みんなのブックマーク

ラテミは知っていた。カメコがとても大人しく引っ込み思案で、自分から大勢の人の前に出るなど絶対ありえないことを。
そして、カメコがクラスメイトからのいじめにあっていることを。

だから、カメコが演劇の主役に選ばれたと動揺して泣いている様を見てすぐにピンと来たのだ。
クラスメイト達がカメコに恥をかかせるためわざとカメコを主役に抜擢したのだと。

私の友達をこんな目にあわせて……絶対に許さない。
必ず演劇を成功させて、クラスメイトに目にもの見せてやる。

ラテミはパニックで泣いているカメコを説得し、毎日稽古に付き合った。
ラテミに感化されたカメコも、クラスメイト達の罠に真っ向から挑む決意をし、必死に演劇の練習を重ねた。

学園祭当日。舞台の上にはかつてのおとなしいカメコからは想像もつかないほど、堂々と主役を演じるカメコの姿があった。
二人の努力が、クラスメイト達の企みを退けた瞬間であった。

先生が壊れた。気が狂ったのか、生きることに疲れたのか。

それは、授業中、突然だった。




先生「#red#動くな#/red#、#red#手を上げろ#/red#」




手にはナイフを握っている。
大半の生徒が怯え、手をあげたが一部の者は思った。

(#b#矛盾してね！？#/b#ここは…動かない方がいいのか？手を挙げるべきか…)



先生「グサッ」
生徒A「ぎゃあーー！！」


先生「ザクッ」
生徒B「ぐゎァぁ！！！！」



手をあげていない生徒を次々と#red#刺#/red#していく。


カメオ(ま、まずい！このままでは…一か八か、言うしかない！！)


カメオ「#red#先生#/red#、#red#矛盾してますよ#/red#」











先生「ブスッ」
カメオ「な、なにぃぃィい！！？」

男と女は腸ラブラブのカップル、かつチャット友達であった。
プライベートメッセージと言って、決まった相手だけにメッセージが送れる、そんなチャット。
チャット友達とは言うものの、もちろん互いに顔を知っているわけではない。
男も女もチャット上で仲良く会話している相手が自分の恋人だなんて夢にも思っていないのだった。
したがってチャット上で女と些細なことから激しい口論(煽り合いとも言う)になっても、
次の日仲良くデートに出かけるなんてこともあるのだった。

「30分で食べちゃった」
カメオから、1万円のフランス料理フルコースの感想をそう聞いたカメミは
「なんでそんなに早食いなの。もっと時間をかけて味わって、堪能すれば良かったじゃない。
　時給で言ったら2万円で、お店も喜んだでしょうね」と皮肉を言った。
カメオは、憤りはあったが納得し
「なぜ自分は、せっかくのご馳走を味わわなかったのだろう」と悔しく思った。

ラテオは国民的アニメのキャラである。
カメオがやるラテオのモノマネとは、「#b#ラテオの声を発している声優（ウミオ）のモノマネ#/b#」であった。
ある日、ラテオの声優であったウミオが体調不良を理由に声優業を引退した。
そうなると、当然ながら国民的アニメのラテオに声を当てる後任が必要とされる。
そして後任として白羽の矢が立ったのがカメオであった。
カメオは正式にラテオの声優として関わることになったのだ。
そうなると、もはや「ラテオのモノマネ」ではなく、「（二代目）#b#ラテオそのもの#/b#」として正式に扱われるため、モノマネという体では形式的に出来なくなったのであった。