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ウ
ミエは帰ってきたカメオがもっていたペットボトルの形に気づいた。

○を三つ重ねたような、オブジェ的な形状のボトル。

ペットボトルは、同じ商品でもいくつかの形状がありえる。

自販機用に、一定規格で自販機の中で詰まらないような形状に整えたものと、細長い８角形やオブジェ的な物など独特な形にした「手売り用」と呼ばれるもの。

カメオの塾と家までに、自動販売機はあるが、出てくるボトルはカメオがもって帰ってきた形状ではなく、凹凸の少ない円柱ボトルだ。

つまり、コンビニやスーパーなどでないとおしゃれな形状のボトルは売れないのだ。

もちろんどこかのコンビニに足を伸ばした可能性もあるが、それにしてはあまりにも帰りが早い。
塾が普通どおり終わって帰ってくる時間と変わらない。

「正直にいいなさい。どこに行ってきたの？」
「…図書館にずっといた。」
「塾、嫌い？」
「うん。だって、学校の勉強でやってることの繰り返しで、飽きちゃった。」
「今日だけいかなかったの？」
「…ごめんなさい、何回かサボった。」
「そっか。ちょっとノートもってきてくれる？」
「え？」

ウミエは、カメオのノートを見た。

父タイヨウに似たのか、字はそんなに上手くないが、内容は完璧だった。
自分も元家庭教師だったので、よくわかる。

しかも、わかりやすいように説明文を噛み砕いている。

そういえば、この子はテストで悪い点を取ってきたことがない。
通信簿も大体Ａ判定だ。

「うん、塾、やめよっか？」
「え、いいの！？」
「そうね。条件付！図書館で読んだ本の、感想文を週に一回お母さんに出すこと！何読んでるの？」
「やった～！ゲーテの詩集とか、小説とか、歴史書とか、手当たり次第に読んでるの。」
「そ、そう…。」

いろんな意味で息子の将来の姿が想像できなくなったウミエだった。

OLのアケミちゃんと、昼休憩に一緒にうどん屋に行くことになった細貝君。
細貝君はアケミちゃんの事が大好きで大好きで仕方がありませんでした。

細貝君の真正面に座るアケミちゃん。
やっぱり・・・・・かわいい・・・・・

目の前にある肉うどんをそっちのけにして、アケミちゃんに見とれてしまったようです。
見とれすぎた細貝君は、誤って箸を落としてしまいました。
細貝君は、その瞬間に卑猥な気持ちが芽生えたようです。

お箸を拾うと見せかけて、ちょっと拝借させていただきます（コラ）・・・・・・
すると、気の利いた店員が、すぐさま細貝君の元に新しい箸を持ってきました。
拒否する細貝君。彼の頭は食欲どころではありません。お察し下さい。

しかし、細貝君は驚愕の事実を知ることになるのです。

つづく。いや、つづかない？

カ
メオは超能力者。

特に、いわゆる「スプーン曲げ」に特化しており、金属（種類は問わず）で、棒状の食器（スプーン、フォーク、ナイフ、鉄箸など）を曲げる力だ。

お分かりだろう、使っている食器が曲がってしまうのだ。

しょうがないので、木や竹、プラスティック製の箸やフォーク、スプーンをセットで持ち歩いている。

面倒である。

いわく

「少年向けバトル漫画も、将棋も、敵が負けたら味方になって、ラスボス（王将）に立ち向かっていくわけだから、同じ展開でしょう。」

なるほど。

十円硬は約４．５ｇ



一億円相当　一千万枚で45,000,000ｇ



つまり45 t



それがキャッシュケースにぎっしり詰まっていた。




カメオには持ち上げることすら不可能だった。