「座り続ける男」「1ブックマーク」
男
は座っている。
その場所に関する規則が書かれたものを、
何回も目にしながら。
男は座っている。
状況を説明してください。
は座っている。
その場所に関する規則が書かれたものを、
何回も目にしながら。
男は座っている。
状況を説明してください。
15年04月03日 23:25
【ウミガメのスープ】 [かきかき]
【ウミガメのスープ】 [かきかき]
解説を見る
男
の名前は「スープの男」
今は、ここ「ラテシン」に関する規則が書かれた
「利用規約」の下でずっと座っている。
ずっとスープを飲んでいる。
の名前は「スープの男」
今は、ここ「ラテシン」に関する規則が書かれた
「利用規約」の下でずっと座っている。
ずっとスープを飲んでいる。
「ファンです!」「1ブックマーク」
女はケーキを焼いたあと、
自分が不精者でラッキーだと思った。
状況を説明してください。
自分が不精者でラッキーだと思った。
状況を説明してください。
16年09月12日 22:22
【ウミガメのスープ】 [しらこポン酢]
【ウミガメのスープ】 [しらこポン酢]
解説を見る
女は彼氏の誕生日に手作りケーキを焼いたのだが、
オーブンの火力が弱く思ったより時間がかかってしまった。
デートに遅れては困ると思った女は急いでケーキを冷ますために、
夏が終わったあとも置きっぱなしていた扇風機を使ったのだ。
その間部屋には美味しそうなチーズの匂いが漂っていましたとさ。
オーブンの火力が弱く思ったより時間がかかってしまった。
デートに遅れては困ると思った女は急いでケーキを冷ますために、
夏が終わったあとも置きっぱなしていた扇風機を使ったのだ。
その間部屋には美味しそうなチーズの匂いが漂っていましたとさ。
「泣けてくるお寿司」「1ブックマーク」
『退院祝いにあなたの大好きなお寿司を用意してるからね。』
妻と電話でのやり取りをした後、男はすぐさま帰宅した。
家に着きリビングへ向かうと、妻は先に寿司を食べていた。
「あっおかえりー、美味しそうだったから我慢できなくて先に食べちゃった。ごめんなさいね。」
男は膝から崩れ落ち、泣いた。
どういうことだろう?(状況を説明してください)
妻と電話でのやり取りをした後、男はすぐさま帰宅した。
家に着きリビングへ向かうと、妻は先に寿司を食べていた。
「あっおかえりー、美味しそうだったから我慢できなくて先に食べちゃった。ごめんなさいね。」
男は膝から崩れ落ち、泣いた。
どういうことだろう?(状況を説明してください)
15年01月23日 23:06
【ウミガメのスープ】 [コウCHA]
【ウミガメのスープ】 [コウCHA]
今年初、というか、去年6月1日以来の出題。
解説を見る
2ヶ月前、妻が交通事故に遭って、意識不明のまま病院に運ばれた。
担当医が尽力を尽くしてくれたお陰で、外傷は全く目立たなくなったのだが、意識は戻らない状態が続いた。
担当医「最善を尽くしましたが、予断を許さない状態です。奇跡的に意識が戻ったとしても、何らかの後遺症が残る場合もあります。」
男は担当医の言葉を聞いて絶望を感じたが、意識が戻らない嫁の為にと毎日帰社後にお見舞いへ向かう等、とにかく尽力を尽くした。
2ヶ月程で奇跡的に意識が戻り、リハビリでの回復も著しく早く、想定よりずっと早い時期に退院することが出来た。
退院して数日後、つまり現在となるわけだが、定時前の男の携帯電話に妻から電話が掛かってきた。
妻『退院祝いにあなたの大好きなお寿司を用意してるからね。』
男『うん?俺の好きなお寿司って、#b#ちらし寿司#/b#頼んだの?』
妻『ううん、あなたには入院の間に迷惑を掛けていたから恩返ししなくちゃって思って、作っちゃいましたw』
男『おいおい、病み上がりなのに無茶しないでくれぇ、何かあったらどーすんの・・・、分かった。もうすぐ帰るから待っててくれ。』
妻と電話でのやり取りをした後、残った要件をさっさと済ませ、定時で帰宅した。
帰宅から20分ぐらいで家に着き、リビングへ向かうと、妻は先に寿司を食べていた。
妻「あっおかえりー、美味しそうだったから我慢できなくて先に食べちゃった。ごめんなさいね。」
男はそれを見て愕然とした。酢飯に#red#細かく刻んだ折込チラシが入っている#/red#得体の知れないものを、妻が美味しそうに食べていたからだ。
男「・・・何、それ・・・?」
妻「何って?#red#チラシ寿司#/red#だよ。」
男「いや、なんで折込チラシが入っているの・・・?」
妻「#red#チラシ寿司#/red#だから」
悪びれる様子も無く言ってのけた妻に、男はつい怒鳴ってしまった。
男「何だよ#red#チラシ寿司#/red#って!安静にしなきゃならない時にワケワカラン物作るなよ!?」
妻「はわわっ、ゴメンナサイ!作っている内に美味しそうに見えて、ついつい食べちゃったの!先に食べちゃってゴメンナサイ、あなたのも残しているから、一緒に食べよ?怒らないで、ね?」
怒鳴っていた男はハッとして、妻がチラシ入りチラシ寿司に対して一切疑問等を抱いておらず、さも当たり前の様に扱っている点に気付いてしまった。
尚、事故前に何度かちらし寿司を作っているが、#b#当然ながらチラシ入のチラシ寿司を作ったことなんて1度も無かった。#/b#
退院して暫くの間、妻の身体に問題があるように見えなかった。むしろ事故前と対して変わりがない様に見えた。
だからこそ、今の今まで#red#脳に致命的な障害が残っていた#/red#ことに気付かず、こんな形で思い知らされてしまった。
そのことを知った男は膝から崩れ落ち、泣いた。
妻「ご、ごめんね。泣いちゃうほどちらし寿司が食べたかったんだね。ゴメンネ、明日からまた頑張って作ってあげるから。泣かないでね?」
泣いている間、不安に駆られていた。今後この状態の妻を守りぬくことが出来るのか?と。
だが男はその不安を拭い、妻を抱きしめた。
男「ゴメンな、大丈夫だから。俺がずっと守ってやるから、ずっと側にいるから・・・!」
妻「どうしたの急に抱きついて?・・・でも、ありがとね。これからもよろしくね。」
---(長いのでまとめ)---
交通事故により意識不明の重体となった妻が奇跡的に回復。
リハビリによる回復も著しく早く、予定よりずっと早く退院することが出来た。
退院後、入院中に夫に迷惑を掛けたことのお詫びと、妻自身の退院祝いを兼ねてちらし寿司#red#(刻んだ折込チラシ入り)#/red#を作った。
今の妻にとって「ちらし寿司のチラシって新聞に挟まっているアレよね?タダ同然だから家系にも助かるわー」という認識らしい。
夫が帰宅後、そのチラシ(入り)寿司を平然と美味しそうに食べている妻を目の当たりにし、妻の脳に障害が残っていることに気付いてしまい、泣いてしまったのだ。
担当医が尽力を尽くしてくれたお陰で、外傷は全く目立たなくなったのだが、意識は戻らない状態が続いた。
担当医「最善を尽くしましたが、予断を許さない状態です。奇跡的に意識が戻ったとしても、何らかの後遺症が残る場合もあります。」
男は担当医の言葉を聞いて絶望を感じたが、意識が戻らない嫁の為にと毎日帰社後にお見舞いへ向かう等、とにかく尽力を尽くした。
2ヶ月程で奇跡的に意識が戻り、リハビリでの回復も著しく早く、想定よりずっと早い時期に退院することが出来た。
退院して数日後、つまり現在となるわけだが、定時前の男の携帯電話に妻から電話が掛かってきた。
妻『退院祝いにあなたの大好きなお寿司を用意してるからね。』
男『うん?俺の好きなお寿司って、#b#ちらし寿司#/b#頼んだの?』
妻『ううん、あなたには入院の間に迷惑を掛けていたから恩返ししなくちゃって思って、作っちゃいましたw』
男『おいおい、病み上がりなのに無茶しないでくれぇ、何かあったらどーすんの・・・、分かった。もうすぐ帰るから待っててくれ。』
妻と電話でのやり取りをした後、残った要件をさっさと済ませ、定時で帰宅した。
帰宅から20分ぐらいで家に着き、リビングへ向かうと、妻は先に寿司を食べていた。
妻「あっおかえりー、美味しそうだったから我慢できなくて先に食べちゃった。ごめんなさいね。」
男はそれを見て愕然とした。酢飯に#red#細かく刻んだ折込チラシが入っている#/red#得体の知れないものを、妻が美味しそうに食べていたからだ。
男「・・・何、それ・・・?」
妻「何って?#red#チラシ寿司#/red#だよ。」
男「いや、なんで折込チラシが入っているの・・・?」
妻「#red#チラシ寿司#/red#だから」
悪びれる様子も無く言ってのけた妻に、男はつい怒鳴ってしまった。
男「何だよ#red#チラシ寿司#/red#って!安静にしなきゃならない時にワケワカラン物作るなよ!?」
妻「はわわっ、ゴメンナサイ!作っている内に美味しそうに見えて、ついつい食べちゃったの!先に食べちゃってゴメンナサイ、あなたのも残しているから、一緒に食べよ?怒らないで、ね?」
怒鳴っていた男はハッとして、妻がチラシ入りチラシ寿司に対して一切疑問等を抱いておらず、さも当たり前の様に扱っている点に気付いてしまった。
尚、事故前に何度かちらし寿司を作っているが、#b#当然ながらチラシ入のチラシ寿司を作ったことなんて1度も無かった。#/b#
退院して暫くの間、妻の身体に問題があるように見えなかった。むしろ事故前と対して変わりがない様に見えた。
だからこそ、今の今まで#red#脳に致命的な障害が残っていた#/red#ことに気付かず、こんな形で思い知らされてしまった。
そのことを知った男は膝から崩れ落ち、泣いた。
妻「ご、ごめんね。泣いちゃうほどちらし寿司が食べたかったんだね。ゴメンネ、明日からまた頑張って作ってあげるから。泣かないでね?」
泣いている間、不安に駆られていた。今後この状態の妻を守りぬくことが出来るのか?と。
だが男はその不安を拭い、妻を抱きしめた。
男「ゴメンな、大丈夫だから。俺がずっと守ってやるから、ずっと側にいるから・・・!」
妻「どうしたの急に抱きついて?・・・でも、ありがとね。これからもよろしくね。」
---(長いのでまとめ)---
交通事故により意識不明の重体となった妻が奇跡的に回復。
リハビリによる回復も著しく早く、予定よりずっと早く退院することが出来た。
退院後、入院中に夫に迷惑を掛けたことのお詫びと、妻自身の退院祝いを兼ねてちらし寿司#red#(刻んだ折込チラシ入り)#/red#を作った。
今の妻にとって「ちらし寿司のチラシって新聞に挟まっているアレよね?タダ同然だから家系にも助かるわー」という認識らしい。
夫が帰宅後、そのチラシ(入り)寿司を平然と美味しそうに食べている妻を目の当たりにし、妻の脳に障害が残っていることに気付いてしまい、泣いてしまったのだ。
「【無制限扉】世界を繋ぐ『箱』の話」「1ブックマーク」
これは海外のネット掲示板での話。
「みんなはこんな経験はあるかい?」
とアップされた画像は、とある『箱』。
すると世界中から、
「僕の家かと思った!」「お前は俺か」「私も知ってる!」
と同意の意見が集まってきた。
カナダ、フィリピン、バングラデシュ、
ポーランド、ノルウェー、韓国…
もちろん日本にも、知っている人がいた。
思いがけず世界各地の共通点が見つかり、
気持ちを共有することとなったのだが、
さて、この『箱』とはなんだろうか?
「みんなはこんな経験はあるかい?」
とアップされた画像は、とある『箱』。
すると世界中から、
「僕の家かと思った!」「お前は俺か」「私も知ってる!」
と同意の意見が集まってきた。
カナダ、フィリピン、バングラデシュ、
ポーランド、ノルウェー、韓国…
もちろん日本にも、知っている人がいた。
思いがけず世界各地の共通点が見つかり、
気持ちを共有することとなったのだが、
さて、この『箱』とはなんだろうか?
15年11月15日 15:02
【20の扉】 [シトウ]
【20の扉】 [シトウ]
ゆるーい感じで。ご自由にご参加ください
解説を見る
お菓子(主にクッキー)の缶。
ただし、中身は裁縫道具。
「みんなは、クッキー缶と思って開けたら裁縫箱だった、ってトラップにかかったことある?」
というスレッドは、たちまち世界中の同意の書き込みで埋め尽くされた。
余談だが、シトウの家はマーブルチョコの筒を開けたらストロー入れだったことがあります。
ただし、中身は裁縫道具。
「みんなは、クッキー缶と思って開けたら裁縫箱だった、ってトラップにかかったことある?」
というスレッドは、たちまち世界中の同意の書き込みで埋め尽くされた。
余談だが、シトウの家はマーブルチョコの筒を開けたらストロー入れだったことがあります。
「愛と勇気だ!兎美ちゃん!」「1ブックマーク」
お兄ちゃんが大好きな兎美ちゃんは、ちょっとお馬鹿な10歳の女の子。
彼女が腕を振ると、たくさんの車がやってきました。
彼女は後悔しました。
どうして?
彼女が腕を振ると、たくさんの車がやってきました。
彼女は後悔しました。
どうして?
13年10月21日 20:37
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]
【ウミガメのスープ】 [彩蓮燈]
五作目です。勢い任せの馬鹿な妹って可愛いと思います。解説は【解説編】を参照してください。
解説を見る
こんにちは!
私は水平兎美、10歳。実は魔法少女なの!
あ、ちょ、待って!引かないで!本当なの!拾った杖が魔法のステッキで、魔法少女になっちゃったの!
そう、あれは今から一か月前……
(回想中)
…というわけで、今の私は学校の勉強と魔獣退治の二重生活を満喫しているんだ。不本意だけど…。
そして!今まさに、私の魔法少女の勘が、奴を敵だと言っている!
「ねぇ、亀夫くん。これとか…どう?似合うかな?」
「うん、きらきーは何でもよく似合うね…こっちはどうかな?」
似合ってないよ!
豚に真珠だよお兄ちゃん!
#big5#むしろそいつが豚だよっ!!#/big5#
そんな言葉を必死で堪える私の手の中で、握りしめた壁の破片がブレイクアウト。
魔法少女の握力×スピード×体重=破壊力は洒落にならない威力を生むらしい。でもそんなことは今は関係ない!
あの女はきらきー。
お兄ちゃんのクラスに二日前にやってきた転校生。
頭脳明晰で運動神経抜群の超人。
以前は都内の学校に通いテニス部のエースで生徒会長。
今までの人生で告白を受けた回数は118回。相手の男は全て玉砕。
尊敬する人は両親。将来の夢は愛する人のお嫁さん。
身長162㎝、体重46kg(2kgマイナスで学校には申請)、スリーサイズは87/56/85。
#big5#スリーサイズは87/56/85!(大事なことなので2回言いました)#/big5#
#b#アニメキャラか!!#/b#
2日間、自前の情報網でかき集めたプロフィールを叩きつける。
なにこれふざけてるの?#b#馬鹿なの?死ぬの?#/b#
特にこのスリーサイズとかなに?なんでウエストはほとんど私と変わらないのにバストは20cmオーバー?
おまけにお兄ちゃんを見るあの目だ。
「ちょっと派手じゃないかな…?」
「そんなことないって。すごく綺麗だよ、きらきー」
「あ、ありがとう…(///)」
……。
………。
#big5#…………雌の目をしている。#/big5#
私は魔法のステッキを構えた。
同時に犬と猫を足して2で割り損ねたみたいな生物が飛びだして叫びをあげる。(魔法少女のマスコットらしい)
「兎美ちゃん、ダメだよ!一般人に故意に魔法を使うのは禁止させてるんだ!」
#b#「大丈夫。これ誤射だから」#/b#
躊躇うことなく、ステッキを握る腕を振る。
彼女への精一杯の思い(サツイ)を込めて。
#big5#大破壊。#/big5#
そうとしか言えない嵐が吹き荒れた。
岩盤が裏返り、吹き荒れる風がプラズマ化し、割れた大地からマグマが噴き出す。
私を中心に半径15キロ圏内全てが、神々の怒りに触れて粛清を受けたかのような暴虐に晒された。
「……」(←私)
「……」(←マスコット)
「………」
「………」
「あっちゃー」
「えええ!?それだけ!?」
それだけ、って言われても。
これだけの大惨事だと逆に笑えてくるというか。
「それよりあの女は?#b#死んだ?#/b#」
「死んでないよ!魔法少女のステッキは人間に優しい素敵仕様だから、人には被害を出せないよ!」
「チッ、使えないなぁ…」
「魔法少女にあるまじき発言だよ!?」
まあいいや。
少なくともこれで、今日はお兄ちゃんとデートを続けようなんて考えは起きないだろうし。
魔法を使ったらお腹も減ったし、今日はお家に帰ろう。
「兎美ちゃん!街は魔法で戻さないの!?」
「行政にやらせればいいよ。癒着してる土建屋が喜ぶし」
「相方の変更を要求したい!」
その夜、テレビは昼間の事件で一色だった。
現場を映した番組は、【死傷者0の奇跡!】と銘打って大々的に取り上げていた。
映像の中ではパトカーや消防車、建築車両が数多く駆けつけて作業に従事している。
感謝してね。その仕事は私のおかげなんだよ。
そんな歪んだ優越感に浸っていると、お兄ちゃんが帰ってきた。
「お兄ちゃん遅いよ!こんな時間まで連絡もしないでー!」
「ごめんごめん、なんかすごいことがあって…携帯も壊れてさ。心配かけたのは謝るよ」
「それでも遅すぎるよ!こんな時間まで…何してたの?」
「うん。ほら、昼過ぎに謎の大災害があっただろ?その時クラスの女の子と一緒にいたんだけど…一人じゃ不安だからって、さっきまでその子の家に行ってたんだ」
………は?
「その子の両親が帰ってきたから、挨拶だけして戻ってきたんだ。ちょっと誤解されたり大変だったけど…」
…ゴリョウシンニゴアイサツ?
「お礼にまた食事でもって言われてるんだけど…そうだ。兎美も一緒にどうかな?すごく大きな家で、びっくりするぞ」
「……ウン、ソウダネ」
…デートから一足飛びで行っちゃったよ!?
もう笑うしかなかった。
私は虚空を見つめて空笑いをしながら、あの女の家に行くまでに、大量破壊魔法を習得することを堅く決意するのだった。
私は水平兎美、10歳。実は魔法少女なの!
あ、ちょ、待って!引かないで!本当なの!拾った杖が魔法のステッキで、魔法少女になっちゃったの!
そう、あれは今から一か月前……
(回想中)
…というわけで、今の私は学校の勉強と魔獣退治の二重生活を満喫しているんだ。不本意だけど…。
そして!今まさに、私の魔法少女の勘が、奴を敵だと言っている!
「ねぇ、亀夫くん。これとか…どう?似合うかな?」
「うん、きらきーは何でもよく似合うね…こっちはどうかな?」
似合ってないよ!
豚に真珠だよお兄ちゃん!
#big5#むしろそいつが豚だよっ!!#/big5#
そんな言葉を必死で堪える私の手の中で、握りしめた壁の破片がブレイクアウト。
魔法少女の握力×スピード×体重=破壊力は洒落にならない威力を生むらしい。でもそんなことは今は関係ない!
あの女はきらきー。
お兄ちゃんのクラスに二日前にやってきた転校生。
頭脳明晰で運動神経抜群の超人。
以前は都内の学校に通いテニス部のエースで生徒会長。
今までの人生で告白を受けた回数は118回。相手の男は全て玉砕。
尊敬する人は両親。将来の夢は愛する人のお嫁さん。
身長162㎝、体重46kg(2kgマイナスで学校には申請)、スリーサイズは87/56/85。
#big5#スリーサイズは87/56/85!(大事なことなので2回言いました)#/big5#
#b#アニメキャラか!!#/b#
2日間、自前の情報網でかき集めたプロフィールを叩きつける。
なにこれふざけてるの?#b#馬鹿なの?死ぬの?#/b#
特にこのスリーサイズとかなに?なんでウエストはほとんど私と変わらないのにバストは20cmオーバー?
おまけにお兄ちゃんを見るあの目だ。
「ちょっと派手じゃないかな…?」
「そんなことないって。すごく綺麗だよ、きらきー」
「あ、ありがとう…(///)」
……。
………。
#big5#…………雌の目をしている。#/big5#
私は魔法のステッキを構えた。
同時に犬と猫を足して2で割り損ねたみたいな生物が飛びだして叫びをあげる。(魔法少女のマスコットらしい)
「兎美ちゃん、ダメだよ!一般人に故意に魔法を使うのは禁止させてるんだ!」
#b#「大丈夫。これ誤射だから」#/b#
躊躇うことなく、ステッキを握る腕を振る。
彼女への精一杯の思い(サツイ)を込めて。
#big5#大破壊。#/big5#
そうとしか言えない嵐が吹き荒れた。
岩盤が裏返り、吹き荒れる風がプラズマ化し、割れた大地からマグマが噴き出す。
私を中心に半径15キロ圏内全てが、神々の怒りに触れて粛清を受けたかのような暴虐に晒された。
「……」(←私)
「……」(←マスコット)
「………」
「………」
「あっちゃー」
「えええ!?それだけ!?」
それだけ、って言われても。
これだけの大惨事だと逆に笑えてくるというか。
「それよりあの女は?#b#死んだ?#/b#」
「死んでないよ!魔法少女のステッキは人間に優しい素敵仕様だから、人には被害を出せないよ!」
「チッ、使えないなぁ…」
「魔法少女にあるまじき発言だよ!?」
まあいいや。
少なくともこれで、今日はお兄ちゃんとデートを続けようなんて考えは起きないだろうし。
魔法を使ったらお腹も減ったし、今日はお家に帰ろう。
「兎美ちゃん!街は魔法で戻さないの!?」
「行政にやらせればいいよ。癒着してる土建屋が喜ぶし」
「相方の変更を要求したい!」
その夜、テレビは昼間の事件で一色だった。
現場を映した番組は、【死傷者0の奇跡!】と銘打って大々的に取り上げていた。
映像の中ではパトカーや消防車、建築車両が数多く駆けつけて作業に従事している。
感謝してね。その仕事は私のおかげなんだよ。
そんな歪んだ優越感に浸っていると、お兄ちゃんが帰ってきた。
「お兄ちゃん遅いよ!こんな時間まで連絡もしないでー!」
「ごめんごめん、なんかすごいことがあって…携帯も壊れてさ。心配かけたのは謝るよ」
「それでも遅すぎるよ!こんな時間まで…何してたの?」
「うん。ほら、昼過ぎに謎の大災害があっただろ?その時クラスの女の子と一緒にいたんだけど…一人じゃ不安だからって、さっきまでその子の家に行ってたんだ」
………は?
「その子の両親が帰ってきたから、挨拶だけして戻ってきたんだ。ちょっと誤解されたり大変だったけど…」
…ゴリョウシンニゴアイサツ?
「お礼にまた食事でもって言われてるんだけど…そうだ。兎美も一緒にどうかな?すごく大きな家で、びっくりするぞ」
「……ウン、ソウダネ」
…デートから一足飛びで行っちゃったよ!?
もう笑うしかなかった。
私は虚空を見つめて空笑いをしながら、あの女の家に行くまでに、大量破壊魔法を習得することを堅く決意するのだった。