をかければ細かく調べることも可能であろう。
とりあえず、人はいなかった。
「先に入った誰かが助けを求めているわけではなかったか……」
ふむ、と辺りを見回す。ぼろぼろのトンネルの外壁はいたるとことでひび割れを起こしている。もしかしたら近々崩壊するのではないかとも思えて、正直、私としてはそちらの方が怖かった。
しかし、どうも相方の方はそこまで目が回っていないようだ。
ちらりとシンディの方を見ると、シンディはその目にうっすらと涙を浮かべて、私のスーツの端を空いている方の右手でしっかりと握っていた。
「まさかとは思うが、シンディ。君、恐がりだろ」
するとシンディはビクッと一回肩をふるわせた後、大仰に首を横へと振った。「は、はは……何を馬鹿なことを言っているんだい、ライナー君! そ、そんな、臆病な生娘でもあるまいし……」
「ならシワになるからスーツ離しなさい」
「こっ、これはライナー君が怖がらないようにだね……」
ここで日頃の恨みを晴らすのもいいが、そうなると後が怖いな。
そう思ったのと、胸からわき上がる良心の呵責というものが私をネタばらしさせようという気になった。
実際に助けを要請している生きた人間がいなかったとしたら、次に可能性が高いのはこれだ。
「見てくれ。シンディ」
「……なぁに?」
端からチラリと盗み見るようにしていたシンディだったが、それを認めた瞬間、私を押しのけてそこへと近寄った。まったく、現金なものだ。
「これって……」
そこには、スピーカーとレコーダーがひびの隙間に挟み込まれていた。しかもご丁寧に、このトンネルの肌と近い色のテープでカモフラージュしている。恐らくタイマーかなんかの仕掛けを使って定時に再生されるようになっているのだろう。
実際の生きた人間でない以上、次に可能性が高いのは当然、そういうことだ。
誰かの手による、イタズラ──。
シンディもすぐにそのことに気づき、「くーっ」と悔しそうな声を上げるとそのレコーダーを取り出して一気に立ち上がった。
全く、はた迷惑なものである。そんな奴らのせいで今回、私の睡眠時間が削られたのだといっても過言ではなかろう。
まあ、シンディの場合、悔しく感じる原因はそれだけではないだろうが……。
そう内心苦笑しているとシンディは「もう、帰るよ!」とレコーダーをポケットに入れて私の手を引き始めた。心なしか、顔はほんの少々赤くなっている。
まあ、この表情が見れただけでもここに来たかいはあったな。
私は心の中で一人そう満足するのであった。
「あー、もう! イタズラだったか!」
帰りの車中の中、シンディは車に乗り込むと同時にそう声を上げた。
「本物がよかったのかい?」
「当然!」
その威勢を先程のトンネル内でも見せて欲しかったが。
「……なにさ」
「いや、お化け怖いと言いながら、ホラー映画を見る人のことについてちょっと考え事を」
「どれ、どーいう意味さ」
シンディがそう恨めしげににらむが、どうにも負の感情は湧いてこない。
まあいいか。そう思って、車のエンジンをかけた。
それと同時に、シンディは悔しそうにレコーダーを見つめながら再生ボタンを押した。
「……え?」
そのレコーダーから聞こえてきた音。それは『女の笑い声』だった。
「あ、あはは……全く、こんなパターンもあったんだ」
震える声でシンディはそう言ったが、そのレコーダーにはそれしか録音されていなかった。
「ほ、他にレコーダーが仕組まれてたのかもね……」
シンディはそう続けたが、詳しく調べた私にはその答えが分かっていた。
答えはNOだ。
そもそもカモフラージュしていたとはいえ、少し冷静に見ればレコーダーの存在はすぐに分かる。暗いとはいえ念入りに調べた。
しかし、『それ一個』しかイタズラの痕跡は見つからなかったのだ。
そのことを、シンディもどうやら私の表情から察したようだった。
「……え?」
もちろん、先程聞いた「声」は笑い声でもなければまして女性のものでもなかった。確かに、低い男性の声であった。
じゃあ、アレはどうやって……?
その時、再びトンネルから『声』が聞こえてきた──。
よい子の簡易解説
心霊現象の声を聞いた二人。するとライナー君が詳しく調べて、一個だけレコーダーを見つけて、イタズラだと結論したよ!
でも、レコーダーに入っていたのは全く別の声だったんだ!
さっきの声は何だったんだろーねー? 不思議だねー?
(一応、男=ライナーです。恐がりめー)
「間違い探し」「4ブックマーク」
新聞に良くある間違い探しをしては、
何かの使命感に駆られるように指摘する男。
よせばいいのに男は間違い探しに命までかけている。
男の知人たちが
「馬鹿じゃないのか」「やめた方がいい」と男に忠告しても
男はやめようとしない。
なぜ男は間違い探しをするのだろう?
【参加テーマ:好きな新聞記事やコーナーは?】
何かの使命感に駆られるように指摘する男。
よせばいいのに男は間違い探しに命までかけている。
男の知人たちが
「馬鹿じゃないのか」「やめた方がいい」と男に忠告しても
男はやめようとしない。
なぜ男は間違い探しをするのだろう?
【参加テーマ:好きな新聞記事やコーナーは?】
15年07月05日 21:39
【ウミガメのスープ】 [低空飛行便]
【ウミガメのスープ】 [低空飛行便]
間違いがあったら指摘していいんですよ……? 69杯目。
解説を見る
独裁者による恐怖政治がはびこる、とある国。
男はその国の国民だった。
その国では政府に都合の良いよう、#red#情報統制#/red#が敷かれていた。
当然#red#新聞に載っている情報も都合良くゆがめられている。#/red#
その新聞に載っている間違った情報を探しては、
間違っていると指摘し続ける男。
当然、当局に命を狙われたことは一度や二度ではない。
男の知人たちは男の命を心配し、
「馬鹿じゃないのか」「やめた方がいい」と忠告し続けた。
結果的にその国の独裁政治体制は破たんした。
男の勇気ある指摘が国際的な支持を集め、
国内の世論をも動かしたからだ。
男は世界から称賛された。
#red#間違いを探し、真実を語り続ける男として。#/red#
#b#一行解説:国の独裁政治体制にあらがうため。#/b#
男はその国の国民だった。
その国では政府に都合の良いよう、#red#情報統制#/red#が敷かれていた。
当然#red#新聞に載っている情報も都合良くゆがめられている。#/red#
その新聞に載っている間違った情報を探しては、
間違っていると指摘し続ける男。
当然、当局に命を狙われたことは一度や二度ではない。
男の知人たちは男の命を心配し、
「馬鹿じゃないのか」「やめた方がいい」と忠告し続けた。
結果的にその国の独裁政治体制は破たんした。
男の勇気ある指摘が国際的な支持を集め、
国内の世論をも動かしたからだ。
男は世界から称賛された。
#red#間違いを探し、真実を語り続ける男として。#/red#
#b#一行解説:国の独裁政治体制にあらがうため。#/b#