みんなのブックマーク

解説

「#b#犯人はあなただ#/b#!!」

探偵カメオは幾人もいるギャラリーの中からカメコを指さす。


「私には殺せないわ!!　だってあの場に凶器はなかったんだもの!!」

冷凍庫の中に転がる#red#刺殺体#/red#。
消えた凶器を盾にカメコは身の潔白を訴える。


けれどもカメオは静かにある事実を突きつける。
「カメコさん、あなたの作ったウミガメのスープは『#red#常温で液体の食べ物#/red#』ですよね？」

崩れ落ちるカメコ。
なぜなら凶器である#b#氷のナイフ#/b#はカメコの胃の中に消えてしまっていたのだから。


要約解説：カメコはウミガメのスープを凍らせた凶器で人を殺し、それを溶かして飲みこむことで証拠隠滅を図った。
探偵カメオにその事実を指摘され、カメコは自身の身の破滅に恐怖したのだった。

カメオが通う学校は、#b#男子校#/b#。
女子との出会いが少ないカメオの学校では、「女子っぽい男子」「可愛らしい見た目の男子」が大変モテる。
そしてカメオのクラスメイトであるウミスケくんは、男子にしてはパッチリとした瞳にサラサラの髪、優しい性格の持ち主で頭も良いため、クラスのマドンナ扱いをされていた。

だが勿論、クラスで一番可愛いとはいっても彼は健全な男子高校生。
あくまで「男子校のマドンナ」であって本当の女子ではないため、大半の生徒は告白なんて真似はしない。
たまに思いつめた男子から告白されても、「マドンナ」は戸惑い、若干青ざめながら断りの言葉を口にするのだった。

飼育員「あー、最近松神の奴、バラン食べなくなったなぁ」

ここはラテラル動物園。#red#パンダの松神#/red#は、「バランを食べるパンダ」として人気者だった。
というのも、#red#食べさせているバランは竹笹を使った人工バラン#/red#であり、職員の弁当によく使われている。笹の香りが付いて食欲をそそるために開発されたらしい。
弁当を食べ終わった後は、バランはゴミになる。そのため、パンダの松神に食べさせているのだ。

基本的に１匹の動物には専門の飼育員がついていて、関係は良好だ。人間で言えば友達のような関係で、松神もその飼育員を友達と認識していた。

ところが、ある日の弁当には竹笹バランが間に合わなかったのか、#red#プラスチックの人工バランが使われていた#/red#。そんなことなど関係なく、飼育員はバランを集めていつものように松神に食べさせていた。

飼育員「ほーら、大好きなバランだぞー」
松神「くえーっ（お、来たな）」※パンダの鳴き声はフィクションです
飼育員「こらこら慌てるな、ほらよ」
松神「くえーっ、くえ……く、くえ？（よしゃーいただきぃ……ってあれ、これ固いし噛み切れないぞ？）」
飼育員「ん、どうした？　ほれ、もう一枚」
松神「く、くえぇぇぇ！（や、やめろ、これ噛めない！　飲みこめない！）」

飲みこめていないのに無理やりプラスチック人工バランを詰め込む飼育員。

これ以降、竹笹バランでも松神は口にしなくなってしまった。
ちなみに普通の笹は食べるようだ。

#b#要約：今まで竹笹でできていたバランをパンダの松神はよく食べていたが、友人の飼育員からプラスチックのバランを無理やり食べさせられ、トラウマになってしまったから#/b#

【カメコの豆知識】
「バラン」というのは、元々植物の「ハラン」を切りだして作られた飾りなの。今ではプラスチックが主流だけれど、笹の葉バランもあるようね。お寿司屋さんでは笹の葉を切りだしてすばらしい飾りを施す職人さんもいるわよ。
ちなみにパンダは笹の葉だけではなく、馬肉も食べるそうよ。

今日は以前から楽しみにしていたクラブのイベントがある。

しかし田中は入院中。尿管結石。
明日は手術なのでもちろん外出許可は出ない。
石のせいでクラブに行けない。超悔しい。

田中はこっそり病院から抜け出すことを決意。意思は固い。

田中が入院しているのは3階の病室。
その病室のベッドの布団やらシーツやら履いていたズボンやらを結び合わせてロープ代わりのものを作った田中。

シーツの部分をベッドの足にくくりつける。蝶結び。

何度か引っ張って、大丈夫かなと思った田中は即席ロープを窓から垂らし、窓からの脱出を試みた。
でも窓から身を乗り出してすぐのところでベッドの足にくくりつけていたシーツが外れた。そりゃ蝶結びだからね。

3階の高さから急降下中の田中。
「これが夢だったらいいのに」と思った。

南無三。

徳川家康「だって俺、解く側（とくがわ）だもん」