「降り止まぬ雨、森の中の屋敷、隠された秘密」「1ブックマーク」
森の奥にひっそりと佇む豪奢なお屋敷。
森で道に迷ってしまった若い娘は、助けを求めその大きな扉をノックした。
ノックしてから五分ほど経過しただろうか…
娘が諦めかけて後ろを向いた瞬間、鈍い音をたてて扉が開いた。
扉の向こうに現れたのは見事な銀髪でお揃いの髭を蓄えた老紳士。
この屋敷の主人である男は、突然降り出した雨にやられ、
濡れ鼠になった娘を見て家の中に招き入れた。
話を聞くと男はこの大きな屋敷に一人で住んでいるという。
ちょうど風呂が湧いたところということで娘は勧められるがまま風呂を拝借した。
お湯の中に肩まで浸かり、よく温まってから風呂を出た。
タオルを頭に巻いて男の用意した服に着替えた娘に、夜も更けたので今夜は泊まっていきなさいと男は勧める。
娘は男の好意を素直に受け取り、夕食もご馳走になった。
娘はある違和感を感じていたのだが、男と話しているうちにそれが確信に変わった。
この男は秘密を持っている。
男もまた、娘が自分の秘密を知ってしまったことに気が付いた。
翌朝、娘がリビングのドアを開けると、そこには変わり果てた男の姿があった。
娘は改めて自分の考えが間違いなかったことを悟った。
一体何が起こったのだろうか?
森で道に迷ってしまった若い娘は、助けを求めその大きな扉をノックした。
ノックしてから五分ほど経過しただろうか…
娘が諦めかけて後ろを向いた瞬間、鈍い音をたてて扉が開いた。
扉の向こうに現れたのは見事な銀髪でお揃いの髭を蓄えた老紳士。
この屋敷の主人である男は、突然降り出した雨にやられ、
濡れ鼠になった娘を見て家の中に招き入れた。
話を聞くと男はこの大きな屋敷に一人で住んでいるという。
ちょうど風呂が湧いたところということで娘は勧められるがまま風呂を拝借した。
お湯の中に肩まで浸かり、よく温まってから風呂を出た。
タオルを頭に巻いて男の用意した服に着替えた娘に、夜も更けたので今夜は泊まっていきなさいと男は勧める。
娘は男の好意を素直に受け取り、夕食もご馳走になった。
娘はある違和感を感じていたのだが、男と話しているうちにそれが確信に変わった。
この男は秘密を持っている。
男もまた、娘が自分の秘密を知ってしまったことに気が付いた。
翌朝、娘がリビングのドアを開けると、そこには変わり果てた男の姿があった。
娘は改めて自分の考えが間違いなかったことを悟った。
一体何が起こったのだろうか?
13年06月30日 22:01
【ウミガメのスープ】 [水上]
【ウミガメのスープ】 [水上]
ノックスRさんにSPをして頂きました。
解説を見る
雨の音をつんざいて屋敷にノックの音が響き渡った。
屋敷の主人である男は久しぶりの来客に慌てて身支度を始めた。
「ズレてねぇかな?」
鏡で入念にチェックを入れ玄関の扉を開いたのは、ノックの音が聞こえてから5分後のことだった。
扉が開いた音で振り向いたのは全身濡れ鼠の若い娘。
「あんれま。全身びっしょびしょやないけ? どんした?」
「森で道に迷ってしまい、雨にも降られてこのありさまです。ちょっと休ませていただけませんか?」
「ほーかぁ、そりゃ大変だったべ。どーぞ、汚ねえ家だけど入んなさい入んなさい」
「いえ、とても立派な家…というよりもお屋敷ですね。すごく素敵です」
「ひいひいじいさんから受け継いだ家じゃから、だいぶガタがきとるし、俺一人しか住んでねから掃除も行き届かね。全く図体だけでけぇ家なんだわ」
そう言って男はカラカラと豪快に笑った。
キッチリとした身なり、銀髪でお揃いの髭を生やしたナイスミドルといった風貌だが、
話してみるととても明るく、見た目と男の使う訛り言葉のギャップが滑稽なこともあり、娘はつられて笑った。
「ちょうど風呂が湧いたとこなんだわ。そのままやと風邪ひいちまうけぇ、入ってきなさい。ちょっと大きいかもしれんがトレーナーがあるけ、服が乾くまでそれを着とけばええじゃろ」
「すいません、何から何まで…」
娘は素直に男の好意を受け取り、風呂を拝借した。
冷えた体をゆっくりと湯船に沈める。少し熱めのお湯が気持ちいい。
十分に体が温まり、ついでに頭も洗わせてもらおうと思ったがシャンプーがなかったので、体も洗わずに風呂を後にした。
脱衣場兼洗面所で濡れた髪を乾かそうと思いドライヤーを探したがそれもなかった。
仕方なく娘は頭にタオルを巻いて、男から手渡されたジャージを着て、男のいるリビングに入った。
「ほんとはふもとまで車で送っていってやりてぇんだけんども、あんたがくる前に一杯やっちまってねぇ。もう夜じゃし今日はここに泊まっていけばええよ」
娘は普通なら男が一人で住む屋敷に泊まるなんて考えもしないのだが、この男の持つ独特の雰囲気に好感を抱き、
「申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
と頭を下げた。
男が用意した食事をご馳走になった。
普通のよくある家で作るカレーなのだが、なんとなく美味しい気がする。
そのことを告げると、
「野菜は裏の畑で全部自家栽培しとるんだわ。美味いのは野菜のおかげ。カレーはこくまろじゃし俺の料理の腕も全然大したこたぁねえ」
そう言ってまた豪快に笑った。
その笑い顔を見ていると、その見事な銀髪と耳辺りの皮膚に違和感を感じた。
笑う度に皮膚は動くものの、もみあげ部分がそれにくっ付いていない。
そして娘は風呂場でシャンプーとドライヤーがないことを思い出し、あぁそういうことなのねと一人納得した。
食事も終わり夜も更け…
娘は空き部屋と布団を借りて、生乾きの髪を気にしながら眠りについた。
・・・
自分の寝室に入った男は娘と話していた時のことを思い出す。
娘の目線が自分の生え際をチラチラ見ていたことを。
(これはばれたな… ばれちまったものはしかたねぇ…)
・・・
翌朝…
昨日の雨は嘘のようにあがり、眩しい朝日が娘の目を開けさせた。
部屋に干しておいた自分の服も乾いている。
早速自分の服に着替え、男に礼を言おうとリビングに入った娘はあまりの眩しさに目をひそめた。
見事なまでに禿げ上がった頭を朝日が照らしている。
振り返った男は言った。
「俺はハゲ。それはもうハゲなんだ」と。
屋敷の主人である男は久しぶりの来客に慌てて身支度を始めた。
「ズレてねぇかな?」
鏡で入念にチェックを入れ玄関の扉を開いたのは、ノックの音が聞こえてから5分後のことだった。
扉が開いた音で振り向いたのは全身濡れ鼠の若い娘。
「あんれま。全身びっしょびしょやないけ? どんした?」
「森で道に迷ってしまい、雨にも降られてこのありさまです。ちょっと休ませていただけませんか?」
「ほーかぁ、そりゃ大変だったべ。どーぞ、汚ねえ家だけど入んなさい入んなさい」
「いえ、とても立派な家…というよりもお屋敷ですね。すごく素敵です」
「ひいひいじいさんから受け継いだ家じゃから、だいぶガタがきとるし、俺一人しか住んでねから掃除も行き届かね。全く図体だけでけぇ家なんだわ」
そう言って男はカラカラと豪快に笑った。
キッチリとした身なり、銀髪でお揃いの髭を生やしたナイスミドルといった風貌だが、
話してみるととても明るく、見た目と男の使う訛り言葉のギャップが滑稽なこともあり、娘はつられて笑った。
「ちょうど風呂が湧いたとこなんだわ。そのままやと風邪ひいちまうけぇ、入ってきなさい。ちょっと大きいかもしれんがトレーナーがあるけ、服が乾くまでそれを着とけばええじゃろ」
「すいません、何から何まで…」
娘は素直に男の好意を受け取り、風呂を拝借した。
冷えた体をゆっくりと湯船に沈める。少し熱めのお湯が気持ちいい。
十分に体が温まり、ついでに頭も洗わせてもらおうと思ったがシャンプーがなかったので、体も洗わずに風呂を後にした。
脱衣場兼洗面所で濡れた髪を乾かそうと思いドライヤーを探したがそれもなかった。
仕方なく娘は頭にタオルを巻いて、男から手渡されたジャージを着て、男のいるリビングに入った。
「ほんとはふもとまで車で送っていってやりてぇんだけんども、あんたがくる前に一杯やっちまってねぇ。もう夜じゃし今日はここに泊まっていけばええよ」
娘は普通なら男が一人で住む屋敷に泊まるなんて考えもしないのだが、この男の持つ独特の雰囲気に好感を抱き、
「申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
と頭を下げた。
男が用意した食事をご馳走になった。
普通のよくある家で作るカレーなのだが、なんとなく美味しい気がする。
そのことを告げると、
「野菜は裏の畑で全部自家栽培しとるんだわ。美味いのは野菜のおかげ。カレーはこくまろじゃし俺の料理の腕も全然大したこたぁねえ」
そう言ってまた豪快に笑った。
その笑い顔を見ていると、その見事な銀髪と耳辺りの皮膚に違和感を感じた。
笑う度に皮膚は動くものの、もみあげ部分がそれにくっ付いていない。
そして娘は風呂場でシャンプーとドライヤーがないことを思い出し、あぁそういうことなのねと一人納得した。
食事も終わり夜も更け…
娘は空き部屋と布団を借りて、生乾きの髪を気にしながら眠りについた。
・・・
自分の寝室に入った男は娘と話していた時のことを思い出す。
娘の目線が自分の生え際をチラチラ見ていたことを。
(これはばれたな… ばれちまったものはしかたねぇ…)
・・・
翌朝…
昨日の雨は嘘のようにあがり、眩しい朝日が娘の目を開けさせた。
部屋に干しておいた自分の服も乾いている。
早速自分の服に着替え、男に礼を言おうとリビングに入った娘はあまりの眩しさに目をひそめた。
見事なまでに禿げ上がった頭を朝日が照らしている。
振り返った男は言った。
「俺はハゲ。それはもうハゲなんだ」と。
「優しさの裏側」「1ブックマーク」
見
知らぬ地を旅する女
疲れきって凍えそうになりながら何とか安宿にたどり着いた
宿にいた客たちは彼女に一つしかない共同シャワーの順番を譲ってくれた
彼女は悪意に気づけなかった・・・
状況を説明して下さい
【参加テーマ・あれ、悪意だろ?】
知らぬ地を旅する女
疲れきって凍えそうになりながら何とか安宿にたどり着いた
宿にいた客たちは彼女に一つしかない共同シャワーの順番を譲ってくれた
彼女は悪意に気づけなかった・・・
状況を説明して下さい
【参加テーマ・あれ、悪意だろ?】
12年09月06日 07:00
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
【ウミガメのスープ】 [アザゼル]
解説を見る
女
はシャワー室に入る
ここのシャワー室はワンコインで三分間お湯が出る仕組みだ
コインを入れノズルを捻る 出てきたのは水!それも身も凍るような!
一分・・・二分・・・配管が冷えてるため中々お湯が出てこない
やっとお湯が出てきた頃に三分が終わったので彼女は新しいコインを入れやっと暖まった
彼女がシャワー室を出た時 そこにはすぐさま入れるように待ってる者達がいて彼女と入れ違いに次の者が入った
彼女は考えた
ここのシャワーは最初の三分は水しか出ないため真夏以外は単なる修行か拷問装置だ そのため誰もが最初の一人目を嫌がる そこに何も知らない自分がやってきたので・・・
まあ、これも旅の思い出さ・・・彼女は思い込み ベッドへ潜り込むのだった
はシャワー室に入る
ここのシャワー室はワンコインで三分間お湯が出る仕組みだ
コインを入れノズルを捻る 出てきたのは水!それも身も凍るような!
一分・・・二分・・・配管が冷えてるため中々お湯が出てこない
やっとお湯が出てきた頃に三分が終わったので彼女は新しいコインを入れやっと暖まった
彼女がシャワー室を出た時 そこにはすぐさま入れるように待ってる者達がいて彼女と入れ違いに次の者が入った
彼女は考えた
ここのシャワーは最初の三分は水しか出ないため真夏以外は単なる修行か拷問装置だ そのため誰もが最初の一人目を嫌がる そこに何も知らない自分がやってきたので・・・
まあ、これも旅の思い出さ・・・彼女は思い込み ベッドへ潜り込むのだった
「absenceの証明」「1ブックマーク」
「おい、この間の殺人事件でアイツ、クビだってよ。ほら、薄紫色の」
法規省での昼下がり。黒焦げの弁当を頬張りながら、座高の高い男が言った。
「え、アイツが?! 被害者が死後魂の残らない吸血鬼で、霊媒で犯人を確定できなかったとは聞いてたが……一体どうして?」
足の短い男が爬虫類のような目をぎょろつかせて驚くと、座高の高い男は話を続けた。
「ああ。なんでも、事件の容疑者にアリバイがあった所為らしい」
足の短い男は、ペースト状の何かを喉に流し込むと苦笑した。
「アリバイ? 瞬間移動や幻影の魔法でそんなのいくらでも覆せるじゃないか。それとも何だ? 幻影の魔法が通じない役人に取調べでも受けてたのか?」
「被害者の死亡推定時刻周辺は、友人らと一緒に居たらしい。だが、時々全員の監視下から外れることもあったし、そもそも、友人らのほとんどは簡単な幻影魔法に引っかかったから、証言の信用性は薄い」
「じゃあ、現場に結界や魔よけの呪いでもしてあったのか?」
「現場には、結界や魔よけも含む、あらゆる魔法の痕跡は無かった」
「おいおい、それじゃどうしてアリバイが成立するんだ?」
さて、何故アリバイが成立したのでしょう?
※問題文の通り、魔法・ファンタジー要素が前提となっています。
※会話風になっていますが、回答は出題者が行う普通のウミガメです。「座高の高い男」と「足の短い男」は真相には関係しませんので、ご了承ください。
※この問題は、ツォンさんの「魔導師探偵・T(世界観と“法規省”)」と「BAR LATEthink(解説でのお楽しみ)」へのダブルオマージュとなっています。ツォンさん、ありがとうございます。
法規省での昼下がり。黒焦げの弁当を頬張りながら、座高の高い男が言った。
「え、アイツが?! 被害者が死後魂の残らない吸血鬼で、霊媒で犯人を確定できなかったとは聞いてたが……一体どうして?」
足の短い男が爬虫類のような目をぎょろつかせて驚くと、座高の高い男は話を続けた。
「ああ。なんでも、事件の容疑者にアリバイがあった所為らしい」
足の短い男は、ペースト状の何かを喉に流し込むと苦笑した。
「アリバイ? 瞬間移動や幻影の魔法でそんなのいくらでも覆せるじゃないか。それとも何だ? 幻影の魔法が通じない役人に取調べでも受けてたのか?」
「被害者の死亡推定時刻周辺は、友人らと一緒に居たらしい。だが、時々全員の監視下から外れることもあったし、そもそも、友人らのほとんどは簡単な幻影魔法に引っかかったから、証言の信用性は薄い」
「じゃあ、現場に結界や魔よけの呪いでもしてあったのか?」
「現場には、結界や魔よけも含む、あらゆる魔法の痕跡は無かった」
「おいおい、それじゃどうしてアリバイが成立するんだ?」
さて、何故アリバイが成立したのでしょう?
※問題文の通り、魔法・ファンタジー要素が前提となっています。
※会話風になっていますが、回答は出題者が行う普通のウミガメです。「座高の高い男」と「足の短い男」は真相には関係しませんので、ご了承ください。
※この問題は、ツォンさんの「魔導師探偵・T(世界観と“法規省”)」と「BAR LATEthink(解説でのお楽しみ)」へのダブルオマージュとなっています。ツォンさん、ありがとうございます。
15年03月06日 21:04
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
【ウミガメのスープ】 [黒井由紀]
一言コメント欄
解説を見る
「……って話なんだけど、マスターは分かったか?」
横幅の広い男が、バーカウンターの向こうに声を掛けると、透明なゴブレットを持った男が返事をした。
「おそらくは。こういうことでございましょう?」
マスターは、横幅の広い男の前に空のゴブレットを置いて見せた。
「アブサンでございます」
横幅の広い男は、目の前に置かれたグラスの意味を測りかね、マスターに尋ねた。
「何だこれは。入ってねえ酒をどうやって飲めっていうんだ」
マスターは、薄い唇の端を少し持ち上げて頷いた。
「飲めませんよね。それと同じです。葬儀中の吸血鬼が容疑者だとしたら、殺人なんて出来るはずがありません。だって、魂がない死体なのですから」
マスターがそう言って笑うと、白々と光る牙が姿を見せた。
マスターが呪文を唱えるとごぼり、と音を立てて、ゴブレットの底から緑色の液体が湧きあがってきた。マスターはそのまま、ゴブレットに角砂糖を落とし、印を切る。青色の炎が角砂糖を包み込み、さらに、その炎を緑色の液体が包んで、宙に浮かぶ球となった。
横幅の広い男は、マスターの十八番である水の球を嚥下した。どのグラスで飲むのとも違う変わった触感は、この頃の魔界のトレンドだ。
マスターは、黄色の花がぽつぽつと付いた草をつまむと、バーカウンターに置いて見せた。
「アブサンの原料であるニガヨモギの花言葉は、「不在」です。彼がもうこの世界に居ないことは残念ですが、まずは潔白を示せたことから祝いませんか」
「ああ、そうだな。連中が無能なのはいつものことだが、まさか#b#葬儀中の魂のない死人を容疑者にして#/b#クビになる奴がいるなんて思わなかった。普段ならあいつの格好の肴になってただろうしな」
2人の男はバーカウンターを挟み、彼らの仲間の“不在”を想い、グラスをぶつけ合った。
横幅の広い男が、バーカウンターの向こうに声を掛けると、透明なゴブレットを持った男が返事をした。
「おそらくは。こういうことでございましょう?」
マスターは、横幅の広い男の前に空のゴブレットを置いて見せた。
「アブサンでございます」
横幅の広い男は、目の前に置かれたグラスの意味を測りかね、マスターに尋ねた。
「何だこれは。入ってねえ酒をどうやって飲めっていうんだ」
マスターは、薄い唇の端を少し持ち上げて頷いた。
「飲めませんよね。それと同じです。葬儀中の吸血鬼が容疑者だとしたら、殺人なんて出来るはずがありません。だって、魂がない死体なのですから」
マスターがそう言って笑うと、白々と光る牙が姿を見せた。
マスターが呪文を唱えるとごぼり、と音を立てて、ゴブレットの底から緑色の液体が湧きあがってきた。マスターはそのまま、ゴブレットに角砂糖を落とし、印を切る。青色の炎が角砂糖を包み込み、さらに、その炎を緑色の液体が包んで、宙に浮かぶ球となった。
横幅の広い男は、マスターの十八番である水の球を嚥下した。どのグラスで飲むのとも違う変わった触感は、この頃の魔界のトレンドだ。
マスターは、黄色の花がぽつぽつと付いた草をつまむと、バーカウンターに置いて見せた。
「アブサンの原料であるニガヨモギの花言葉は、「不在」です。彼がもうこの世界に居ないことは残念ですが、まずは潔白を示せたことから祝いませんか」
「ああ、そうだな。連中が無能なのはいつものことだが、まさか#b#葬儀中の魂のない死人を容疑者にして#/b#クビになる奴がいるなんて思わなかった。普段ならあいつの格好の肴になってただろうしな」
2人の男はバーカウンターを挟み、彼らの仲間の“不在”を想い、グラスをぶつけ合った。
「【雨待ちのさしゃこ】」「1ブックマーク」
さしゃこは足を滑らせたので雨を待った。
一体なぜ?
一体なぜ?
15年07月02日 16:52
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
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くっそぉ………明日が遠足だからってはしゃいでたら転んで捻挫した………ショボンヌ。
ちくしょおおおおお これじゃまともに歩けねえええええ。
明日の遠足なんざもう中止になれ!!!!!
オリオンやみん達ばかりに楽しい思いはさせねぇ。
今夜は雨乞いじゃ!!! 雨乞いじゃあああああ!!!!!
さしゃこは足を引きずりながらベランダに行き、
吊るしておいたてるてる坊主を引きちぎってゴミ箱へインした。
ちくしょおおおおお これじゃまともに歩けねえええええ。
明日の遠足なんざもう中止になれ!!!!!
オリオンやみん達ばかりに楽しい思いはさせねぇ。
今夜は雨乞いじゃ!!! 雨乞いじゃあああああ!!!!!
さしゃこは足を引きずりながらベランダに行き、
吊るしておいたてるてる坊主を引きちぎってゴミ箱へインした。
「【さしゃこの前進】」「1ブックマーク」
さしゃこの前進に喜んだオリオンは、みんから注意された。
一体どうしたの?
一体どうしたの?
15年05月18日 20:44
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
【ウミガメのスープ】 [のりっこ。]
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さしゃこ『ばぶぅ! ばぁぶぅう!!! (はよメシ喰わせんかい!!!)』
母オリオン『さしゃこ、はいはいしたぁ♪^^』
長女みん『ハイは1回でしょっ! みんにはいつもおこるくせに、
ママ、メッだよ!!!』
母オリオン『いや、そうじゃなくて………^^』
母オリオン『さしゃこ、はいはいしたぁ♪^^』
長女みん『ハイは1回でしょっ! みんにはいつもおこるくせに、
ママ、メッだよ!!!』
母オリオン『いや、そうじゃなくて………^^』